「・・・というわけなんです」  
 果歩がもじもじそわそわと、髪留め型トランシーバーで徹夜明けの優さんに報告した  
 『納得イカーーーーーン!!!』  
 ビリビリと響き渡る怒声は殺気に満ち溢れていた  
 『私があそこまでお膳立てしてあげたのに、しかも2人で1組の布団に入ったにもかかわらず、何もなかったなんて有り得ない!!!』  
 思い切り叫んだ後の、優さんのはぁはぁという荒い息づかいが果歩の耳に届く  
 「で、でも・・・わからなくもないんですよ。こう、なんていうか・・・好きな人と一緒にいるだけで満ち足りちゃうって気持ちが・・・」  
 身内である我聞と陽菜がやったことなのだが、あんまりにも純で初々しいその行為はまるで良き少女漫画の世界のようだった  
 それで、思わずGHKメンバーである果歩でさえも、もじもじそわそわしてしまうというわけだった  
 が、優さんは「甘すぎるぞ、デルタ2!」と叫んだ  
 「確かにそれは大事なことだけど、それだけではまだまだ子供の領域!  
 そして、子供はいつか大人になっていくもの! 2人が大人になってこそ、わかることや想いもあるのよ!!」  
 「は、はい!」  
 「引き続き、我々は2人を導き、そして大人の階段を上らせることに全力を尽くすのよっ!」  
 徹夜明けに加え一晩中の中之井の説教攻撃というタネもあってか、優さんはやけに好戦的だ  
 しかし、優さんの言うことにも一理ある  
 少しずつ進むだけでは生温い、もっと一気に進んでもらわねば・・・あの朴念仁の妹としてはいつまで経っても安心出来ない  
 「・・・目が覚めましたよ、優さん! 2人をとっとと大人の階段を上らせる為、これからも頑張りましょう!」  
 「ウム、その意気だっ!」     
 
 決意を新たにしたGHKの活動はまだまだ続く・・・らしい  
 
 

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