「……見ていたんですか!? 誰にも言わないで…… その…魔女扱いされます」  
   
 いつのまにそこに居たのだろう。  
 浅黒い肌をした長身の男…… 怪我をしているのか、包帯を頭に巻いている。  
   
「そうかい? 素晴らしい力だと思うがね。 力は行使してこその力 ……違うかい?」  
   
 それが少女とその男との出会いだった。  
 今まで彼女の力を見た者は例外無く気味悪がり、疎み、異端視してきたと言うのに……。  
   
 少女はふいに何度も聞かされた、父と母の出会いの話を思い出していた。  
 宝石の魔力を操る母と、何も知らなかった父。  
 二人は母のそんな力とは関係なくただ純粋に恋に落ち、母が自分の力を明かした時にも父は……  
   
『君は君だ…… 力なんて、使う人次第で良くも悪くもなるもんだよ。  
 君がそんな力を持って生まれてきたのは、きっと何か意味が有るはずなんだ。  
 だから怖がる事なんか無い…… 僕は君の全部が大切なんだから』  
   
 そうして父と母は結ばれて、フロレットとサテラが生まれたんだって。  
 もしかしらた貴方が……   
   
――――私の運命のひと――――?  
   
「まあ…… ではお母様を訪ねてアメリカから?」  
「直接面識は無いがね。 まあ…… 遠い親戚…… かな?」  
   
 夢見がちな少女は何の疑いももたず、彼を屋敷へと案内した。  
 この先、どれほど過酷な運命が、彼女と一家を待ち受けているかも知らず。  
   
   
「お父様っ! お母様も……」  
「全く…… 大人しく言うことを聞けばいいものを、無謀な賭けが好きな連中だ」  
 燃え盛る炎を背に、男は、アイオーンは立っていた。  
 その背中に大きく広がるのは悪魔の翼。  
   
「仕方が無い、代役に手伝ってもらうとするか……」  
 冷たい男の視線が少女の瞳を射抜く。  
   
「あなたが、どうしてあなたがお母様たちを!!」  
「何がおかしい? 今日顔をあわせたばかりの人間など、役に立たないなら殺すだけだ。  
それとも、信じていたのかこのオレを? ……陳腐だな、バカな娘だ」  
   
 フロレットの心を絶望が満たしてゆく。  
 自分が淡い想いを抱いた男の正体が悪魔で、目の前で両親を惨殺されたのだ。  
 絶望が怒りに変わり、少女の心を真っ黒な炎が燃やしていく。  
   
「許しません、絶対に!!」  
   
 少女の右手、指に挟まれた宝石が光を放つ。  
「姿成せ、清廉なる9月!」  
   
 巨大な戦乙女が召還され、アイオーンが立つ場所を大鎌が薙ぎ払った。  
 咄嗟に飛翔し身をかわすアイオーンの後ろで、石造りの屋敷の壁が音を立てて崩れ落ちる。  
   
「ほう…… これはこれは」  
   
―――――――― 母親よりも、数段強い力!! ――――――――  
   
 アイオーンが再度鎌をギリギリでかわし、突撃した次の瞬間、回転した鎌の柄が回りこんでその胴を強烈に薙ぎ払う。  
 壁まで吹き飛ばされてそれを突き破ると、その上から瓦礫が容赦なく降り注いだ。  
   
……やった!? いや、まだだ。  
   
 戦乙女同様に、油断無く鎌を構えたフロレットの姿は清冽に美しかった。  
   
「宝石を作るだけじゃなく、盾に使ってもやってもいいな」  
 瓦礫の中から立ち上がったアイオーンが、やれやれと言わんばかりに首をコキコキと鳴らす。  
「悪いな、もう少し遊んでやりたいが、こっちはホーンを無くしたばかりであまり余裕が無いんだ」  
   
 突如、アイオーンが飛翔し、弾丸のようにフロレットに迫る。  
 咄嗟に迎え撃つ戦乙女の鎌――――!  
 しかしそれに構わず突進したアイオーンは瞬時に大鎌の間合いを侵し、その腕が鎌の柄を振り払う。  
 いかに気丈で大きな力を持っていても、フロレットが戦うのは初めてだった。  
 まして、召還者の攻撃に真っ向から突っ込んでくる者など知らず、その心は少女そのもの。  
 引く事もできずに立ちすくむフロレットの手から宝石が奪われ、光を失うと同時に戦乙女も姿を消す。  
   
「残念だったな、仇を討てなくて……  
あらためて頼みたいのだが、我々にその力を貸してはくれまいか?」  
 ギリリと憎しみにゆがむフロレットの表情。  
「お父様、お母様を殺しておいて、何を今更!」  
 そう、この男は同時に、自分の淡い恋心さえ打ち砕き、踏みにじった。  
 少女はこの悪魔を否定することでしか、もう自我を維持することさえ出来ないのだ。  
   
「それならそれで構わないがね、紳士的にいきたかったのだが。  
別段、従わせる方法なぞいくらでも有る、とくにオレにはな」  
 アイオーンの顔が凶悪な笑みを浮かべる。  
   
 その身体に刻み込んでやるよ、  
   
――――オレがお前の運命だ――――!  
   
 アイオーンの手が乱暴に、フロレットのスリップを捲り上げると、未だ肉付きの薄い少女の腰が晒された。  
 間髪をおかず、少女の股間にその手が当てられる。  
   
「ひぃっ、いやああぁぁ!!」  
 パニックに陥った少女が、ようやく伸びきったばかりのか細い肢体で、暴れだす。  
 しかし細い腕は簡単に押さえつけられ、両掌が飛来した悪魔の翼に貫かれて地面に縫いつけられた。  
「きゃああぁぁ!!」  
 激痛に悲鳴を上げるフロレット。  
 そしてすらりと伸びた脚も、アイオーンの後頭部から伸びた触腕に絡まれて、中空に引きずり上げられ固定される。  
 唯一残った片足も、瞬時に胴を抱えられ膝を割られてしまえば為すすべも無い。  
 痛々しい程華奢な身体を、アイオーンは好き放題に下着の上から撫で回し、真ん中の細い布に爪を掛けて断ち切った。  
   
「だめぇ!! 見ないで、見ないでぇ!!」  
 産毛しか生えていない幼い少女の股間を隠すものは何も無く、縦筋1本のそこは未だ生殖器と呼ぶのは早すぎる。  
 強引にその肉を割ると中は、肉芽や襞もあまり発達しておらず、ピンク色をした平坦な肉壁の様に見えた。  
   
「いやぁ!! いやああぁぁ!!」  
 爪を収めたアイオーンの手が、粘膜の中心を探り、少し後ろに指を這わせると徐々に力を加えてゆく。  
 その奥に沈み込むような感触は、何も無いように見えたそこに、少女の入り口が確実に開いてかれている証だ。  
「ひぅっ痛いっ! ひいぃっ!!」  
 ズブズブと指を差し込んでいくと、濡れてさえいない幼い膣は傷ついて赤いものが滲みでた。  
   
「オレの身体は悪魔の中でも特別でね、自分のレギオンを相手に植えつける事で、そいつを強制的に従わせる事ができる。  
一種のギアスだ」  
「おまえの腹の中に、オレの一部をたっぷりと植えつけてやろう」  
   
 アイオーンは股間の巨大に屹立したものを少女にあてがうと、恐怖に引きつる少女の柔肉を慈悲も無く一気に貫いた。  
 
「痛いっ! ぎいいぃぃ! イタイッ!!!」  
 人間ならば男の方も痛いだけの生木を引き裂くような感触も、悪魔の剛直にとっては心地よい刺激でさえある。  
 強引に突き入れると未熟なフロレットの膣は処女膜はおろか、入り口の粘膜まで引き裂かれて鮮血が噴出した。  
   
「ひぎいいいぃぃぃっ、イタィイタイッ! やめてぇ!!」  
 交互に襲ってくる灼熱した槍に貫かれるような痛みと、内臓を引き摺り出されるみたいな感触に、  
フロレットはただ赤子のように泣き叫ぶ他に無かった。  
   
「しばらく我慢してろ、すぐに天国に昇らせてやる」  
 自分が射精する為だけの身勝手な動きで胎内を蹂躙するアイオーン。  
 幼女の凶悪なまでの締め付けも有って、すぐに腰の後ろから射精感が高まってくる。  
「んっ、く、っ」  
 少女の股間にガシガシと腰を叩きつけ、子宮口を突き上げた瞬間、  
アイオーンはまるで用を足すような気軽さで、少女の腹にぶちまけた。  
「!? ひいぃ、ひいいぃぃ!」  
―――― ビュクッ ビュクッ ビュクッ ――――  
 凶器の先端から少女の純潔を穢す、致命的な毒が何度も放たれ、フロレットの内臓を欲望で白く染める。  
   
「嫌っ! いやあぁぁ!!」  
 今まで感じた事の無い、胎内に溢れるおぞましい感触に、フロレットが恐怖の声をあげる。  
 何が起こったのかさえ知らない無垢な少女の中に、おびただしい悪魔の精液がドプドプと注がれた。  
   
「あぁ……」  
 突然腹の中で粘液がトプリと波打った。  
 膣内に飛び散った粘液が、まるで触手を縮めるように、一箇所に集まっていく。  
 それは単なる粘液ではない、意思を持った群魔、アイオーンの分身が塊をつくると、アメーバー状の個体となって  
フロレットの子宮頚管にぬるりと忍び込んだ。  
 
「ひいいいぃぃぃ?!」  
 ゾロゾロと腹の中を這い進む、生き物の感触にフロレットが恐慌に陥る。  
 群魔は幼い子宮の中を這い上ると、その底にべったりと張り付いて胎盤に擬態し、少女の身体から養分を吸い上げはじめると、  
同時に自らの神経を少女に侵入させて、フロレットの知覚を残したまま、群魔は女性器の運動神経と自律神経だけを支配してゆく。  
   
 少女の膣が、自然に入り口の強すぎる戒め解く。  
 代わって膣壁が充血をはじめ、粘膜が男根を柔らかに包み込む。  
 痛みが弱まった彼女の四肢が弛緩し、そのかわり腰の後ろに力が篭り、快楽を貪る準備を整える。  
 何も知らない少女の身体を操り、群魔は彼女に女の快感を得る方法をすばやく教え込んだのだ。  
   
 次にズルリと男根が引かれた瞬間、全身に走った感触に少女の肌が粟立った。  
 再度ずぶりと差し込まれて声が上がる。  
   
「あぁっ、はああああぁぁぁぁぁ!!」  
 信じられない程官能的な甘い声。  
 たった一度の抜き挿しで、少女は軽く達してしまっていた。  
   
――――ずるり――――  
「ひんっ」  
――――ずぶり――――  
「ひぁっ」  
   
 ずちゃっ、 ぬちゃっ、 ずぶっ、 ぬぷっ、  
「はんっ、 はうっ、 あぁっ、 はぁっ、 はあぁっ、あああぁぁ……」  
 アイオーンの腰が容赦無くフロレットに快楽を叩き込んでいく。  
「いやあぁぁ! どうしてっ、どうしてぇ?!」  
 幼い身体に芽生えた信じられない快楽の芽が、少女の理性を蝕んでいく。   
 彼女に操られている自覚は無い、ただ本能的に自ら男根にしゃぶりついているようにしか感じられないのだ。  
 フロレットは自身の女性、雌の性に絶望して冷たい涙を流した。  
   
「くっ、くっくっ…… 気分はどうだ?  
オレに従うと誓えばお前の自我は残し、このまま良いおもいをさせてやる。  
さもなければ魂を喰らい尽くし、ただの操り人形に堕としてやろう」  
   
「いやあああぁぁぁぁ、いやああぁぁ、 はあああぁぁぁ……」  
 泣きながら、拒みながら、それでもその声はもはや快楽の喘ぎだ。  
「まだ拒否できるとはな ……ますます気に入ったぞ、だがこれでも我慢できるか?」  
   
 アイオーンが抜けるぎりぎりまで腰を引いて止まる。  
「はあっ、はぁっ、はぁ、はぁ」  
 少女の身体から凶悪な快感が薄れてやっと息を付く、しかし次の瞬間その身体を苛んだのは飢えだった。  
 欲しい、飲み込みたい、犯されたい、突いて、もっと突っ込んで欲しい。  
   
 その間にアイオーンの股間が変化を始める。  
 屹立した男根の付け根がむくむくと盛り上がり、大きくこぶ状に膨らんだ。  
 突如、表面の皮膚が裂けたかと思うと中からずるりともう一つの亀頭が出現したのだ。  
 アイオーンの意思で自由に動く第二の男根が、少女の菊門にあてがわれる。  
   
「はぁ、はぁ、はぁ……」  
 フロレットはもう、その異常な事態にうろたえもせず、期待に目を潤ませて侵入を待ち望んだ。  
「欲しいか? どうだ、欲しいと言ってみろ」  
「いゃ、ぁ……」  
 快感の刺激に飢えて、その身を震わせながらも少女の声は拒む。  
 求めてしまったら全てが終わってしまう。  
 本能でそれを察して少女は悪魔を拒絶する。  
 
「……はっ、ハッハッハッ……」  
 正直アイオーンは驚いていた。  
 ウブな少女など、快楽を刷り込めば簡単に意のままになると思っていたからだ。  
 こんなに弄んで楽しめる魂は初めてだった。  
 悪魔の快楽に身を焼かれながらも、穢れを知らない純粋な乙女の心を、こいつは永遠に失わないだろう。  
「面白い、気が変わった。 魂を喰らうのはやめだ。  
今度達した瞬間にオレの能力全部を叩き込んで、魂と意識だけを頭の中に残して、操り人形の身体の中に飼ってやろう」  
   
 言うなりアイオーンは腰を打ち込んだ。  
「はうううぅぅぅ!!」  
 二本の巨大な男根が秘裂と菊門を貫くと、その容積で腹の内圧があがり、目に見えて少女の腹部が膨れ上がる。  
 アイオーンがゆさゆさと腰を揺らす度、彼女の腹はぼこぼこと波打つのだった。  
   
「はぁ、はぁ、はあぁ、はっ、はあ、はぁ……」  
   
 突き入れられると腹の中が満たされ、快感に全身が震える。  
 また抜かれると空ろになった肉体が切なくて死にそうになる。  
   
 無情にも少女は気づいてしまった。  
 もう一度身体の奥にあの液体を注がれない限り、この空虚は満たされないのだと。  
 そしてそうなったら、自分はもう戻れないのだと。  
   
「いやあぁ……いやあぁ……」  
 徐々に高まっていく性感は、少女の破滅への秒読みだった。  
「ああぁっ! ああああぁぁぁ!!」  
 アイオーンはその絶望を長引かせるように、わざとゆっくり腰を使い、少女の肉欲を引き摺り出す。  
 ずるり、ずるりと腹の中で動くたびに少女の震える肉と愛液が纏わりついて、最初とは比べようの無い心地よさが  
アイオーンの男根を包んでいる。  
 そして少女もまた爛れた肉で剛直を味わい、もう引き返せないところにまで来てしまっている。  
   
「いやぁ、なにかっ、くるのっ、だめぇ!」  
 直前で踏みとどまろうと耐える少女の肢体がピクピクと震えるが、それは所詮一瞬のあがきにすぎない。 むしろ……。  
   
「ぃっ…… くううぅぅぅ!!!!」  
 最後まで溜め込まれた性感は開放される瞬間、電撃となって全身を駆け抜けた!  
   
「くっ……終わりだ」  
 ガクガクと絶頂に震えるフロレットの腹の中に、二本の肉茎が同時に熱い粘液を吐き出した。  
 ドクドクッ!と強烈な勢いで少女の秘洞に撃ち込まれた悪魔の分身は、ゾロゾロと雌肉の器官を遡るだけでなく、  
少女の震える子宮や腸の粘膜にも侵食して、その全身を犯してゆく。  
「ああぁ! あひいぃぃ! ひいいぃぃ……」  
 断末魔の快楽がフロレットの全身に染み渡っていく。  
 身をよじって痙攣するその身体の中心にアイオーンは容赦無く、凶悪な欲望をドクドクと注入する。  
「くっ……くっくく……」  
 目の前の幼い雌の全てを支配し尽くす快感に、アイオーンの喉はうめきとも笑いともつかない音を漏らした。  
 フロレットの中に生み出された快楽ですら、アイオーンが放った毒はドロドロに溶かし、貪っているのだ。  
 それはまるで獲物を捕らえた蜘蛛のようで、違いは獲物の感覚だけを溶かし、支配して犯してゆくことだった。  
「ああぁっ! あああぁ!! ああああぁぁ!!!」  
   
 身体の中を吹き荒れる快楽の嵐に翻弄されながら、おぞましい化け物に自分の意識が囚われようとしている。  
 しかしすでに抗うすべは無く、フロレットにできる事はただ一つだけだった。  
   
 絶望に薄れる意識のなかで、彼女はそれを実行した。  
 
「ぐっ……!?」  
 突然フロレットの意識に紛れ込んだ激痛に、アイオーンは顔を歪めた。  
   
「ぐおおおお!!!」  
 感覚を共有したアイオーンが痛点の全てを針で刺されたような痛みに悲鳴をあげる。  
「なっ何を、がはぁっ!!」  
 かつて経験したことの無い、まさに断末魔の恐怖と痛み。  
「うおおっ! うをおおおぉぅ!!」  
 何度も身体が消し飛ぶような戦いを経験したアイオーンですら、少女の腹の上で涙を流し、うずくまって身動きできない。  
 直後、嘘のように唐突に全てが消滅した。  
   
「……っ、何だ …………一体何が」  
   
 フロレット顔を覗き込むとその瞳は光を失い、唇から大量の鮮血が流れ落ちた。  
 その口腔に指を突っ込んで探ると、かろうじて筋一つでつながっただけの肉塊が吐き出される。  
   
―――― 舌を、噛み千切ったのか。 ――――  
   
 少女の身体に感覚を伸ばし、その意識を探してみても、その残滓すら見つからず、フロレットの魂は消滅し、その身体同様に死に絶えていた。  
 フロレットの魂を弄んで快楽を得る事は、もう二度とできない。  
 アイオーンに叩きつけられたそれは、フロレットの絶対的な拒絶だった。  
   
「ちっ…… どいつもこいつも、バカな事を」  
 だがつぶやくアイオーンの表情に、先ほどまでの余裕は微塵も無かった。  
 年端も行かない少女に、悪魔は今まで生きてきた中で最大の精神的外傷(トラウマ)を植えつけられたのだ。  
   
 やがて拠り代を失ったアイオーンの分身も生命力を失って、弛緩した少女の中からドロリと溢れ出た。  
 アイオーンは混乱していた、この心の中で底無しに沈み込んでいく感情は、一体何だ!?  
 
「ひっ……」  
 傍らで息を呑む小動物の気配。  
 目を向けるとそこには、フロレットよりも更に幼い少女が、青ざめてガクガクと震えていた。  
   
「見たのか!?」  
「ひっ、ひいいぃぃ!!」  
 アイオーンが少女に歩み寄り、彼女の表情から心を覗く。  
「見たのか? と、聞いている……」  
 少女の顔に鋭い爪が伸ばされる。  
 彼女の表情に少しでも嘲りや侮蔑が混じっていたならば、即座に少女の命は絶たれていただろう。  
 しかし彼女の中には恐怖しか宿っておらず、頬に爪が触れた瞬間、ぴしゃり水音が響いて少女の股間を濡らした。  
 失禁と同時にその意識はぷつりと途切れ、少女は地面に崩れ落ちた。  
   
「は……は、はは」  
 何て脆い存在だろう、姉と違って全く話にさえならない。  
 支配する意義も、犯す欲求も、殺す意味さえ何一つ浮かび上がって来ない。  
 そう、人間の小娘など、自分にとって取るに足らない存在なのだ。  
「クックックッハッハッハッ」  
 先程までフロレットに抱いた恐れに似た感情も、全くの錯覚にすぎない。  
 アイオーンはそう結論づけて、フロレットの躯を抱き上げると、炎の屋敷を後にした。  
 
   
「オイオイ、派手にやっちまったボス」  
 仲間の下に戻ると、同じ罪人の一人ジェナイが、相変わらずの口調で話しかけてきた。  
「まあ、なりゆきでな ……見解の違いって奴だ」  
   
「元はオレたちの先輩…… 同じ離反者だが理解は示してもらえなかったな」  
 アイオーンの内心は複雑だったが、表面上は淡々と仲間に話しかけた。  
「だが問題ない、代わりが手に入った。 能力は脈々と受け継がれている、血はともかく ……な」  
   
 地面に横たえた少女をみる、罪人シェーダ。  
「アイオーン、この娘…… もう……」  
   
「使えるようにしろ、どんな状態でも構わないぜ」  
 最後まで拒絶しようと、欲しいものは必ず手に入れてやる。  
 そうだ、このジュエルサモナーの能力は必要なのだ。  
   
「ごめんネェ」  
 シェーダは彼女の運命を想い、ただそう一言口にした。  
 
 

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