番司が果歩に告白してから2週間、最初は皆天変地異かと大騒ぎしてましたが今は落ち着き二人はカップルとして認められています  
そんな二人は仲良く学校から帰宅中です(ちなみに番司が毎朝迎えに行き途中まで一緒に登校し、帰りも番司が迎えにいってます)  
「果歩、今日の弁当旨かったぜ。世界で2番目だ」「2番〜?じゃあ1番ってどんな料理よ(怒)」  
果歩は可愛く頬を膨らませ番司をにらみます  
「決まってんだろ」番司はニヤリと笑い言い切ります  
「…明日お前が作ってくれる弁当だよ」果歩はキョトンとしてましたが意味が分かったのか番司の腕に抱きつき  
「あははっ、何それ〜。小説で読んだことあるよ〜(笑)でも…アリガト…チュッ」  
 とまぁこんな感じの甘〜い毎日を繰り返してる訳です。しかし残念なことに作られた幸せは長くは続きません  
そう、番司は惚れ薬の効果で果歩に告白し、果歩は知らず知らずの内に惚れ薬を番司に盛ってしまっていたのです  
 
 
「ねぇ果歩ちゃん、どうして番司君と付き合う事になったの?撃退薬作ってくれなんて言ってたのに…なんで?」  
 久しぶりのGHK集会の後2人になった時、優さんが聞いてきました。当然の疑問ですね  
「えっ…と、番司からね…告白してきたの…好きだお前を愛してる、お前が最初で最後の女だって…」  
 思い出しているのでしょうね。両手を赤く染まった頬に当ててイヤイヤってやってます  
「はぁ〜情熱的だねぇ、番司君は…」「優さん、手、出しちゃダメですよ」優さんをにらみます  
「出さない出さない(笑)あたしもいい人見つけようかな。そうだ、辻原くんにでも惚れ薬使っちゃおうか(笑)」  
 優さん、あなたが言うと洒落には聞こえませんよ(笑)  
「惚れ薬って…そんなの辻原さんには効きませ−ん(笑)」  
「まぁ薬は中之井さんに没収されちゃったしもう作る気ないしね〜」  
「えっ?ホントに作ってたんですか!優さん凄い!さっそくお兄ちゃんに…」  
「いや、だから中之井さんに没収されちゃったのよ(悲)」  
「残念〜!お兄ちゃん達をくっつけるチャンスだったのに〜」  
「まぁ惚れ薬っていっても一粒三日ぐらいしか効果ないと思うし、よく考えたら薬で恋人同士になっても長続きしないだろうしね」  
「そうですよね、やっぱり真実の愛じゃなきゃ!ところでその惚れ薬、今どこにあるんです?」  
 握りこぶしで使う気マンマンです。サスガです、我儘です(笑)  
「中之井さん、果歩ちゃんのとこから引き上げた後にトイレで流したって言ってたなぁ(悲)」  
「へ?アタシのとこから引き上げた?何です、それ、知りませんよ?」  
「あれっ?聞いてなかったの?前に渡した番司君の撃退薬って惚れ薬だったのよ。間違えて渡しちゃったの、ゴメンね」  
 優さんの言葉を聞いた果歩の顔は青ざめ足が震えだしました  
「あの薬が…惚れ薬?…まさか…」「どうしたの、果歩ちゃん!顔真っ青よ!体調悪いの、大丈夫?」  
 果歩は震える手で優さんに抱きつきました  
「どうしよう優さん。あたし…番司に嫌われちゃう…嫌われちゃうよ…やだよ…嫌われたくないよ…」  
 果歩の目からはこらえきれずに涙が溢れだしました  
 
 
「そっか…あの薬使っちゃったのか…ゴメンね、あたしが間違えたばっかりに…」  
 泣きじゃくる果歩から事情を聞いた優さんは果歩の頭を撫でて落ち着かせてます  
「ううん、あたしが番司に変なもの食べさせたからいけなかったの…罰が当たったの…」  
 だいぶ落ち着いたのか果歩が涙をふきながら話し掛けてきました  
「よく考えたら番司がアタシなんかを好きになるなんてありえないもんね…アタシが番司の恋人になるなんて…  
夢みたいなもんだもんね…」「果歩ちゃん…」  
「そうよね、番司は陽菜さんが好きでアタシなんて全然意識してなくて…邪魔者扱いされてたし…  
それに引き換え陽菜さんはやさしくて綺麗で頭も良くて…アタシなんかよりずっと大人だし…」  
「果歩ちゃん!」優が遮ろうとするも話し続けます  
「おかしいと思ってたんだ…急に好きだなんて言い出すんだから…そうじゃなきゃ番司がアタシの事なんて  
好きになってくれる訳ないじゃない…番司にはアタシなんかより陽菜さんの方がお似合いだし…」  
 
 パンッ!  
 
「果歩!しっかりしなさい!」優が果歩の頬を叩きます  
「確かに薬の力であなた達は恋人同士になったわ。けど、だからといって番司くんを諦めなきゃならないなんてことない!  
あなたの番司君への気持ちはそんなものなの!薬なんかに負けちゃうわけ?諦めていいの!」  
 優は果歩を抱き締め語ります  
「今度は薬の力じゃなく、あなたの魅力で番司君を虜にしちゃいなさい…大丈夫、果歩ちゃんならできるわ」  
 優の言葉に果歩は泣きじゃくります  
「優さん…番司、アタシのこと嫌いにならないかな…ホントに好きになってくれるかな…このまま付き合ってくれるかな…  
恋人のままでいれるのかな…アタシに…好きって…言ってくれるかな…」不安な瞳で優に尋ねます  
「大丈夫、この天才優さんが保障するわ!果歩ちゃんの魅力でイチコロよ!」  
 優は自信満々に言い切ります  
「第一、番司君はモテナイしね。まぁよっぽどな物好きじゃなきゃあのハチマキ男には惚れませんよ、果・歩・さん(笑)」  
「むぅ〜物好きで悪かったですね!」涙を拭き握り拳を振り上げ立ち上がります  
「あれは誰にも渡しません!アタシの物です!アタシだけの物です!」机を叩き  
「そうよ!アタシの物よ!邪魔するヤツは例え陽菜さんでも…殲滅よ!女の恋は…戦争よ!」  
「よっカワイイよ、このわがまま女!」「変な合いの手入れない!さっそく…作戦会議よ!」  
 瞳に炎を宿した果歩が力強く宣言します  
(やれやれ、やっと果歩ちゃんらしくなったね…しかし惚れ薬大成功じゃん!商品化しよっかな?)  
 優さんあなた、少しは懲りたらどうなんですか(悲)  
 
 
 優さんの部屋で作戦会議です。今回はデルタ3,4共に不参加のようです。まあ恋人に薬を盛ったなんて  
あまり人には知られたくないですしね  
 
「まずどうやって番司をアタシの虜にするかですが提案のある人いますか?」2人だけで提案のある人もないような…  
「ハイ、議長!」優さんが挙手をしてホワイトボードに書き始めます  
「私の提案は『口渡しでポッキー食べさしてキスしちゃった作戦』で「却下です」  
 優は即座に却下されたので「何故に?」と問いただすと「…毎日してるから…」と甘い答えが…  
「…では、『膝枕での愛の耳かき「却下です」また即却下です  
「まさか議長…」真っ赤な顔で頷き「…うん、昨日したところ…」呆れ顔で「まさか毎日とか…」  
 と聞くと「二日に一度ぐらい」と素敵な返答が…  
「……では『ご飯熱いからフーフーして食べさ「却下です」額を押さえ聞くと  
「…2人の時は必ずしてるの…ポッ」とやっぱりな答えが…「…必ず、なんだ…」「うん…番司も食べさせてくれるし…」  
 顔に手を当てイヤイヤしてます「…さいでっか…」優さんの手にはいつの間にかビールが握られてます  
「………では『今日も一日ご苦労様です。お風呂でお背中流しましょ「却下です」  
 空き缶を握りつぶし聞くと「[果歩に背中を洗ってもらうと心も綺麗になるよ。愛してる、チュッ]ってしてくれるから  
よくするの…キャッ。あ、もちろん水着着用です。私達プラトニックな関係ですから」との体中がかゆくなる返答が……  
 優さんは一升瓶片手にまだ提案します。すごい忍耐力です  
「では最終兵器の『男の夢!裸エプ「却下です」二本目の一升瓶片手に「何でじゃい」と聞いたら  
「番司に怒られたの。そんな事しなくてもお前は世界一魅力のある女だ…って」またイヤイヤってしてます  
「…………もう嫌だ〜!殺せ!いっその事殺せ!もう殺してくれ〜」優さん切れちゃいました(笑)  
「もう、優さんこんなに酔うまでお酒飲むなんて…よっぽどな事があったんだ…」…ありましたよ。今、まさに目の前でね…  
「もうてめぇら子供でも作ってどっか行け!ボ〜ケ〜」酔っ払い優さんのたわ言に果歩の目がピキーンと光りました  
「そう、それよ、それしかないわ!二人の愛の結晶よ!」  
 いやいや早まっちゃダメですよ、果歩さん。あんた中二でしょ?  
「番司に飲ました薬は10錠…優さんは1粒3日って言ってたわね…2週間経ってるから残り16日…今日を除くとあと15日…」  
 顎に手を当て考えます。目が怖いです  
「生理の周期を考えると…作戦決行日は…3日以内ね。よしっ!ここからが正念場よ〜」  
 両手を握り締め決意を固めてます  
(ここを逃せば番司と分かれなきゃいけないかも…そんなのイヤ!死んでもイヤ!絶対に…イヤ!アタシにここまで惚れさせた責任は  
取ってもらうわよ。絶対逃がさないんだからね、覚悟なさい!番司!)  
 果歩は鼻息荒く走り出しました。哀れな酔っ払いを捨てて……(悲)  
 
 
 次の日の朝、いつも通りに番司が迎えにきました  
 
「おはよう番司いや弟よ。毎朝ご苦労さん」「おっす工具楽、果歩はまだか?」  
 最初は弟じゃねえ!とか言ってましたがもう慣れたみたいです  
「ああ、なんかまだ弁当作ってたな」「へぇ珍しいな。寝坊でもしたのか?」「まさか、俺じゃあるまいし、はっはっはっ」  
 我聞胸を張って笑ってます  
「威張れることか?それ。こんなのが兄貴だと果歩も苦労するよな」  
 やれやれといった感じの番司  
「むぅ、何を言う、どこをどう見ても立派な家長じゃないか!」  
「勇ましいセリフは赤点をなくしてから言ってみろ(笑)」「うぐっ、し、しかしお前も見たようなもんだろ(汗)」  
「はっはっはっ、最近は果歩に勉強を教えてもらってんだよ。赤点なんてあり得ねぇよ」  
 いや、番司君。果歩は中二ですけど…  
 番司はやれやれといった表情で言います  
 
「お前のような奴が社長じゃ國生さんもかわいそうだよな(笑)」  
 
(う〜んお弁当、番司に精力付けてもらう為とはいえウナギの蒲焼にとろろ汁はやりすぎたかな?けど決戦は近いからね…)  
 果歩は番司と我聞の弁当箱とポットを持って玄関へと急ぎます。ちなみに我聞の弁当の中身はふりかけです(悲)  
「お兄ちゃん、これお弁当。ポットにはとろろ汁が…」  
 玄関から我聞に声を掛けようとした時、番司の声が聞こえてきました「……國生さ…かわ……よな」  
(え?今番司が國生さんって言ってた?なんで?…まさか薬の効果切れちゃったの?…)  
 恋人の番司が以前の思い人の名を言ったことに愕然とします  
(なんて言ったの…『國生さん…かわ……よな』って言ってた…)  
 真っ青になった果歩の脳裏には最悪の言葉が浮かびました  
(『國生さんってかわいいよな』って言った…んだ…あはは…遅かったんだ…薬切れちゃってたんだ…)  
 目からは涙が溢れ出します…  
(もうアタシの事かわいいって言ってもらえないんだ…もう…無理なんだ…)  
 果歩はお弁当を玄関に置き自分の部屋にこもりました  
 
 
「それにしても果歩のやつ遅いな。このままじゃ遅刻だぞ。番司、ちょっと待っててくれ、呼んでくるから」  
 我聞が果歩を呼びに行きます。我聞の話は無視して番司は果歩とのこれからを想像してます  
(う〜ん、果歩が高校卒業したら一緒に住んでくれねぇかなぁ…イヤ、無理か。果歩が抜けたら工具楽家が潰れそうだしな…  
そうだ!工具楽が國生さんをさっさと嫁にしちまえばいいんだ!ナイス、俺!よし果歩に相談して裏で手ぇ回して…)  
 番司がGHKと同じ考えにいたった時、我聞が出てきました  
「すまん番司。果歩は気分が悪いから今日休むそうだ」  
   
「は?なんだそれ?何時からだ、何時から具合悪かったんだ!」  
 恋人の一大事に番司は我を忘れて我聞に問い詰めます  
「今朝は普通だったんだが急に悪くなったみたいだ…すまん、家長としての責任不足だ」  
「なんで気づかねぇんだ!てめぇ家族だろ!それでよく家長なんて言えるな!」  
 番司の怒りは収まりません。我聞を殴りそうな勢いです  
「…お前の言う通りだ、すまん…」  
 唇を噛み締めて頭を下げる我聞…責任を感じた我聞は弁当を番司に渡し言います   
「果歩の看病は俺がするから番司は学校に行け。せっかく果歩が作ってくれた弁当だ…持って行ってくれ」  
 しかし番司は少し考えて  
「いや、俺が看病する。お前単位やばいんだろ?お前こそ学校に行かなきゃな」「確かにそうだが、しかし…」  
「俺に看病させてくれ。たまにはアイツのために働きたいんだ、頼む!」  
 頭を下げる番司、それを見て我聞も折れました。番司の肩をバンッと叩き  
「分った、果歩を頼む。しかし果歩はいい男を捕まえたな。羨ましいぞ」  
 番司は顔を真っ赤にして我聞を怒鳴りつけます  
「さっさと行け!単位落とすぞ!」  
「はは、照れるな照れるな。ではまかせたぞ。なるべく早く帰るからな!」  
 我聞は自分の弁当箱を持ち走っていきます。番司は恋人が作ってくれた弁当箱を見つめ  
 
「あのバカ…辛いのなら辛いって言ってくれよ…俺達、恋人だろ…」  
 
 うっすらと涙を浮かべながら弁当箱を見つめています  
 
 
その頃果歩は自室で頭から布団をかぶり声を殺して泣いています  
(…番司…番司…辛いよ…苦しいよ…なんでアタシじゃなく陽菜さんなの…ヤだよ、離れたくないよ…)  
 涙で枕はもうぐしゃぐしゃです。制服のままなので服も皺くちゃです  
(こんなに…こんなに好きなのに…ずっと…ずっと一緒に居たいのに…なんでなの番司…辛いよ…助けてよ…)  
 自分の肩をギュっと抱きしめ震えています  
(…諦めなきゃダメなの…かな…もう一緒に…居れないの?…もう好きって…言ってもらえないの?…番司…)  
 その時部屋の襖が開き  
「果歩!大丈夫か、熱はないか?腹減ってないか?喉渇いてないか?」  
 番司が騒がしく部屋に入ってきました  
 
(ば、番司?なんで?…そっか、お兄ちゃんに聞いたんだ…何の用だろ…別れ話かな…ヤだな…)  
 果歩は布団から顔を出そうとしません  
「果歩、大丈夫か!熱はあるのか?吐き気は?頭痛くないか?」  
 番司は優しく布団の上から撫でてくれます  
「ごめんな、無理して弁当作ったせいで…気分はどうだ?」  
 布団の下から果歩が呟きます  
「…やく…」「何だ?果歩。何て言ったんだ?」「最悪って言ったの!」  
 布団をはねのけ番司に向かって叫びます  
「あんたのせいで…あんたを好きになったせいで…なんでよぉ…なんでアタシじゃなく陽菜さんなのよぉ…」  
 果歩は番司に抱きつき胸で泣きじゃくります  
「アタシはあんたと一緒に居たいだけなのに…何でダメなの…」  
 番司の胸の中で思いを言い続けます   
「アタシはあなたじゃなきゃイヤなの!何でアタシじゃないの…番司…何で陽菜さんなのよ!」  
 果歩は興奮して自分でも何を言ってるかもう分りません  
 
 番司は果歩の髪を優しく撫でて落ち着くのを待ってます  
「…スン…グスン…」「落ち着いたか、果歩」「…うん、ゴメンネ」  
 30分程で果歩は落ち着きを取り戻し、番司の胸から離れました  
「果歩…」「いいの、短い間だったけど楽しかったよ…ゴメンね」  
 果歩は微笑みながらしかし寂しい笑顔で番司を見つめ言いました  
「アリガト…嘘でもアタシの事好きって言ってくれて…ホント楽しかったよ…アリガト…」  
 そう呟いて部屋を出ようとしました  
「果歩、ちょっと待て!」  
 番司は果歩の腕を引き寄せて言いました  
 
「果歩、ゴメン……お前が何を言ってるのかさっぱり訳分らないんだけど…なんかあったのか?」  
 
 番司の頭には?マークが何個も浮かんでます  
 
「ごにょごにょごにょ」  
 果歩は耳打ちします  
「俺が國生さんのことが好きだって?そりゃちょっと前までは付き合う事を夢見てたよ…けど今はお前一筋だって」  
「ごにょごにょにょごにょ」  
「はぁ?さっき俺が國生さんかわいいなって言った?そんなの言ってねぇよ。ただ『國生さんもかわいそうだよな』  
って工具楽には言ったがな。聞き間違いだろ、工具楽に聞いてみろよ」  
「ごにょごにょごにょにょ」  
「なぬ?薬の効果が切れてお前の事好きじゃなくなったはずだ?ナンだそりゃ?薬飲まなきゃならねえのはお前だろ、果歩」  
「ごにょごにょんごにょ」  
「ぬを!惚れ薬!?告白した日に別の薬と間違えて俺に飲ましたぁ?何飲ませようとしたんだ、お前は(怒)」  
「ごにょごにょごにょりんこ」  
「じゃあまだ効果が続いてるのかって?んなもん知るか!効果があったとしてもとっくに消えてるよ」  
 番司は頭を抑えため息を吐き出しました  
「お前俺が仙術使いだって忘れてるだろ?告白した日にお前の言う惚れ薬のせいだろうな。体の調子が狂ってたんで  
新陳代謝を早めて体調を元に戻したんだよ。次の日には全開バリバリよ!」  
 果歩はかわいい口をポカンと開けて聞いてましたが  
「じゃ、な、なんで薬の効果も切れてたのにアタシと付き合ってたのよ!アタシの事キライだったんでしょ!」  
「告白するまでな…あの時のお前の笑顔…世界で一番綺麗だったんだ…一目ぼれって奴か…」  
 果歩は恥ずかしいやら嬉しいやらで顔はもう真っ赤です。それを見た番司は堪えきれず笑い出しました  
「あ〜はっは!ナンだ全部お前のカン違いかよ!カン違いにも程があんぞ(笑)」  
「アタシはね、真剣だったんだよ!番司に嫌われると思って…あんたを引き止めるために子供を作る覚悟だったんだからね!」  
「あ〜そうか、ゴメンゴメン。あ〜腹イテ」  
 番司はわき腹を押さえて誤ります  
「く〜(怒)、いつまで笑ってんの!アタシは病人なのよ!さっさと看病しなさい!」  
 今までの騒動がすべて自分のカン違いだと分り番司に八つ当たりです(笑)   
「はいはい…なぁ果歩知ってるか?病気を早く治す方法…」「そんなの知んない!」  
 果歩はぷいっと顔を横に向けます  
 番司は果歩の顔を両手で優しくつつみ囁きます  
「人に移したらいいんだよ。例えば…口移し…とか」    
 番司は果歩に軽くキスをします  
「もう、そのセリフも聞いた事ある〜」  
 惚けた顔で文句を言いますが  
「そうか、俺もだよ」  
 番司はそう言い…激しくキスで果歩を求めてきました   
 
 (ちゅ…ちゅぱ…んちゅ…じゅる…)  
「ん、は、ぷぁ…やぁ…ん…はん…」  
 果歩は初めてのディープキスに頭が惚けてきました  
 番司の舌が果歩の唇を割って入り舌を絡め、吸い、また絡め徐々に激しい動きになってきます  
「ふぁ、番…司んん…おねが…ちょっ…んぁ…待っ…」  
 番司の舌は果歩の唇から名残惜しそうに離れます  
「ん?果歩どうした?」「激しすぎ…るよ」  
 果歩は肩で息をして惚けた目で番司を見つめます  
「わりぃ、つい…イヤか?」「ううん、ちょっとビックリしただけ…」  
 果歩の目には涙が浮かんでます  
「スマン!調子に乗りすぎ「違うの!嬉しいの…番司がアタシを求めるなんて…今までなかったから…」  
「果歩…」「アタシがどんなに誘惑しても我慢してくれてたんだよね…アタシの体気遣ってくれてたんだよね…」  
 果歩は番司の首に両腕を回し額同士をコツンとくっつけました  
「ねぇ番司…アタシ風邪引いたみたいで少し寒いの…」  
 果歩はニッコリと微笑みながら番司に囁きます   
「寒い時に体を暖めるのには何がいいか知ってる?」  
 番司は果歩の体を軽く抱きしめ尋ねます  
「さぁ、なんだろうな?」  
「人と人が裸で抱き合うのが一番なの…」  
「そのセリフ聞いた事あるな」  
「そう?けどねアタシが言うのは貴方だけ…好きよ…番司…」  
 2人はお互いをキスで求め合いました  
   
(チュッ、チュチュッ、チュプ、レロ、チュチュッ、チュパッ…)  
「あ、ふぁ、ひゃ、あ、んあ、あふ…」  
 番司は果歩の制服を脱がしながらキスをします。唇が触れるたび果歩の口から声が漏れ果歩は必死に声を抑えようと  
右手で口を抑えます  
 唇、まぶた、頬、額、耳、首筋そして唇と次々にキスの雨を降らしつつ制服を脱がし遂にはブラをはずします  
「アタシの胸、まだ発展途上なんだ…ゴメンネ、小さくて」  
 果歩は番司から目を逸らし謝ります  
 番司は胸をもみだしながら先端のピンクの突起を口に含みます  
「ひゃう!あ、ああ…いや噛ん…あ、だめ、気持…い…よぉ…番司ぃ」  
「果歩、お前の胸、最高だ…すべすべして柔らかくてこんなに感じてくれる…あぁ果歩…」  
 番司は右手で左胸を口で右胸を愛撫しながら左手は下に下にと降りていき遂に果歩自身へと辿り着きました  
「ひゃう!ダメダメダメ番司そこ触らな(クリ・クチュ・クチュ)ひゃぁん!やだ番司!お願(クチュクチュクチュクチュクチュクチュ…)いっ…きゃぅん!」  
 果歩は番司を抱きしめ、痙攣しながら反り返りそして脱力しました…  
 
果歩の恍惚の表情を見ながらテクニックを伝授してくれた先輩に感謝しました  
(すげぇ…果歩、いっちゃたんだ…有難う御座います理来さん!姉ちゃんにはすげえ人だと言っておきます!)  
   
「…ん、番司…今…の何?なんか凄か…た」  
 初めての絶頂に体力を消耗した果歩は、息も絶え絶えです  
「果歩…ん…」番司はキスをして果歩の口の中を味わいます  
「んひゃう…ふゃんびぃ…しゅき、好きなのぉ…愛してるのぉ…」  
 果歩の呟きに番司は我慢の限界です  
「果歩…いいか」  
 果歩は番司を見つめながら頷きます  
「うん…アタシは番司の物…番司だけの物だから…好きにしていいよ…」  
 果歩の最後に残ったショーツを脱がし自分自身を果歩にあわせます  
「いくぞ…果歩」「うん…」一気に果歩へと進入します  
「いっっきゃぁ!痛、痛い痛い、番司、ああ!番司ぃっ!」  
 果歩は頭を振り乱し番司の背中に爪がめり込むほど強く抱きしめました  
「(グチュグチュグチュ)ああ、果歩(グチュグチュグプ)好きだ愛してる」  
 番司はピストン運動を繰り返しながら果歩にキスをし愛を囁きます  
「ひっ、(グチュグチュ)うぎぅっ、(グチュグチュ)痛ぅ、あぁ番司ぃ好き好きなのぉ、愛してるのぉ」  
 番司のために痛みをこらえ耐えています  
「果歩…もう、ダメだ」「中に、中に出して…あなたを…番司を感じたいのぉ!」  
(グチュグチュグチュグチュグチュグチュプチュグチュプチュ……)  
「果、果歩!うっくぅぁぁ」果歩を力一杯抱きしめ、果歩の中で絶頂に達しました  
「ば、番司ぃ!ああ!あぁぁぁ………あったかい…番司のが…アタシの中に…」  
 果歩は自分の中に番司が広がるのを感じ気を失いました  
 
 
「果歩、のど乾いたろ、スポーツドリンク取って来ようか?」  
 2人仲良く布団の中で余韻を楽しんでいます。果歩は腕枕してもらって上機嫌です  
「ん…まだいい…なんかさ…終わってみると…恥ずかしいね」  
 番司の胸に顔をうずめ照れてます  
「ホントだな…けど俺は嬉しいよ…お前と一つになれて…」  
「ぷっ、また何かのセリフ〜、ボキャブラリー少ないわねぇ。けど…アタシも同じ気持ちよ…」  
「果歩…」「番司…」唇が近づき二人の距離がゼロになる寸前  
 
 ぐうぅ〜  
 
「………」「……今のわざと?」  
 番司のお腹に笑いの神が降りて来て雰囲気を台無しにしました  
「…ぷっ、あはは、あなたらしくていいわ。そうだ、せっかく作ったんだからお弁当にしましょ?」  
「…そうだな…今日のおかずはなんだ?」  
 果歩はニヤリと笑い  
 
「ウナギの蒲焼ととろろ汁よ。午後に備えて精力つけて貰わないとね!しっかり食べてね!」  
 
 番司は悟りました(俺は一生尻に轢かれるんだろうなぁ…)と。  
   
 しかし(果歩の尻ならいいかな?)とも考えています  
 
 
 お幸せに…  
 
 
 
 おまけ 
 
 
2人が結ばれてから一ヵ月後……  
「なんで来ちゃうのよチクショ〜!」  
 果歩さんご立腹です  
「果歩ちゃん、何かあったの〜」  
 せんべい片手に優さん尋ねます  
「生理が来ちゃったんですよ〜。せっかく初めての時にうまく騙して中に生で出してもらったのに(怒)」  
「へ、へぇ〜そうなんだ…」優さんドン引きです  
「安全日って嘘ついて3回も出さしたのに〜、悔しい!」  
「は、初めてで3回しちゃったの?しかも危険日に生で?」  
「そうですよ。あれ以降、生ではしてくれないんですよ。子供が欲しいのに〜」  
「果歩ちゃん中学生だからまだ早いんじゃないかな〜っと…」  
「優さん分ってない!番司はかっこいいから尻軽女共に狙われるんですよ!子供は抑止力です!」  
「(付き合いきれんわ)そう、頑張ってね〜」  
「あ、優さん惚れ薬の反対の物って作れな「無理!絶対無理!」  
「優さんなんか冷たい〜、はは〜ん、さては焼いてるな〜」  
「………」  
 
 優さん夕日に向かって叫んでます  
 
「……もういやだ〜!転職する〜!毎日毎日やってられるか〜!」  
 
 優さんご愁傷様…  
 
 
 終わり  
 
 

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