「メイベルさん?何してるんだ?」
「あ、ナバルさん。これはホシュの魔法よ。
こうやって、ホシュをしておけば、スレがダットの闇に堕ちずに済むの」
「はぁ?」
「神聖暦1999年の2ちゃんねる開闢以来、数多くのスレが建てられてきたわ。
でも、誰もが何の断りも無くスレを建てられるという自由度が、
過疎スレの大量発生という暗黒面を生んだの。
その事情は、この板がびいびいえすぴんくに移行しても変わらないわ。
それでウンエーの神官が、アッシュクの秘儀を行って、
伸びてないスレを、ダットの闇に葬るのよね。
そうでもしないと、スレが乱立しすぎて、収拾がつかなくなっちゃうから。
ダットとは、黒丸のしるしを持たないと入れない、それはそれは恐ろしい所よ。
そこに堕とされたスレは、普通の方法ではもう二度と目にすることは出来ないの。
この間までは、ニクチャンの賢者が救済処置をとっていたんだけど・・・」
「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・」
ホシュの魔法をかけていたメイベルは、解説モードに入ってしまった。
たじろぐナバルを尻目に、上に向けた右手の人差し指をくるくる回しながら、
絶好調で話し続けるメイベルを止められる者など、この世には存在しない。
「 ・・・ ま、ホシュとやらができたんなら、いいとするか ・・・ 」
腹を決めてメイベルの解説に付き合うしか、ナバルに残された道はないのだった。