ふ、ふふふふふ……  
できた……できたわ!  
控えめ胸と言われ続けて、早5年。そんな辛く、厳しい時もありました。  
だけど、そんな日々も今日でお終い!  
この強制豊乳薬「モミデカ君」があれば、あんな薄胸など私の敵ではないわ!  
みよ、この力を!  
 
グビッ! ……ばぼーーーーん!!  
 
見よ、このEカップサイズの虚乳……じゃなかった、巨乳!  
圧倒的じゃない! これさえあれば、あんな薄胸如き、簡単に捻り潰せるわ!  
そしてヤツを潰した後は……が、我聞を……って、私は何を考えてるのよ!  
我聞にはもうハルナがいるんだから、そんな事しちゃ駄目よ!  
既婚者に手を出すってのはつまり、その、『不倫』って言って、しちゃ駄目な事で……  
 
『不倫は文化』  
 
はっ! 何か今、天のお告げが!  
一昔前の流行語に選ばれたようなお告げだったけど、気にしない!  
わかったわ、神様! つまりは「やってもオッケー♪」という事なのね!  
そうと決まれば、突撃あるのみ! 目指すは我聞ただ一人!  
……って、『不倫』ってこんなのだったかしら?  
昼にやってたドラマだと、もっとこう、ひっそりと隠れてするものだと……  
……んー、難しいわね。たしかあのドラマだと……  
 
『奥さん、僕は前からあなたの事を……』  
『や、やめて、お米屋さん! まだ昼なのよ!』  
『それはつまり夜ならOKと?』  
『そ、それは……』  
『大丈夫、誰も見ていませんよ』  
『あ、や、やめて、こんな所で……』  
 
なるほど! つまりはお米屋さんになればいいのね!  
これを私と我聞に当てはめると……  
 
『我聞〜、お米届けに着たわよ〜』  
『お、悪いな、桃子。で、お金はいくらだ?』  
『お金なんていらないわ……欲しいのは、ア・ナ・タ♪』  
『え、な、何を!』  
『我聞は何もしなくていいわ。私が全部シテあげるから……この大きな胸で、ね♪」  
 
完璧じゃない!  
全然隠れてないような気もするけど、それは些細な事よ!  
ふふふ……見てなさいよー、我聞!  
昼下がりのお米屋さんの魅力で、メロメロにしてあげる!  
あの薄胸に『お姉ちゃん』と呼ばせる日も近いわね!  
 
 
「ふふふ、薄胸〜、待ってなさいよ〜……むにゃむにゃ」  
「桃子の奴、キノピー分解したまま寝てる……しかしまあ、なんと幸せそうな寝顔……  
 ん、どうした果歩? 包丁なんて持ち出して」  
「お兄ちゃんどいて。そいつ殺せない」  
 
 
 

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