学校からの帰り道、我聞と二人で歩いていると陽菜は視界が歪み、  
一瞬あけて自分が傾いていくのがわかった。  
「國生さん!!」  
我聞の声をどこか遠くに聞きながら陽菜は意識を手放した。  
倒れようとする陽菜を我聞はすんでのところで抱きかかえる。  
「國生さん」  
もう一度よびかけるが、ハァハァと荒く息を吐くだけだった。  
顔も赤く、心なしか体も熱い。國生を抱きかかえると我聞は社員寮に向けて走り出した。  
 
「部活じゃ元気そうにしていたのにな」  
また気づけなかったと思いながら我聞は陽菜をベットに横たえる。  
制服のままにしておくわけにもいかないので、着替えを手伝ってもらうため優に電話をかける。  
「ごめん、今日中にやらなきゃいけない仕事があっていけないのよ。  
我聞君、今日は仕事なくなったみたいだから我聞君がはるるんのめんどうみてあげてよ」  
と言って、優は電話をきった。  
仕方ないので果歩にも電話をかけるが、果歩も用事があるとかで結局これないと言って電話をきった。  
「俺が着替えさせなきゃならんのか」  
我聞が途方に暮れていると後ろから声がかかった。  
「社長…、私なら自分で着替えられますから」  
「國生さん、気がついたのか」  
陽菜は自分で立ち上がろうとするがフラリとよろけ、ベットに倒れこむ。  
「無理しないで着替えなら俺がとってくるから」  
場所を聞き、着替えとついでに体温計を持ってきた我聞はそれらを國生に手渡した。  
受け取ってから陽菜は我聞を恥ずかしそうに見つめた。  
「あの…、社長むこう向いててもらえませんか」  
いわれて気づき慌てて我聞は背を向けるが、手持ち無沙汰なので部屋を見回して見る。  
綺麗に整頓されている部屋にはあまり小物が置いてなかった。  
無駄を省きたいと考えている國生さんらしい部屋だなと思っていると、  
後ろからピピッという電子音が聞こえた。  
 
顔を後ろに向けると寝間着に着替えた陽菜が体温計を見ていた。  
「國生さん、体温計みせてくれない」  
そう言って、手をさしだすが陽菜は体温計を後ろに隠してしまう。  
「私は大丈夫ですから、社長は心配しないで会社の方へ行ってください」  
我聞は一瞬いぶかしげな顔をしたあと、笑顔をつくった。  
「そうか…、それなら会社にいくかな」  
立ち上がり我聞が帰ろうとして、陽菜がほっとした顔をした瞬間。  
「隙あり!!」  
「あっ?!」  
体を反転させ陽菜の後ろに隠された体温計を取り上げる。  
我聞は取り上げた体温計を見て驚愕した。  
「38.7℃!かなり熱があるじゃないか」  
陽菜は体温計をとりかえそうするがよろけて、我聞の胸に倒れこむ。  
とっさに我聞も倒れこんでくる陽菜を抱きとめた。  
 
『國生さんってこんなに華奢で小さかったんだ』  
運んでいるときは必死で気づかなかった陽菜の感触に我聞がドギマギしていると、陽菜は体を突き放した。  
「社長…、本当に一人で大丈夫ですから」  
顔を赤く染め、うつむきながら話す陽菜を熱のせいで顔が赤くなっているのかと  
見当違いのことを考え、やはり自分が看病しなければと決意した我聞は口を開いた。  
「今日は仕事なくなったって優さんが言ってたから、俺は國生さんの看病したいんだけど」  
「でも、迷惑じゃないですか」  
おずおずと尋ねてくる陽菜の頭に手を置き我聞は答えた。  
「いつも俺が國生さんに迷惑かけてるんだから、たまには社長として頼ってくれ」  
照れて頬を掻きながら、我聞は我也が陽菜にあげた手鏡に視線を移して更に言葉を続けた。  
「それにさ、國生さんは家族も同然なんだからそんなに遠慮しないでよ」  
そう言って笑う我聞を見た陽菜の目に涙が溢れた。  
それを見て我聞はオロオロする。  
「ご、ごめん國生さん」  
「違うんです。その…うれしくて」  
そう言って涙を流し続ける陽菜の頭を我聞は不器用に撫で続けた。  
 
 
しばらくすると疲れも溜っていたのか陽菜からスースーと寝息が聞こえてきた。  
それを見ると我聞は氷嚢と水枕を用意し氷嚢を額の上に置き、水枕を枕の代わりに敷く。  
看病しながら、規則正しい寝息をたてる陽菜の寝顔を見ていると、さっきの陽菜の肢体の感触と  
いつもの凛とした態度からは想像できない無防備な泣き顔を思い出し我聞の体は熱くなる。  
そして無意識に安らかに眠るその顔に自分の顔を近づけていき、唇を合わせようとした時  
唐突に玄関のチャイムが鳴りそこで我聞はハッと我に返った。  
「なにしようとしてたんだ俺は…」  
ハレンチなことをしようとした自分の両頬をはたき喝をいれてから玄関に出てみるとそこには……。  
「優さん!」  
「よっ、我聞君」  
優が買い物袋を提げて立っていた。  
「はい、これ果歩ちゃんからの差し入れ」  
我聞は手渡された袋を覗くと卵やネギといったおかゆの材料が入っていた。  
「流石、果歩は気が利くな」  
妹の気遣いに感謝していると、我聞はふと疑問が沸いた。  
「優さん、仕事は?」  
「ああ、はるるんにこれを渡そうと思ってちょっと抜け出してきたんだ」  
優はポケットからカプセルを取り出した。  
「なんですかこれは」  
「風邪薬、効くのは遅いけどめちゃくちゃ効果はあるから」  
我聞に薬を渡すと優は眼鏡をキラリと光らせた。  
「それじゃ、私まだ仕事があるから」  
優は帰ろうとして立ち止まり意地の悪い笑顔を浮かべる。  
「そうそう、はるるんと二人きりだからって変なことしちゃだめだぞぅ」  
「そ、そそ、そんなことするわけないでしょ!!」  
さっきのキスをしようとした事が脳裏に浮び顔を真っ赤にして我聞は否定した。  
そんな我聞を見て優は笑いながら立ち去っていった。  
 
「熱っちぃ」  
陽菜は台所から聞こえてくる我聞の声で目を覚ました。  
台所の方に目を向けるとエプロンを着た我聞が料理をしている姿が目にうつる。  
そんな我聞を見ていると陽菜は自分が大泣きした事を思い出し顔を赤面させた。  
『恥ずかしい所を見みせてしまった。でも、社長に頭を撫でられるのはそんなに嫌じゃなかった』  
我聞の手に頭を撫でられると不思議と安心していた自分がいた。  
『それになんだか、我也社長の手に似てたな』  
仕事で失敗して落ち込んでいる時に、気にするなと頭を撫でて励ましてくれた我也の手に。  
「おっ、國生さん起きたんだ」  
陽菜が我聞の事を考えていると、当の本人は土鍋と小鉢を乗せたお盆を持って台所から出てきた。  
我聞はベットの横にある椅子に座りお盆を膝の上に置いて、土鍋の蓋を開ける。  
湯気と共におかゆのいい匂いが流れてきて陽菜の鼻腔をくすぐり、胃からクゥと音が鳴る。  
「ははっ、食欲はあるみたいだな國生さん」  
赤く顔を染める陽菜に我聞は笑いかける。  
「まぁ、騙されたと思って食べてみてよ」  
そう言って我聞はレンゲでおかゆをすくい、ふーふーと息を吹きかけた後に陽菜の口元へ持っていく。  
困った顔をして陽菜はそれを見つめた。  
「あれ、國生さんネギ嫌いたった?」  
「違います。社長、私一人で食べれますから」  
自分がなにをしてるいるのか気づき我聞は慌ててお盆を陽菜に手渡した。  
「ごめん、つい珠や斗馬にやるようにやってしまった」  
「いえ、別に気にしてませんから。じゃあ、いただきます」  
そう言って陽菜はおかゆをすくい口にふくむ、その様子を我聞は緊張した面持ちでじっと見つめる。  
「おいしい…」  
思わずもれた陽菜のその言葉に我聞は安堵した。  
「そうか、よかった。遠慮せずにどんどん食べてよ」  
その言葉にコクリとうなずき陽菜はまたおかゆを食べ始めた。  
 
「ごちそうさまでした」  
「はい、おそまつさまでした」  
我聞は空になった容器を下げると陽菜に水とカプセルを渡した。  
自分の家にある風邪薬ではないそのカプセルを見て陽菜は我聞に質問した。  
「社長、これってうちにある薬じゃありませんよね」  
「ああ、この薬は優さんがよく効くからって、仕事を抜け出して持ってきてくれたんだ」  
「優さんがわざわざ…」  
優がそこまで自分のことを心配してくれたことに感謝すると、なにも知らない陽菜はそのくすりを  
水と共に飲みほした。  
「さて、それじゃ洗い物してくるから國生さんゆっくり寝ててよ」  
「すいません社長、なにからなにまで」  
「いいって、いつも迷惑かけてるのは俺なんだから」  
我聞は立ち上がると台所に向かい、食器を洗い始めた。  
あらかた洗い終わり時計を見ると結構な時間になっていた。  
「流石に帰らないとやばいよなぁ」  
いくら陽菜ことが心配だからといって、いつまでもいるわけにはいかないので食器を戸棚にしまい  
帰り支度を始めた。  
「國生さんの様子をみて帰るとするかな」  
そろそろ優も帰ってくるだろうと思いながら様子を見に行くと、顔を苦しく歪めながら荒く息をつく  
陽菜の姿があった。  
 
「大丈夫か、國生さん」  
すぐさま駆け寄ると、陽菜はうっすらと目を開いた。  
「…社長……」  
「ど、どうしたの國生さん…」  
「体が…すごく熱いんです」  
熱が上がったのかと思い、自分の額を当て熱を測る。  
それほど熱はないなと思っていると、陽菜と目が合った。  
その瞳は潤んでおり、顔は薄く上気していた。  
そんな艶っぽい陽菜の様子をみて、我聞は衝動的にその唇を奪う、  
陽菜の驚いた表情を見て我聞は突き放すように唇を離した。  
「ごめん、俺……」  
これ以上いたらなにをするかわからないと思い我聞は帰ろうとするが、シャツを引かれ立ち止まる。  
後ろを振り向くとシャツを握り締め陽菜は神妙な顔をしていた。  
「社長、どうして…」  
我聞は一瞬逡巡して答えた。  
「俺は…好きなんだ國生さんのことが!」  
顔を真っ赤にして我聞は面と向かって叫んだ。  
「だから、さっきはその……」  
「私も…好きです」  
「えっ?」  
「社長のことが」  
陽菜は顔を赤く染め、我聞から顔を逸らしながらもはっきりとそう答えた。  
 
「國生さん…」  
「社長…」  
お互い見つめあい再度口付けを交わす。そして我聞は陽菜をベットに押し倒し、舌を入れ始めた。  
始めは驚いてた陽菜も徐々に舌を絡めて行く。  
「んっん…ちゅぷ・・・ちゅぱ・・・ちゅっ・・・」  
お互いの口を吸い、唾液を交換する音が部屋に響く。  
口を離し我聞は陽菜の首筋に舌を這わせて、強く吸い付く。  
「ひぃあぁ…」  
ちゅぱと音をたて口を離すとくっきりと赤い痕が首筋に浮かぶ。  
寝巻きの器用に片手で外しながら服の下に手を入れて我聞は陽菜の胸を掴む、  
我聞の手に少し余るくらいの胸を揉み我聞はその感触を楽しむ。  
「ふっ…うぅん…んんっ」  
胸の刺激に感じながらも陽菜は羞恥から声が漏れないように片手で口を押さえていた。  
それを見た我聞は寝巻きを脱がして、あらわになった乳首を舌でころがし起たせゆく。  
「國生さん我慢しないで声聞かせてよ。感じてるんでしょ」  
首を横に振り陽菜が否定の意を表すと、我聞は舌でころがしていた乳首を甘噛みする。  
「ひぃぐぅぅ!」  
唐突の感覚に陽菜の体は痙攣したように浮き上がるがしかし、それでも懸命に声が出るのを堪えた。  
そんな様子の陽菜を強情だなと思い、下の寝巻きと共に下着を剥ぐ。  
「しゃ、社長!!」  
足を閉じて自らの秘所を隠そうとするが我聞の手で両足を押さえらてしまう。  
薬とさっきまでの前戯の効果か、陽菜の秘所からはとめどもなく愛液が流れ出しそこを十分に潤していた。  
我聞はその様子を見て生唾を飲み込んだ。  
「社長…そんなにじっと見ないでください…」  
羞恥を含んだ陽菜の声に我聞は我に返り行為を再開する。  
溢れ出る愛液を舐めとり秘所に舌を這わせていく。  
「ふっ…ん…あっああぁはぁ」  
秘所からくる舌の刺激に陽菜は思わず背中を反らせ、嬌声を上げる。  
その声を聞き我聞は更なる刺激を与えようと舌を膣の中へ入れていく。  
「はぁ…あぁんあぁはぁああ」  
 
我聞は行為を一旦やめると陽菜の様子を窺う、陽菜は片腕で顔を隠し荒く胸を上下させていた。  
「そろそろいいか、國生さん」  
その言葉に陽菜はコクリと頷いた。  
「痛かったら言ってくれよ」  
陽菜を気遣いながら、徐々に自分自身を陽菜の膣に埋めていく。  
「くっ…つぁ…」  
陽菜の膣はきつく、激しく我聞自身を締め付ける。  
陽菜もまたシーツをきつく握り締め破瓜の痛みに耐えていた。  
我聞自身がすべてうまると二人は荒く息を吐き、しばらくお互いをみつめあう。  
そして陽菜の目尻に浮かぶ涙を拭い我聞は陽菜を抱きしめた。  
「ごめん、痛かったよね」  
「あやまらないでください社長、それほど痛くなかったですし」  
そう気丈に言い放つ陽菜を見て、我聞は自身が熱くなるを感じた。  
「もういいかなこれ以上、我慢できそうにない」  
その言葉を聞き、陽菜は静かに頷いた。  
ゆっくりと前後に腰を動かしていく。  
「あっ…はぁあふぁああ」  
陽菜の喘ぐ声と腰を打つたびに鳴る卑猥な音が部屋に響く。  
「はぁぁん…あぁあん」  
切なげに喘ぐ陽菜の顔を見て、我聞は更に昂ぶりを感じ激しく腰を打ちつけた。  
「社…長、そんなに……激し…くしたら」  
我聞の激しい動きに呼応するように陽菜の膣も我聞自身をきつく締め付ける。  
「國生…さん、もう俺…」  
「私も…私も……もう」  
絶頂が近づき二人はお互いを強く抱きしめ、貪るように口付けをかわす。  
「國生さん!!……くっぅ!」  
「社長!!…ふあぁぁああぁああああっ!!」  
二人は互いを呼び合いながら果てていった。  
 
 
けたたましく鳴り響く目覚ましの音が聞こえる。  
「うっ…ううん」  
いつもの習慣で目覚ましを止め、体を起こす。  
だんだんと頭が覚醒してきて昨日の情事を思い出す。  
顔を真っ赤にして周りを見てみるとシーツは換えられ、自分の寝巻きと下着も昨日とは違うものになっていた。  
赤面しながら誰がやってくれたのか、考えていると居間の方から我聞が歩いてきた。  
「あっ、起きたんだ」  
少し緊張しながら我聞はベッドの横にある椅子に座った。  
「あ、あのさ後始末は俺がしといたから」  
「そ、そうだったんですか。あ、ありがとうございます」  
陽菜は顔を俯け、我聞は視線を逸らした。  
気まずい沈黙が流れる中、意を決したように我聞はように陽菜に手を差し出した。  
「これからも、その…色々と迷惑かけると思うけど改めてよろしく頼むよ」  
早口でまくしたてる我聞を呆然と見つめると陽菜はクスクスと笑い出し、手を握った。  
「はい、こちらこそ」  
我聞もまたつられるように笑い出した。  
二人でそうしていると玄関チャイムが鳴った。  
「あっ、たぶん優さんだ。俺は一旦うちに帰るからあとは優さんにまかせて」  
また来ると言って、我聞が出ていくと入れ違いに優が入ってきた。  
「おーす、はるるんまずは熱を測ろうか」  
優は体温計を取り出して、陽菜に渡すと熱を測らせた。  
「まだ少し熱はあるみたいだね、今日は大事をとって休んどきなさい」  
「わかりました」  
陽菜がその言葉に素直に頷いた時、優は目聡く首筋に残るあるものを見つけた。  
「あれ、はるるんその赤いのってキスマークじゃない?」  
「えっ?!」  
「あらら、昨日なにがあったか、お姉さんにちょっ〜〜と話してくれないかな」  
その日、陽菜は優に我聞との事を根掘り葉掘り聞かれる事になった。  
 

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