「みずえちゃん」
「あ……石綿くん」
石綿くんの身体から心地よいぬくもりを感じると、私はゆったりとした安心感に包まれた。
(なんだろ……あたたかくて…うれしい……)
私の心の中に何かがゆっくりと拡がるのを感じた。
それが何なのか解らない…だけど、石綿くんとただこうしているだけでとても嬉しかった。
(…石綿くん…大好き)
この時から、石綿くんを思う私の気持ちが変わっていった……
私の思いが石綿くんへの恋だと気付くのに、それほど時間はかからず、私は彼に思い切って告白した……
石綿君は最初「自分みたいなオジサンでなくても」と渋ったが、
「でも、みずえちゃんの気持ちはすごく嬉しいよ」
と私の思いを喜んで受けてくれた。
その後、石綿君は私とお付き合いする事を挨拶に来て、両親にかなり色々と文句を言われた。
しかし私には、不機嫌な顔の両親や、申し訳ないと謝る石綿君が、何故か嬉しそうに見えて不思議な感じがした。
親子ほど歳が違う私達だったが、お付合いは順調に進み、初めてのクリスマスを迎えた。
「遅いなぁ、お父さん達…どうしたんだろ」
「おまたせ、みずえちゃん。遅くなってゴメン」
「きゃっ」
突然、後ろから現れた石綿君に私は驚いた。
「え?石綿君どうしてここに……デートは明日じゃ」
「お母さんからの伝言、『今日は昔を思い出して2人で食事に行きます』だって」
「お父さんは?」
「内緒みたいだけど、多分気付いてるよ……カンは良いから」
「そうだね…」
「家族一緒が良かった?」
「ううん、そんなこと無いよ」
「それじゃ決まり。何処か行きたいところある?…好きなところに連れて行ってあげる」
「うん、それじゃあ………」
私達は、映画やショッピングに行き、そして夕食をチョット有名なレストランのディナーでとっていた。
「今日は楽しかった。石綿君ありがとう」
「ううん、みずえちゃんが喜んでくれたら、それで嬉しいよ」
「でもよく此処の予約とれたね。友達の間で結構あこがれの場所なんだよ」
「そりゃあ、みずえちゃんと初めてのクリスマスだからね、色々と努力するさ」
「うふふ、うれしいな」
「ワインで乾杯しよう。遅くなる前に送っていくから、一口だけ付き合ってくれないかな?」
「……うん……乾杯」
私はワインを初めて飲んだ。少し胸が熱くなって変な感じがしたけど美味しかった。
「あとこれ、クリスマスプレゼント……」
石綿君は、どこからかリボンの付いた小さな箱を取り出して、テーブルの私の前に置いた。
「え…何、開けていい?」
「うん」
私が嬉しそうに開けるのを石綿君は少し緊張したような表情で見ていた。
「綺麗……ありがとう」
箱に入っていたのは綺麗な宝石の付いた指輪で、私は思わず呟いていた。
喜ぶ私の表情を見て、石綿君も嬉しそうに微笑んでいた。
嬉しさで少しテンションの上がってしまった私は、ワインをおかわりしてしまい、お店を出るときには
すっかり酔っぱらってしまっていた。
「お酒に弱いんだったら無理しなくても」
「いしわたさん、ごめんなさい……でも、うれしくて」
「いいよ、喫茶店ででも少し休んでいこうか」
石渡さんに支えられながら、街を歩いている私は酔った勢いで彼に甘えた。
「今日は、何処でも好きなところに連れて行ってくれるんだったよね」
「うん…何処か行きたい所あるの?」
「私……あそこで休みたい。石綿君と一緒に……」
「えっ!?、みずえちゃん……」
石綿君は驚いた表情をして私の指が指す方向をみた。そこにはラブホテルの看板が輝いていた。
石綿君は何とか思い留まらせようとしたが、酔った勢いで思いっきり駄々をこねる私と一緒に
ラブホテルへ入ってくれた。
部屋に入ってシャワーを浴びた私は、酔いが醒めて自分の行動が恥ずかしくなった。
「どうしよう…こんな所に連れ込んで……」
私は浴室から出ると、バスタオルを巻いただけの格好でベットに座った石綿君の前に行った。
「石綿君…我が儘ばかり言って…ごめんなさい…でも、私……本気で好きだから……」
私は一気に話すと、目を閉じて彼の返事を待った。
(あ……)
彼の両手が私の肩に触れたとたん、思わず逃げるようにピクンと身体を竦めてしまった。
石綿君は、そんな私の身体をそっと抱き締めながら、あやすように優しく頭を撫でてくれた。
「みずえちゃん、無理に背伸びしなくてもしなくて良いんだよ」
「……石綿君、やっぱり私のこと…」
「子供扱いしてるんじゃないよ。みずえちゃんのこと好きだから、今、無理して後悔して欲しくないんだ」
「ううん、後悔なんかしないよ、だから……お願い」
私は彼の背中に手をまわすと、彼の顔を上目遣いに見つめた。
「ううっ…み、みずえちゃん、その表情でお願いは反則だよ……」
「う…ん…」
彼は顔を赤くしてそう言うと、私を強く抱き寄せるようにして少し強引なキスをしてきた。
「ん…あん…んむ…」
(やっ、舌が……こんなの初めて、これが大人のキス)
「ん、んん…ん…はぁぁ……」
石綿君との大人のキスは、ぞくぞくと何かエッチな感じがして、緊張した身体の力が抜けていった。
彼の心臓の音が私に、私の心臓の音が彼にドクドクと大きく響いていくのが感じる。
「ずっと好きだった女性にあんな風にお願いされたら我慢出来ないよ」
(…ううん、我慢しなくていいの)
彼の腕が私を強く抱き締める度に、お腹の奥がきゅう…っと変な風に疼いてせつなくなる。
「みずえちゃんの全部が…欲しい……」
「…はい」
私は、石綿君の腕に抱き締められ、キスされただけで頭がクラクラするような感じに包まれた。
彼に促されるようにしてベットに座ると彼の手がタオルの合わせ目に伸びてきた。
「……あっ」
石綿君は、思わず身体を硬くした私を心配そうに見つめ、優しく声をかけてくれる。
「やっぱり怖い?」
私は黙って大きく首を横に振ると、彼の首に腕をまわして身体を預けた。
(何でだろ…こうして石綿君の体温を感じるとすごく安心する)
まだ少し心配そうな石綿君に私は微笑みかけると
「裸を見られるのがチョット恥ずかしかっただけ、もう大丈夫」
と言って、彼に自分からキスをした。
タオルを外し、生まれたままの姿でベットに横になっている私を、彼はゆっくりと眺めた。
「みずえちゃん、綺麗だよ」
「やだ、そんな風に見ないで、恥ずかしいから」
私が小さくイヤイヤをしながら手で隠すと、石綿君の手がそれを阻んだ。
私の両手を封じた状態で、胸やおへそ、ふとももの内側など私の身体のあちこちに彼の唇が触れて来た。
「きゃっ、ヤダッ…そんなとこ恥ずかしいよ」
「みずえちゃんが恥ずかしい所にキスして、恥ずかしく無いようにしてあげる」
「ダメッ、ああぁ……」
(頭の芯が痺れていく……やだ、変な声が出ちゃうよぉ)
「んんっ、きゃうん……あ……んう…ああ…」
石綿君の触れた所から身体が熱くなり、身体の芯が痺れて動けないような感じになってくる。
いつの間にか自由になっていた私の両手は、快感に耐えるようにシーツを握りしめていた。
(やだ、意識がどっか飛んじゃいそう…)
石綿君の愛撫に感じすぎて、意識が朦朧していると、私のアソコに何か熱いモノが触れてきた。
「みずえちゃん、いい?入れるよ……」
「え…う、うん…いいよ…」
「出来るだけ優しくするから、少し痛いかもしれないけどチョット我慢してね」
「うん」
そう言って力を抜いた瞬間、彼のモノが私の膣内に入ってきた。
「ううっ…ッ…痛ッ……あぁっ……」
私の中で鈍い痛みが純潔の証を失った事を教えてくれた。
好きな人と一緒になれた嬉しさと、初めての痛みとで私の頬に一筋の涙が流れ落ちた。
「みずえちゃん、大丈夫?」
石綿君は、私を気遣いながら優しく涙を拭ってくれた。
「うん、まだ少し痛いけど大丈夫」
「ゴメン、少しだけ動くから」
「…あ…うう…ん…ああ…」
彼のモノが動く度、私の膣内から痛みとは別のものを僅かに感じた。
「あ、う…あん…ん…あ…ああ…」
彼の動きが少しずつ早く、激しくなっていく度に私の中に感じる何かも強く大きくなっていった。
「あん…はぁ…ん…あぁ…あぁ…や、なにか…来る…」
「うっ…いくよ」
「あっ、ああぁ…あ…ぁ…」
私の膣内に熱い奔流が流れ込んで来るのを感じた瞬間、私の頭の中が真っ白になった。
「みずえちゃん、大丈夫かい?」
「…うん」
私は、まだ少しボーとする頭で返事をすると、隣にいる石綿君の方に身体を寄せた。
「ねえ、ちゃんと責任取ってね?」
私のこの問いかけに、彼は私を抱き締めて答えてくれた。