「はぁ・・・はぁ・・・ん・・・っ、く・・・、ん・・・く・・・・・・っ」  
 
いつもの元気な表情とは打って変わって、切なげに眉をひそめながら、  
少女は机の縁にぐりぐりと腰を押し付けて上擦った声を上げていた。  
何故かは知らないが、ここをこうするととても気持ちがいいのだ。  
そのことを知ってしまってから、彼女は毎日、家族の目を盗んでこの行為に耽っていた。  
・・・なんとなく、これは人に見られてはいけないような気がしていたから。  
 
だが、夢中になっている少女は気付かない。  
扉の影で、その行為を見てしまった者がいたことに。  
 
 
そして、その晩。  
 
「・・・・・・と言うワケなんだが・・・もしかして珠のやつ、病気か何かなんだろうか?」  
「あー・・・・・・・・・」  
 
夕飯の後片付けをしている最中に兄からそんな相談を持ちかけられて、果歩は非常に悩ましい思いをしていた。  
我聞は何がなんだか全く理解できていないようだが、果歩は珠が何をしていたのか聞いてすぐに理解できた。  
あの珠も女の子らしいところが出てきたんだな、とちょっと嬉しくも思うし、  
家族とは言え異性である兄に何をしていたか悟られていなかったのは珠にとって幸いだったとも思える。  
が、この朴念仁はホントにそんなことにも気付けないのか、とちょっと呆れてみたり、  
GHKとしてのこれからの苦労を思うとうんざりしたりもするのだが、  
それはともかくとして・・・  
 
「わ、わかった、珠のことは私に心当たりもあるし、なんとかするから!  
 だからいい? お兄ちゃんはこのこと、絶対に誰にも言っちゃダメ! いい、絶対だからね!」  
「お、おお、わかった。 じゃあ頼んだぞ!」  
 
女性としてのデリケートな部分を妹に教えるのは姉としての責務だし、  
それ以上に・・・あの腕白な珠が一体どんな表情で、どんな声で“そんなコト”をしていたのか・・・  
正直、ちょっとだけ興味もあった・・・  
 
そして夜も更けて、小学生はそろそろお休みの時間・・・  
 
「ねぇ、なぁに?」  
 
いつもは斗馬と居間で寝ている珠だったが、今夜は果歩に部屋へと呼ばれ、パジャマ姿でやってきたのである。  
 
「ん〜、ちょっと話があってね、まぁいいからこっちに来なさい」  
 
果歩にそう言われて、ちょっとだけ不思議そうにしながらも言われるままに布団の上に腰を降ろす。  
 
「話ってなにー?」  
「うん、今日の昼間なんだけど・・・珠、机のところでナニしてた?」  
「え・・・!」  
 
ちょっと眠そうにとろんとしていた珠の目が一気に見開かれて、頬がかぁっと赤くなる。  
 
「べ、別に・・・何もしてないよ・・・」  
「あら、恥ずかしがらなくてもいいわよ? 女の子がああいうことするの、別におかしいことじゃないんだから」  
「え、そうなの?」  
 
意外そうに、だけど少し安心したように聞き返してくる珠につぃ、と身体を寄せて・・・  
 
「でも、そういうのはあまり人に見られちゃイケナイことだからね・・・  
 そこんとこ、今夜はみっちり教えてあげるから、ね・・・」  
「あ・・・う、うん」  
 
耳元でそう囁かれて、珠は思わず身を硬くしながら絡み付いてくる果歩の腕に為す術もなく身を任せる。  
 
「ね、珠・・・どうしてあんなこと、思いついたの?」  
「え、あ、うん・・・この前、木登りしてて・・・枝に跨ってたら、なんだか、足の間が、  
 ちょっと・・・ジンジンして・・・ちょっとだけ、気持ち、よくって・・・」  
「ふぅん・・・それでアソコを机の縁にぐりぐりしてたのねー」  
「う・・・うん・・・」  
 
恥ずかしげに俯く珠を抱いていると、自分まで“そんな”気分になってしまいそうなのを抑えながら、  
 
「でも、それじゃあすぐに物足りなくなっちゃうと思うから・・・ちゃんとしたやり方、教えてあげるわ」  
「ん・・・うん」  
「まずは、綺麗に手を洗うこと・・・珠はお風呂から上がったばかりよね?」  
「うん」  
「じゃあいいわ、でも・・・最初だから、私がしてあげるわね」  
「え、う、うん・・・んぁっ!?」  
 
果歩の手がするり、とパジャマの中にもぐりこむと、頷くばかりだった珠の声が上擦ってぴくんと身体が揺れる。  
侵入してきた手は真っ直ぐに珠の股間にあてがわれ・・・  
 
「ひゃ、ん・・・! ねえ、ちゃ・・・!」  
「んふ・・・気持ちいいでしょー?」  
「ん・・・く・・・ぅ」  
 
しゅ・・・しゅる、と・・・下着の上から秘裂に指を擦りつける。  
初めて体験する他人の手による愛撫に、珠は普段の腕白さからは想像もつかないような切なげな声を洩らし、  
そんな声を聞いて果歩は自分までゾクゾクと昂ぶってくるのを感じながら・・・  
 
「ね、珠・・・気持ちいい・・・?」  
「ん、ぁ・・・ひぁ・・・う、ぅん・・・」  
「あら、まだちょっと物足りなさそうな感じかしら」  
「え・・・、や、そんなこと、ない、よぉ・・・」  
「そうよねぇ、机の縁にぐりぐり押し付けてたくらいだから、こんなんじゃ足りないわよね〜?」  
「ち、ちがうよぉ、ぐりぐり、なんて・・・っふわぁ!?」  
「こうしたら足りるかしら?」  
「ひゃ、ぁあっ! ねえ、ちゃ・・・あ、んぅうう!」  
 
果歩の指が触れていた下着の生地をずらし、幼い秘唇を直に撫ではじめると珠の声は一気に跳ね上がり・・・  
 
「んふ・・・珠のココ、まだぴっちり閉じてるわね・・・まだ生えてなくてツルツルしてるし・・・  
 ね、どう? 直に触られると、気持ちいいでしょ?」  
「ん、んんっ! うん、きもち、い、ひぁあっ! ねえちゃ、あ、ふゃあっ!」  
「さっきも言ったけど、指で触るときはちゃーんと手を綺麗にしてからね?  
 ここはデリケートで大事なところだからね〜?」  
「う、うん、んん! んぁ、ひぅ・・・んんんっ」  
「こうやって・・・筋の回りを撫でてみたり、筋を優しくなぞってあげたり・・・やさしく、ね?  
 それで、解れてきたら少しだけ指を中に入れるともっとイイんだけど・・・  
 気持ち良いからって乱暴にしちゃダメよ〜?」  
「んぁ、あ、ふわぁ! わ、わかった、から・・・ぁ、ねえちゃ・・・も、いい、から、あとは、自分、で・・・ぇ」  
 
びくびくと震える程に感じだした珠は、そんな自分を見られるのが恥ずかしくなったのか、  
果歩の手を逃れようとモゾモゾともがき始める。  
だが、そんな仕草に悪戯心をくすぐられて、果歩の意図は次第に当初の目的からかけ離れ・・・  
 
「あら、まだよ? もーっと教えなくちゃいけないこコト、あるんだからね〜♪」  
 
珠の肩を抱くようにしていた左手でパジャマのボタンを外すと、まだほとんど膨らんでいない胸に指を這わせ・・・  
 
「っあ! ひぁ・・・や、そこ・・・ひりひり、して・・・んあっ」  
「うふふ・・・でも、おっぱいの先っぽ・・・ちょっと気持ちいいでしょう?  
 こうやって指先で撫でたり、優しく摘んで・・・くりくりしたり・・・」  
「ひゃっ! ふぁ、あ・・・やめ、ねえちゃ・・・ぁあん!」  
 
珠の声は上擦る一方で、すっかり上気した表情は幼いながらも少しずつ艶を帯びているように見える。  
そして、変化を見せたのは表情だけでなく・・・  
 
「・・・あら、珠・・・あんた、濡れてきてるわね・・・」  
「へ・・・? 濡れて・・・って、ひゃ、ふぁ・・・」  
「ほら、ここ・・・わかる? だんだん濡れて・・・ぬるぬるして来てるの」  
「や、ふぁ・・・お、おしっこ・・・でちゃ・・・った、の?」  
「ふふ、大丈夫・・・違うわよ」  
 
お漏らししてしまったと勘違いしたのか、恥ずかしくて泣きそうな珠の目の前にソコを弄っていた指を掲げると、  
指先でその液体を捏ねて、糸を引かせて見せる。  
 
「ほら、おしっこじゃないわ。 もっとぬるぬるして、ねとねとしてるの・・・ね?」  
「う、うん・・・ホントだ」  
「これはね、愛液って言って・・・女の子がえっちな気持ちになると、アソコから染み出してくるものなの。  
 お漏らしじゃないし、女の子はこういう事するとみんなこうなるものなんだから、気にしなくてもいいわよ?」  
「ホント? ねえちゃんも、なるの・・・?」  
「え、あ・・・そ、そうね・・・た、たまには、ね・・・」  
 
思わぬところで恥ずかしいことを言わされて、一瞬たじろいでしまうが、  
すぐに当初から逸れてしまった目的を思い出し、  
 
「じゃ、じゃあそういうことで、折角えっちな気分になってきたんだし、  
 もっと気持ちのいいトコロ、教えてあげるわ♪」  
「ふぇ、もっと、って・・・あ、ひゃっ! は・・・んく・・・ぅ」  
 
じわじわと濡れてきた珠の秘所に再び指をあてがい、指先に蜜に絡めながら割れ目をほぐすように撫で擦る。  
くにゅ、くちゅ、と二本の指を躍らせて、珠に切なげな声を上げさせつつ、  
親指で割れ目よりやや上のところにある、小さな膨らみに狙いをつけて、そこをちょんっ、と突付くと・・・  
 
「ひゃわあっ!」  
 
びくんっ、と珠の身体が跳ねる。  
 
「ね、ねえちゃっ! そこ、や、ひぁあっ! やめ、ぅあ、ふわぁっ!」  
「ほら、ここ、凄く感じるでしょ〜? ここはクリトリスって言ってね、  
 えっちな気分になると膨らんでくるんだけど・・・物凄い敏感だから、触るときは優しく、ね?」  
「ひゃっ! わかっ! わかったからぁ! ねえちゃ、もっと、やさし・・・くっ! ふぁ、んぁああ!」  
 
言葉とは裏腹に珠の小さいながらもしっかりと膨らんだソレをちょん、ちょんっ、と立て続けに容赦なく突付き、  
妹をひたすら追い詰めて・・・  
 
「じゃあ珠、もう限界みたいだから・・・これで許してあげるわ」  
「ひゃ、あ・・・・・・ふ、ぁ・・・ぅう・・・もう、ねえちゃんの、ばかぁ・・・」  
 
果歩の指が止まり、珠はふるふると震えながら意地悪な姉に抗議の声を上げるが、  
それに答えるかのように・・・  
 
「えいっ♪」  
「っひゃあああっ!?」  
 
さんざん苛め抜かれた秘芽をきゅっと摘まれて、  
珠は甲高い叫び声と共に一瞬だけ意識を飛ばされてしまうのであった。  
 
 
「ふふふ、どう? 気持ちよかったでしょ〜? これがね、イくってことなのよ?  
 ・・・って、聞こえてる? あれ? 珠・・・?」  
 
ガクガクと痙攣するように身体を揺らし、自分の身体に寄りかかるようにして倒れ込んだ妹の反応が無く、  
心配になってうろたえかけた果歩は、次の瞬間―――  
 
「っきゃあっ!? な、た、珠!? ちょっとなにすんの―――って、や、ちょっとー!?」  
「ふっふっふー! 今度はわたしの番だからねー!」  
 
一方的にやられてしまったのが気に入らなかったのか、  
珠は姉の隙を突いて布団の上にひっくり返すとおもむろにのしかかり、  
覚えたばかりの知識を総動員して反撃に出る。  
 
「ちょ、待ちなさい珠! わ、私は自分でできるから、ちょ、や、ひぁあ!?」  
 
年上ではあるものの、修行三昧の珠に対して果歩は体力的に余りにも無力で、  
のしかかる妹を押し返すこともままならず・・・  
 
「あ、ホントだー! ねえちゃんのここも濡れてるー! ねえちゃんもえっちな気分になってたんだね〜」  
「や、ちが、違うから、ちょ、ひぅう! やめ! あ、んぁああぁっ! そこ、ダメ――――――!」  
 
こうして姉妹は甲高い声を上げながら、夜更けまで揉み合っているのだった。  
 
 
んで、翌日。  
 
 
「・・・とまぁ、そういう訳なんだが・・・珠だけじゃなく、果歩も病気なのぬぁあっ!?」  
 
言葉を最後まで言い切る前にスコーン、とひっくり返されて、  
 
「な、なな何でそういうことを私に聞くんですかっ!?」  
 
地面に大の字に転がされた我聞は顔を真っ赤にした陽菜から凄い剣幕で怒られていた。  
 
「いや、女の子のことは俺にはよくわからんし、だがもし病気だったら大変だから、  
 ここは兄として誰かに相談せねばと思ったのだが・・・」  
 
何がまずかったのか全く理解していない様子の我聞に半ば呆れながらも、  
生真面目な陽菜は相談されたからには答えねばなるまい、とも思い・・・  
 
「そ、それは、その・・・お、女の子としては普通のことなんです!  
 ですから、もうその件については誰にも口外してはいけません! いいですね!?」  
「わ、わかった! わかったから!」  
 
恥ずかしさを隠すように、凄い剣幕のまま一気にまくし立てる。  
そんな陽菜に勢い負けして、我聞はそう言うしかなかったのだが、ふと思い立ち・・・  
 
「あれ、でも・・・普通ってことは、國生さんも・・・あ、い、いや! 何でもない! 何でもないから!」  
「社長・・・・・・」  
 
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・  
と、陽菜の背後から何かが立ち昇るのが見えて、我聞は己の失言を心から後悔したが・・・  
 
「忘れてください・・・」  
「わ、忘れる! 何も言わなかったし何も想像しなかったから―――」  
「これで全部忘れてくださいっ!」  
 
ちゅどっ!  
 
「あ―――――――――!」  
 
 
・・・と、爆砕並みの衝撃音が響いてから数日の間、  
何故か傷だらけになっていた社長が秘書に口を聞いてもらえないという事態が発生し、  
社員や家族を当惑させたとか・・・  
 
 
                                                 おわり。  
 
 
 
 
 

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