ここは工具楽屋本社、時刻は午後8時をまわったくらい。  
 
本業さえ入らなければ、普段なら既に仕事は終わり灯りも落ちている時刻だったが、  
國生陽菜はひとりPCに向かって作業をしている。  
しかし、急いで片付けねばならない仕事の為に残業しているのかというと、そんな緊迫した感じではない。  
むしろ、他にやることも無いからとった感じで、ぼんやりキーを叩いてるような雰囲気だった。  
実際そのとおりで、彼女は人を待っているのである。  
 
(社長・・・遅いな・・・)  
 
解体の仕事先でなにやらトラブルがあったようで(今回は我聞のせいではないらしい)、帰社が遅れていた。  
その連絡をうけた陽菜にだけ聞こえるように、我聞は小声で「ゴメン」と言っていた。  
今日は、陽菜の部屋で我聞に料理を振舞う約束をしていて、できれば早く帰って準備に取り掛かりたかったのだが、  
その相手がいつ戻るか分からないのでは仕方ない。  
他の社員たちには残業があることにして先に帰ってもらったが、  
もともと手際の良い陽菜のこと、残業してまで片付けるような仕事は大して残っていない。  
 
「はぁ・・・」  
 
本日何度目かもわからないため息をついて、背もたれに身体を預ける。  
何もやることが無く、かといって帰ることも出来ない、そんな退屈さにうんざりしていた。  
 
(社長のせいじゃないとはいえ・・・タイミング悪いなぁ・・・・折角しっかり準備したのに・・・  
 でも、社長、お腹空かせてるだろうな・・・今日の為に練習したメニューだけど、  
 もっと時間のかからないモノに変えちゃおうかな・・・)  
 
机に頬杖をついて、そんなふうにぼんやりとこれからのことを考え出す。  
 
(でも折角練習したんだし・・・社長の好物だしな・・・前に社長が作ってくれたのよりはまだ美味しくないけど、  
 食べてもらいたいな・・・)  
 
天井近くの何も無い空間に目を向けて、ちょっと頬を赤らめてぼんやりと妄想に浸る。  
 
(社長、おいしいって言ってくれるかな・・・そしたら・・・そしたら・・・)  
 
幸せそうに顔を緩めながら、だんだん目が虚ろになり、ふらふらと身体が揺れ始める。  
 
 
しばらくして、時刻は午後8時30分過ぎ。  
 
「ただいま戻りましたっ! すまん遅くなった! いや参った、向こうで重機が故障しちゃって・・・って、あら」  
 
待ちに待ったはずの我聞に何も反応せず、  
陽菜は待ちくたびれたように頬杖をついてぼんやり天井を見上げているかと思いきや・・・  
 
「・・・すぅ・・・ すぅ・・・」  
 
妄想に浸りながら、待ちくたびれて眠ってしまっていた。  
 
「む・・・悪いことしちゃったな・・・支度できるまでもう少し寝かせておいてあげるか・・・」  
 
小声でひとりごちると、幸せそうな寝顔の陽菜に微笑みかけて、我聞はロッカーへと向かった。  
 
 
陽菜は夢を見ていた。  
我聞に手作りの食事を食べてもらって、誉めてもらえた。  
ご褒美にキスをしてもらって幸せな気分。  
 
「ん・・・しゃちょ・・・うれしい・・・」  
 
夢の中の台詞は、陽菜の口から実際の声となって漏れる。  
陽菜はそんなことなど微塵も知らす、夢の中で我聞といちゃついて、抱き合う  
倒れこむと何故かそこはベッドの上で、二人とも裸になっていて、我聞に身体中を愛撫されて―――  
 
「ふぁ・・・ぁ・・・しゃ、ちょお・・・」  
 
そこへ、丁度着替えを終えた我聞がロッカーから出てきて  
 
「お、國生さん起きたか、すまなかったね、待たせちゃって・・・って」  
 
近寄ってみると、相変わらず夢の世界の住人であることはわかった。  
だが、それよりも・・・  
 
「こく、しょうさん?」  
 
先ほどの安らかな寝顔から一転して、いやに顔が赤く火照り、息も荒い。  
一見して熱でも出したかのような雰囲気だが、その悩ましい表情に我聞は見覚えがある。  
荒い息と一緒に漏れる切なげな声にも、聞き覚えがある。  
 
「はぁ・・・しゃ・・・ちょぉ・・・」  
 
また、寝言で我聞のことを呼ぶ。  
陽菜が夢の中でどんなことをして(あるいはされて)いて、その相手が誰か・・・我聞にも、すぐにわかる。  
我聞は、そんな陽菜の寝顔を覗き込んだまま目が離せず、ごくりと唾を飲み込む。  
スーツを着込み、会社の事務所で自分の席に座る陽菜は、本来は高校生離れした、知的で冷静な少女だった。  
その陽菜が、その格好で、しかも会社で、顔を赤らめて息を荒げている。  
そこに何か背徳的な興奮を覚えずにいられない。  
 
我聞の目の前で陽菜は何度か彼のことを呼び、その度に息は荒くなり、身体は小刻みに震えだす。  
そして、小さくびくんっ、と背を反らすように震えると、ため息をつくように大きく息を吐き、  
うっすらと目を開けて、  
我聞と目が合った。  
 
「・・・・・・」  
「・・・・・・お、オハヨウ」  
「・・・・・・」  
「・・・・・・」  
「・・・!!! わ、わ、しゃ、しゃ、しゃちょっ!? しゃ、い、いつから、そ、わ、わわわっ!」  
「お、おちついて國生さん!」  
 
あまりに動揺して、椅子から転げ落ちそうになった陽菜を、我聞は慌てて受け止める。  
 
「あ、あ、あの・・・い、いつから、そ、その、そばに・・・」  
 
なんだか可哀想なくらいに真っ赤になってしまっている。  
 
「ええと、しばらく前から・・・」  
「え・・・じゃ、じゃあ・・・ずっと、私の、顔・・・」  
「う、うん・・・寝言も・・・」  
「ねごっ! え、あ、そ・・・な、私、な、なんて・・・?」  
「・・・俺のこと呼んでた、あとはまあ、その・・・寝言というか、言葉じゃないけど・・・まあ、そういうの・・・」  
「・・・・・・・・・」  
 
陽菜、もう言葉がでない。  
 
(ば・・・ばれてる?・・・会社で、あんな夢みちゃったこと・・・それに・・・寝言って・・・  
 と、とにかくこれ以上追求される前に・・・って・・・)  
 
真っ赤になったまま、完全に固まってしまっていた陽菜だったが、椅子から落ちるところを受け止められて、  
そのままずっと抱かれっぱなしなことに今更気付く。  
 
「あ、しゃ、社長! わ、わたしっ、もう大丈夫ですから、立てますから! ・・・社長?」  
 
我聞の腕から抜け出そうとするが、がっちりと抱かれていて離れることができない。  
 
「國生さんさ、夢で、満足できた?」  
「・・・! な、何をおっしゃるんですか! 意味わからないです!  
そ、そんなことより、帰りましょう! そう、ごはん、作らなきゃ!」  
 
そうは言いながらも、改めて問われてしまうと、認めざるを得ない。  
空想で身体を火照らせてはいたが、肝心のそこには指すら触れていないのだから、  
その感覚は今でも身体の芯で燻り続けている。  
 
「俺さ・・・國生さんがここで・・・会社で、スーツを着たままでそんな表情して、あんな声だしてるの聞いて・・・  
 ちょっと、我慢、できそうにない・・・」  
「え・・・・・・ちょ、ちょっと待ってください! ここ、会社ですよ!? ダメですよ、しゃちょ・・・んむ!」  
 
必死で拒絶する陽菜の唇を、強引に奪う。  
スーツの上から胸を揉みしだき、スーツの上から秘所をまさぐる。  
我聞のかつて無い強引な愛撫に始めは歯を食いしばって抵抗するも、強引な愛撫の前に程なく陥落してしまう。  
口が開いてしまうと、あとはいつものように我聞の舌に侵入され、ディープキスで心が蕩けてしまう。  
 
「ふんん・・・んぅ・・・ふむ・・・むぅ・・・んぅ! うふぅっ・・・ふ・・・ううう・・・」  
 
身体は小さく震え、甘いうめき声を上げて、身体を我聞に預けて脱力する。  
我聞の手が陽菜のベルトにかかり、スーツを緩め、下着の中に手を入れても、抵抗はしなかった。  
 
「ほら、國生さん・・・もう、君のあそこ・・・こんなだよ」  
 
陽菜の唇を存分に吸い尽くして解放すると、秘所を弄った指と、そこに絡みつく陽菜の蜜を見せる。  
 
「や・・・ぁ、そんな、見せないで・・・んく・・・」  
 
そう言いつつも、その指を陽菜の口に入れると、反射的に陽菜はそれを舐めしゃぶる。  
 
「ね、國生さん・・・やっぱり、ここでするの、嫌?」  
「・・・だって・・・ここ、会社です・・・そんなことしたら・・・その・・・その・・・」  
「俺、会社で、スーツを着た國生さんが、もっとえっちに乱れるところ、見てみたい・・・乱れさせたい・・・」  
 
どきんとする。  
ここはそんなことをしていい場所じゃないし、そんなことをする格好ではない。  
けど・・・その背徳的な感覚は、陽菜の心も揺さぶる。  
会社で・・・社長に・・・強引に・・・  
そう考えるだけで余計に火照る身体と、心を絡め取る淫らな誘惑に必死で抗って  
 
「そ、そんな・・・・・・それじゃあ、本当にセクハラ社長じゃないですか!」  
「う・・・きょ、今日だけならそれでもいい! 会社でえっちな夢を見る秘書さんとならお似合いだし!」  
「開き直られても・・・って、私まで一緒にしないでくださいっ!」  
「でも、事実でしょ? ほら、社長の言うことは聞かなきゃ、ね・・・」  
「そんなぁ・・・・・・・・・・・・きょ、今日だけ・・・今日だけですからね・・・絶対ですよ・・・」  
 
答える代わりに、我聞はにーっと笑う。  
押し切られてしまったのか、誘惑に負けてしまったのか・・・陽菜は自分でもわからなかった。  
 
陽菜を立たせると、ベルトの外されているスーツの下は、するりと落ちてしまう。  
 
「きゃ!」  
 
恥ずかしくて急いで引き上げようとするが、正面から我聞に密着されて屈ませてもらえない。  
 
「社長、ズ、ズボンが・・・」  
「だめ・・・これからするんだし、どうせ脱いでもらうことになるんだから」  
「で、でも・・・あ・・・」  
 
そう言っている間に、今度はスーツの上のボタンを外されてしまう。  
前をはだけさせただけで脱がそうとはせず、そのままネクタイを緩め、ワイシャツのボタンも外していく。  
 
「や・・・やっぱり恥ずかしいです・・・会社でなんて・・・」  
 
我聞と二人きりとはいえ、事務所で下着を晒していることが恥ずかしくて堪らず、我聞に背を向けてしまう。  
 
「そうやって恥ずかしがる國生さん・・・すごく、かわいいよ」  
「え・・・か、からかわないでください・・・ひゃ!」  
 
そんな陽菜を後ろから抱きすくめ、耳に息を吹きかけてみる。  
びくん、と震えはするが、抵抗はしない。  
今度は首筋にキスをする。  
 
「んふっ・・・」  
 
切なげな吐息と共に、びくびくと身体を震わせる。 が、やはり抵抗はしない。  
そのまま、首筋からうなじや耳の後ろ、髪にまで転々とキスを繰り返し、  
左手を胸に、右手を秘所へとあてがうと、下着の上から揉みしだき、擦り上げる。  
 
「ふ・・・あ・・・あは・・・っ・・・」  
 
夢の中から燻り続けていた身体は簡単に再燃し、  
ゾクゾクとする快感に襲われて、もともと湿っていた下着を更に濡らす。  
 
「國生さん・・・」  
 
キスの雨を降り止ませると、腕の中の彼女の名を呼び、振り返る陽菜の唇を己の唇で塞ぐ。  
 
「ん・・・」  
 
今度は抵抗もなく、二人は互いに求め合うように舌を絡ませて、貪欲に吸いあう。  
左手はブラを除けて直に胸をまさぐり、右手は下着の下へ滑り込ませて秘所を指で割り開く。  
我聞の愛撫で身体を焦がす快楽の炎はますます燃え盛り、切なげに息を乱し、悩ましげに身体をくねらせる。  
 
「んん・・・んっ・・・んふっ・・・ん・・・んむっ・・・ん! んむ! んむぅぅ・・・っ!」  
 
唇を塞がれたままでうめき声を上げるしかできない陽菜だが、その調子が徐々に切羽詰ったものになってくる。  
それを察知して、秘所の浅いところを弄っていた指をいきなり奥に突き入れると、ぐりぐりと掻き回す。  
 
「んん! んーっ!! んんんん! ん! んむ! んむ――――――っ!!!」  
 
びくびくと身体を震わせて我聞の腕の中でもがいたあと、全身を仰け反らせてぴん!と身体を強張らせ、  
そして脱力して、ぐったりとした身体を我聞に預けた。  
唇を解放し、指を引き抜き、胸の辺りを両手でぎゅ、と抱きしめて陽菜を支える。  
 
「っぷあっ、うぁ・・・はぁっ、はあっ・・・ふぁ・・・あ・・・」  
 
我聞の腕の中で、陽菜は絶頂の余韻に浸っていた。  
まだ身体はびくびくと震え、呼吸も整わない。  
 
(わたし・・・イっちゃった・・・会社で・・・イかされちゃった・・・)  
 
恥ずかしくて堪らないが、同時にこの状況にどうしようもなく興奮している自分を否定できない。  
半裸にされて事務所で愛撫されて絶頂まで押し上げられても、それをさせた当人の腕の中は心地よくてたまらない。  
 
「國生さん、イっちゃったね、会社で・・・普段より、興奮した?」  
 
耳元で、その当人が囁く。  
あなたの・・・社長のせいです・・・、と言って甘えたくもあった、が・・・  
 
「し、知りません・・・っ」  
 
その事実を受け入れてしまうのが恥ずかしくて、素直に認められない。  
 
「・・・國生さん、正直に言わないとダメだよ・・・ほら、ここだって普段よりもすごく濡れてる・・・」  
「や!・・・そんなこと・・・ないですっ!」  
 
そこを弄っていた指を陽菜の頬に当ててじっとり絡んだ蜜を擦り付けるが、  
顔を背けるようにして目をぎゅっと閉じて、頑なに認めようとしない。  
だが、“今日だけはセクハラ社長を受け入れた”我聞がそれを許すはずもなく、  
身体を固くする陽菜の正面に回ると、彼女の足元に跪き・・・  
 
「ひ! や、やだっ! しゃちょっ、ふぁあ!」  
 
びっしょりと湿って中身が透けてしまっているショーツを下ろすと、今度は下の唇へディープなキスをする。  
ぢゅるる、とわざとらしく音を立てて溢れる蜜を吸い、その源泉に舌をねじ込み、更に蜜を掻き出す。  
 
「やだっ! そんな音だしてすわないでぇっ! だめ、やです、やぁ! ・・・っうぁあ!? ら、らめ! や!  
 歯がっ、くちびるっ! あた、あたって、ひぎ! あ、やあ! うぁ! っひ、うああ!」  
 
陽菜の更に奥へ舌を突き入れようとして、我聞は顔を陽菜の恥丘にぐりぐりと押し付ける。  
その勢いで、我聞の歯や唇が、陽菜のクリトリスに触れ、擦り、押し付けられてしまう。  
ただでさえイって間もない身体を芯から弄られて、ガクガクとした痙攣が止まらないのに、  
敏感すぎるそこを刺激されると、更にびくびくと身体が震えて、自力で立っていられなくなる。  
しゃがんでいる我聞に支えてもらうことも出来ず、背後にある自分の机に手を置いて、なんとか身体を支える。  
だが、身体が安定してしまったせいで、緊張感で抑えられていた快感は堰を切ったように溢れ出し・・・  
 
「っひ! や、らめ、らめええ! しゃちょ・・・あ・・・っ! もう・・・もう、もう! だめ・・・!  
・・・っく・・・イっちゃう・・・わたし・・・しゃちょ・・・もう・・・イく! イっちゃ、っあああ!」  
 
再び身体を弓のように逸らせて強張らせて、弛緩すると同時に膝から崩れ落ちそうになるのを、  
立ち上がった我聞が支える。  
まだ震える身体で、陽菜は子供のように我聞にしがみつく。  
そんな陽菜の顎に触れて上を向かせると、唇で唇に触れる。  
 
「ん・・・・・・! んんん―――――――!?」  
 
絶頂を迎えたばかりで霞む頭でも、我聞が何をしようとしているかはわかる。  
キスされるのは、嬉しい。  
だから何も迷わずに唇を開くと、  
我聞の舌と一緒に、とろり、と液体が流し込まれる。  
生温かくて、しょっぱくて、少しだけすっぱい、そんな味の液体。  
 
(うそ・・・社長・・・これって・・・わたしの・・・・・・)  
 
我聞がさっきまで口をつけていたところ。  
卑猥な音を立てて啜り、陽菜を苛んだもの。  
 
(これ・・・わたしの・・・っ・・・や・・・なんてこと・・・社長、や・・・そんな・・・)  
 
頭がかぁっと熱くなる。  
自分のそこから溢れ出た蜜を、自分の口に含まされている。  
しかも、こんなに沢山。  
どうしようもなく卑猥な行為に、陽菜の意識は混濁する。  
 
そんなさなかにも我聞の舌は陽菜の口腔を余すところなく這いまわり、陽菜の蜜を口中に塗りたくる。  
陽菜の蜜とつば、そして自分のつばを執拗に混ぜ捏ねて、更に陽菜の顔を上向けにしてそれを喉へと流し込む。  
 
「ん・・・んく・・・んくっ・・・んぐ・・・んん・・・・・・・・・ぷぁ・・・・・・っ」  
 
(わたし・・・のんでる・・・じぶんの・・・えっちなおしる・・・やぁ・・・ぜんぶ・・・のんじゃう・・・)  
 
陽菜が全て呑み下したところで、やっとその唇を解放する。  
 
「どんな味だった?」  
「・・・しゃ・・・ちょ・・・いま・・・の・・・・・・わたし・・・の・・・っ」  
「わかるよね? えっちな國生さんのえっちな所からいっぱい出てきた、えっちなお汁。  
 ・・・えっちな味が、したでしょ?」  
 
(ああ、やっぱりそうなんだ・・・会社なのに・・・恥ずかしいのに・・・)  
 
会社でこんなことをしてしまって、それがいけないことだと、おかしいことだと分かっていた筈なのに、  
そんな異常な行為で自分の身体も心も、どうしようもなく昂ぶってしまっている。  
もう、いけないとか、おかしいとか、わからなくなってくる。  
 
「はい・・・わたしの、おしる・・・えっちなあじが・・・しました・・・」  
「今もね、國生さん、すごくえっちな顔してるよ・・・やっぱり、会社で服着たままでして、興奮したんだね。  
 これでもう、えっちな秘書だって決定かな」  
 
本当は、二人のときは社長と秘書の関係は無いことにしたかった。  
國生陽菜と工具楽我聞という二人の男女として、向き合って、抱き合いたかった。  
でも、今日はもう・・・  
 
(もう・・・いいや・・・えっちな社長と・・・えっちな秘書で、いいや・・・今日だけ・・・だから・・・  
 えっちな秘書で、いいから・・・もっと、苛めてもらおう・・・溺れちゃおう・・・)  
 
「はい・・・わたしは・・・会社で社長に苛められて・・・感じちゃう・・・  
 自分のえっちなお汁呑まされて・・・もっと感じちゃう・・・えっちな・・・社長のえっちな秘書です・・・」  
 
声に出してしまうと、最後のタガが外れた気がした。  
我聞にもっと弄って欲しくて、感じさせて欲しくて、そして我聞を感じたくて、強く身体を摺り寄せる。  
その台詞と、蕩けそうな表情と、自分にぎゅっと抱きつく感触が、我聞の昂ぶりを強烈に刺激する。  
 
(國生さん、こんなにえっちになるんだ・・・もう、我慢できそうにない・・・)  
 
我聞のそれは服に包まれたまま、いよいよそそり立ち窮屈そうに自己主張する。  
それは密着している陽菜にも感じられて、  
 
(あ・・・社長の・・・・・・そうだ・・・わたし、社長のえっちな秘書だから・・・)  
 
身体を我聞に密着させたままずるずると下がり、ぺたりと座り込むと、  
丁度陽菜の顔の正面に我聞のそれがあった。  
 
(ご奉仕・・・しなきゃ・・・)  
 
 

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