「key to my heart」  
 
ある晴れた日の朝のこと。  
「え―っ!!なんで私なの?」  
工具楽家の長女、果歩の声が響く。  
「しかし、オレや國生さんは仕事だから行けな…」  
「別に私じゃなくたって…」  
果歩の文句が飛び交う。  
「しかし、突然番司が風邪を引いたと言うから…」  
「わかった。行くわよ…」  
果歩はそう言うと立ち上がり、自室へ戻った。  
「私が行くしかないのよ…もう、仕方ないんだから」  
果歩はブツブツとつぶやきながら鞄に荷物を摘めている。  
「じゃ、行ってきます!」  
果歩は家を出た。  
 
それから、数十分。引っ越してきた番司の住むアパートへと着く。  
チャイムを鳴らすと、聞きなれたピンポーンという音が響く。  
「出ないか。風邪引いてるんだし、出られなくても当たり前か」  
コンコン…ドアをノックするが返事はない。  
「仕方ない…カギは開いてるみたいね。入るわよっ!!」  
ガチャ。  
ドアを開くと、扇風機がフル可動してるなか、布団にくるまってテレビを見ている番司がいた。  
「何なの、あんた!?」  
果歩は驚きと怒りを一言に込めた。  
「ああ…なんていうか…布団に入ってると暑くて…」  
「だからって扇風機なんてつけてたら風邪が悪化するでしょ!」  
 
「ところで、なんでてめぇがここにいるっ!?」  
番司が今頃になって問いかける。  
「お兄ちゃんに頼まれたのよ。『見舞いに行け』って」  
果歩が番司の家に来た理由を話す。  
「だから、仕方なく来たのよ。仕方なく!!」  
果歩は2回目の「仕方なく」を強調して言い放った。  
「陽菜さんが来てくれれば嬉しかったんだが…」  
ブチッ!!  
果歩の中の何かが切れた音がした。  
「私だって好きで来たわけじゃないわよっ!!」  
ドガッ。  
果歩の拳が番司の頭にクリティカルヒットする。  
「病人に何すんだ!てめぇ!!」  
「へーっ!あんた、元気そうじゃない。大方、陽菜さんに来て欲しくて仮病使ってんでしょ?」  
果歩がキツくからかうように言う。  
「違うっての!!風邪は本当に引いてるっ!!」  
「まぁ…いいか。じゃあ、お粥か何か適当に作るから待ってて」  
そう言うと果歩は台所へ向かう。  
 
トントントン…  
リズム感のある音が聞こえてくる。  
果歩が包丁を使い、まな板の上で野菜を切る音だ。  
「もうちょっと待ってて。体にいいように風邪にも効く野菜入れとくから」  
番司は台所に立つ果歩の後ろ姿を見て感心していた。  
(あいつ…こんなに家庭的な奴だったのか…)  
 
「できたわよ、お粥。ちゃんと食べなさいよ!」  
果歩が作り終えたお粥を両手で支えて持ってくる。  
「いらない…。食欲ねぇ…」  
「せっかく作ったんだから、少しは食べろ!!」  
果歩がレンゲでお粥を取り、番司の体に乗りかかり口に運ぶ。  
パクッ。  
「うまい…」  
「でしょ?」  
果歩が自信あり気に言う。  
「それより、重いんだが…」  
果歩はふと自分の体制を見直すと、番司に乗りかかり、お互いの身体が重なる形になっていた。  
「あっ、ゴメン!今どくから…」  
果歩が体制を変えようと動くが布団で足が滑り、果歩は倒れて番司に抱きつく形になった。  
「……」  
お互い一言も喋らない沈黙。  
布団ごしに果歩の温もりを感じる。  
番司は動き出し、布団を取り払う。  
そして、番司は突然果歩に抱きつく。  
「きゃっ…何するのよ!」  
「いいから、少しだけこうさせてくれ」  
番司は果歩のか細い身体を強く抱きしめる。  
「わかった。少しだけね」  
果歩も番司に答えるように、抱きしめ返す。  
「その…キスしてもいいか…?」  
番司が突然問いかける。  
「え…?あんた、陽菜さんが好きなんじゃ…」  
「いや、お前と顔合わせて、喧嘩したり…してるうちに」  
 
「え…?」  
「お前のいいところも見えてきたりしてさ…」  
「キスしても…いいよ…。でも初めて…だから…」  
果歩が番司の問いかけに答える。  
「やっぱり…オレが初めてじゃ、ダメか?」  
果歩が首を振る。  
すると番司が顔を近づけ、お互いの唇が触れあう。  
「なんか…恥ずかしい…」  
果歩は顔を赤くして番司から目を逸らす。  
「もっかいキスしよう」  
番司からの誘いに果歩は答えて目を瞑る。  
番司は果歩の唇に自分の唇を重ね、更に舌を侵入させる。  
「んっ、ぅんん」  
果歩も答えるように舌を絡ませる。  
そして、お互いに唇を放す。  
番司は次に果歩のTシャツに手をかけ、胸の辺りまで捲り上げる。  
すると、胸を覆う白い下着が現れる。  
「これ、どうやって外すんだ?」  
番司は実際に女性の下着を外したことなどないため、外し方がわからなかったのだ。  
「もう、自分で外すわよ」  
果歩は自分の下着に手慣れた手つきで手を掛けて外す。  
すると、白く、形のよい胸が現れる。  
番司はその胸に手をかけ、優しく揉みしだく。  
「あっん…あっ」  
「気持ち…いい…のか?」  
「やっ、ぁん…んっ」  
 
「こっちも…いいか?」  
番司は果歩のパンツに手を入れ、片手で胸を、片手で秘部を弄ぶ。  
「あっ…ん…だ…め…ん」  
「お前のここ、濡れてるぞ…」  
「だ…ダメぇ、ぁん…ぃいぃ…あっ」  
番司は果歩の尖りだした胸の突起にむしゃぶりつく。  
舌で突起を転がし、少しずつ振動を与える。  
「あっ…ぃ、いぃ…ぁん…あっ…ん」  
果歩の喘ぎ声が部屋に響き渡る。  
胸から口を放すともう片方の胸を責める。  
突起を指で転がし、息を吹きかける。  
「あ…ゃぁんっ!」  
「もう我慢できねぇ…いいか?」  
「って、もしかして…!?」  
果歩が返事を言う前に番司はズボンを下ろし自分のモノを出していた。  
「挿入するぞ。いいか?」  
番司のモノは愛液で濡れた果歩の秘部に入っていく。  
「やあっ…あぁぁぁぁぁ!」  
果歩の秘部の接合部から血が漏れ出している。  
「わりぃ!初めてだよな…。つい調子に乗っちまってっ!!」  
番司は果歩が痛がる姿を見て謝る。  
「ううん…気にしないで…それより、動いて…」  
果歩は涙目になりながらも行為を続けようと言う。  
「お、おう」  
番司は返事をすると腰を動かす。  
「あっ…あっ…ん…番司…気持ち…いぃよ…」  
「そうか…オレも気持良かった」  
 
そして行為を終えると、果歩は番司の家を出た。  
お互いに顔を見ると行為のときのことを思い出して気まずかったからだ。  
「あーぁ。私の初めて…あいつで良かったのかな?」  
果歩はブツブツつぶやきながら帰宅路につく。  
「しかし、パンツマンにパンツの中いじられるなんて…」  
果歩は顔を赤くして家に帰る。  
「おう。果歩、遅かったな」  
我聞が出迎える。  
「今日は兄ちゃんがご飯作ったんだよ!」  
珠が続いて出てくる。  
「しかし…とても食べられるものでは……」  
「ムッ失敬な!」  
斗馬と我聞が言い争う。  
「確かに焦げてたけど食えなくはなかったろ?」  
「いや、不味かった。食べられるものではなかったかと」  
「プッ。ははは」  
果歩はさっきの出来事がまるで嘘のように感じた。  
いつもと同じ風景。  
いつもと変わらない家族の笑顔。  
何もかも変わらない。  
自然に、これからもいつも通りすごすと果歩は誓った。  
 
終わり  
 

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