はぁ、はぁ、はぁ…  
 
その日は新月だった。  
月明かりのない暗闇の中、一人の少女が走っている。  
カールがかかったロングの金髪、そしてサファイアブルーの瞳。  
純粋な日本人ではない事が、その容姿から容易に推測できる。  
 
 はぁ、はぁ、はぁ…  
 
身に纏った白衣を翻らせながら、少女は必死で走っている。  
白衣の裾が足に絡まり、何度も躓きそうになる。  
それでも少女は足を止めようとはせず、必死に前に進み続ける。  
 
そうして走り続けること、10分。  
少女の目に目標の物体が映った。  
それは、大きなトレーラー。  
道を塞ぐ様に道路と垂直に駐車されているトレーラーを視界に捕らえ、少女は走るのをやめた。  
乱れた呼吸を整えながら、ゆっくりとトレーラーに近づいていく。  
 
「遅かったじゃないか、お姫様」  
 
不意に、暗闇から声が放たれた。  
少女は立ち止まる。  
 
「こんな時間にレディを呼び出すなんて、マナーがなっていないわね。  
 これだから低能は嫌なのよ…あなたの事よ、凪原」  
 
 
少女は闇に向かって言葉を放つ。  
だが、その台詞とは裏腹に、少女の声は震えていた。  
呼吸の乱れの所為ではない……それは、堪えようのない怒り、そして恐怖。  
二つの感情が少女の中で渦巻き、暴れ狂う。  
やがて、少女の声に応えるかのように、闇が動いた。  
トレーラーの影、電灯の光も届かない純粋な闇の中から、革靴が道路を叩く音と共に痩身の男が現れる。  
 
「それはすまんな。まあ、こっちもビジネスなんだ。  
 …そう、ディス イズ ビジネス」  
 
その台詞と共に、凪原と呼ばれた男はサングラスをかけ直す。  
この闇夜の中でも、男はサングラスをかけたままだった。  
だが、男の醸し出す雰囲気とあいまって、その姿に違和感は感じられない。  
その男、凪原の醸し出す雰囲気……それは、絶対的な威圧感。  
 
「…で、これもビジネスの話なの?」  
 
少女はその威圧感を真正面から受け止め、気丈に言い返す。  
そして、手に持った携帯電話のディスプレイを相手に見せるように掲げてみせた。  
そこに映っていたのは、二人の男。  
後ろ手に両手を拘束され、地面に無造作に転がされている。  
その身体には、ディスプレイ越しからでも分かる、数々の暴行の跡が刻まれていた。  
 
「勝手に人の部下をこんな風にして、何のつもりよ!」  
 
堪えていた怒りを吐き出す様に、少女は凪原に向かって叫ぶ。  
 
「部下…ねぇ」  
 
口元に微かに笑みを浮かべる、凪原。  
 
「何が可笑しいのよ!」  
「…正確に言うと、こいつらはもう部下ではない。元部下、だ」  
「っ…ど、どういう事よ!」  
 
少女の顔が一瞬、歪んだ。  
 
「頭のいいお前の事だ。その画像を見た瞬間、ある程度は予想できてるんだろう?」  
「質問に答えなさいよ!」  
「答えてるさ…つまり…」  
 
そこで凪原は台詞を止めた。  
サングラスに手をかけると、ゆっくりとした動作でスーツの内ポケットに仕舞い込む。  
暗闇に、片目だけが浮かび上がる。  
 
「第5研の廃止が決定した…お前はもう用済みだ、桃子・A・ラインフォード」  
 
凪原は右腕を前へと伸ばした。  
その手に握られた、黒い物体。  
それは、サングラスではなかった。  
それは、黒く光る、拳銃。  
その銃口が、桃子と呼ばれた少女に向けられる。  
 
「もう少し、使えると思っていたんだがな」  
 
台詞と共に、乾いた音が響いた。  
 
     
****  
 
「もう少し、使えると思っていたんだがな」  
「っ!」  
 
台詞と共に乾いた音が響き、私は身を竦ませた。  
そして次の瞬間、左肩に痛みと衝撃が走る。  
だけどその痛みは、予想していたものよりもずっと小さい。  
衝撃もわずかに押された程度だ。  
 
「…!?」  
 
私は自分の左肩を見る。  
掠っただけかと思ったが、白衣には小さな穴が開いていて、その穴からは血が滲み出していた。  
当たった事は確かなようだ。だけど、銃弾が当たった傷にしては小さすぎる。  
空砲だった…?  
…いや、今はそんな事を考えている時じゃない。  
とりあえず、まだ身体は動く。  
逃げるにしろ、戦うにしろ、一旦体勢を整えないと…  
 
「…っあ!」  
 
手に持っていた携帯電話が、するりと滑り落ちた。  
地面に落ちた携帯電話が、硬質な音を奏でる。  
やばい。これはクーパのコントローラーも兼ねている。  
壊れてしまったら、この状況を打破する手段がなくなってしまう。  
私はすぐに身を屈めて、携帯電話に手を伸ばす。  
 
「って、あれ!?」  
 
身を屈める。これはいい。  
手を伸ばす。これもいい。  
そして、携帯電話を…掴めない。手に力が入らないのだ。  
身体の異常はそれだけではなかった。  
屈めた膝からも力が抜ける。  
地面に手を付いて身体を支えようとするが、腕が上がらない。  
結果として、私は自分の体重を支える事が出来ず、前のめりに地面へと倒れこんでしまう。  
 
「な、なんでっ!」  
 
うつぶせに倒れた体勢で、私は声を上げる。  
すでに全身から力が抜けていた。  
起き上がることはおろか、身体を反すことすら出来ない。  
 
「お前に撃ち込んだのは、第1研が新理論を元に開発した、筋弛緩剤だ。  
 生命活動に必要な筋肉はそのままに、身体の自由を奪う事が出来る」  
 
凪原が無感情な声で告げる。  
 
「役に立たないお前らとは違うな」  
 
私は力の入らない身体を必死で動かそうとする。  
だがその動きは、僅かに地面を這いずるだけでしかない。  
 
「さて…この筋弛緩剤の優れている所は、投与する量によって期待できる効果が変わるという事だ」  
 
気付くと、私の目の前に凪原の足があった。  
 
「微量ならば、投与した周辺部分の筋肉だけに効果を及ぼす事が出来る。  
 逆に量が多ければ、生命活動を一瞬で止めることも出来る…試してみようか?」  
 
そして、私の背中に銃口の感触が伝わってくる。  
 
「や、やめて…」  
 
恐怖か、それとも筋弛緩剤の効果か。  
自分の声とは思えないほどのか細い声が、私の喉から紡がれる。  
背中越しに、凪原が笑ったのが分かった。  
 
「はっ、そんな声も出せるのか。そっちの方が似合ってるぞ」  
「きゃっ!」  
 
そう言うと、凪原は私の髪の毛を掴んだ。  
そのまま力に任せて、私の上半身を持ち上げる。  
 
「じっくりといたぶってから殺そうと思ったが、気が変わった」  
 
私の目を覗き込みながら、凪原は言葉を放つ。  
私の目には恐怖から来る涙が溜まり、今にも零れ落ちそうなっている。  
 
「俺に服従するとここで誓え。そうすれば、命だけは助けてやる」  
「っ!!」  
「嫌なら別にいいさ。その時は楽に殺してやる……さあ、どうする?」  
「だ、誰があんたなんかに!」  
 
私は涙を堪えながら、凪原の目を睨みつけ、言い放つ。  
こんなヤツに好き勝手されるくらいなら……  
 
「くっくっく…気の強いお姫様だ……じゃあ、これはどうかな」  
 
凪原は銃を持った右手を軽く上げた。  
それを合図に、凪原の後ろに控えていた金髪の男が動きを見せる。  
厭らしい笑みを口元に浮かべたその男が握っているもの。それは……  
 
「!…キノピー……」  
 
それは、どんな時も傍にいてくれた、私のパートナーだった。  
 
「キノピー!」  
 
私はもう一度、今度は大きな声で呼びかける。  
だがキノピーは、男の手の中で何の反応も示さない。  
 
「な、なんで…」  
「安心しろ、壊れちゃいない……五月蝿かったので、静かにしてもらっているがな」  
「くっ!」  
「それにしても、この玩具が一人でのこのこ帰ってきた時には、少し驚いたぞ」  
 
迂闊だった…こんな事ならば、先に帰らせるべきではなかった。  
私は自分の判断の甘さを後悔する。  
何故、この可能性を考えなかったのか。  
真芝という組織を理解していれば、ある程度は予測できたはずなのに…  
 
 
「さて…もう一度、聞こう。俺に服従すると誓うか?」  
「………」  
「大事な玩具が壊れてもいいのか?」  
「っ!」  
 
…キノピー……  
 
「……す」  
「ん?」  
「…誓います」  
 
私が死ぬのは構わない。  
だけど…  
 
「声が小さいぜ。ちゃんと言ってくれよ、お姫様」  
 
だけど、私の家族が死ぬのは、もう見たくなかった。  
 
「私は…貴方に服従する事を…」  
 
堪えていた涙が、零れた。  
 
「…誓います」  
 
   ***  
 
「…誓います」  
 
その台詞を聞いた瞬間、凪原の口元に獰猛な笑みが浮かぶ。  
そして、片腕で桃子の身体をトレーラーへと突き飛ばした。  
抵抗できない桃子は、背中からトレーラーのタイヤへとぶつかる。そのまま上半身を預ける格好となる。  
凪原は獰猛な笑みを浮かべたまま、地面にだらりと投げ出された、桃子の下半身へと手を伸ばした。  
スカートを捲くり上げ、その下に隠されたショーツへと手をかける。  
 
「いやぁっ!」  
 
いきなりの凪原の行動に、桃子は反射的に叫ぶ。  
 
「いい声で鳴くじゃないか。もっと聞かせろよ」  
 
口元の笑みをより一層濃くする、凪原。  
そして、ショーツを一気に引き下げた  
そのまま身体を乗り出し、露になった秘部へと指を這わせる。  
咄嗟に足を閉じようとする桃子だが、力が入らない足は凪原の身体で簡単に押し返される。  
桃子は抵抗する事も出来ず、ただ凪原の動きを目で追うことしか出来ない。  
 
「そ、そんな所、触らないで!」  
「そんな所とは、何処の事だ?」  
 
凪原は桃子の抗議をとぼける様に無視し、秘部への愛撫を開始する。  
幼い秘裂はぴったりと閉じている。  
まだ秘毛が生え揃っていない恥丘を、凪原は触れるか触れないかのぎりぎりの力加減で撫で回す。  
薄い秘毛が指に絡まる。凪原はその感触を確かめるかの様に、何度も指を往復させる。  
 
「や、やめて…そんな所…」  
 
今まで自分しか触った事のない秘部が他人に触られているという事実に、桃子は言葉を失う。  
 
「だから、そんな所とは何処の事を言ってるんだ?」  
「………」  
 
凪原は愛撫を続けたまま、桃子の顔を覗きこむ。  
桃子は無言。  
 
 …きっと、これは悪い夢よ…  
 
そう思い込み、現実から逃れようとする。  
だが、凪原は逃してはくれなかった。  
愛撫をやめると、薄い秘毛を指で摘む。  
そして勢い良く、手を引いた。  
 
「痛いっ!」  
 
秘部に感じた瞬間的な痛みに、桃子は一気に現実へと引き戻された。  
 
「質問に答えろ。お前はさっき、俺に服従すると言ったはずだ」  
 
引き抜いた秘毛を指で弄びながら、凪原は続ける。  
 
「…もう一度言うぞ、そんな所とは何処の事だ?」  
「私の……膣…です…」  
 
桃子は凪原から顔を背け、とぎれとぎれに声を出す。  
凪原はそんな桃子の様子を可笑しそうに眺めながら、秘部への愛撫を再開する。  
 
「なんだ、濡れてるじゃないか…自分で言って感じたか?」  
 
先ほどの愛撫で、秘裂はうっすらと開きだしている。  
だが、その奥にある秘孔から愛液が滲み出している様子は無い。  
 
「そ、そんなわけない!」  
「こんなに濡れてるヤツが何を言う…感じているんだろう?」  
「ち、違う…」  
 
凪原の身体に隠れて、桃子は自分の秘部を確認する事は出来ない。  
凪原はそれを分かっていて、嘘を付いていた。  
桃子の反応を見て、楽しんでいるのだ。  
 
「何が違うものか…お前は男に触れられて濡らす変態なんだよ」  
「やめてっ! そんな事言わないで!」  
 
顔を背け、目をぎゅっと瞑り、必死で否定する桃子。  
凪原は秘孔の上にある、少しづつ大きくなり始めた秘核へと指を宛がう。  
そしてそのまま、力を込めて押しつぶす。  
 
「イヤァ! 痛いっ、痛いぃっ!」  
 
まだ性に対して幼い桃子に、その刺激は痛みとしてしか感じられない。  
そんな桃子の叫びを無視して、凪原は秘核を攻め続ける。  
押しつぶしたかと思うと、円を描くように動かしてみたり、指で摘んで弄ぶ  
空いたもう一方の手は、秘裂に沿う様にゆっくりと動かし、柔らかいその感触を堪能する。  
 
「いたいっ! 痛いっ! イタイッ!」  
 
自分でもほとんど触った事のない秘核を執拗に攻められ、桃子は泣き叫ぶ。  
いまや桃子の秘裂は、凪原の愛撫により大きく口を開けていた。  
乾いていた秘孔からも、少しづつ愛液が溢れ出し始める。  
凪原はその愛液を指ですくうと、桃子の顔の前へと突き出した。  
 
「痛いって言う割りには、どんどん溢れて来るじゃないか。それともマゾの気でもあるのか?」  
 
 …私は…私は感じてなんか……  
 
必死で否定する、桃子。  
だが、突きつけられた自身の愛液から目を逸らす事が出来ない。  
 
「ち、違う…感じてなんかない……」  
「だが、濡れているのは事実だ…これでも感じてないというのか」  
 
凪原は突きつけていた手で、秘裂を弄ぶ。  
秘孔から溢れ出した愛液が凪原の手を濡らし、淫靡な音を奏でる。  
 
「違う…違うもん……」  
 
顔を両手で覆い、首を振って否定する桃子。  
だが、自分の秘部から聞こえてくるその音に、桃子の意思は揺さぶられる。  
 
 …私は…感じて……感じている、の……  
 
口ではまだうわ言の様に否定を繰り返していたが、少しづつその声も小さくなっていく。  
『感じている』−そう意識してしまった瞬間、下半身から広がる甘い快感に桃子は気付いてしまった。  
秘裂を弄ぶ凪原の手の動きにあわせて、快感がさざ波のように全身へと広がる。  
桃子の抵抗が弱くなっていくのを感じた凪原は、次の行動に出た。  
 
「うむぅっ!」  
 
今まで秘裂を弄んでいた指を、桃子の口内へと突き入れる。  
桃子は無理矢理入れられた指から逃げようと、咄嗟に顔を背けようとする。  
しかし、凪原は逃がさない。もう一方の手で顎を掴み、顔を固定する。  
それでも桃子は抵抗を続けた。突き入れられた指を押し返そうと、必死で舌を動かす。  
だが指の力に勝てるわけは無く、その動きは自分の愛液を舐め取る動きとしかならない。  
桃子の抵抗もむなしく、凪原の指は桃子の口内を蹂躙する。  
 
「んっ! むぅ! んふぅっ…」  
 
桃子の口内で自身の愛液と唾液が混ざり、淫靡な音が紡がれる。  
舌と戯れる凪原の指と、その舌に感じる愛液の味が、桃子の意識を侵していく。  
 
「…んっ…んくっ……うぅん……」  
 
口内に溜まった唾液を、喉を鳴らして飲み込む桃子。  
口の端から零れ落ちた唾液が、白衣に染みを作る。  
今や、桃子の身体から力は失われ、その目は虚ろにぼやけている。  
 
「だいぶ解れてきたな…今度はこっちをしてもらおうか」  
 
そう言うと、凪原は突き入れていた指をゆっくりと引き抜いた。  
桃子は凪原の指を、焦点の合わない目で追いかける。  
指に絡まっていた唾液が、糸を引いて滴り落ちた。  
 
そして、次の瞬間。  
 
「うぐぅっ…うムんんっ!」  
 
桃子の口内に、凪原のペニスが突き入れられる。  
凪原の動きはそこで止まらない。  
桃子の頭を両手で掴み、乱暴に前後に動かす。  
 
「うぅ! んっ…んくっ……んむぅ…ううんっ!」  
 
桃子の事などまったく考えていない、容赦のない動きが何度も繰り返される。  
桃子の喉に、熱を持ったペニスが深く進入してくる。それは唇を捲りあげながら、口内を蹂躙する。  
凪原のペニスが出し入れされるたびに、歪んだ口の端からは唾液と苦しげな嗚咽が零れる。  
桃子の口内は熱く火照り、力のない舌が凪原のペニスに絡まる。  
大きく開かれた桃子の目から、涙が零れた。虚ろな瞳が空を彷徨う。  
 
「…出すぞ」  
 
そんな桃子を見下ろしながら、凪原は冷たく言い放つ。  
さらなる快感を求めて、より激しい動きが桃子を翻弄する。  
そして。  
 
「むぅっ! んっ! んむっ! ん、んううぅぅぅっ!」  
 
凪原の身体が一瞬硬直する。そして桃子の顔を自分の股間に深く押し付ける。  
次の瞬間、桃子の口内に大量の精液が吐き出された。  
凪原は桃子の頭を掴んだまま、下半身をびくびくと振るわせる。  
その度に、新たな精液が桃子の喉へと注がれる。  
初めて味あう精液の味に、桃子は吐き気を覚える。  
すぐにでも吐き出したいと思うが、口の中には凪原のペニスがある。  
吐き出せない精液の味と匂いが、桃子の感覚を支配する。  
数秒後、桃子の口内からペニスが引き抜かれた。  
たった、数秒。しかし桃子には、その数秒が永遠にも感じられた。  
 
「…はぁ、はぁ、はぁ……」  
 
桃子は新鮮な空気を求めて、荒い息を吐く。  
だらしなく開かれた口から、唾液と精液が混ざり合ったものが零れ落ち、白衣に大きな染みを作る。  
 
「味はお気に召しましたか? お姫様」  
 
凪原は可笑しそうに桃子を見下ろす。  
桃子は無言。荒い息を吐きながら、口に残る精液の味と匂いに顔をしかめている。  
凪原は桃子の顎に手をかけると、もう一度、強い口調で問いかける。  
 
「味はどうだと聞いているんだがな」  
「……お…」  
「ん?」  
「おい…し…い……です…」  
 
桃子は顔をしかめたまま、搾り出すように声を出す。  
くっくっく、と声を出して笑う、凪原。  
 
「さて…俺はこっちを味合わせてもらおうか」  
 
そう言うと、凪原は桃子の身体を地面へと横たえた。  
そのまま桃子の秘部に向けて、顔を近づけていく。  
 
「な、何を……はあぁぁぁんっ!」  
 
桃子の秘孔からは大量の愛液が流れ出し、ニーソックスまで垂れている。  
凪原は秘孔へと口をつけると、わざと音を立てながら吸い上げる。  
 
「いやぁ、そ、そんなトコ…んっ、あ、あぁぁっ! ふぅっ、ん、ふあぁぁぁっ!」  
 
桃子の身体が、びくびくと痙攣する。  
凪原の愛撫で感じていた桃子の身体は、新たな刺激を喜んで受け入れた。  
凪原は秘孔へと舌を突き入れながら、大きく膨らんだ秘核へと手を伸ばす。  
 
「っ! あ、かはぁっ! いぃっ…う、あ、あぁぁっ!」  
 
狭い秘孔を舌で掻き分け、秘核を押しつぶすように刺激する。  
桃子の声に、苦痛とは違う、甘い響きが混じる。  
凪原は桃子の嬌声をBGMに、さらに執拗に秘部を攻め立てる。  
 
「いやぁっ! ひゃぁ、ふあぁぁぁっ! あっ、あっ、はああぁぁぁぁぁっ!」  
 
桃子の身体が大きく痙攣したかと思うと、身体から一気に力が抜けた。  
その顔は赤く上気し、荒い息に合わせて控えめな胸が上下する。  
 
「準備はできたみたいだな」  
 
凪原は秘部から顔を離すと、そこへペニスをあてがう。  
一度射精しているにもかかわらず、まだ硬さを失ってはいない。  
 
「…も…もう…やめ…て…」  
 
桃子は荒い息を吐きながら、途切れ途切れにそれだけを呟く。  
 
「やめて、だと? おいおい、ここをこんなにしておいて何を言っている?」  
 
凪原はペニスを秘裂にこすり付けるように、大きく腰を動かす。  
秘孔から溢れた愛液が潤滑油となり、粘膜同士がこすれあってイヤらしい音を響かせる。  
 
「あっ…んっ…はぁっ…」  
 
絶頂の後で敏感になっている部分を刺激され、びくりと身体を振るわせる桃子。  
凪原のペニスが往復するたびに、秘核がこすれて、甘い吐息を吐く。  
 
「大事なお友達を失いたくは無いんだろう…なあ? だったらお前が今言うことはなんだ?」  
「……」  
 
桃子の視界の端にキノピーが移る。  
壊れてはいないとはいえ、目の前の男の指示があればすぐに握りつぶされるということは、今の桃子でも分かる。  
 
 …ごめん……  
 
「……し…の」  
「ん?聞こえんぞ。もっと大きな声ではっきり言え」  
 
微かに聞こえる、桃子の声。  
凪原は心底楽しそうに、続きを促す。  
 
「わた…し…の…ここに…あなた…の…を…」  
 
凪原からも、キノピーからも目をそらし、桃子は俯いたまま大きな涙を流す。  
 
 …私が不甲斐ないから……  
 
「……入れて…下さい…」  
 
 …ごめんね、キノピー……  
 
「…クックック……なんだ、さっきイったばかりなのにまだ足りないのか? 本当に淫乱なお姫様だ…」  
 
凪原は笑いを抑えようとしないまま、桃子の身体へとのしかかる。  
桃子は顔をあげようとはしない。俯いたまま、唇を噛み締めている。  
 
「それではお姫様のお望みどおり、入れてあげましょうか」  
 
あてがった先端に力が篭る。  
凪原は、桃子の腰をしっかりと掴むと、秘孔への挿入を開始する。  
 
「んっ…うあっ、あ…つぅっ!」  
 
愛撫によってほぐれていた秘孔は、湿っぽい音と共にペニスの先端をするりと飲み込む。  
だが、スムーズに入ったのはそこまでだった。  
強烈な締め付けと、処女膜の抵抗がそれ以上の侵入を許さない。  
桃子の口からは、苦しげなうめきが漏れている。  
凪原の口元に獰猛な笑みが再度、浮かぶ。そしてペニスを一気に秘孔の奥へと突き入れた。  
 
「っ! い…や……いや、いやぁっ! いたいっ! やめてっ、やめてえぇぇぇっ!」  
 
凪原のペニスに、処女膜を引きちぎった感触があった。  
初めて味あう破瓜の痛みに、桃子は悲鳴をあげる。  
力の入らない身体は抵抗する事も出来ず、その激痛を受け入れるしかない。  
切り裂かれる様な鋭い痛みが断続的に脳髄へと叩き込まれ、口からは悲痛な叫びが漏れる。  
熱く熱を持った粘膜が凪原のペニスをきつく包み込む。  
凪原は桃子の悲鳴を気にすることなく、さらなる快感を求めて腰を動かし始める。  
 
「いたいっ! ぬいて、抜いてぇっ! やだ、やだあぁっ! 動かないでっ!」  
「ククク…いい声で鳴くじゃないか! その顔がみたかったんだよ! 桃子・A・ラインフォード!」  
 
激しい腰の動きに、愛液と破瓜の血が桃子の秘孔からかき出される。  
それらは太ももを伝って、白衣に赤い染みを広げていく。  
 
「いやぁっ! 痛いっ! んっ、つぅ…ひぁっ! あぁぁっ!」  
 
強烈な痛みと圧迫感が、桃子の意識を侵していく。  
頭に霞がかかったように思考はぼやけ、自分の身体がどうなっているのか認識できない。  
自分の声も、壁を隔てた向こうから聞こえてくるような感覚。  
身体と意識が離れていく。桃子はそう感じた。  
 
「いやっ…はあっ…あっ…んふぅっ…あっ、ふあぁぁっ!」  
 
ぼやけた痛みの奥、微かに感じる甘い快感。  
あれほどあった圧迫感も、いまではそれが心地よいとすら感じてきた。  
凪原の動きに合わせ、苦痛以外の吐息が桃子の口から漏れ出す。  
 
「どうした…気持ちよくなってきたのか? 初めてで感じるとは、やっぱりお前は変態だよ」  
「…ち、ちがう…んっ! あ、はあっ…ひあぁっ!」  
 
 …ち、違う…感じてなんか…気持ちよくなんか……  
 
凪原は無言で、秘核に手を伸ばす。  
それを指でつまむと、一気にひねりあげた。  
 
「ひいぃぃっ! ひやぁ、ひゃああぁぁぁぁぁっ!」  
 
ひねりあげた瞬間、ビクンと全身を痙攣させる桃子。  
意識が白濁し、快感が全身に広がる。  
桃子の膣は一気に収縮し、凪原のペニスを痛いくらいに締め付ける。  
 
「身体は正直だな……気持ちいいんだろう? 素直になれよ」  
 
凪原の声が遠くに聞こえる。  
薄れゆく意識の中、桃子は自分の口から言葉が紡がれるのを聞いた。  
 
「……きもち…いい…です……」  
 
その言葉を聞いた凪原はさらに強く、桃子の秘部に向けて腰を打ちつけ始める。  
腰をがっしりと掴み、荒々しい動きで桃子の秘孔を犯す。  
 
「あうっ! は、はげし…すぎる…はあぁっ! やあぁぁっ!」  
 
桃子の抗議の声など聞く風もなく、凪原はただ自身の行為に没頭する。  
ペニスを秘孔の奥まで突き入れたかと思うと、次の瞬間には抜けてしまう一歩手前まで一気に腰を引く。  
その度に粘膜同士が擦れあい、愛液が淫靡な音を奏でる。  
何度も、何度も。繰り返し、繰り返し。  
やがて、桃子の吐息に変化が現れる。  
凪原の動きに合わせ、嬌声が紡がれるようになる。  
 
「あぁっ! うあぁッ! あっ…ふぅんっ…ふあぁ……」  
 
凪原を誘うように、桃子の秘孔が脈動する。  
虚ろにぼやけた瞳が空を彷徨い、だらしなく開いた口の端から唾液が零れる。  
そんな桃子の姿を、可笑しそうに見下ろす凪原。  
そして、凪原にも限界が迫ってくる。  
 
「…このまま中に出してやる……ありがたく思え」  
 
 …何を…出す、の……中って……何処……?  
 
霞みがかった意識の中で、桃子は凪原の言葉を聞く。  
快感の波に翻弄され、正常な思考が出来ていない桃子。  
だが、凪原の言葉は桃子の意識にゆっくりと浸透していく。  
 
「…っ! な、中はだめぇっ! 外に、外にだしてぇ!」  
 
微かに残っていた理性が凪原の言葉を理解し、桃子は意識を覚醒させた。  
凪原の動きから逃れるように、身体を動かそうとする。  
だが、薬の効果はまだ残っており、身体はかすかに揺れるだけだ。  
凪原は力の戻った桃子の瞳を覗き込む。  
凶暴な光を宿らせた凪原の瞳に、桃子は恐怖で身を竦ませる。  
そして……  
 
「いやああぁぁぁぁっ! ぬいて、ぬいてぇっ! 中にっ、中にださないでえぇぇぇっ!」  
 
凪原は秘孔の一番深い所にペニスを送り込むと、そのまま中に精液を吐き出した。  
それと同時に、桃子も絶頂へと達する。  
凪原の身体が震えるたびに、大量の精液が桃子の中へと送り込まれる。  
すでに一度出しているにもかかわらず、その量は先ほどよりも多い。  
桃子は自分の体内に欲望が送り込まれる感触を、薄れていく意識の中で感じていた。  
おぞましい感触が、桃子の意識を闇へと引きずり込む。  
 
「…あァ…イやぁ……い、イヤあアぁァァ……」  
 
桃子の瞳から、光が消えた。  
言葉にならない叫びが、うわ言のように桃子の口から紡がれる。  
凪原は秘孔からペニスを引き抜いた。愛液と精液の混ざった液体が、ペニスの動きに沿って糸を引く。  
そして、空気が抜けるような音と共に秘孔から精液が逆流してくる。  
ヒクヒクと、痙攣するように脈動する秘孔。そのたびに精液があふれ出す。  
 
「…アぁ…うぁ…あ、ア……」  
 
桃子はその音を聞きながら、薄れ行く意識を、そして微かに残った理性を…手放した。  
 
   ***  
 
意味不明な言葉を発し続けている桃子を眼下に見下ろしながら、俺は身体を起こした。  
虚ろな瞳。だらしなく開いた口。  
口からは唾液が溢れ、秘孔からは精液が溢れている。  
 
「…あっけないものだな」  
 
俺は身だしなみを整えながら、そう呟く。  
これでも、研究所の所長だった女だ。  
もう少し楽しませてくれるかと思ったが……所詮、ガキはガキか。  
 
「凪原さん…これ、どうします?」  
 
後ろにいた七見が、手に持った玩具を眼前に掲げる。  
 
「返してやれ……まあ、もう意味はないだろうがな…」  
 
七見は、玩具を桃子の側へと放り投げる。  
桃子の反応はない。  
動かない人形が二つ。  
俺は可笑しくて、声をだして笑った。  
 
「…凪原さん、俺もやっていいですかね?」  
 
七見は動かない桃子に怪しい視線を送りながら、俺に聞いてくる。  
 
「…俺の使い古しでよければ、な」  
「それなら大丈夫です…使うのは後ろの方ですから」  
 
下卑た笑いを口元に浮かべながら、七見は桃子へと覆いかぶさっていく。  
 
「オラ、ケツこっちに向けろよ!」  
 
七見の声が響いた。  
俺は七見に背を向けると、トレーラーの裏へ向かって歩き出す。  
 
「筋弛緩剤のモニタリング、完了しました」  
 
トレーラーの影に待機していた秘書が、無感情な声で問いかけてくる。  
 
「成果は?」  
「被検体が3名ですからね。十分な実績が取れました」  
 
使えないガキだったが…最後の最後に役に立ったな。  
 
「…それで凪原様、この者達の処分は如何いたしましょう?」  
 
俺はトレーラーの中に目を移す。  
気絶している男が二人。  
 
「こいつらは人体実験用に使えるだろうから、キープしておけ」  
「では、あの者は?」  
 
秘書は視線で、桃子を指差す。  
俺は振り返る。  
そこには、何の反応も示さない桃子を仰向けにして、後ろから挿入している七見の姿があった。  
桃子は何の反応も示さない。  
凪原の動きに合わせて、微かなうめき声が口から零れるだけだ。  
 
「…壊れた以上、使い道はない。捨てておけ」  
「了解しました」  
 
ふと、筋弛緩剤を渡した、第6研の所長の姿が頭に浮かんだ。  
 
「…ああ、やっぱり捨てるのはヤメだ。第6研に薬の報酬として渡してしまおう」  
 
壊すのが好きな真矢の事だ。  
すでに壊れているこいつを送りつけたら、どんな反応をするか楽しみだ。  
 
「了解しました。では綺麗にラッピングしてお届けいたします」  
 
秘書は先ほどと変わらない、無感情な声で答える。  
…こいつが言うと、冗談なのか本気なのか分からんな。  
 
俺は視線を桃子の方へと移す。  
七見はまだ、桃子の後ろの穴に夢中のようだ。  
 
 …まるで、獣だな。  
 
七見の姿を見ての、正直な感想だった。  
俺は、胸ポケットから煙草を取り出すと火をつけた。  
これを吸い終わるまでには、ヤツも満足するだろう。  
 
「…いいビジネスだな、まったく」  
 
俺も無感情に、呟いてみる。  
煙草の煙が、月の無い夜空へと吸い込まれ、そして消えていった。  
 
 

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