「できたぁ〜!!」
夜中のことだが、優が何か怪しい薬品を開発した。
「これを…はるるんに飲ませれば…」
優はその薬を陽菜に飲ませるというのが目的だった。
「そうすればGHKにとって多大な利益となるんだよねぇ〜っ」
優は誰に言うわけでもなく独り言をつぶやく。
「でも、試してみなきゃわからないよね〜。効き目があるのか…」
優は考えた。陽菜に飲ませる薬が失敗作では困る。
(飲ませる人…女の子じゃなきゃダメだよね…私が知ってる人はぁ…果歩りん…かなえさん…ぐらいかな…さすがに珠ちゃんはねぇ…)
「とにかく、明日誰かに試してみよ」
そう言って、優は眠りにつくことにした。
翌日のこと、優は工具楽家に向かった。目的は果歩に会うためだ。
「おーす、果歩りん!今日は頼みがあって来たんだよ」
「頼み…ですか?」
果歩が少々不安な表情で聞き返す。
「うん。この薬を飲んでみてよ」
そう言って優は鞄からカプセルの薬を取り出す。
「はるるんに飲ませる予定なんだけど、まだ本当に効くかわからないから」
「その薬はどんな効果が?」
「えっとね〜飲んでみてのお楽しみかな〜」
優が楽しそうに言うと果歩は「はぁ…じゃあ、薬は受け取ります」と不安そう。
「あっ、誰か男の人の前で飲んでみてね〜」
優が突然果歩を呼び止め言う。
「なんでですか?」
「そのほうがいいことあるよ〜」
「まさか、ホレ薬とか…?」
「いや、違うよ〜」
その後、優は帰って行った。ただ「結果を教えてね〜」と言い残して。
(男の人…?そんなの、お兄ちゃんと斗馬ぐらいしかいないし…)
果歩は優の言っていた『いいこと』とは何かをずっと考えていた。
(優さんに電話して聞こうかな?)
果歩は電話で優の家の番号を押す。
プルルルル…ガチャ。
「もしもし、果歩りん?」
「あっ、優さん!さっき言ってた『いいこと』って何なんですか?」
果歩が電話に出た優に尋ねる。
「ねぇ、果歩りん…どこで使うか決まった?」
優がとっさに話をそらす。
「えっ!?だって男の人なんて、お兄ちゃんと斗馬くらいしか…」
「だから、男の人がいっぱい居るとこ知ってるでしょ?」
「え?」と果歩が驚く。
「だから―」
優が受話器に向かって小声で言う。
「えっ!?はい…わかりました」
その日の翌日。果歩はいつものように学校へ向かう。
「おはよう」
果歩はいつも通りに学校生活を過ごしている。
ただ、1つのカプセルを持って。
(飲めって言うけど、授業中だし…)
果歩は学校で薬を飲むことに抵抗があった。
(よし、休み時間になったら)
休み時間になる。果歩は水道のところへ行って、薬を飲み込む。
「んっ…なんか、変な感じ…なんの効果があるの?」
果歩の身体には特に異変はない。
「何にも変わらない。優さんの失敗か…次は体育だったな…急がなきゃ!」
果歩は誰もいない教室に戻って体操着に着替える。
途中、誰かの視線を感じたような気がする。
「変態!?いや、気のせいか…」
果歩は体操着に着替えて体育館へ向かう。
体育館へつくと、みんな楽しそうに雑談している。
「果歩。今日は先生いないって」
クラスの女子が果歩に伝える。
「じゃあ、自習か」
今日の授業は自習、先生がドッジボールをするように言ったらしい。
「果歩。あっちにボールあるよ。取ってこよ」
クラスの女子に連れて行かれ、果歩は体育用具の保管されている部屋へ来る。
「さあ、行こっ」
果歩はボールを持ってみんなのもとへ行く。
「よーし。バンバン当てるぞ!」
男子のまとめ役といったところか、クラスの男子の1人が叫ぶ。
「ちょっと、いくら何でも男子VS女子は無理でしょ!」
女子の1人がそう言うが、男子は聞かない。
「へい!」
男子の1人が掛け声をかけてボールを投げる。
果歩はそれをキャッチする。
「やるからにはやらなきゃ!」
果歩はボールを思い切り投げる。
果歩は男子にボールを当てられて敗退。
「はあはあ」
果歩は息を荒くしている。
「結構、頑張ったもんね、果歩」
「違う、なんか…身体が…熱い…」
「えっ!?大丈夫!?果歩!」
クラスの女子が叫ぶとみんなが気づいた。
「どうした!?工具楽!」
「身体が…熱くて…変な感じ…」
果歩が近づいてきた男子を見つめて言う。
「工具楽を保健室に連れてくぞ」
1人が声をかけると「おう」と男子たちが言う。
1人が果歩の身体を抱え、歩き出す。
「ありがとう…」
保健室に着く。そうすると、果歩を横に寝かせる。
「身体が熱いんだよな?」
果歩がコクリと頷くと、男子が果歩の体操着に手をかけ、捲りあげる。
「ひゃっ!な、何すんの!?」
「ん〜。いいこと」
「いいことって…」
数人の男子が果歩の身体に触れる。
1つの手は胸を揉み、1つの手は尻を撫でる。
「あふっぅん、あっ、やん…やめてぇ…ぅあん!」
そして、男子の手は果歩の下着に伸びる。
「ブラジャー外すよ。工具楽」
果歩の胸を覆う下着を剥ぎ取る。
「やっ!やめてってばぁ…」
「可愛いな…工具楽は。白くて綺麗なおっぱいだ」
男子の手は胸を撫でるように触る。その間に、別の男子が果歩のブルマに手をかける。
「えっ!あっ、やん…ひゃん!」
「乳首起ってんじゃん…」
そう言って、2人の男子がいっせいに果歩の胸の先端にしゃぶりつく。
「ひあぁぁん!あっ、やん…ダ、めぇ…ん…」
「ストップだ。先生がくる!」
1人がそう言うとみんな手を止め、静まる。
「なんで、こんなことするの?」
果歩が質問すると
「オレらも日頃からいろいろあってね…いい機会だと思ってな」
「いい機会…。でも、もうやめて。これ以上やったら、お兄ちゃんが黙ってないわよ!」
「兄貴?兄貴って強いのか?」
男子がそう尋ねる。すると果歩は
「お兄ちゃんと戦った人は…全身の関節が外されてたりするの…」
「ま…まじかよ!」
「それと、私の彼氏も強いから…」
「彼氏なんかいたのか!?」
「彼氏と戦った人は頭からずぶ濡れになって、ボロボロで倒れてたりするの」
「なんなんだ!お前の周りの奴らは」
(ま…お兄ちゃんと番司のことだしちゃったけど間違いではないから、いいか)
「ただいま。お兄ちゃん」
「おう、果歩。優さんから電話があったぞ」
「へぇ…優さんから…!」
少し怒りの混じった口調で果歩が言う。そして果歩は優に電話をかける。
「もしもし、果歩りん?」
「優さん…あの薬…何なんですか!急に身体が熱くなって、男子に変なことされるし!」
「あ〜知ってる。知ってるから」
「え?」
「それより果歩りんと番司くん付き合ってた?」
「イッ!?」
「だってさあ…学校で言ってたじゃん、彼氏って」
「なんで知ってるのー!?」
「ん〜隠しカメラ。全部見てたよ」
「じゃあ、教室で感じた視線は!カメラだったのー!?」
果歩が涙声で言う。
(とりあえず、成功かな?念のためかなちんにも試してみよかな?)
優の怪しい薬の毒牙はかなえにも向くのだろうか?
つづく?