「あの…ところで…あなたのお名前は…?」  
「あ……あなたのような人間に教える名前など…私は持ち合わせておりません…」  
舞凪(マナ)はその小さな身体を抱え込むように縮こまりながら、呟くように言った。  
「お…おいそんな冗談はいいからさ、ちゃんと自己紹介してくれよ」  
慶太(けいた)は軽い口調で舞凪に言ったが、舞凪は身体を抱いたまま  
視線をずらし、後ずさっただけだ。  
「お…お願いですからもっと離れて下さい!!手が触れるではありませんか!」  
「お前そんな言い方ないだろ?これから一緒に暮らしていくってのにさ」  
慶太は舞凪の言い方を注意するという格好で、その手をポンと少女の肩に置いた。  
ぞわっ……  
慶太の置いた手の位置、そこを起点として少女の身体が総毛だった。  
「なんで触るんですか!!汚らわしい!!身体が腐ったらどうしてくれるんです!!」  
少女は叫びながらバチバチバチッと正掌で慶太の頬を2〜3回、程突っ張った。  
紫龍一族の4つの属性である飛龍・地龍・水龍・雷龍の秘伎を統合し誕生した帝龍流。  
その奥義を究めた唯一の継承者である舞凪。その突っ張りの威力は横綱力士よりも強力だ。  
そのまま吹っ飛び、意識も吹っ飛んだ慶太は気を失った。口から魂らしきものが  
昇天しかけているのは気のせいだろうか。  
「い…生きてますか慶太さん!!」  
「慶太君しっかりして!!」  
あまりのできごとにぽかんと口を開け、見ていたクロと茜が慶太に駆け寄った。  
「舞凪さん!どうしてこんな酷い事するんです!?今すぐ慶太さんに謝ってください!!」  
クロが慶太を介抱しながら声を上げた。  
「あ…謝る…?」  
身体を頑なに抱き、ビクビクしながら舞凪は言った。  
「人間は下品で下等な生き物ですよ?指一本触れられるのもおぞましいです  
人間なんかと同じ空気を吸う事すら私には耐えられる自信がありません!!  
ですから…私だけの個室を要求します!!これは絶対に譲歩するつもりはありませんわ!!」  
 
「ふぅ……」  
あれから数日後、佐野 茜の家で2つしかない個室の占有権を  
取得した舞凪は椅子に腰掛けた。  
時刻は昼をまわった頃だろうか、茜は仕事へ行き、夜遅くに帰ってくると言っていた。  
クロと慶太は蒼鷹(そうよう)一族の織慧(おりえ)と共に朝早くから出て行った。  
何やらシュンジュクというところへ行くらしい。  
今、現在この佐野家にいる者は韓国より来日した山神霊(サンシンリョン)のナムのみ。  
それも今は再放送の韓流ドラマに釘付けだ。  
(今なら……)  
舞凪に出で立ちは少々問題がある。  
表情を悟られぬように顔を覆う狐の面に肌着である襦袢に着物。  
その着物が問題なのである。  
本来、着物という着衣は足元まであり、およそ『走る』という行為を  
想定していない作りである。  
が、しかし、帝龍流はクロとの戦闘においてみられたように  
激しい立ち回りに、間接伎を基調としており相手に組み付く速度、回避が  
重視される。結果、舞凪の着物は膝の上でカットされ、女性の股間を  
下帯…つまりは褌で覆う大胆な作りになっている。それに付け加え、ニーソックス…  
いくら紫龍一族が他部族との接触を断っていたとはいえ、  
これを考案した者の卑猥な思案が存分に盛り込まれた事に違いない。逆に言えば、  
他部族との接触を断っていたが為に何ら恥じることなく着衣として認められたといえるだろう。  
 
「……ん……」  
舞凪はそっとその下帯越しに股間に触れた。既にそこは微かな湿り気を帯びている。  
「は…く…」  
実は、個室を要求した事にはもう一つ、理由があった。  
帝龍流の奥義を会得するまでにおよそ物心ついた年齢から4属性の伎を叩き込まれてきた舞凪。  
同年代の者はなく、ただ一人で師より与えられる厳しい修練。  
ただひたすらに修練を重ねる日々は想像を絶する程のストレスがその精神を蝕む。  
そんな折りにふとした事からそのストレスを発散するために興じた事――――――それは自慰であった。  
「ん…ふ……くぅ」  
下帯の上からかるく秘部をさすり、その花弁のような唇からこもれる吐息。  
「ん…んんんっ……」  
十分に緩ませた事を悟ると少女は直に秘部に触れ、下帯の紐を解いた。  
愛液で濡れた下帯を口にくわえ、すううとその甘美なニオイを鼻孔に満たす。  
少女の秘部はその口を閉じ、まだ淡い恥毛すら生えていない年相応の  
女性器であった。その淫核にあたる部分に手をかざし、舞凪は唇を噛んだ。  
「あはっ…ん…んんんっ…くうううっ!」  
舞凪が手を当てた箇所が、ありえないモノがムクムクと顔を上げた。  
「はぁ…はぁ…んっ…んふっ…は…はぁ……」  
それは男性の性器から睾丸部を取り除いた肉棒であった。  
神経が連結しているのか天に向かって反り返り、どくどくと脈を打っている。  
紫龍一族の純血者にままある女性でありながらも男性器を持つ、特異な身体。  
普段は術式で隠しているが、ここ数日はご無沙汰であった。  
本来なら毎日、扱いてその青臭い精を存分に解き放つ事ができるのだが、  
新しい環境では、そこの住人の生活を数日、観察する必要がある。  
もし協力を求められた者が敵対する部族の者だったら?  
味方と言いつつも、その中に間者(スパイ)がいたら?  
そして――――――問題なく自慰ができる環境なのか?  
 
「が…我慢…できませんわ……た、溜まって……んんっ」  
そして一呼吸おくと、隠し持っていたコンドームを被せ、  
その繊細な手で軽くしごき、舞凪はピリピリとくる快楽に酔った。  
「こ、こんな…淫らな行為……見られるわけにはいけませんもの……くっ」  
自らの下着を口に、その匂いを嗅ぎながらの自慰。  
そんなものを他人に見られるわけにはいけない。  
「あはっ……すぅ…し、刺激的な…んっ…あはっんんっ」  
ギチギチに反り返った肉棒から下腹部にかけてチリチリと軽い電が走る、  
下腹部にわだかまりを感じ始めた。  
「ん…あ…でる…もう…ん…少し」  
舞凪はぐっと下帯を噛みながらシュッシュと音が出るほど激しく肉棒を扱き上げた。  
圧迫感が最高潮に達する。ぐぐぐっと煮立った精液が手の刺激によって肉棒の中を昇り始める。  
「はっ出る…で、出ちゃ…んあ…あはっで、出る」  
肉棒の中を精子が駆け上る感覚に舞凪は脳がとろけそうになった。  
椅子の上で腰に渾身の力を込め、グッと前のめりの姿勢を取った瞬間、  
「あはっあ……んんんうう〜!!」  
ぴゅっとその鈴口から透明な汁が飛び出し、  
間髪おかずびゅるるるっと白いゼラチン状の塊が飛び出した。  
数日、抜いていなかったから結構な量だ。  
コンドームの中で混じり合い、ぬるりとした感触が気持ち悪い。  
「はっ…は…はぁ…ん、くぅ…ん、んんっ」  
しばらくその小振りな尻を振るわせ、余韻に耽っていた舞凪、  
途端に来る脱力感を感じ、口に噛んだ下帯をもう一度鼻に押しつけ、嗅いだ。  
後はさっさとこのコンドームを処理して……  
「ほう……なかなかどうして…  
日本の元神霊(もとつみたま)はこうも性倒錯者が多いのかの?」  
その声にビクッとして舞凪は後ろを振り返った。  
「のう……舞凪?」  
そこには韓国の山神霊ナムが立っていた。  
 
続  
 

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