「過去と未来、そして現在…」
「おはようございまーす!」
我聞が元気よく工具楽屋に入ると社員のみんなからの妙な視線を感じる。
「噂をすれば影あり!」と優が言う。
「社長…見損ないましたぞ!」と中之井。
「えっ!?何が!」
我聞は何のことだか尋ねるが冷たい視線で睨まれる。
「だから、ヤっちゃったんでしょ?」
辻原が言うと、みんなが何を言ってるのか分けのわからない我聞は「え?何を!?」と言う。
「とぼける気かー!!」
中之井が怒鳴り散らす。
すると、辻原が我聞に近づき耳元で囁く。
「陽菜くんと…セックス。したんでしょ?」
「えっ!?何でそれをっ!」
「やっぱりしたのか!!」
「で、何でそれを!?」
我聞がもう一度尋ねる。
「優さんから聞きました」と辻原。
「果歩りんから」と優。
つまり、果歩が優に伝え、優が辻原たちに伝えたわけだ。
「そんな…」
「まぁ、あとでいろいろ聞かせてもいますよ。社長」
辻原が不適な笑みを浮かべて言う。
そして、辻原たちによる事情聴取(?)が始まった。
「まず、社長から誘ったんですか?」
「いや、國生さんです…」
我聞が答えると優は「はるるんやるー!」と楽しんでいる。
「社長のテクニックに満足してましたか?」
「え?それは…どうだろ…?」
「はっきり!」
「でも、感じてくれてました…」
「ふむふむ」
優はメモ帳に何か書いている。
「はるるんのおっぱいどうだった?」
「すごく、気持ちよかったです!見た目より大きくて…とても柔らかくて!」
「何か我聞くんおっぱいの話になった途端にテンション上がったね…」
「親子揃って…」
辻原がつぶやく。
「え?親子って!?」
「先代もおっぱい好きでしてね」
「確か…はるるんもよくやられてたよね〜」優が言う。
「國生さんが!?」
「先代がいろいろ教えてましたよ」
「詳しい話ははるるん本人にね〜」
優にそう言われて、我聞は陽菜の家へ出向く。
陽菜の家のチャイムを鳴らすと黄色い花柄のパジャマ姿の陽菜が出迎える。
「社長…」
「國生さん…」
「すいません、こんな格好で…」
「いや、いいよ」
我聞は陽菜に我也とのことを聞いた。
「え?なぜそれを!?」
「優さんたちに聞いた」
「はい…確かに先代にはいろいろ教わりました。エッチのことも」
+++++++++++++++
「陽菜、お前もいつかはするだろうからな。今日はいいことを教えてやる」
我也はそう言って陽菜を連れ出す。
「あの、何をするんですか?」
陽菜が尋ねる。
「いいことだ。逃げるなよ」
「はい…」
その返事を聞くと我也は陽菜のスーツに手をかける。
陽菜の衣服を一枚一枚脱がしていく。
陽菜の身体をつつむものは下着だけになる。
「白ねぇ…」
陽菜の白い下着をみて我也はつぶやく。
「あの、ホントに何をする気なんですか?」
「まぁ、いいからいいから」
我也は陽菜の胸に手を伸ばす。
「ブラジャー取るぞ。陽菜」
「えっ!?」
我也は陽菜の白いブラジャーを剥ぎ取る。
「ひゃっ!」
陽菜は両腕で必死に胸を隠す。
「そう怯えるな陽菜。初めてのことだろうが気持ちよくしてやるからさ」
我也は陽菜の両腕をどかすとまだ発達途中の胸を揉む。
「あっ、あん…変な感じ…でも、気持ちいい…」
「感じてるな、陽菜…」
我也は強弱をつけて胸を揉みしだく。
「あっ、ぁぁん…ぁっ…やぁぁっ…」
陽菜はさらに激しく喘ぐ。
尖ってきた胸の先端を指先で転がす。
「ひゃっ!ぁぁん…んぅ…やぁぁ」
「エッチな娘だな。陽菜は…」
「そんな…あっ、こと…んっ…やぁぁっ…」
我也は陽菜の胸の先端にしゃぶりつき、吸い上げる。
「あっ、ぁぁぁあん!ぁぁん…」
「初めてのわりに感度がいいな」
我也はまた陽菜の乳房を揉む。
時々、先端を転がしたり、摘んだりもする。
「やぁぁっ!ぁぁん…あっ、あん!」
我也が陽菜の秘部の辺りに目をやると下着はすでに濡れていた。
「びしょ濡れだな。陽菜もいやらしいなァ…」
「社長が、こんなことするからですっ!!」
+++++++++++++++
「と、このようなことがしょっちゅうでした」
「親父…何やってんだよ…」
我聞は呆れている。正直、目標である我也がそんなことをしていたことが発覚したショックもあった。
そして、陽菜を自分以外の者に好きなようにさせたくはなかったからだ。たとえ父親でも。
「それより、社長…今日も…」
「え?うん…」
陽菜の言葉に我聞が答える。
だが、我聞は気が進まない。
こんな風に、何度も陽菜と身体を重ね合う日々を続けていいのだろうか。
前のは成り行きとしても、これからはお互い身体を求め合う関係でいいのか?
そんな風に我聞は自分に問いかける。
「どうかしたんですか?社長」
俯いている我聞に陽菜が問いかける。
「いや、國生さんと何度も…この前みたいなことしてていいのかな…って」
「私が…嫌いになったんですか?」
「いや、好きだよ。好きだからこそ誰にもいいようにさせたくない!たとえ、親父でも…」
「社長…」
「でも…好きだから、お互い身体を求め合う関係じゃいけない気がする。お互いが身体じゃなくて、全てが好きって言い合えるようにしたいんだ…」
我聞が陽菜を見つめて言う。
「社長…そうですね。これから先、長い間付き合っていくわけですからね。社長と秘書。そして、いつか恋人として」
「國生さん…」
「でも…全てには身体だって含まれますよ!それに、私は社長自身が好きなんです!」
我聞は陽菜を抱き寄せ、強く抱きしめる。
陽菜の唇を奪う。
我聞は舌を動かして陽菜の口内に侵入させる。
「んちゅ。んぅ…」
深い口づけを終えると、我聞は陽菜を押し倒す。
「社長…来て…ください…」
「うん…」
陽菜のパジャマのボタンを1つずつ外していく。
全てを外し終えると陽菜の白い肌が見える。
「えっ!?下着…」
「あっ、昨日…お風呂上がりに外したまま着ちゃって…」
陽菜はカァッと赤くなる。
「たまに、そういう日あるの?」
「昨日は…たまたま…です」
陽菜はボソボソと答える。
我聞は陽菜の胸に触れ、揉みしだく。
「あっ、ゃぁん」
我聞が陽菜の胸の感触を楽しんでいると、先端が尖ってきたのがわかった。
それに気付いた我聞が陽菜の胸の突起を甘噛みする。
「ひゃん!」
「気持ちいい?國生さん…」
「はい…。でも、私ばかり気持ちよくなるのは悪いです」
そう言って陽菜は我聞のズボンに手をかける。
ズボンを脱がして、すでに膨張した我聞のを取り出す。
そして、我聞のそれを自分の両胸で挟み込む。
「こうすると気持ちいいって、本に書いてありました」
陽菜は我聞のを胸で挟みながら先端を舌で舐める。
「社長のために、勉強したんです」
「國生さん…うっ!気持ちいい…!」
自分のモノに加わる、刺激に我聞は耐えられなくなる。
「うっ…國生さん…でるっ!」
我聞は陽菜の顔と胸に射精した。
「す、すまない國生さん…」
「いえ、気にしないでください…」
陽菜がそう言うが
我聞は「オレがキレイにしてあげるよ」と言って陽菜の汚れた胸を舐める。
「ひゃん!あっ、やぁぁっん、くすぐったいです」
我聞の舌が突起に触れた。
「ひやぁんっ!!」
その反応を聞いた我聞は更に突起を舌で転がす。
「あっ、ぁぁん…ぁっぁぁあん!」
我聞は陽菜の顔についた精液までも舐める。
「そんな…社長…顔は…」
「あ、ゴメン」
我聞は陽菜の胸に顔をぎゅっと押し付けるように埋める。
「あ、これ気持ちいい…」
そして我聞は陽菜の下半身に手を近づけパンツを脱がし、すでに愛液で潤った秘部を指で触る。
「ひゃっ!ぁぁん…んぅ」
我聞はさらに陽菜の秘部を舌で割れ目にそってなぞる。
「あっ!ぁぁん!」
「國生さん…また、入れるよ」
「あっ…は…い」
我聞は陽菜の秘部に自分のモノを入れる。
「動くよ…」
「はい」
我聞は腰を動かした。
「やっ、はっ、んっ!あっ、ぁぁん…、だめぇ…ん」
すると陽菜は激しく喘ぐ。
「あっ、でる!國生さぁん!」
我聞はまた、射精する。陽菜の膣内に。
「あぁ、社長の!熱いのが…!私の中に…入り込んでくる…」
「悪い…また中に出して…」
我聞が謝る。
「いえ、今日は安全日なので…」
しかし、陽菜は我聞に微笑む。
「う、うん」
行為の始末を終え、我聞が帰ろうとする。
「あの、社長…」
「ん?」陽菜に呼ばれて我聞は振り返る。
「私と先代のこと、気にしてくれてたみたいですけど」
「あ、ああ」
「あれは、過去のことです。過去がなければ未来はありません。私と社長が出会えたのも、先代のおかげですし…。それに、私たちがいるのは、今…現在なんですから…。過去とか未来じゃなく今を楽しみましょう!」
「そうだな」
陽菜の言葉に我聞は納得して微笑む。
我聞が工具楽家に戻ると果歩が立っていた。
「お兄ちゃん…今日陽菜さんと何かあった?」
「えっ!?」
脳裏に陽菜の半裸姿が浮かび、恥ずかしくなる。
「知ってるのよ。お兄ちゃん…陽菜さんの家に行ったんでしょ?」
「う…」
またまた我聞は今日のことを全て話すはめになる。
「お父さんとのことねぇ…」
「うん」
「お父さんだったら私にもしたわよ。そういうこと」
果歩がさらっと言う。
「えっ!?」
「まだ身体が小さかったから、珠にはさすがにしなかったみたいだけど」
「親父…ホントに何やってんだよ…」
我聞はさらにショックを受ける。
目標、そして父親である我也のイメージが砕かれた我聞だった。
〜終〜
番外「写真」
放課後、陽菜がスケジュールの報告に我聞のもとへ向かった。
しかし教室に我聞の姿はなかった。
佐々木の姿を見つけて話しかける。
「あれ?佐々木さん…社長は…?」
「國生さん!!オレに用ですか?」
「いえ、社長は?」
「あいつは帰ったよ。仕事じゃないかな?」
「そうですか…。会社に向かっててくれればいいんですが……」
「あっ、そうだ。國生さん。これ、我聞に渡しといて」
そう言って佐々木が陽菜に封筒を差し出す。
「我聞が欲しがってたんだけど、渡すの忘れてて…」
「はい。お預かりします」
「あっ、そうだ。中は見たりしないでね!」
「え?あ、はい」
(見るなと言われると見たくなるものですね…)
陽菜は気が引けたが誰もいないことを確認して封筒を開き、中身を取り出す。
2枚の写真だ。
「こ、これ!私…!?」
写真に映っていたのは2枚とも陽菜だった。
1枚は下着姿。
1枚は上半身は何もつけていない写真だった。
無論、我聞は欲しがってはいない。
これが普通の自分の写真だったら我聞が欲しがっても文句はなく、むしろ嬉しいが、半裸姿というのが気にかかる。
それから数日間、誤解が解けるまで陽菜は我聞を直視できなかった。
〜終〜