『うたかたの真実(丹)』  
 
 荒縄に締め上げられて吊るされている。薄い着物越しに伝わってくる痛み。  
体に打ち付ける竹べら。頭からかけられる水。そして容赦のない責め方たち。  
 丹は最近よくそんな夢を見る。それは懐かしき母の経験した記憶なのだろうか。  
無実の罪で捕らえられ拷問の末に非業の自害を遂げた母。  
その無念の思いがそんな夢を見せるのだろうか?  
 その晩も丹は見慣れた悪夢に耐えていた。  
「ぐっ!」  
 竹べらが肩口にめり込む。しかし悲鳴は無理やりに噛み殺した。  
あの誇り高い母の娘という自負心が丹にそれを許さない。  
 竹べらが、鳴る。立て続けに打ち付ける音。その痛みだけではなく、  
揺れる度に体に食い込んでくる荒縄の苦痛も相当なものだった。  
 頭から何度目かの水を浴びせかけられる。髪から水を滴らせて丹は意識を取り戻す。  
一瞬意識が飛んでいたらしい。  
 責め方たちが何か喚いているが知ったことではない。母も自分も無実だ。  
丹は虚ろな半眼で嘲るような笑みを浮かべた。そして言う。  
「私はやってない…」  
 責め方たちは肩をすくめる。いつもながらに丹のしぶとさに呆れた様子だった。  
普通ならここまで痛めつけられればあることないことしゃべってしまうものなのだろう。  
 責め方たちが何かひそひそと相談している。  
 丹は水で体に張りついた一枚だけの白い着物の裾から水を滴らせてそれを見ていた。  
胸の中には一つの疑問がある。なぜ母が自害したのか、ということだ。  
たしかに責め苦は相当なものだったがそれだけであの母が自ら命を絶つだろうか?  
 長い間抱いていた謎である。  
 しかし丹はその晩の夢の中で事の真実を知ることになる。  
 相談を終えた責め方たちは丹の両足を捕らえる。左右に大きく開き、膝の下に縄を通す。  
瞬く間に丹はM字開脚の姿勢で宙刷りにされた。  
「なっ…!」  
 あまりのことに悲鳴を上げてしまう。しかし責め方たちは丹の着物の裾を捲り  
彼女の秘部を完全に露出させてしまうのだった。  
 
「こんなッ! こんなやり方……!」  
 丹は羞恥に顔を歪める。責め方たちはまんざらでもない表情で一本の煙管を取り出す。  
そしてそれを…  
「わっ、嫌! 嫌だ!」  
 責め方たちはどこか愉快気に煙管の吸い口を丹の菊座に押し付ける。  
「あっ、嫌、そんなッ!」  
 煙管は丹の陰の筋肉をこじ開けて内部にまで潜り込んでしまう。  
責め方たちは黙って先端に火をつける。その顔はだらしなく鼻の下を伸ばしている。  
「くぅぅぅ……!」  
 違和感に呻く丹。直腸に流れ込んだ忌まわしい煙は直に吸収され、彼女の体を冒していく。  
「ぁ…ぅぅ…」  
 それは阿片だった。快楽は時として拷問に苦痛以上に有効なのだ。  
 丹に刺さった煙管がヒクヒクと動き、先端から立ち上った煙がせり出した陰の肉をなぜる。  
やがて体中がざわめきだす。丹は半ば泣きそうな顔で身を震わせている。  
「ぁ、ぁ、あぁ、ぁ、あ、ぁぁ、ぁあ、ぁ…」  
 緩んだ喉からだらしのない声が漏れてしまう。そのとき肉が音を立てる。  
「アっ!!! くぅ〜〜〜〜」  
 丹の左右の視線がずれる。容赦ない竹べらが丹のむき出しの陰核を叩いたのだった。  
「ぁッ!、あッ!、あぁッ!!!、あ!、ぁぁ!!、あっ…」  
 責め方は糸を引く竹べらで丹の恥部を何度もペチペチと叩いた。  
彼女はそのたびに鼻にかかった鳴き声をあげてしまう。  
「ぁあッ、ハぁやァッ!!、っひゃッ!、ひゃっ、ぁぁあんゥっ!!!」  
 次第にせわしくなっていく動きにあわせて丹は喘ぎ、身をくねらせる。  
そのたびに彼女を吊るす荒縄が軋み菊座の煙管が踊る。  
「ひっぃぃっ!!!!!!!」  
 丹はついに白目を剥いて口の端から泡を吹く。彼女の秘部からは一筋の小水が  
噴出して責め方の手を濡らした。袴まで汚された責め方はややいらだった様子で  
丹のソコを思い切り叩いた。  
「あひィっ!!」  
 体をびくりとさせて跳ねあがる丹。その耳元に責め方が囁く。  
『気ィ遣ってんじゃねえよ、このアマ』  
 しかしもはや丹に言葉を解する落ち着きなどない。だから決まり文句を繰り返した。  
「私はやってない……………。!!、あ、そんな、ア…ぁぁぁああああああああ!!!!!」  
 責め苦は続き、頭は真っ白になっていく。もう彼女はもう憚らない。  
「はぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」  
 阿片の快楽に屈した憐れな丹はこの世のものとも思えない嬌声を上げて快楽を貪る。  
 ふいに責めが途切れる。  
 その瞬間に一瞬だけ正気が戻ってきて冷や水を浴びせられたような気がした。  
しかしそれさえも異常な快楽に飲まれて細切れに吹き散らされてしまうのだ。  
 丹はもう考える力もなかったが漠然と思った。「死にたい」と。自分を支えていた  
矜持は既に崩れ落ちてしまっていた。(了)  
 

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