ここで時間を一日巻き戻し、舞台を隣の部屋へと移して・・・  
 
7月6日午後9時頃、森永優の部屋にて。  
 
「・・・では、衣装はやはり・・・エプロンドレスでなくてはいけないのでしょうか・・・」  
「そのとーりっ! いい、陽菜ちゃん!?  
 相手ははるるん程のスペックをもってしてもあの調子の、最強の朴念仁の我聞くんなのよ!  
 彼を誘惑するのに、もはや“やり過ぎ”なんて概念は存在しなーいっ!」  
「は、はぁ・・・」  
「そうそう! それに陽菜さん、衣装を持ってるだけじゃなくて実際にメイドさんを演じたこともあるし、  
 メイドさんプレイにはうってつけですよ!」  
「あの・・・プレイ・・・って・・・」  
 
ちょっとした動揺に偶然が重なった結果、GHKの策に見事なまでに嵌められてしまった陽菜は、  
仕事を終えた後、優の誘いに従って彼女の部屋を訪れていた。  
そこで陽菜は翌日の、我聞の誕生パーティーでの立ち居振舞いについて、  
それはもう細かく指導されていたのだが・・・  
 
「い〜い、陽菜ちゃん? 男ってのはね、可愛い女の子にご奉仕されたら喜ばずにはいられない生き物なの。  
 学園祭で陽菜ちゃん達の冥土喫茶が流行ったのがいい証拠! どう、わかるでしょう?」  
「は、はい・・・確かに・・・それなら、社長にも意識して頂けるかも・・・」  
 
真剣な顔で我聞のことを気にしている陽菜を見て、優と果歩はニンマリと顔を見合わせるが、  
それはまだ彼女等の計画のほんの一部に過ぎない。  
 
「じゃあ陽菜ちゃん、次の段階へ進むとしようか」  
「え・・・まだ、あるんですか?」  
「ふはは! 甘い! 甘いよはるるん! ここまでは、あくまで事前準備よ!」  
「そうですよ陽菜さん! 勝負は彼奴めをホームグラウンド、陽菜さんのお部屋に連れ込んでからなのです!」  
「え・・・つ、連れ込む・・・です、か・・・」  
「そう! そこからが本当の勝負よ! そして勝利の鍵は・・・コ・レ♪」  
 
そう言って、心底楽しそうに優が取り出したモノは・・・  
 
「あ、あの・・・それ・・・」  
「そう・・・うふふふふ・・・コレの中身のとおりにやれば、どんなオトコだって一撃必殺間違いなしよ!」  
「いえ、その・・・明らかにいかがわしいと言いますか・・・それの中身って、その・・・」  
 
DVDと思われるパッケージに描かれた、裸の男女。  
下品な色の文字で散りばめられた卑猥な単語。  
極めつけに、“18禁”の文字。  
それはつまり、要するに・・・  
 
「あ、あ、アダルトなモノじゃないですかっ!」  
「そうよはるるん! オトコをモノにする一番の方法! それは至極単純明快!  
 身体を使ってトリコにしちゃえばオッケーなのよ!」  
「馬鹿なこと言わないで下さいっ!」  
 
恥ずかしいのもあるが、それ以上に自分がからかわれていると思い込み、陽菜は声を張り上げる。  
だが、そんな反応は優も果歩も折込済み。  
陽菜の激しい剣幕にも、怯むことなく真っ向から立ち向かい、  
 
「あーら陽菜ちゃん、馬鹿なことなんて心外だわね〜?  
 親しい仲の男女が愛を確かめ合うのに、これ以上確実なことは無いと思わない?」  
「そうですよ陽菜さん! 桃子みたいなお子様には真似できないことですよ!?」  
「そ、それは、なんていうか! その・・・本当に親しくなった後にすること、ですし・・・  
 それに、まだ・・・わ、私達・・・いえ、私には早すぎます!」  
 
逆に優と果歩から“ずいっ”と迫られて、やや後ずさりながらも反論を試みる陽菜だったが・・・  
 
「ふっふっふ・・・陽菜ちゃん、早すぎるなんて、本当にそうかにゃ〜?」  
「そ、そうですよ! 私だって、社長だってまだ高校生です! それなのに、そんなこと・・・」  
「じゃあはるるん、ここにある“18禁”の意味、知ってるかな?」  
「そ、それくらいは・・・18歳未満は見ちゃいけないっていう・・・私、まだ17ですよ!?」  
「ふふ〜ん♪ じゃあ陽菜ちゃん、我聞くんは明日で幾つになるでしょ〜か?」  
 
そう聞かれて、陽菜ははっとしたように目を見開いてから、俯いて言い難そうにぼそぼそと・・・  
 
「じゅ・・・18歳、です・・・」  
 
それを聞いて二悪人はいかにも悪そうな笑みを浮かべると、ここぞとばかりに陽菜を取り囲むように近づいて、  
 
「そういうこと! つまり我聞くん的には全然オッケーな訳よ!  
 そして見るのがオッケーなら、当然するのもオッケー!」  
「そうですよ! そしてお兄ちゃんは夢に見るほど陽菜さんのことが気になって仕方がないんです!  
 もしかしたら、もう既にお兄ちゃん、夢の中で陽菜さんを裸にして、  
 あんなことや、こんなこと・・・果てはなんと、あんなことまで!」  
「キャー! 果歩ちゃんと我聞くんのエッチー!」  
「か、かか、果歩さんっ!? 優さんもっ! な、何を言うんですか! しゃ、社長に限って、そんなこと!」  
 
暴走を始めた二人の話が聞くに堪えず陽菜は真っ赤な顔で止めに入るが、  
それで止まるようなこの二人ではない。  
 
「いーやはるるん、それは認識が甘いというものだよ」  
「お兄ちゃんに限ってとは言いますけど、お兄ちゃんだって中身は健全な青少年、  
 そーいうことしたい真っ盛りなオトコなんですよ?」  
「そ、そういうことって・・・で、ですが社長は、その・・・しっかり自制できる方ですし・・・」  
「そう、そこよ! 自制できるってことは、つまり我慢しているってこと。 違う?」  
「それは・・・」  
「だけど発散させない限りそういう欲求は溜まる一方・・・  
 満たされない心と身体を抱えたままでは情緒は不安定になるし、集中力だって散漫になる訳よね。  
 そうなる前に、我聞くんが抱え込んでいる欲求を満たして、発散させてあげること・・・  
 それって、秘書としての役目でもあるんじゃないかにゃ〜?」  
「そうそう! 社長と秘書は一心同体! お兄ちゃんの欲求は陽菜さんが解消してあげるのが、  
 自然なんじゃないですか!?」  
 
自然どころか暴論もいいところだが、ここに来るまでに散々動揺させられ、  
今また更に混乱している陽菜には真っ当な判断力は失われている。  
そうでなければ、本来なら凍りつくような視線で二人を沈黙させることなど訳も無いのだが・・・  
 
「ですが・・・本当に、社長は・・・私のことを・・・望まれて、いるのでしょうか・・・」  
「もちろんですよ陽菜さん! 家で陽菜さんのことを話してるとき、  
 結構本気で楽しそうなんですから! 今までからすればかなり脈ありになってきてるんですから!」  
「は、はぁ・・・」  
「それに陽菜ちゃん、これは陽菜ちゃんにとってもチャンスなのよ?」  
「わ、私に・・・?」  
「んむ! 何せ我聞くんはあの性格、不言実行とか何とか言って、  
 恥ずかしいことはなかなか口にしなそうだけど、何せ責任感だけは人一倍強い!」  
「それは、そうですが・・・それが一体・・・?」  
「つまり既成事実さえ作ってしまえば、間違いなく責任をとってくれるってことですよ!」  
「ええと・・・既成事実って、その・・・つまり・・・」  
「陽菜ちゃんの初めてを我聞くんに捧げさえすれば!」  
「お兄ちゃんは間違いなく陽菜さんのモノってことです!」  
「――――――っ!」  
 
その言葉の露骨すぎる意味に、真っ赤になった陽菜はただただ絶句するのみ。  
だが・・・彼が、我聞が間違いなく自分のモノとなる、という言葉・・・  
それは、前提から何から何まで疑わしいことだらけの二人の話の中にあって、  
珍しく陽菜にも違和感なく理解できるものであった。  
 
彼の性格から考えて、きっとそれは間違いない。  
だから、本当に彼が・・・我聞のことが好きならば・・・彼のことが欲しいのなら・・・  
それは確かに有効な手段なのかもしれない。  
・・・等と考えている間にも・・・  
 
「じゃーそういうことで、始めちゃおうか〜」  
「はいっ! さ、陽菜さん、しっかり見て覚えてくださいね〜!」  
「え・・・あ、は、はい? ・・・て、えぇえ!?」  
 
果歩と優に左右から挟まれて逃げられないようにされた上で、  
目の前のディスプレイでは例のDVDの上映が始まってしまっていた。  
 
「え・・・ええ!? えええっ!? ちょ、ちょっと、優さん!? これ、こんな・・・や・・・」  
「・・・・・・わ・・・」  
「どう? 折角メイドさんモノを選んできたんだからね〜、しっかりお勉強して、実践に役立てるんだよ〜?」  
「じ、実践って、こんな・・・こと・・・」  
「・・・・・・・・・」  
 
画面の中では、エプロンドレス姿の女優が、そのご主人という設定らしい男優のズボンを下ろし、  
そこから現れた男性のモノを唇と舌で愛撫するという、  
こういうモノを見た経験のない陽菜(と果歩)にはある意味刺激の強すぎる展開が繰り広げられていて、  
見ているだけでも恥ずかしいのだが・・・陽菜(と果歩)は目が、離せない。  
 
―――やだ・・・うそ・・・男の人の、ものを・・・口で、なんて・・・こんな、こと・・・  
 
「ねぇ陽菜ちゃん、この男優の人、すっごい気持ちよさそうでしょ〜?」  
「え・・・あ・・・」  
「こんなことされたらね、我聞くんもきっと、気持ちよくってこんな顔、してくれるんじゃないかな〜?」  
「しゃ、社長が・・・こんな・・・」  
 
その男優の表情は確かに気持ちよさそうで、そして余りに無防備で・・・  
 
―――社長が、こんな顔を・・・私が、こういうことをしたら・・・本当に・・・?  
 
「だから、しっかり見て、やり方を覚えること! い〜い?」  
「あ・・・は、はい・・・」  
 
反論することすら忘れ、陽菜は画面の中の男女にいつの間にか自分と我聞を投影し・・・その姿に、没頭してゆく。  
それがどれだけ異常な行為かは充分に認識できているハズなのに、  
それで我聞が悦んで・・・気持ちよくなってくれるのかと思うと、目が離せないのだ。  
やがて、画面の中で男優が果てて、口の中で放たれたモノを女優が飲み込む場面に至り・・・  
 
「ね、陽菜ちゃん・・・凄いでしょう・・・?」  
「は、い・・・でも、こんな・・・こと・・・」  
「これがね、男性の喜ぶ本当の“ご奉仕”なのよ?」  
「これ、が・・・?」  
「そう、普通だったら嫌がって絶対にやらないようなことを、進んでしてあげるの。  
 だって、ここまでされて・・・悦ばないオトコはいないんだから・・・ね?」  
「は、はい・・・」  
「陽菜ちゃん・・・できる? 我聞くんのモノに、ご奉仕できるかしら?」  
 
恥ずかしくて堪らなくて、鼓動はやたら激しくなるし、下腹部はじくじくと妙な疼きに襲われて落ち着かない。  
だが・・・既に陽菜は・・・  
 
「できます・・・社長に・・・気持ちよくなって頂けるなら・・・」  
 
優の思惑通りにすっかりその気にさせられたしまったことを自ら告白し、潤んだ目を優に向ける。  
その目に微かに宿る淫らな色とある種の決意を見て取って、  
優はにやりと微笑むと、陽菜の後ろに回りこんで背中からその身体を包み込むように抱き締める。  
 
「えらいわ陽菜ちゃん、じゃあ・・・次は本番だから・・・ちゃーんと、見ていなさい?」  
「は・・・い・・・」  
 
やがて優の言葉どおり、女優は四つん這いにされてスカートをめくり上げられ、下着をずり下ろされて、  
露わになった秘所に先程口で愛撫していたモノをあてがわれ・・・  
 
「・・・っきゃぁあ!?」  
 
それがじゅぶぶっ、と女優の中に突き込まれると同時に、陽菜が悲鳴のような声を上げる。  
はっとして、それまで画面に釘付けだった果歩が真っ赤な顔で振り向いたその先で、  
優の手が陽菜の胸と秘所を服の上からまさぐっていた。  
 
「やぁ! ひぁ・・・っ、ゆ、ゆう・・・さんっ! やめ・・・てぇ・・・!」  
「んふふー、いいから陽菜ちゃんは画面を見る!」  
「そん、な・・・ぁ! だめ、やめて・・・くださ・・・っ!」  
「あの女優さんは最初から気持ちよさそうだけど、女の子は初めてのときってすごく痛い思いをするのって、  
 陽菜ちゃんも知ってるよね?」  
「は・・・ひぁ! で、でもっ、それが・・・これと、なんの・・・関係、がぁ・・・」  
「我聞くんは優しいからね、あんまり痛がると途中で止めちゃうかもしれないでしょ〜?  
 だ・か・ら♪ こうやってお姉さんがじっくりとほぐしておいてあげるからね〜!  
 陽菜ちゃんは画面を見て、どんな風にするのか、しっかり覚えなさ〜い?」  
「あん・・・っ、は、ひ・・・っ」  
 
その言葉で納得してしまったのか、疼く身体と心が抑えられないのか、  
陽菜はそれ以上反論したりせず、びくびくと身体を震わせながらも言われた通りに画面に目を向ける。  
その先で行われている男女の営みや、そして自分の身体をまさぐる優の手にも先程のように我聞の姿を投影し、  
 
「あぁ・・・んく・・・ふぁ・・・あっ! ひ・・・ぁ・・・ん・・・ぅ」  
 
上擦った喘ぎ声を洩らしながら、陽菜はその空想に没頭してゆく・・・  
 
―――社長・・・社長・・・っ、しゃ・・・ちょお・・・!  
 
服の上からの緩慢な愛撫と、想像だけで決して実感することの出来ない画面の中の交わり。  
どちらも陽菜の情欲を掻き立てこそすれど、決して満たしてはくれない。  
陽菜はただただ喘ぎ、悶え続け・・・彼女の中で芽生えたばかりの淫らな劣情は、際限無く膨らみつづける。  
 
「ひ・・・んっ、あく・・・・・・ぅ・・・っふ・・・ぁ・・・あ・・・」  
「陽菜・・・さん・・・」  
 
初めて見るアダルトDVDに思わず釘付けになっていた果歩も、  
陽菜の洩らす彼女のものとは思えない艶のかかった喘ぎ声や真っ赤に染まった切なげな顔、  
潤みきった瞳に目を奪われて・・・  
いつしか画面そっちのけで、陽菜の痴態から目が離せなくなっていた。  
それくらいに、その姿は淫らで、そして魅力的だったのだ。  
やがて・・・  
 
 
「さーて、じゃあDVDも終わったことだし、そろそろお開きにしよっか〜! ね、陽菜ちゃん?」  
「あ・・・は、はい・・・」  
 
そう言って優が身体を離しても、陽菜はしばらくその場で座り込んだままだった。  
じっとりと汗をかいた全身をふるふると震わせて、喘ぐような呼吸を整えて・・・  
やがてふらり、と立ち上がると覚束なげな足取りでドアへ向かって歩いて行く。  
そんな陽菜の背中に・・・  
 
「ねぇはるるん、今日は満足できたかにゃ〜?」  
「・・・参考には、なりました・・・ですが・・・満足は・・・その・・・」  
「じゃあ、明日はちゃーんと我聞くんを捕まえて、満足させてもらわなきゃ、だね〜♪」  
 
どこまでも楽しげな優の声に、しばらく黙って立ちすくむ陽菜だったが、やがて・・・  
 
「はい・・・」  
 
とだけ答えると靴を履き、  
 
「今日は、ありがとうございました・・・では、失礼します」  
「んむ、苦しゅうない! ちゃーんと家でおさらいするのだよ〜!」  
 
そんな優の言葉を背中に受けながら、彼女の部屋を後にした。  
 
「優さん・・・これは・・・」  
「んー、どうやら成功のようだね!」  
「はい! 陽菜さんのあんなえっちな顔・・・あんな顔で迫られたら、いくらお兄ちゃんだってイチコロですよね!」  
「ふっふっふ、それは明日のお楽しみ、だね!  
 じゃー明日は集音機でも用意して、二人の記念の声でも永久保存しちゃおうかね♪」  
「あ、いいですねそれ! 今度私にも聞かせてください!」  
「ふふー、そう言えば果歩りんもDVDにかな〜り興味津々だったみたいだけど、  
 なんなら陽菜ちゃんみたく、教育してあげようか〜?」  
「え、い、いや! それは結構です! じゃ、じゃあ明日も学校ありますのでこれで! どうもお邪魔しましたっ!」  
 
なんとなく怪しい雰囲気を漂わせ、両手をわきわきとさせながら迫ってくる優から逃げ出すように、  
果歩も陽菜に続いて部屋を後にするのだった。  
 
 
「は・・・ぁ・・・っ」  
 
部屋に戻った陽菜は、火照りきった身体を冷ますべく、温めのシャワーを浴びていた。  
身体全体にじっとりと纏わりつく汗を流すのは心地よかったが、  
それでも・・・身体の内から滲み出てくる火照りと疼きは、少しも治まってはくれない。  
 
「ん・・・ぅ・・・ぅ」  
 
自分が、この身体が何を欲しているのか・・・もはや悩む余地も無い。  
優がしてくれた愛撫よりも、もっとずっと激しいことを・・・あの映像のような行為を・・・あの人に・・・  
自分の、秘すべき場所に、あの人のモノを・・・  
 
「あ・・・くぅ・・・んっ・・・ひぁ・・・ぅ・・・しゃ、ちょ・・・お・・・っ」  
 
そう思っただけで身体の疼きはより一層激しくなり、手が自然と、“そこ”へと向かってしまう。  
それが不毛なことだとわかっていても、却って切なくなるだけだとわかっていても、指は・・・止まらない。  
 
「あ、あんっ! んぅ・・・っく、あ・・・はぁ・・・! ひぁ・・・しゃちょ・・・っ、しゃちょおっ!」  
 
ざーっ、というシャワーの音とは異質な、くちゅ、ぬちゅ・・・と粘つく水音を響かせながら、陽菜は自らを慰める。  
蕩けきった、だがどこまでも物欲しげな、満たされぬ瞳に情欲の色を露わにして、  
陽菜は疲れ果てるまで、そこにはいない我聞を求め続けるのだった。  
 
 
そして――――――時間を戻して、今。  
 
 
陽菜は、求め続けた彼と・・・我聞と一つになろうとしている。  
はしたなくも彼の目の前でめくり上げたスカートの下には下着をつけておらず、  
じっとりと太腿まで濡れそぼった彼女の秘所を、我聞の目に晒し・・・  
 
「國生さん・・・凄い・・・濡れてる・・・」  
「はい・・・社長と、一つになれると思うと・・・私、もう・・・」  
 
スカートの裾を持ち上げたまま、座り込んだ我聞に歩み寄り、彼の腰を跨ぐようにして立ち、  
ゆっくりと膝を曲げて、腰を下ろし・・・  
 
「社長・・・私のこと、受け入れてくれますか・・・?」  
「こ・・・こく・・・」  
 
これから起こる事を想像してうまく言葉を紡げない我聞に全く遠慮することなく、  
濡れそぼった彼女の入り口を、硬くそそり立った彼のモノの先端に近づけて、  
 
「くぅっ!」  
「・・・んっ・・・」  
 
ちゅくっ、と。  
我聞の先端が陽菜の秘裂に触れたところで、二人は互いに身体をびくんと震わせて、そこで動きは止まり、  
 
「しゃ・・・ちょう・・・っ、私の、はじめて・・・もらって、くれますか・・・?」  
 
蕩けきった陽菜の顔と声。  
今夜これまでに体験した、彼女の痴態の数々。  
そして今、己の先端に触れる、彼女の秘所の感触。  
もはや我聞には、己の情欲を抑えることなど出来なかった。  
 
「ああ・・・國生さんが、そこまで・・・言うなら・・・俺で、よければ・・・」  
「・・・はい・・・!」  
 
言葉とは裏腹に期待を隠せない我聞の、そんな表情まで含めて彼の返答と受け取ると、  
満面に喜色を浮かべ、陽菜は膝の力を抜いて己の身体を重力に任せて―――  
 
「あ・・・ああ! っく、あ、しゃちょ・・・っ! 入って・・・! んぁああぁあ!」  
「うく・・・! こくしょ・・・っ、さ・・・っくぅう!」  
 
陽菜はがくがく震える膝で必死に身体を支えながら、  
そそり立つ肉の槍に己を預け、その穂先に少しずつ自分自身を貫かせてゆく。  
 
「ん、ぁ・・・ぁく・・・んぁあ!」  
 
自分の中に我聞のモノが侵入してくる・・・秘裂を押し広げる感触が、  
甘過ぎる痺れとなって陽菜の下腹部から全身に広がって行く。  
そんな快感に膝が砕けそうになるのをなんとか堪えながら、ゆっくりと腰を下ろし・・・  
すぐに我聞の穂先が自分の中の何かに触れるのを感じ、  
思わずびくっと身体を震わせて、動きを止める。  
それが何なのか、我聞にも想像がついたし、もちろん陽菜にもわかりきっている。  
・・・わかりきっているからこそ、陽菜は躊躇うことなく身体の重みをその薄い膜に預け・・・  
 
「っあ・・・あぁあ!? んあ・・・ぁああああっ!」  
「く! う、ぐ・・・!?」  
 
めりめりと引き裂かれるような感触を残し自らの意思で純潔を散らした陽菜は、  
その勢いを砕けかけの膝で受け止めることが出来ず・・・  
 
じゅぶぶぶぶっ!  
 
「や、あぁあ! う、あ―――――――――」  
「くぁあっ! こ、國生さ・・・うぅっ!」  
 
我聞の天を衝く肉槍に全体重を預けてしまった陽菜は、その穂先で未通の秘所を最奥まで一気に貫かれてしまう。  
 
「・・・・・・・・・!」  
 
いくらほぐしたと言えど、それはあくまで入り口だけのこと。  
そんな、未通の狭すぎる膣の奥の奥まで、明らかにサイズの合わないモノで一気に貫かれる衝撃は、  
両足の間から身体を左右に引き裂かれるかと思う程で・・・  
 
「ぁ・・・・・・か・・・は・・・っ」  
「こ、國生さん!?」  
 
だが・・・それでも・・・  
 
「は・・・っくぅ! ぅう・・・しゃ、ちょう・・・」  
「だ、大丈夫か國生さんっ!」  
 
痛みと衝撃でのけぞらせていた背中をゆっくりと戻すと、心配そうに陽菜の顔を見上げる我聞と目が合う。  
 
「こ、國生さん、無茶するな! とにかく、一旦離れて!」  
 
本当に心配そうに声をかけてくれる我聞の優しさは嬉しかったが、  
ここで“一旦”止めてしまったら、少なくとも今夜のうちに“次”があるとは思えなかった。  
そして―――息が止まるほど、涙が止まらなくなるほど痛いのに・・・  
それでも陽菜は、我聞と離れたくなかった。  
だから・・・  
 
「社長・・・私たち・・・今、一つになってるんですよね・・・?」  
「え・・・? え、あ、ああ! そ、そうだな、うん・・・って、そんなことより!」  
「社長は、私と一つになれて・・・嬉しくありませんか?」  
「な!? いや、そんなことは! どっちかっていうと凄く嬉しいけど! って、でもそれよりも・・・」  
「私と・・・っ、一つになれて・・・気持ちよく、ありませんか・・・?」  
「そ、それも、國生さんの中、こうしているだけで凄い気持ちいいんだが、だが・・・っくぅ!?」  
 
我聞のモノを根元から咥え込んでぎゅっと締め付けてきたり、  
陽菜の体温が直に己のモノに伝わってくる感覚は確かに酔い痴れてしまうほどの・・・  
先ほどの口と舌を使っての愛撫よりも、更に刺激的なものであった。  
だが、明らかに辛そうな陽菜を前にしながら快楽に浸るようなことは出来なかった。  
我聞にとってこの現状は、己の凶器が自分を好きだと言ってくれた人を傷つけているとしか思えないからだ。  
が・・・  
 
「ちょ、ちょっと、國生さ・・・んっ!?」  
「あ・・・っくぅ・・・んん! ん・・・しゃ・・・ちょお・・・っ、こうしたら、いかが・・・ですか・・・?」  
「うぁ! ちょ、待って・・・くれ! そんな・・・っう!」  
 
ただ咥えこまれていただけだったモノに、それまでとは明らかに異なる刺激が加えられる。  
我聞の腹に置いた手と、ガクガクと揺れる膝で身体を支え直した陽菜が、  
少しずつ、ゆっくりと・・・身体を揺らしはじめていた。  
その動きに合わせて、きゅううっと締め付ける膣壁が我聞のモノを擦り、  
肉襞が絡みつくように蠢きだす。  
 
「ん・・・あくっ! ふ・・・っ、ぁ・・・しゃちょ・・・っ、きもちよく、ありません・・・か・・・ぁ?」  
「う・・・っ、く、いや、気持ち、いい、けど・・・! 國生さん、痛く、ないのか・・・?」  
「痛い・・・です、でも・・・んぅ! 社長と、繋がってるのが・・・嬉しくて・・・  
 ずっと・・・こうなりたかったから・・・だから! もっと、もっと・・・」  
 
見下ろすように我聞に向けられた陽菜の表情は、  
彼女が動く度に引き攣り、眉をひそめて痛みに耐えている様がありありと見て取れる。  
だが・・・それでも紅潮した顔色や、表情全体に漂う蕩けきった淫靡な雰囲気が、  
一度は素に戻りかけた我聞の心を再び劣情によって覆いつくしてゆく。  
 
「なぁ、國生さん・・・」  
「ふぁ・・・あ、は、い・・・?」  
「気持ち、いいのか・・・?」  
 
問い掛ける我聞の表情に、気を使うだけではない・・・興味と、そして欲情の色を見て取って、  
陽菜もまた蕩けた笑みを返し、  
 
「ひりひりする・・・んですが、あ・・・っ、なんだか・・・むずむず、してぇ・・・  
 まだ、よく・・・わからない、ですが・・・でも、きっとこれ・・・もっと、気持ちよく、なれそうで・・・」  
 
陽菜には、まだその感覚が快感なのかどうか、自覚できていない。  
だが、何より彼女は我聞と繋がれたことが嬉しくて、もっと強く、深く交わりたいと、ただそう思っている。  
その思いが痛みを凌駕して彼女の身体を動かし、身体もまた反応して・・・  
 
「ね、聞こえる? 國生さんと俺の繋がってるところ・・・すごく、いやらしい音がしてる・・・」  
「え・・・あ、は、はい・・・それは・・・」  
 
羞恥など忘れたかのように表情を蕩けさせていた陽菜だったが、  
そう言われて今更ながらに恥ずかしそうに眉をひそめる。  
我聞の言うように、陽菜が腰を捻るたびに二人の繋がったところから漏れ出してくる  
“にゅちっ、ぬちゅっ、ぐちゅ・・・っ”という響きは、  
陽菜の膣内から溢れ出した蜜が擦れ合う二人の性器によって掻き混ぜられ、泡立てられる音に違いないのだ。  
そんなに、音が立つくらいに蜜を垂れ流していることが我聞に気取られてしまったと思うと、  
忘れかけていた羞恥心が急に思い出されてきてしまう。  
 
「國生さん・・・感じてるんだね」  
「そ・・・れは、その・・・」  
 
あれだけ積極的に我聞に迫り、身体を動かしていた陽菜が、  
我聞にそう言われただけで一気にしおらしくなってしまう。  
ただただ我聞が欲しくて、彼に見てもらいたくて必死だった陽菜だが、  
いざ、彼女の望む通りに我聞が自分を見てくれた時に、自身でも己が姿を顧みて・・・  
そのあまりのはしたなさに、麻痺しかけていた羞恥心が目を醒ましてしまったのだ。  
 
「ん? やっぱり痛いのか?」  
「あ、いえ・・・!」  
 
急に動くことを止めてしまった陽菜を気遣うように見上げ、  
彼女の表情がすっかり変わってしまったのを見て、我聞もまた陽菜が今更ながらに羞恥に悶えているのを察知する。  
だが我聞にはその理由はわからないし、何より・・・  
彼女が積極的であろうが消極的であろうが、彼女によって目覚めさせられてしまった情欲は、  
今更収まるものではないのだ。  
 
「なぁ、國生さん」  
「は、はい・・・?」  
「國生さんの中、キツくて、熱くて・・・気持ちいいよ」  
「え!? あ、あの・・・私も・・・しゃ・・・社長のが、凄く、熱くて・・・固くて・・・ぇ」  
 
顔が赤いのは相変わらず、だがその表情には受け身な色が少しずつ滲んできて、  
その分だけ我聞の嗜虐心が沸き立ってくる。  
 
「國生さん・・・俺、もっと國生さんのこと、感じたい・・・」  
「あ・・・! は・・・はい・・・」  
 
さっきまでの、我聞を貪るかのような淫らに乱れた笑みからは完全にかけ離れた照れきった顔で答えると、  
陽菜は遠慮がちに腰を動かし始める。  
初めはゆっくりと、我聞の腰の上で円を描く様に・・・  
そして少しずつ、腰を浮かし、下ろし・・・上下の動きを加えて、  
くわえ込んだ我聞のモノを擦り、しごきあげる。  
 
「っうぅ! それ・・・すご・・・気持ち、いいよっ!」  
「あん! あ・・・ふ、ぅあぁ・・・! わたしもっ! 社長のが、擦れて・・・ぇ・・・っ!  
 きもち・・・いい・・・です・・・んぅう!」  
 
長いスカートの裾に隠れているとは言え、我聞の腰に跨って淫らに腰を振るなど、  
今の陽菜には顔を覆ってしまいたいくらい恥ずかしい行為なのだが、  
例え羞恥心が戻ろうとも、彼女の我聞に対する想いが損なわれたりするような事はない。  
どんなに恥ずかしかろうとも・・・そんな気持ちを簡単に覆せるくらいに、  
我聞に求められることは陽菜にとって嬉しくて仕方がないことなのだ。  
だから陽菜は、未だに消えぬ痛みをまるで感じないかのように動き、  
彼女の望み通りに我聞を快楽に酔わせてゆく。  
 
「くぅ・・・こくしょ・・・さんっ! う・・・っく! は・・・あ、く・・・!」  
 
余りに我聞らしからぬ喘ぎ声に、  
羞恥で一度は押さえ込まれていた情欲が再び湧き立って、陽菜の動きを加速させる。  
 
「あは・・・しゃちょお・・・っ、そんな、声・・・出されては・・・ぁ、  
 あ、んぅ! っく・・・わたし・・・なんだか・・・ぞくぞく、しちゃいます・・・っ!」  
 
上気した顔でそう言いながら、陽菜は腰の上下動をだんだん大きく、激しくして、  
我聞の腰の上で跳ねるように身体を躍らせる。  
 
「うく・・・すご・・・っ! 國生さんの、なか・・・キツいのに、めちゃくちゃぬるぬるして・・・  
 なんだか、絡み付いてくるみたいで・・・それに、熱くて、気持ち・・・よすぎる・・・!」  
「あ、んく! ひ、ぁ・・・っ! そんな、細かく、言わないで・・・くださいっ!」  
「でも、ホント・・・っく! こんな・・・気持ちいい、なんて・・・」  
 
挿入直後からのキツい締め付けはそのままに、だがとめどなく溢れる愛蜜のお陰でその感触は滑らかで、  
陽菜の身体が上下する度に無数の肉襞に肉茎全体を舐め上げられるような快感に襲われる。  
 
「は・・・ひっ、い・・・ひゃあっ! あ・・・はぁ、ふぁ、んく・・・ぅ! あんっ! ひぅう!」  
 
それは陽菜にしても同じ。  
はじめて男性を受け入れたソコは我聞のモノの圧倒的な存在感に支配され、  
それがそこにあるだけで息が詰まりそうなくらいだった。  
だが、それでも懸命に手足に力を込めて身体を捻り上下に揺さぶると、  
くわえ込んだ彼のモノと敏感すぎる膣壁がずるずると擦れあい・・・  
 
「ひゃ・・・ぅあぁ! あう・・・んっ! しゃちょっ! しゃちょぉっ!  
 んぅ、あぅう! わた・・・っ! ひあ・・・うぁ・・・!」  
 
そこから生じる甘美な電流が陽菜を痺れさせ、蕩けさせ・・・  
二人の交わる音を掻き消す程に上擦り、乱れた喘ぎ声が止まらなくなる。  
そんな声や艶に満ちた表情から、  
陽菜がもはや痛みを感じていない、もしくは痛みを打ち消す程の快楽に溺れているということは、  
我聞にもはっきりとわかる。  
何より陽菜の動きは徐々に大きくなり、その分だけ二人の交わりはより一層激しさを増し、  
己のモノを包み込み、絡み付いて撫で上げる感触が我聞の射精感を一気に膨れ上がらせる。  
 
「っく・・・! こくしょ・・・さん・・・っ!」  
 
だが、いくら射精感が高まろうとも、限界が迫っているとわかっていても、もう一つの欲求が、収まらない。  
―――もっと陽菜を貪りたい・・・もっと彼女を味わいたいという、劣情が。  
 
「っくう・・・っ、は・・・あぁ! ひぁ・・・あ、ぅ・・・? え!? っひぁあ!?」  
 
のぼせたように蕩けていた陽菜のあえぎ声が不意に跳ね上がり、  
我聞の上で揺れていた身体のリズムが乱れる。  
 
「あ・・・んっ! や、社長っ! あ、うんっ! うぅ、動い・・・て・・・るっ!」  
「す、すまん! その、気持ち、よすぎて・・・腰が、勝手に・・・!」  
 
我聞はそう言いながら陽菜を乗せた腰を、彼女が身体下ろすタイミングに合わせて、ぐっと突き上げる。  
 
「んぁあああっ! や、しゃちょ・・・っ! こん、なぁあ!」  
 
硬く張り詰めた肉茎を膣の一番奥まで迎え入れようとする、そのタイミングで“それ”自体がせり上がってきて、  
今までとは段違いの荒々しい快感が子宮を貫いて弾け、全身を快楽で痺れさせる。  
 
「ひゃあっ! うぁ、しゃちょ・・・っあぁああ!? すご・・・っ! おく、ひびい、てぇえええ!」  
 
陽菜自身の動きと我聞の突き上げが相乗したような激しすぎる快感に、  
膝も腰も、上半身も・・・身体中が悦楽の電流で感電したように震えてしまう。  
それでもガクガクと揺れる身体を両手と両膝で支え、我聞の身体に倒れ込みそうなのを必死で堪えながら、  
陽菜は一心不乱に腰を揺する。  
もはや痛みを感じなくなってしまった身体は更なる快楽を欲したし、  
何より我聞と交われているということ、彼も気持ち良いと感じてくれていることが嬉しくて堪らない。  
 
「しゃちょっ! ひぁ! あんっ! ああん! しゃちょっ! しゃちょおっ!」  
「っく! 國生さんっ! こく、しょう・・・さんっ!」  
 
じゅぶっ! じゅぶぶっ! ずぶぶっ!  
タイミングを合わせてリズム良く二人の身体が動く度に、  
スカートで隠れた二人の接合部から蜜の泡立つ卑猥な音が響く。  
我聞に跳ね上げられる度に膣を貫く衝撃が脳天まで響いてくるようで、  
陽菜はいつ意識が飛んでしまってもおかしくないくらいの快感に晒されていた。  
だが、そんな朦朧としかけた陽菜の意識を我聞の声が繋ぎ止める。  
 
「くぁあっ! や、ば・・・こくしょ・・・さんっ! もう、俺・・・また!  
 ヤバいから、どいて・・・くれっ! このままじゃ、っく! 中に出しちまう・・・!  
 って、ちょ、う、うわぁっ!? こ、國生さんっ!?」  
 
その訴えと逆に、陽菜の腰がより一層激しく跳ね、捻れ、我聞の限界間近のモノを徹底的に弄り上げる。  
我聞の身体は目に見えてガクガクと震え、それが肉茎を通じて陽菜にも伝わって、  
 
「ひぁあああ!? しゃちょっ! こんなぁ! すご、わたしっ! おかしくなっちゃぁあ!」  
「お、おお俺もっ! やば、っくあああ! ヤバいって、こんな、締め付けられたら・・・っくう!」  
 
そう言いながらも我聞の腰はもう一つの欲求―――陽菜の中に放ちたい、注ぎ込みたい、という衝動に突き動かされ、  
もはや彼女の動きも無視してただひたすらに肉槍で陽菜の秘所を突き貫く。  
陽菜の身体は貫かれたそこを支点に、台風に煽られる立ち木のごとくグラグラと揺り動かされ、  
 
「っひぁあああっ! もうだめ、もうだめですっ! わた・・・っ、ほんと、だめ、ひぁ、んぁああぁあ!」  
 
髪を振り乱しほとんど泣き声のような嬌声を上げながら、それでも両膝で我聞の腰を挟み込み、  
身体の中に芯のように埋め込まれたモノが抜けないようにして・・・  
 
「っくうう! も、やば・・・出る! 國生さん・・・っ! 離して、くれないと・・・ほんと、出ちまうっ!」  
「は・・・ひっ、わた、し・・・もぉっ! も、ぉ・・・すぐ、だから・・・っふぁああ!  
 おねが・・・ですっ! しゃちょ・・・おっ、そのまま、っあぁあ! そのまま、わたしのっ! 中にぃ!」  
 
陽菜の懇願を跳ね除けるにも逆らうにも、  
彼女の膣の感触と・・・普段とはかけ離れた声や表情は、余りに淫靡に過ぎて―――  
 
「―――っ! だ、めだ・・・! も・・・うぁ! で・・・る・・・・・・っくぅううう!」  
 
決壊の間際に、限界まで張り詰めた肉茎で思い切り陽菜を突き上げる。  
 
「ひぁあっ! あ、ふぁあ! しゃちょっ! わたし、もぉ! も、ぁ・・・ぁああ!? っひぁああああ!?」  
 
その衝撃が子宮を貫いて脊髄を電撃のように駆け上り、陽菜の意識が真っ白く染まりかけたその刹那――――――  
 
どぶぶっ! びゅくっ! びゅるるるるっ!  
 
「っひ!? あ―――――――――」  
 
陽菜の奥の奥まで突き込まれたモノが爆ぜて、噴火した火山の如く灼熱した濁液を噴き上げる。  
まさに達しようとしたその瞬間に、次々と噴き出す熱い粘液の塊に子宮口を叩かれて―――  
 
「―――――――――っあぁああああぁあ!」  
 
強烈過ぎる快感が稲妻の如く全神経を駆け巡り、脳髄まで焼き焦がし・・・  
陽菜は雷に打たれたように身体を仰け反らせて硬直させ、甲高い、悲鳴のような嬌声を上げながら、  
初めての絶頂に達していた。  
 
「っふ・・・・・・あ・・・は・・・・・・ぁ・・・く・・・ぅ・・・」  
 
やがて、ぴんっと弓のようにしなり突っ張っていた身体がふらり、と揺れたかと思うと、  
糸の切れた人形のように崩れ落ち、我聞の胸の上に倒れ込む。  
 
「ひ・・・ぁ・・・あ・・・しゃ、ちょお・・・」  
「は・・・ぁ・・・・は・・・っ、はぁ・・・っ、國生・・・さん・・・っ」  
 
荒い息をつきながら呼び合って、互いの顔を確かめ合うように見つめ合い、  
そのまま息が整うまで、抱き合ったまま互いの体温を感じあっていた。  
 
「・・・國生さん、その・・・大丈夫か?」  
「はい・・・痛くは、ありません・・・」  
「そうか、よかった・・・」  
 
やがて、未だ熱に浮かされたような表情で我聞が問い掛ける。  
答える陽菜はやはり頬の赤みはそのままだが、満ち足りた表情で彼に身体を預けたまま・・・  
 
「ですが・・・」  
「うん?」  
「社長の・・・中に、いっぱい・・・出されてしまいました・・・」  
「う、す・・・スマン・・・つい・・・」  
 
悪戯っぽく告げる陽菜に、我聞はやや焦った声で答えるが、  
陽菜も我聞も、それが事実上の同意の元であることは十分にわかっている。  
だからこそ、  
 
「社長・・・この責任・・・取って、下さいますよね?」  
 
と問われれば、  
 
「あ、ああ! 当然だ! 男としてきっちり責任は取らせて貰う!」  
 
と、即答する。  
その瞬間、望みを叶えた陽菜の心は満たされていたのだった。  
だが・・・  
 
「だから・・・國生さん」  
「・・・え、は、はい?」  
「責任は、取るから・・・今度は俺が―――」  
「―――っきゃぁあ!?」  
 
そこまで言って、我聞は陽菜を胸に乗せたまま唐突に身体を起こし、  
彼女を床に仰向けに横たえると、そのまま上から組み敷くように覆い被さる。  
 
「しゃ、社長!? な、なにを・・・」  
「悪い・・・あんなにえっちな國生さんを見せつけられて・・・一度や二度じゃ、全然治まらないんだ・・・」  
「え・・・う、ぁ・・・」  
 
そう言われて、初めて気付く。  
我聞に注ぎ込まれて、そのまま中に入ったままのソレは、その時から全く衰えることなく硬いままなのだ。  
 
「や、ま、待ってください! 社長、今、そんな、されたら・・・!」  
 
絶頂を知って、更に敏感になった身体で充分な休みも挟まずに“されて”しまったら、  
自分がどれだけ乱れてしまうか、見当もつかない。  
 
「今夜のこと・・・さっきのことも、これからのことも、ちゃんと責任は取るから・・・  
 だから國生さんも、俺をこんなに焚き付けた責任・・・取ってくれるよ、な」  
「ちょ、ちょっと、だめ、ダメです! あの、せめて、もう少し、休ませ――――――っひゃあ!?」  
 
我聞が腰を引いて、ずるる・・・と硬いままの肉茎を引き抜く、その感覚が陽菜の声を上擦らせる。  
満ち足りてしまった陽菜からはさっきまでの貪欲さは消え失せて、  
ろくに抵抗すら出来ない、か弱い少女に他ならない。  
対する我聞はそんな彼女の痴態を前にして、ずっと抑えていた劣情を解き放ってしまった今、  
もはやそれを抑える術をもたなかったし、抑えようとも思わなかった。  
 
こうして、二人の立場は完全に逆転して―――  
 
「っひ! ぁ、やぁあああぁっ!? な、こんな、ふか・・・あぁぁあっ! だめ、しゃちょっ! これだめぇえ!」  
「っく・・・は・・・っ、く・・・でも、國生さん・・・凄く、気持ちよさそうな・・・  
 えっちな顔、してるよ?」  
「ふぁ、んぁあ! そんな、ちが、あぁあ! うそですっ! そんな、ことぉ!」  
 
今度は我聞が陽菜の上になって腰を動かし、彼女自身の淫蜜と我聞の精液とでぐずぐずに蕩けた膣を責め立てる。  
勢いこそ今はまだ緩やかだが、陽菜がしていたときよりも腰を大きく動かし、  
肉茎の長さを最大限に使って敏感な膣壁を擦り抉る感触に、  
陽菜は早くも捕らえられ・・・ただただ喘ぎ悶えるばかりだった。  
 
「しゃちょ・・・っ! だめ、ゆるして、くださ・・・っあぁあ! こんな、はげし、過ぎてぇ!」  
「だめ、だよ・・・っ! もう、止まれないし、それに・・・  
 こんなもんじゃ、っく・・・! ないから・・・まだまだ、もっと激しくするから・・・!」  
「っひぅう!? や! だめ、ほんとダメぇ! こんな、あぁあ!  
 はげし、すぎて・・・わたっ、こわれちゃ・・・うぁあっ!」  
 
我聞の言葉通りに抽送は少しずつ勢いを増し、  
陽菜の敏感になりすぎている膣を容赦なく掻き回し、溢れる蜜を泡立たせる。  
 
「ほら、國生さん・・・見えるだろ?  
 俺たちの繋がってるところ、こんなにびしょびしょで・・・  
 國生さんが凄く感じてくれてるの、よくわかるよ」  
「やぁあっ! そんな、言わないでくださいぃっ! わた、そんなぁあ! ひぅ、んぁあ!」  
「それにほら、音だってこんなに」  
「そんな・・・そんなの、うくぅ! しらな・・・っひぅ! 知りませんっ!」  
 
さっきまであれだけ自分から積極的に淫らな振る舞いをしていたのが嘘のように、  
陽菜は我聞の指摘を必死で否定しようと声を上げる。  
だが、その声の合間に彼女自身の口から洩れだすはしたない嬌声こそが、  
いかに陽菜が昂ぶり蕩けているのかを雄弁に物語っている。  
 
「は・・・はっ、そんな、恥ずかしがらなくても・・・  
 國生さん、さっきまで、あんなにいやらしいこと、自分からしてたのに・・・な?」  
「ひゃうっ!? そ、それはぁ! その、あ、ふぁああぁ! や、あぁあ! また、つよ・・・くぅう!」  
 
じゅぶじゅぶと音を立てて我聞の肉茎が秘所を出入りする度に、  
蕩けそうな甘美な疼きが子宮を襲い、それが全身に伝わって行く。  
このまま、この感覚に溺れ、流されてしまいたい・・・  
我聞にもっと気持ちよくしてもらいたい、もっと激しくして欲しい・・・もっと、滅茶苦茶にして欲しい・・・  
そんな浅ましい情欲が身体中から湧きあがってくるのを、残された理性が必死で抑えている。  
彼に抱かれるのは構わない・・・むしろ嬉しくさえある。  
でも、その行為に溺れてしまったら、もうそのことしか考えられなくなってしまうのではないか・・・  
そう危惧してしまうくらいに、我聞にされるのは心地よくて・・・甘美だった。  
 
「ひぁあああ! しゃちょ、だめ、やぁああっ! もう、やぁあ!  
 わたっ・・・! っふゃああぁ! こわれちゃ・・・っ、おかしく、なっちゃあぁあ!」  
「っふ・・・っ、さっきは、あんなに・・・十分、おかしかったのに、なっ!  
 裸で、身体を洗ってくれたり、口で・・・してくれたり・・・っ、  
 は・・・ぁ・・・っ、あれ、國生さん・・・自分で、考えたの、か?」  
「っくぅう! ひぁ! ち、ちがぁ! 違いますっ! あれは、ゆ、優さん、がぁ! おしえて、くださってぇ・・・」  
 
それに興味を引かれたのか、我聞は抽送を心持ち緩めて、  
 
「へ、ぇ・・・優さんが、か・・・そういや、そのメイドさんの格好も、優さんのアイデアなんだっけ?」  
「は、はひ・・・っ、そ、うです・・・ぅ、あ、く・・・ぅああ!」  
「じゃあ、優さんは俺たちが今、こんなことしてるのも、すっかりお見通し、なのかな・・・?」  
「はい・・・ぃ、きっと、そうだと・・・あ、ふぁあ!? 思いま・・・ぁあぁぁあ!?」  
 
そこまで聞いたところで、今度は一気に抽送のペースを上げて・・・  
 
「・・・っふ、そっか・・・優さんに全部バレてると思うと、ちょっと・・・恥ずかしいよな」  
「うぁ、んぁああぁ! や、ひゃああ! すみません、ふぁ、あぅう! もうし、わけぇ! ありま、せ、ぇえ!  
 おねが、おねがいっ、ですから・・・ぁあ! ゆるし・・・ひ、ゃああぁあ!」  
 
二人の秘め事を優に教えてしまったことを咎めるかのように、  
陽菜の謝罪の言葉に耳を傾けることなく、我聞の責めはひたすらに激しくなり―――  
 
「だめ、も、や・・・っうぁあぁあ! やめ、も、だめ、ダメですっ!  
 おねが、もぉ・・・ゆるして、くださ・・・ぁあああっ! だめ、いぁ、や・・・あぁあああぁあ!」  
 
我聞のモノを抜き差しされる度に身を捩じらせ、行き過ぎた喜悦に泣き喚くように悶え、  
やがて一際甲高い、悲鳴じみた喘ぎ声と共に仰向けに組み敷かれた身体をブリッヂするように仰け反らせて・・・  
 
「うぁ、やぁあぁああ! もうだめ、だめ、しゃちょ、も、うぁ、あぁぁあ! しゃちょおっ!  
 おねが、も、ゆるし・・・ぃあぁぁあ! や、だめ、きちゃ・・・あ!? うぁ、あ・・・  
 ―――――――――っあぁぁぁぁぁぁぁぁああ!」  
 
 
こうして陽菜は、我聞によって一方的に二度目の絶頂を迎えさせられる。  
最初の時に比べれば陽菜自身は全く動いておらず、肉体的な負担は遥かに少ないはずであったが、  
激しい抽送と、そこから湧き出した甘い電流のような刺激が彼女の神経を焼き切ってしまったかのようで、  
ことを終えた陽菜はひくひくと震えるばかりで動くことも、喘ぎ以外の声を出すことも出来そうにない。  
 
「國生さん、派手にイっちゃったね・・・感じてる時の國生さんも、  
 今の・・・ぐったりしてる國生さんも、凄く・・・可愛いよ・・・」  
「あ・・・は・・・ひ・・・っ、や・・・ぁ、はずか・・・しい、です・・・」  
「ふふ・・・じゃあ國生さん、次は・・・そうだな、どうせ優さんに知られてるなら、  
 こっちから報告しちゃおうか」  
「・・・え? しゃ、ちょ・・・なに、を・・・っあ、え・・・?」  
 
未だ身体も頭もふらふらと覚束ない陽菜を、我聞は抱え上げるようにして立たせると、  
部屋の壁際に彼女を連れてゆき・・・  
 
「優さんの部屋って、確かこっちの隣だったよな?」  
「は・・・はい、ですが・・・何を・・・?」  
「いやぁ、折角だから優さんに、俺たちがどんな風になったか、実際に聞いてもらおうかな、ってね。  
 じゃあ、そこに手をついて・・・そう」  
 
これから何をされるのか、朦朧とした意識では未だに想像もつかず、ただ漠然とした不安を感じつつ・・・  
それでも我聞に逆らうことが出来ず、言われるままに壁に手をついて、  
不安げに振り返って我聞の様子を窺う。  
そんな態度が我聞の嗜虐欲を掻き立てることなど陽菜には想像もつかない。  
だが、背後からスカートをめくり上げられ、濡れそぼった秘所を露わにされたところで陽菜もやっと・・・  
 
「や、やだ! 社長! こんな、こんな格好はイヤですっ! や、やめ・・・」  
 
昨晩、優に見せられたDVDの中で、こんな体位でしている場面があり、  
陽菜はそれを見て“まるで獣みたい・・・”と感じたのを、思い出す。  
その、獣のような体位で、自分がこれから・・・我聞に・・・  
 
「しゃ、社長! お願い、おねがいですっ! 他の、格好でしたら、構いませんから!  
 これは、こんな格好は、やめ・・・っや、ひぁ! やぁあ! いやぁあぁああぁあ!」  
 
じゅぶぶぶぶっ、と。  
陽菜の懇願を楽しみ、そして嘲笑うようなタイミングで、  
我聞は敢えてゆっくりと肉茎を彼女の中へと埋め込んでゆく。  
 
「・・・っひ・・・ぁ・・・かは・・・ぁ・・・ぁあ・・・っ」  
「國生さん、もうこんなに震えちゃって・・・挿れられただけでイきそうになっちゃった?」  
「ひ・・・っく、ち、ちが・・・ぁぅう・・・そんな、こと・・・ありません・・・っ」  
「そう? じゃあ遠慮なく動くとしようかな・・・  
 この格好だと、さっきより深くは入らないかもしれないけど、立ってる分だけずっと激しくできるから、な」  
「え・・・!? や、ちょ、そんな! 激しくなんて・・・だめ、こわれちゃ・・・ぁあぁあああっ!?」  
 
ずるるっ、と蜜を掻き出しながら肉茎を引き抜いて、  
雁首のところまで抜いたところで今度は腰を勢いよく押し進め、  
腰と陽菜の尻がぱんっ、とぶつかるまで一気に膣の奥まで突き入れる。  
 
「ひあぁああ! や、だめ、うぁ! んぁああぁあ! しゃちょ、こんな、あぁああ! はげし、や、ふぁあああ!」  
「っは・・・っく、國生さんっ、すご・・・さっきより、締まって・・・気持ちいいよっ!」  
「そんなぁあっ! しらな、ふぁ、ひゃあああ! これ、これだめぇ! さっきと、ちが、ふぁああ!  
 ちがうところがぁ! こすれ、てぇえ! だめ、わた、わたしっ! こんな、やぁああああ!」  
 
前からと後ろからでは当たるところも擦れるところも、絡みつき方も締め付け方も違い、  
先程とはまた別の刺激に酔い痴れて、我聞は抑えることも忘れて腰を動かし、陽菜はただただ喘ぎ、悶える。  
本来なら尻の肉が邪魔になって深く挿入できないハズの体位も、  
全体的に肉付きの薄く華奢な陽菜ゆえに、二人にとっては十分な深さまで突き、擦り、抉ることが出来るのだった。  
 
「ふぁ、うあぁああ! しゃちょ、も、だめ、んぁあああっ!」  
「は・・・っ、國生さん、すごい、えっちな声・・・それだけ大きければ、ちゃんと優さんにも聞こえてる、かな」  
「え、や・・・!? ―――――――――っ! ・・・っ、く・・・ぅ、んぅ・・・! ―――っ!」  
 
身体の内側から激しく責め立ててくる我聞のモノに完全に意識を引き付けられていた陽菜は、  
彼の言葉で今の状況を思い出し、慌てて声を抑えようとする。  
昨晩も、優から“ほぐす”と言われて散々愛撫され、恥ずかしい声は既に聞かれているのだが、  
今の行為は陽菜と我聞の“秘め事”なのだ。  
その声を・・・昨晩のそれとは比較にならないくらい激しく、恥ずかしい声を我聞以外の人に聞かれるのは、  
いくらなんでも、恥ずかしすぎる。  
 
「ふふ、まだ我慢できるんだね・・・じゃあ、こうしたら・・・どうかな?」  
「っひ・・・っ! あく・・・ぅ、あ・・・っ!? ひっ! や、あ―――――――――っあぁああぁあ!」  
 
俯いて必死で声を抑えていた陽菜の背中がガクンと震え、首筋を仰け反らせて甲高い嬌声を放つ。  
 
「ひぁあ! うぁ、んぁあああっ! やめ、しゃちょっ! そこ、そこだめぇええ! いひゃぁああ!」  
 
肉茎がしきりに出入りして蜜を垂れ流す裂け目の、そこから僅かに上の部分にある、  
小さな、だが充血してしっかりと存在を示している肉の突起に、我聞の指が触れたのだ。  
 
「うく・・・っ! う、わ・・ここ、本当に感じるんだな・・・一気に、締まりが、強く・・・!」  
「だめ、ダメですっ! そこ、はぁああっ! ほんと、ダメ、やめ、てぇええぇ! しゃちょ、や、ひぁあああ!」  
 
指先で軽く、充血したそれをほぐしてやるように優しく押し、撫でるだけで、  
陽菜の身体はがくんがくんと揺れ、膣もきゅ、きゅううっ、っと咥え込んだモノを絞りたてるかのように収縮する。  
肉襞のひとつひとつがより強く絡みつき、  
抽送を激しくすればするほど我聞の射精感は三段飛ばしで高まってくる。  
だが、締め付けがキツくなれば締め付けられる方は当然だが、  
締め付ける方も、それだけ “締め付けているモノ”をより強く感じずにはいられないのが道理であり・・・  
 
「ひぁああ! ひゃちょっ、しゃちょおっ! そこだめぇ! そんな、弄っちゃ、だめですっ!  
 もうっ! もうだめっ! わたっ、ふぁあ! こえっ、おさえられな、あぁあっ! ひぁああっ!」  
 
蜜壷に突き込まれる度に、秘芽を捏ねられ、弄られる度に・・・  
際限無く沸いてくる悦楽に陽菜はぐずぐずに煮溶かされて、もはや声を抑えることなど出来ない。  
我聞に抽送される度に身も心も絶頂に向けて突き上げられ、陰核を弄ばれて自我は削り取られ、  
やがて陽菜は―――  
 
「んぁあ! もうやぁ! しゃちょっ、わたしっ! また、イっちゃ、うぁあ!  
 も、だめ、イっちゃ、ひぁ、んぁああぁ! っく、うぁあ! ・・・んぁああぁああぁあああぁっ!」  
 
先ほどと同じように身体を仰け反らせ、一際甲高い声で鳴いて、絶頂を迎えさせられてしまう。  
その瞬間に陽菜の膣はきゅううっ、と締まり、我聞も射精寸前まで一気に導かれるが・・・  
 
「っ・・・あ、ぁ・・・・・・ぅ・・・ぁあ・・・・・・ぁ・・・」  
「っく・・・おっと・・・國生さん?」  
 
立て続けの絶頂の反動で陽菜は身体を支えられなくなり、  
がくがくと膝を揺らして床に崩れ落ちそうになるのを我聞が慌てて抱え上げる。  
 
「大丈夫?」  
 
倒れかけた拍子に陽菜を貫いていたモノは抜けてしまったが、  
それよりも彼女の様子が気になって、抱き上げた陽菜の顔をこちらに向けさせて・・・  
 
「うぁ・・・・・・は、い・・・・・・もう、からだ・・・ちから、はいらなくて・・・ぇ・・・」  
 
その、上気しきった頬、涙を浮かべ潤みきった瞳、涎にまみれた口許、汗で額に張り付いた前髪・・・  
そして蕩けきった、弱々しい涙声は余りにも被虐的な魅力に満ちていて、  
何よりも寸前まで昂ぶりながら欲求を満たせずにいる衝動を抑えられるはずも無く―――  
 
「わかった、國生さん」  
「はい・・・」  
 
それを解放の合図と受け取り、安堵しかけた陽菜の背中を壁に押し付けて、  
 
「・・・え・・・? しゃ、ちょ・・・?」  
「俺が支えてあげるから、君は力を抜いて・・・」  
 
尻のやや下方、太腿の裏のあたりに手を回して、両足を自分に向かって開くように抱え上げて、  
開いた足の間にいきり立ったままの肉茎をあてがって・・・  
 
「や、だ・・・うそ、しゃちょ・・・? やだ、や、だめ、わたし、もう――――――」  
 
じゅぶぶぶっ!  
 
「――――――っふぁあああぁ!」  
 
抱え上げた陽菜の中に躊躇うことなく肉茎を捻じ込んで、華奢な身体を壁に押し付ける。  
あとはそのまま・・・  
 
「っあ・・・か、は・・・ぁ、あ!? うぁ、やぁああ! ひぁあっ! わたっ、だめぇええ!  
 イった、ばかりで、わた、も、うぁああぁ!」  
 
壁際に押し付けられて腰を引くことも、仰け反ることすらできない陽菜の中に肉の杭を何度も何度も打ちつける。  
陽菜の背後で壁はギシギシと軋んだ音を立て、  
身体を引いて逃げることの出来ない彼女の奥の奥まで届いてしまう我聞のモノの先端が、  
既に限界に達している陽菜を更に・・・容赦なく昂ぶらせ、乱し、狂わせる。  
 
「うく・・・っあぁあぁああっ! だめ、おく、とどいて・・・・・・っやぁああぁあ!  
 あたって、ひぐ、んぁああぁあっ! しゃちょおっ! もうだめ、や、やめ、やらぁあぁっ!  
 も、ゆるして、くださいぃ! わたしっ、こんな、こわれちゃあっ! しんじゃ、んぁああぁっ!」  
 
秘所を滅多刺しにする肉の槍の穂先が子宮口まで達し、こつん、こつん、と叩かれて、  
陽菜はまさに身も世も無く、という感じで泣き叫び、悶え狂う。  
強烈過ぎる快感の渦に呑みこまれ、溺れた者が助けを求めるように我聞に許しを乞うが・・・  
 
「っくうぅ! っ、うく・・・! もうすぐ、もうすぐだからっ! 國生さん、俺も、すぐ、イくから・・・っ!」  
「ひぅ、んぅうううぅ! だめっ! いやぁあぁあぁぁ! も、わたし、本当に、だめ、だめですっ!  
 こわれちゃっ! おかしくなっちゃぁあ! ひぅ、んぁあぁ! うぁああぁあぁ!」  
 
抱え込んだ陽菜の両足がびくんびくんと跳ね、その根元で我聞の肉茎を咥え込んだ膣もまた、  
同じリズムでぎちっ、ぎちゅっ、とますます強く締め付けてくる。  
その間隔が徐々に短くなってきて、熱く、キツく、絡みつく肉襞の蕩けそうな感触が、  
我聞の射精感を際限無く昂ぶらせる。  
後はもう、本能の赴くまま、劣情の欲するままに、全力で陽菜の中を掻き回し・・・  
 
「ひゃあぁああ!? そんな、っあぁああっ! またっ、はげしっ、すぎぇえぇえぇええ!  
 こあれちゃあぁ! イっちゃ、イく、イっちゃぁあ! わた、また・・・しゃちょおっ!」  
「うぁあっ! っく、國生さんっ! おれっ! もう、すぐ・・・っ、出るっ!」  
「わ、わた、あぁぁあっ! しゃちょおっ! わたしも、わたしもぉ!  
 イっちゃ、も、イっちゃ! イっ、あ、ぁ・・・・・・・・っあぁぁあぁぁぁぁぁああっ!」  
 
陽菜の両足がぴんっと跳ね、指先が空中の何かを掴んだかのようにきゅっと固まる。  
その、次の瞬間に―――  
 
「お、俺も、も・・・・・・っおあぁぁあっ!」  
 
どびゅっ! びゅくくっ! びゅるるっ! どぷぷっ! どくっ、どくくっ!  
 
陽菜に押し付けた我聞の腰ががくがくと震え、  
陽菜の足がびくびくと空中を蹴る。  
彼女の奥深くまで突き込まれた肉茎は激しく脈動しながら熱く、濃い精液を更に奥へと注ぎ込む。  
我聞はその開放感とある種の喪失感に酔い痴れながら射精を続け、  
その間、陽菜は終わらない絶頂の高みで喜悦の渦に呑まれ、  
頭が真っ白になるほどの快楽に揉まれながら、ただただその流れに身を任せるのだった。  
 
 
 
 
「・・・・・・ぁ・・・しゃ、ちょ・・・」  
「大丈夫か、國生さん?」  
 
ベッドに横たえられた感触で、陽菜は目を覚ます。  
とはいっても、今までのことが夢なのではないか、等と思うには、余りにも実感が強すぎるので、  
きっと気を失っていたのはほんの僅かな時間だろうと理解する。  
 
「いや、スマン、まさか失神させてしまうとは・・・」  
「・・・そうですよ・・・社長・・・激しすぎます・・・あんなに、もうだめって・・・言ったのに・・・」  
 
申し訳無さそうに頭を掻く我聞に向けて拗ねたように口を尖らせるが、  
そう言っている傍からさっきのあの、怒涛のような悦楽を思い出してしまい、頭がかぁっと熱くなる。  
あんな行為、あんな快楽をこれ以上味わったら、自分はもう、本当に―――  
 
「いやホント、スマン! 次はもっと、優しくするから・・・」  
「・・・え・・・?」  
 
次って、何ですか・・・と聞こうとする前に、我聞の指がエプロンドレスのボタンにかかる。  
 
「しゃ、社長・・・なに、を・・・?」  
「あー、メイドさんの格好の國生さんも可愛いんだけど、やっぱり、その・・・裸も見たいかな、なんて・・・」  
「え・・・ちょ・・・っ!?」  
 
なかば唖然としている間に、胸を露わにされて・・・  
 
「っひゃあっ!? や、だめ、だめですっ! や、あんっ!」  
「ふふ、國生さん、おっぱいも敏感なんだね・・・」  
 
掌で優しく揉まれ、ぴんっと勃ってしまっている乳首を指先で捏ねられると、  
身体は呆気なく疼き出し、甘い声を抑えることが出来ない。  
 
「待って、待ってください! 私、本当に、今日これ以上されたら・・・こわれちゃいます・・・」  
 
疼く身体が“これ以上のこと”を求めているのは自分でもよくわかる。  
だが、それをしてしまったら、これ以上我聞に抱かれてしまったら、  
本当にこの快楽に溺れてしまう、彼に抱かれることだけを求めるようになってしまうのではないかと思えて、  
それが怖くてたまらないのだ。  
だが・・・  
 
「ねぇ國生さん・・・俺はもう、とっくにこわれちゃってるんだよ?」  
「え・・・」  
 
すっ、と陽菜に顔を寄せて、我聞が優しい、だが同時に妖しい声で囁く。  
 
「國生さんがあんな風に俺を誘って、挑発するから・・・  
 俺はもう、國生さんとえっちなことをすることしか、考えられない・・・」  
 
陽菜の背筋をぞくり、と何かが走る。  
それが怯えなのか、それとも淫らな期待なのか、自分でもわからない。  
 
「俺は、もっと國生さんと気持ちよくなりたい・・・  
 國生さんは、俺と気持ちよくなるのは、嫌?」  
 
問われても声を出せず、陽菜は・・・ただ、ふるふると首を横に振る。  
我聞に向けての無言の意思表示は、同時に陽菜自身の心にまで響き・・・  
 
―――そうなんだ・・・社長は、もう・・・そうなんですね・・・?  
 
ぞくん、と・・・今度は間違いなく、期待と悦びに身体が疼く。  
 
―――こわれてしまっても・・・社長と一緒に溺れてしまっても、いいのですね?  
 
今まで、抑えられないものを必死で抑え込んでいた反動が、  
我聞のたったそれだけの言葉で一気に溢れ出し・・・  
 
「社長・・・」  
 
覆い被さる我聞の首にしがみつくように腕を回し、今度は声に出して・・・  
 
「私も・・・社長と一緒に、気持ちよく・・・なりたいです・・・」  
 
そう言って、我聞の顔を引き寄せる。  
我聞も愛撫の手を止めて、陽菜の前髪に指を絡め、彼女に求められるままに顔を寄せ・・・  
 
「國生さん・・・」  
「しゃ・・・ちょう・・・」  
 
そのまま互いに引き寄せられるかのようにして、二人は唇を交わす。  
 
 
―――後はもう、ただひたすらに、欲望の赴くままに求めあうだけだった。  
もはや陽菜は“ダメ”とも“いや”とも言わず、我聞の為すがままに身体を任せ、  
二人は互いの身体を、そして快楽を貪りあった。  
夜が更けても、日付が変わっても、空が白ずんでも飽くことなく交わって・・・  
二人は夜明けまで抱き合っていた。  
 
 
 
 
「う・・・む・・・ぅ」  
 
慣れないベッドの感触にやや戸惑いながら、我聞は目を醒ます。  
ぼんやりとした意識のまま窓に目を向けると、既に日は高く・・・というか、どう見ても既に正午を越えている。  
平日休日を問わず早朝トレーニングを日課とする我聞にとって、  
そんな時間に目を覚ますことなど本来は有り得ないのだが・・・  
 
「そうだよな・・・いつも起きる時間に、まだ起きてたもんな・・・」  
 
ぼそぼそ、と呟いてみる。  
昨晩のことは・・・・・・しっかりと記憶に残っている。  
これまでの日常から余りにもかけ離れていて、夢だったんじゃないかと考えたくなるような記憶だが、  
裸で寝ていたこととか自分の部屋でないところで目を覚ましたとかいう以前に、  
あの余りに濃密な時間が夢での出来事だったなどと、思えるはずもなかった。  
 
「國生さんは・・・もう起きてるのか・・・」  
 
昨晩、それまでの彼女とは全く違う、妖しい素振で我聞を魅了して、  
途中からは魅了されてしまった我聞が攻めに転じ、思うままに、欲望の赴くままに蹂躙してしまった彼女。  
そんな陽菜を思うがままに責め立てていた自分ですら身体がなんとなくだるいというのに、  
夜が明けても尚、泣き叫び、乱れ悶えていた彼女が普通に動けるということは、少し意外だった。  
 
ともかく目は覚めてしまったし、  
徐々に昨晩から今朝にかけての、陽菜へのかなり無茶な行為の数々も思い出されてきて、  
彼女の体調や、機嫌も気になって身体を起こしかけたところへ・・・  
 
「あ、お目覚めになられましたか。 おはようございます、社長! ・・・と言っても、もうお昼過ぎ、ですが・・・」  
 
キッチンから部屋へ入ってきた陽菜が、声をかけてくる。  
 
「ああ、おはよう國生さん。 起きるの、早かったの?」  
「いえ、社長よりほんの・・・そうですね、30分前くらいでしょうか」  
 
とりあえず陽菜の機嫌は問題なさそうで少し安心して、  
 
「そっか、しかし國生さん、俺より疲れてるんじゃないかと思ったけど、思ったより元気そうだな」  
「ええ、まぁ、その・・・社長がずっと動いてくださったお陰で、  
 私は・・・その、横になってるだけ、でしたから・・・」  
 
その話題になると陽菜は恥ずかしそうに顔を伏せてしまうが、一方の我聞も情けないほどに全く同じで・・・  
 
「そ、そうか・・・ええと・・・昨日は、その、なんというか・・・ごちそうさまでした、というか・・・」  
「あ、いえ・・・わ、私こそ、なんと言いますか・・・お粗末さまでした、とでも言いますか・・・」  
 
昨晩あれだけ激しく抱き合った二人とは思えないほどに、初々しく、じれったい挨拶を交わす。  
そのままお互いになんとなく俯いてしまい、しばらく止まってしまうが・・・  
 
「そ、そうだ、片付けとか何か、やることがあれば手伝うよ!」  
「え、いえ、その・・・あ・・・!」  
 
とにかくこのままでいても仕方無いと、ベッドから起き上がった我聞を見て、  
陽菜は慌てて後ろを向いてしまう。  
その様子はかなり不審で、  
 
「・・・? ど、どうした國生さん?」  
「いえ、あの・・・社長・・・身体が・・・その・・・」  
「え・・・っうぉ!?」  
 
そう言われて改めて自分を顧みて、昨晩のまま・・・全裸なことに気付き、今度は我聞が慌てて後ろを向く。  
 
「え、ええと! 國生さん、俺の服は・・・!?」  
 
昨晩、途中でやむを得ぬ事情により、タオル一枚で彼女の前に立つ羽目になったんだっけか、  
・・・等と徐々に思い出しているうちに・・・  
 
「それなんですが・・・あの、汗だくだったので洗濯し始めたあとに、  
 その・・・あんなことになってしまったものですから、  
 洗濯を終えてそのまま一晩中、洗濯機の中に放置してしまいまして・・・」  
「あー・・・・・・」  
 
流石に、それは着られない。  
 
「それで、私の服と一緒に、さっきまた洗濯してしまいまして、今はまだ・・・」  
「そ、そうか・・・いや、それはそれで有り難いからいいんだけど・・・」  
 
とりあえず帰ることは論外、部屋をうろつくことすら気が引ける状況である。  
 
「ですので、折角ですからシャワーでも浴びられては如何でしょうか?  
 昨晩の、あ・・・汗ですとか・・・他にも、いろいろ・・・あるでしょうし・・・」  
「あ――――――」  
 
シャワーと言われて、なんとなく・・・昨晩の事を思い出す。  
それが、彼女の罠に完全に嵌る為のキーポイントだったのだ。  
・・・だがまあ、今更そんなことを心配する必要もあるまい、と思い直し、  
 
「そ、そうだな、じゃあ遠慮なく借りるとするよ」  
 
出来るだけ陽菜に背を向けたまま、ぎこちない歩き方で浴室へと向かう。  
だが、その背中につぃ、と何か―――昨晩のことを経て、それが陽菜の手だと見なくてもわかる―――が触れて、  
 
「あの・・・また、お背中・・・お流し、いたしましょうか・・・?」  
 
再び、昨晩のことがチラチラと脳裏を掠める。  
そして、少しずつ・・・何かのスイッチが入っていく気がする。  
だが、それは気のせいだと我聞は自分に言い聞かせ、そして・・・  
 
「あ、ああ・・・そうだな・・・ええと、その・・・國生さんさえ、よければ・・・」  
「はい・・・では、すぐに行きますから、どうぞお先に・・・」  
「ああ、わかった・・・」  
 
なんとなく妖しい、歪んだものを感じながらも、それに流されるかのように我聞は陽菜の提案を受け入れて、  
そのまま浴室へと向かう。  
我聞の背中を見送る陽菜の顔はやや俯き加減であったが、  
その背中が浴室へと消えると、くす・・・と小さな笑いを洩らし・・・  
 
「ふふ・・・今夜も帰しませんよ・・・社長・・・」  
 
誰にも聞こえない小さな声で、呟くのだった。  
 
 
 
 
んで、その頃、工具楽家にて―――  
 
「優さんいらっしゃい! 待ってました!」  
「ちゃーす・・・・・・」  
「・・・? あの、優さん? なんだかお疲れですか?」  
「やー・・・ちょっちねー」  
 
好き勝手に策を巡らせておいて最終的には当人達に状況を任せつつ、  
その様子だけはしっかりモニターしておいて後からじっくり楽しもう♪  
・・・なノリで優を招いた果歩なのだが、どうも優のテンションの低さが気にかかる。  
 
「あの・・・もしかして、お兄ちゃんと陽菜さん・・・うまく、いきませんでした・・・?」  
「いやー・・・それはもうね、二人とも普段からは考えられないくらいに、ケモノのように、もうね・・・」  
「え!? え! えええ――――――っ! それって、大成功ってコトですかっ!?」  
「にゃー、きっとそうだねー」  
 
それを聞いて果歩は一人大興奮なのだが・・・  
 
「あの・・・優さん・・・やっぱり、どうかされたんですか?」  
 
本来、その喜びを分かち合い、増幅させてくれる相方的存在であるハズの彼女のノリの悪さは、  
いくらなんでも気になりすぎる。  
そして優としてもこれは微妙に隠さなくてはいけない問題であるのだが、  
少なくとも果歩には話しても全く問題無いと判断したのか・・・  
 
「いやー、今回の作戦は我ながらかなりの確信をもって望んだだけあって、  
 我聞くんとはるるんがああなることはすっかり予測済みではあったけどさー」  
「はい、それが、何か・・・?」  
「それにしても・・・だよ」  
 
優の眼鏡の奥で、ギラリとその双眸が暗い輝きを放ったかと思うと―――  
 
「だからってあんな大声で夜通しギシギシアンアンされたんじゃうるさくって眠れやしねーってんだ―――!」  
 
ばーん、と思いっきりちゃぶ台返し。  
 
「ゆ、優さんちょっと落ち着いて―――!」  
「これが落ち着いていられるか―――!  
 大体わざわざ人の部屋に面した壁でイチャイチャしやがって、ありゃなんだ―――!  
 未だに彼氏もいない私に対するイヤミか―――!?」  
「そ、それはなんだか大変そうですがある意味自業自得ですから!」  
「うるさ―――いっ! こうなったら、一晩中悶々とさせられた鬱憤を・・・  
 辻原くんあたりにでも解消させてやるんだから!」  
「だ、ダメ―――! 辻原さんは私のだからダメです優さん!」  
「だーっ! 果歩りんは番司くんあたりでも捕まえておけばいいのよっ!」  
「な、何で私があんなパンツマンとなんですか!」  
「うーるーさーいーっ! いいのよきっとお似合いだから!」  
「んなぁっ!? そ、それは余りにも心外ですよっ!」  
「とにかく! この鬱屈した想い、なんとかして―――!  
 この際果歩りんでもいいからっ!」  
「え・・・や、ちょ、ちょっと優さん!? そ、それはイヤ――――――!」  
 
 
と、まあそんな感じで家長のいない工具楽家の午後は妖しく過ぎてゆく。  
 
優が今夜も眠れぬ夜を悶々と過ごす羽目になるのも、  
果歩が本格的にそのとばっちりを受けることになるのも、それはまた別のお話ということで。  
 
 
 

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