後日………  
私たちは、いつものように学校は来ていた。  
休憩時間に、教室を覗くように此方を見る彼の視線に、私の心が昨日のことを思い出し、無意識に反応 
していたらしい。  
彼の目にどのように映ったのか解らないけど、私の過敏なまでの反応を見て、彼の心はおかしな風に変 
化してしまったようだ。  
――― 前は奥手で苦労したのに、こんなにHだったなんて……  
 
前回、私が失神したため、彼はおわずけになってしまい、悶々とした雰囲気を漂わせていた。  
しかし、私の身体が動くようになった頃には、出かけていた彼の両親も帰ってきて、慌てた私は逃げる 
ように帰ってしまった。  
さらに、その日の晩、彼に抱かれる夢を見てしまい、私は朝から彼の顔をまともに見れない状態で、彼 
のことを避けるような形になっていた。  
 
昼休み、いつものように来た彼は、「今日はいいよ」と遠慮する私に無理矢理マッサージを始めた。  
最初は抵抗した私も、匠くんの天使の掌に心ごとほぐされてしまい、されるがままになっていた。  
「……う〜きく、……あっ…ん……」  
――― えっ!…今の……何?  
私は自分が変な声を出した事に困惑した。  
いつもと変わらない極楽とも言えるマッサージを続ける彼は、  
「どうしたの?」  
とにこやかに私を窺った。  
「ううん、別に……」  
一瞬変な感じだったが、私は再び極楽気分に浸った。  
「……ん……んん………」  
――― やっぱり……何これ!  
別に変なところを触られているわけでは無い、しかし、確実に身体が熱くなってきている。  
怖くなった私は、彼にマッサージを止めさせようとした。  
………したのだが、身体も声も止めさせようとはしなかった。  
――― ええっ何で……止めさせないと……  
私は必死に止めさせようと思ったが、マッサージの気持ちよさに意識のどこかが反発して、私の身体を 
動かさなかった。  
 
――― うそ……どうして……  
私が必死になっている間も、彼はマッサージを続け、コリをほぐしながらジワジワと私を感じさせていた。  
――― 気持ちいいけど、駄目こんなの……  
「……ここも感じる?」  
「んっ」  
突然耳に吐息を吹かれ、私の背筋にゾクゾクッとした感覚が走った。  
彼はにっこりと微笑むと耳元に呟いた。  
「そんな表情されるとたまんないな……」  
――― 何のこと?って匠くんがやってるからでしょ!!  
私は、心の中で怒るとキッとにらんだ。  
「ほい、おしまい」  
「え……」  
彼は突然マッサージを終えると、困惑する私に「じゃ放課後待っててね」と言って、自分の教室に帰っ 
ていった。  
ぼんやりと彼を見送ると、残された私は、火照った体に悩まされた。  
――― やだ、もっとしてもらいたいって思ってる  
自分が学校の教室でこんな気持ちになっていることに気づき、愕然とした。  
私は慌ててトイレに行くと、手洗い場で鏡を見た。  
――― わたし、教室でこんなエッチな表情してたの?  
鏡に映った自分の顔は、ほんのりとピンクに染まり、瞳が潤んでいた。  
私は、慌てて顔を水で洗うと、教室に戻った。  
何となく男子の視線が気になったが、意識的に無視した。  
 
放課後、彼が来る前に私は急いで帰ろうとした。  
――― また、あんな風にされたら拒めない……  
 
彼のマッサージに身も心もほぐされることを喜んでいたが、今は怖かった。  
――― 匠くんの天使の掌は、私を解し、溶かしてしまう……  
教室を出ようとしたとき、丁度彼と鉢合わせになった。  
「おっと、待ってて言ったろ」  
「うっ……あの、用事あるから」  
私は逃げるように走って帰った。  
 
翌日、再び昼休みに彼はやって来た。  
私は抵抗したが、再び陥落してしまい、マッサージをされている。  
実は昨夜、何となく身体が疼き、思わず自慰をしてしまったのだ。  
しかし、自分でしても満足できず、無意識に匠くんの掌を求めている事に気づくと、眠れなくなってし 
まい、抵抗したくても気力が弱っていたのだった。  
「う〜ん……ん……あ……」  
――― また……やだ…昨日より感じる……  
普通のマッサージと同じようにしながらも感じさせられている。  
私は彼の掌で自分の性感帯を掘り起こされているのを感じた。  
――― あ、そこは……駄目……  
「んんっ………はぁ……」  
私が声を上げそうになる寸前に別の場所をマッサージする、彼は絶妙の感覚で私を翻弄した。  
――― 危なかった……  
私は教室だって事を忘れそうになる気持ちよさに、思わずヒヤリとしたが、そのドキドキ感も楽しんで 
いるような自分に驚いていた。  
――― やばいな……もしかして…私…危ない趣味の人かも……  
思わずそんなことを考えてると休み時間が終わった。  
「ねえ、今日……駄目?」  
耳元で匠くんが呟いた。  
「え…?」  
私は振り向いて彼の方を向くと、真剣な瞳にジッと見つめられた。  
 
「あの……」  
「嫌ならいい、無理にして嫌われたくないから」  
「ううん、そうじゃ……」  
――― あ、まって……そうじゃないの……私は……  
「一緒に帰るくらいはいいだろ?また後でな」  
彼は、戸惑い口ごもる私に、軽く笑いかけると教室を出ていった。  
「あ……」  
私は彼を呼び止めようとした手をガックリと下ろすと机に突っ伏した。  
――― 奥手なときはよかったのに、彼から求められると……私、駄目だ……  
昼からの授業は全く頭に入らなかった。  
 
放課後になると、彼が来る前に逃げ出したかった。  
しかし、今日もそんなことをすれば彼を傷つけると思い、じっと待っていた。  
――― 遅いな……  
私は、みんな帰って人のいなくなった教室で、一人自分の席に座っていた。  
ふと廊下を見ると女の子と楽しそうに話す彼が見えた。  
「え……なんで……」  
――― 私と帰るんじゃ無かったの………  
私は凍り付いたように身体と心が冷えていくのを感じた。  
 
それから、どれくらいの時間がったったのだろう。  
私は、自分が涙を流しているのに気が付いて、ハンカチを出そうとしたとき、足音が響いた。  
 
「遅くなってごめ……………」  
息を切らしながら教室に入ってきた彼は、私を見て立ちつくした。  
「ど、どうしたの………」  
心配そうに近づいて来る彼に、私は抱きついた。  
「馬鹿っ!」  
私は大きな声言うと、彼の胸に顔を埋めて泣いた。  
「ごめん………」  
彼は泣きじゃくる私を優しく抱き締めると、そっと頭を撫でた。  
 
涙が止まった私は、顔を上げると彼を見つめた。  
「遅いわよ、私待ってたのよ……」  
「本当にゴメン、実は……」  
彼はすまなそうな表情で理由を話した。  
簡単に言うと、最近ギクシャクしているので、彼氏持ちの彼女に仲良くする方法を教えてもらった。 
(+テストの時にノートも借りたそうだ)  
そのお礼で保健室でのマッサージをさせられていたらしい。  
私は、必死に説明する彼の瞳や、優しく包む彼のぬくもりに、心が温かくなっていくのを感じた。  
「うん、私こそごめんね……変に意識しちゃって……」  
お互いに謝ると、自然と見つめ合い、ゆっくりとキスをした。  
優しいソフトなキス。顔を離すと相手を慈しむように抱き締め合い、ゆっくりとした時間が流れた。  
――― あ…お腹に何か硬いモノが……  
私は何が当たっているのか解り、顔が真っ赤になった。  
「あの、その……」  
彼が顔を赤くしながら腰を引いた。  
「こうして好きな女の子と抱き合ってるとやっぱり……ね…」  
 
恥ずかしそうに話す彼に、私はそっとキスをした。  
「この間から、おあずけだもんね……」  
「おれ、すごく智佳が欲しい……もう我慢できない」  
すごく真剣な声と表情に、私の芯がたまらなく疼いた。  
「…うん、いいよ。私の身体も匠くんが欲しいって言ってるの……」  
私たちは再びキスをした。しかし、それはお互いを求める激しいモノで、身体を強く抱き締め合った。 
 
どれだけ抱き合っていただろうか……  
彼は、抱き締めていた腕を緩めて身体を離すと、私の腕を引っ張るように歩き出した。  
私は彼に連れられて、人のいなくなった放課後の廊下を歩くと、美術準備室に着いた。  
そこは普段、彼がみんなに有料マッサージをしている場所で、人物画に使うソファーを改造した簡易ベ 
ットがあった。  
彼は、私をソファーベットに座らせると両肩に手を置き、私の目をジッと見つめてきた。  
――― あ、そんな風に見つめられると……  
彼の真っ直ぐな瞳で見つめらると、胸のドキドキが大きくなっていった。  
私を見つめたまま、彼は優しく話しかけてきた。  
「智佳、初めてがこんな場所でゴメン……でも、オレ…もう止まらない」  
「……」  
「智佳の全部が欲しい」  
「うん…いいよ……」  
私が小さくうなずくと、彼はキスをして、そのまま包み込むように抱き締めた。  
「好きだよ……」  
「あ…」  
彼は私をベットに押し倒すと、制服の上から全身を愛撫しはじめた。  
「あ…まって、チョット待って」  
「えっ、やっぱりまだ……」  
「ううん、匠くん。違うの…嫌じゃないの」  
「じゃあどうして」  
彼を安心させる為に、私は恥ずかしさをこらえながら話した。  
「服、汚したりするといけないから…全部、脱いでから……して欲しいの」  
彼は一瞬、何を言われたか解らなかったようだが、すぐに嬉しそうな表情でうなずき、  
「ゴメン。オレ、なんか焦っちゃって」  
と謝りながら、恥ずかしさで赤くなった私の頬をそっと撫でた。  
 
私は服を脱ぎ裸になると、ベットに寝て彼に身をまかせた。  
「あ…ん……あぁ、やぁん……」  
――― やだ……ゾクゾクして、なんかエッチな感じに疼いちゃう……  
いつもより激しい彼の愛撫に私の身体は熱くとろけた。  
「ん…あん……もう…変になっちゃう………」  
――― 匠くんを感じたい…もっともっとエッチなことして欲しい…  
私は、彼を受け入れると共に、彼を強く求めていた。  
「智佳、駄目だよ……そんな顔されたらたまらないよ」  
「え……」  
「そんなエッチな表情で見つめられたら、オレ、智佳の中に入れたいの我慢出来ない」  
「……いい…よ。我慢しないで…、私の初めてを匠くんにあげる」  
「……」  
「こんなコリ女の私を好きになってくれて嬉しかったの、そんな優しい匠くんが好きだからいいよ」  
「智佳……」  
彼は小さくうなずくと、身体をずらして自分のモノを私のアソコにあわせ、愛液で潤んだ秘裂をゆっく 
りとなぞるようにして位置を確かめてきた。  
「んん…」  
私は、秘裂に彼のモノが触れる度、身体が震えるような快感に襲われ、愛液が湧き出てくるのを感じた。  
緊張した顔の彼が、私の肩を押さえるようにすると、私の顔を見つめた。  
「いくよ……痛くて我慢できないときは無理しなくていいから」  
「うん…」  
私はうなずくと、目を閉じ身体の力を抜くように深呼吸をした。  
 
「んんっ。あ、痛っ! いたいっ」  
私の中に彼のモノが入ってくると、アソコを裂かれるような痛みが走った。  
「もう少しだから、力を抜いて」  
と彼の声が聞こえたような気がした瞬間、一気に身体の奥まで貫かれたような感覚に襲われた。  
「うぁっ、あぁ…」  
私は荒い息を吐きながら、痺れたように動かない体で、アソコから来る鈍い痛みと異物感を感じた。  
――― イタイ、痛いけど…彼が私の中に入ってる…一緒になれたんだ……  
痛がる私を気遣うように、彼は身体をピッタリとつけたまま、ジッと私が落ち着くのを待ってくれていた。  
少しして、身体が痛みに馴染んで落ち着くと、私は目を開いた。  
彼は、私と目が合うと「ごめん、チョットだけ我慢して」と言って、ゆっくり腰を動かし始めた。  
「う…ん……く……んん…」  
私が痛みに耐えながら彼のぎこちない動きにあわせて動くと、次第に彼の動きが早く、激しくなっていった。  
「うう、んあ……あ……くっ……ん……」  
「ううっ、ごめん…もう出るっ」  
彼の身体がさらに激しく動くと、突然彼のモノから熱いものが激しく放出され、子宮に流れ込んでくる 
のを感じた。  
「ああっ……」  
その瞬間、痛みとは別の感覚が私の中で広がり、意識を白く薄れさせていった。  
 
 
しばらくして、意識がハッキリしてきた私を、彼は心配そうに見つめながら、  
「大丈夫?動かなくなったから心配したよ」  
と優しく聞いてきた。  
「うん、大丈夫。まだ少し痛いけど」  
私が答えるとホッとした表情になり、指で涙の跡をそっと拭ってくれた。  
 
「オレばっかり気持ちよくなってごめん」  
彼は自分だけ気持ちよくなって達してしまったことを謝ってきた。  
「ううん、初めては痛いの覚悟してたからいいよ」  
と私が笑って言うと、安心したのかエッチな事を言いだした。  
「出来るだけ早く感じるように、これからたくさん性感マッサージをして開発してあげるから」  
「それは違うでしょっ!」  
その後もエッチな提案ばかりする彼に、少し腹を立てた私は、にっこりと微笑み、言葉の爆弾を投げた。  
「それより、もしもの時は責任とってね。そのまま中に出しちゃったでしょ?」  
「えっ?………ああぁっ!」  
さっきまでふざけていた彼の顔が、真っ青に変わっていくのを見て私は思わず吹き出した。  
――― 今日が安全日じゃなかったらどうするつもりだったのかな?  
――― おもしろいからしばらく内緒にしとこっと。  
 
 
3日後、私は苦悩した表情の彼に、放課後呼び出され、  
「子供が出来たら責任は取る。オレの高校卒業後に結婚してくれ」  
と真顔でプロポーズ?をされた。  
私もさすがに、これはマズイと思い、安全日だったから大丈夫と教えると、彼はホッとした表情をして 
大きく息を吐いた。  
安心した様子の彼を見て、私自身もホッとしていると、  
「でも、結婚しようと思ってるのは本気だからな」  
という言葉が耳に飛び込んできた。  
「えっ?」  
その突然の言葉に驚いて彼を見ると、彼は真剣な表情で私を見つめていた。  
彼は立ちつくす私を抱き締めると、もう一度「本気だから」と言った。  
私は彼に抱き締められながら、嬉し涙が止まらなかった。  
 

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