「は〜るるん、我聞くんってどんなAV持ってると思う?」  
 
森永優の突然の言葉に、國生陽菜は飲んでいたオレンジジュースを吹き出しそうになった。  
長くかかりきっていた仕事にひと段落ついたお祝いとして、ささやかながら優の部屋で2人だけの慰労会をやっていた。そんな席での発言である。陽菜は「コホコホ」と小さく咳き込みながら、優をジト目で睨んだ。  
 
「突然なにを言い出すんですか、優さん・・・酔ってるんですか?」  
 
陽菜は優の右手に握られたビールの缶に視線を移した。しかし優は「いや〜別に〜?」と言いながら左手をパタパタ振った。  
 
「だぁってさ。我聞くんって生真面目つーか朴念仁つーか、見た目じゃ性癖が分からないっしょ?だからどんなAV持ってるのかな〜って思ってさ〜。」  
「性癖・・・って。」  
 
陽菜は酔ってもないのに頭がクラクラしてきた。そして、やっぱり優さんは酔っていると確信した。普段から自分をからかってくる事もある先輩だが、こんなネタを振られた事はさすがになかったからだ。陽菜は毅然とした態度で言い返した。  
 
「そんなの気になりません。それに社長に限って、そんなものは持ってるワケありません。」  
 
陽菜があまりにもキッパリと断言するので、優は目を丸くした。優の頭の中では「普通はエロアイテムを持ってる男の方が持ってない男よりも多い」というのは常識だったからだ(雑誌の受け売り部分も含む)  
 
「やけにハッキリ言うんだねー。その根拠は?」  
「根拠と言われても・・・社長がそんなモノを見るような人に見えるんですか?」  
「んん?」  
 
ここに至ってようやく優は、陽菜の認識違いに気付いた。要するに陽菜の中では「AVを見る男も世の中には居る」くらいの認識で、「男の大半はAV(もしくはそれに順ずるモノ)に触れる」とは夢にも思ってないらしい。  
そこを立脚点にして話をしてるから、「我聞はAVを見るような男ではない」という論理に発展するのだろう。  
 
酔っ払った勢いで女子高生に18禁ネタを振った優だったが、このとき閃いた。  
(これは・・・・上手く利用すればGHKにとって大きな収穫を得るやもしれん!!)  
思い立ったら行動。優はさっそく今思いついた作戦を開始した。  
 
「じゃあさ、我聞くんの部屋をガサ入れしてみようよ。AVがあるかどうか。」  
「そんなの個人のプライバシーの侵害ですよ、優さん。」  
「ふっふっふ、はるるん・・・おぬし、男の本性を知るのが怖いのじゃな?」  
 
ここまである程度冷静に対処していた陽菜が、にわかに「ムッ」とした気配を漂わせ始めたのを、優は見逃さなかった。畳み掛けるように優の詭弁説得が始まる。  
 
「しかし秘書ともあろう者が、思い込みで社長像を語るってのはどうなんだろうねぇ〜。しっかりと把握しておかないと、仕事にも見えない所で影響が出ちゃうかもしれないよ?あぁ、でも女子高生には酷な事かにゃ〜。」  
「・・・・・いいですよ、やりましょうか。」  
 
優の目論見どおり、陽菜が食いついてきた。  
 
 
* * * * * * * * * * * *  
 
 
「あれ?陽菜さん、優さん、いらっしゃい。どうしたんですか?こんな夜遅くに。」  
 
夜の11時にもなろうという時間の来客を、果歩は驚いた顔で出迎えた。が、しかし実際は陽菜の目を盗んで優が連絡をしてある。すべては計画通りに動き始めた。  
 
「申し訳ありません。夜分遅くに・・・」  
 
と、ここまで言って陽菜は「何をしに来た」と説明すれば良いのか答えに窮した。まさか「お兄さんの部屋を漁らせてください」なんて言えるワケもない。陽菜がオロオロしている間隙を縫って、優が果歩に話しかける。  
 
「いやー、実は私たち我聞くんの部屋に忘れ物しちゃってさー。ちょっと部屋に入っちゃっていいー?」  
「あ〜、そういう事でしたらもちろん大丈夫ですよ。ささ、上がってください!」  
 
笑顔で会話する2人の視線が強烈なアイコンタクトである事に、陽菜だけが気付かなかった。  
 
 
優と陽菜は果歩に導かれて我聞の部屋の前まで来た。我聞が辻原との修行で今日は帰りが遅い。その事もこの作戦を可能にしていた。  
しかし、部屋の前まで来ると頭が冷えてきたのか。陽菜が躊躇いはじめた。  
 
「優さん。勢いでココまで来てしまいましたけど、やっぱり良くないのでは・・・」  
「えーい、それこそココまで来て何言ってんの!いくよ!」  
 
優は豪快にフスマを開けた。そこは男子高校生の部屋らしく、微妙に散らかった混沌とした薄暗い空間だった。優は電灯を点けると、陽菜を無視して豪快にその中に踏み入っていく。優を止められない事を悟った陽菜は、仕方なくそのあとを付いて行った。  
 
「しかし・・・一体どこを探すんですか?」  
「大丈夫、大丈夫。隠し場所なんてそういくつも無いって。」  
 
優は慌てなかった。何故なら、隠し場所は事前に果歩から聞いていたからだ。ただ、それは我聞の持ち物ではない。優秀なエージェント・果歩がこの短時間で用意した仕込みだ。優はわざとらしくならないように、さも「今発見しました!」という口調で言った。  
 
「・・・はるるん、はるるん。見つけたよ〜♪」  
「え!まさか・・・!」  
 
陽菜は心底驚いて優に駆け寄った。優の手元には、スーツを着た童顔の女性がパッケージのビデオがある。そして、そのタイトルは・・・・・・。  
 
「『女子高生秘書の秘所 危機一髪』・・・・・・・・・・・?」  
 
どうしようもなく頭の悪いタイトルを、陽菜は思わず声に出して読んでしまった。  
秘所の意味は分からなかったが、とりあえずそれが秘書を題材にしたビデオだと言う事は陽菜にもわかった。陽菜は動揺を覚醒ない表情で優を見た。  
 
「あ・・・あの・・・優さん。これは一体・・・。」  
「うーん、コスプレ企画モノかな?しかしよりによって女子高生秘書とは・・・我聞くんも日頃から色々たまってるのかもねー。」  
「た、たまってる??」  
「こーゆーのが趣味ってことは、スーツ姿のはるるんを見てムラムラ〜とくる事もあるかもしれないよ〜?」  
 
陽菜は頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。あくまでも社長と秘書という関係を崩してこなかった我聞が、自分に対してそんな感情を抱いてる可能性なんて、今まで考えも付かなかったからだ。ヨロヨロとしながら、陽菜はその場にへたり込んだ。  
 
「ちょっ・・・はるるん、大丈夫?」  
「は、はい。平気です・・・・すいません、優さん。私、帰らせてもらいます。」  
 
陽菜はそう言うと、おぼつかない足取りで工具楽家をあとにした。その後姿を見ながら、優はポリポリと頭をかいた。  
 
「ちょっと刺激的すぎたかなー。・・・・まぁここからが本番だけどね♪」  
 
 
 
「幕間」  
 
姉の元を離れて東京に出てきた静馬番司は、アパートで一人暮らしをしている。  
当然、生活の全ては自分でやらなければいけないわけで、その日も自分で作った肉じゃがを食べようとしていた所だった。  
そのとき、いきなりドアをガンガンと叩く音がした。「こんな時間に誰だ?」。番司はそう思いながらドアを開けた。すると、そこに居たのは宿命のライバル・工具楽家の長女だった。  
 
「なっ!てめぇが何でオレの部屋に!」  
「ハチマキ!あんた、AV持ってるでしょ!ちょっと貸しなさい!」  
「はっ!?」  
「出来れば秘書モノなんかがいいわ・・!こっちは急いでんのよ!早く!」  
 
果歩のあまりの剣幕に圧されて、番司は思わず秘蔵のAVを手渡した。果歩はそれを受け取ると、一目散に駆け出した。  
 
「・・・・なんだったんだ?」  
 
時間を置いて冷静になった番司が『知人の妹、それも女子中学生に自分のAVを貸した』という事実に悩み苦しんだのは、言うまでも無い。  
 
 
 
陽菜が帰った後、工具楽家は先ほどまでの呑気な家庭風景から一変した。  
次女・珠が電気を消してカーテンを閉める。次男・斗馬がロウソクを用意する。そして長女の果歩がそれに火を点ければ議場の完成だ。3人+優がテーブルの四方を囲む。  
そこは『GHK緊急対策会議本部』。我聞と陽菜には永遠に秘密裏に、2人をくっつける事を至上命題とする恐ろしい組織だ。  
 
「さて・・・では、今回の作戦ですが発案者である森永優さんに説明してもらいましょう。」  
 
裏家長である果歩が目配せすると、優が待ってましたとばかりにニヤリと笑った。  
 
「作戦の説明の前に、前提をまず話しましょう。実は先ほど私が、ターゲットと部屋で飲んだくれて・・・もとい、まったりとトークしていた所どうやら彼奴めは『男性の性欲に対する認識』が著しく間違っている事が発覚いたしました。」  
「・・・・・と、言いますと?」  
 
斗馬が先を促す。果歩は黙って聞いている。珠は何も考えてなさそうな顔で目をキラキラさせている。その事にツッコむ者はGHKには居ない。優は話を続けた。  
 
「それが端的に表れたのが、件のAVです。ターゲットは『男性はAVを見るもの』だという事を全く認識しておりませんでした。」  
「・・・・・・そういうものなのですか?」  
「あー、小2にはちょっと難しいね。理解しなくていいから適当に流して。」  
 
斗馬が眉間にシワを寄せているのを見て、優は素でなだめた。すると珠がいきなり挙手した。  
 
「はい!AVって何の略ですか!?」  
「優さん、続きをお願いします。」  
 
今度は果歩が、珠の疑問を適当に流した。  
 
「つまり!今まで我々の作戦が完璧すぎるにも関わらずことごとく失敗してきたのは!我聞くんのスーパー朴念仁もさる事ながら、あの箱入り娘のカマトトっぷりにも原因があったんです!!そこに気付けなかったのがGHKの敗因!」  
「カマトト・・・・・って。」  
 
優さん酔いが残ってるんだろうか。果歩は酔っ払いに作戦を任せた事を少し不安に思い始めた。優の熱弁は続く。  
 
「・・・要するに、はるるんにまずは『性』を強く意識させない限りは、にっちもさっちもいかないワケよ。」  
「なるほど・・・言われていれば我々の押しが少し甘かったのですね。」  
 
果歩はアゴに手を当てて考え込んだ。甘かったも何も、実際の所はやり過ぎなほどにやりたい放題やっているのだが、GHKの感覚はその辺のお見合いオバサンを軽く凌駕するので、そんな自覚は毛ほども無かった。  
 
「しかし・・・・言いたい事は何となく分かりますが、さっきの陽菜を見る限り、ひいてますよ?むしろ逆効果なのでは?」  
 
斗馬が当然の疑問をぶつけてきた。すると果歩はゆっくりと立ち上がりくるっと背を向けた。果歩がこーゆー芝居がかった動きをする時は、何かとんでもない事を言う時だ。斗馬と珠はちょっと身構えた。  
 
「斗馬くん・・・君にいい言葉を教えてあげよう・・・。『体は成りゆき任せ』!!」  
「体は・・・・成りゆき任せ!?」  
「流れさえ作ってやれば男と女は行くとこまで行くもの!!動物園でも繁殖期に交尾をしないパンダに、交尾風景のビデオを見せて興奮させる手段を取ったりするし、要は流れです!!」  
「パンダ!!??」  
 
斗馬は、何度となく動物に例えられる兄と兄嫁がちょっと心配になったが、言うと殴られるので口には出さなかった。そしてまた珠が勢いよく挙手する。  
 
「はい!交尾って何ですか!?」  
「えーい!あんたは黙れ!」  
 
この日は我聞が帰ってくるまで作戦の詰めが行われた。  
 
 
「社長。放課後直前になって申し訳ありませんが、先ほど辻原さんから仕事の連絡が入りましたので、スケジュールの変更をさせていただきます。」  
 
工具楽屋の社長付き秘書である國生陽菜が、工具楽屋の社長である工具楽我聞にスケジュールを告げに現れる。それは2年5組ではごくごくありふれた光景だし、我聞の友人もいまさら気にするような事ではない。普段なら。  
 
「本日は社長は休日の予定でしたが、保科さんの現場で少し問題が起きたとの事ですので、私と中ノ井さんと社長が急行する事になりました。  
 中ノ井さんはすでに現場に向かっています。何か予定を入れていましたら、すみませんがそちらをキャンセルしていただけますでしょうか?」  
 
いつもに比べて若干早口でまくし立てると、陽菜は我聞からの返事を待った。我聞は戸惑いつつも「予定はないから大丈夫だけど・・・」とだけ言った。それを聞くと陽菜は、予定が表示されているであろう折りたたみ式ケータイを閉じた。  
 
「では、これで失礼します。」  
「いや、あのさ・・・國生さん。それはいいんだけど、その距離感は何?」  
 
そう、國生陽菜はとても遠かった。教室に一歩も入ることなく、入り口からスケジュールの説明を始めたのだ。  
これには我聞はもちろん、そばに居た友人の佐々木亮吾と中村孝博も驚いた。しかし陽菜はそんな3人の訝しげな視線を意に介さず「特に理由はありません」とだけ言うと、お辞儀をして戸を閉めた。  
 
「・・・・何だったんだ今の?我聞、お前また何かやらかしてあの娘の怒りでも買ったのか?」  
「なっ!そんなハズは・・・最近は仕事だって順調に消化してたし、頼れる社長への道を着々と歩んでたぞ!信頼関係だって・・・!」  
 
疑いのまなざしで見てくる中村に、我聞は必死の弁明をした。本当に心当たりがなかったからだ。しかし陽菜の変化は我聞の目にも明らかだった。  
 
「けど、さっきの視線は・・・・・例の冷たい視線だったよな?3ヶ月くらい前の。」  
「待て中村。さっきの視線をただの冷たい視線と思うなよ?」  
 
中村の言葉に異を唱えたのは、さっきの陽菜来訪に珍しく騒いでいなかった佐々木だ。  
 
「國生さんの『冷たい視線』を語らせたら第一人者のこのオレに言わせれば・・・さっきの視線はただ冷たいだけでなく、何と言うか・・・そう!羞恥の感情を含んだ視線だった!!」  
 
佐々木の台詞に中村と我聞のオウム返しがハモった。「羞恥?」  
 
「間違いない!あの視線が羞恥からくるモノなら、國生さんの態度がいつもと違う原因は・・・」  
「おお!違う原因は何だ!?佐々木!!」  
「お前だ我聞─────!!國生さんに何しやがった!!セクハラか!?嬉し恥かしセクハラか!?」  
「な、なんだと!?社長たる者、そんな不埒な真似するか!!」  
「っていうか、嬉し恥かしって何だよ。」  
 
帰りのホームルーム前の教室の片隅で、佐々木の怒号が鳴り響いていたという。  
 
 
(・・・・さっきの態度は良くなかったな・・・。)  
 
放課後、工具楽屋のオフィスでスーツ姿の陽菜は一人落ち込んでいた。保科の現場での厄介事とやらが中ノ井1人の手で片付いてしまったようで、陽菜には会社での待機命令が出たのだ。  
かといって特にやる事もない陽菜は、椅子の背もたれに体を預けて天井を仰ぎながら、さっきの我聞への態度を反省していた。  
 
(社長だって男性なんだから、あーゆーものを見るって事は分かるんだけど・・・。でも・・。)  
 
よりにもよって秘書が題材のAVという所が引っかかって、どうしても今までのように接する事ができない。  
いっそ我聞にどういうつもりなのか問いただしてみようか、などという突拍子もない考えが浮かんだりもしたが「家捜ししたら秘書のAVが出てきたんですけど、私の事どう見てるんですか?」なんて言えるワケがない。なので結局1人で悶々とした時間を過ごすのみであった。  
 
「おジャマしまーす!國生さん、いますかー!?」  
 
明るい子供の声で暗澹たる考え事の世界から引き戻された。陽菜が声のした方に目を向けると、入り口付近に見知った顔が居た。  
工具楽家・次女の珠・・・またの名をGHK第1の刺客『デルタ3』。陽菜はその『デルタ3』に無警戒に歩み寄った。  
 
「どうしたんですか珠さん?社長はまだこちらにはいらしてませんが」  
「ううん!國生さんに聞きたいことがあるんだよ!」  
「私に?」  
 
てっきり我聞を訪ねてきたのかと思ったので、陽菜は不意を突かれた。珠は元気よく質問してくる。  
 
「AVって何ですか!?」  
 
さらに不意を突かれて、陽菜はコントみたいな倒れ方をした。佐々木がこの場に居れば「レアショット!」などと叫んで写メしまくった事だろう。陽菜はフラフラと身を起こしながら、額に右手を当てて「ふぅーっ・・・」と一息ついた。  
 
「だいじょうぶ?國生さん。」  
「は、はい・・・しかし、どうして珠さんがそんな事を・・・?」  
「きのう優さんが言ってたのをきいたんだよ?どういう意味ですかー?」  
 
陽菜は脳をフル回転させてどうするべきかを考えた。珠は小5だ。もう少しすれば性教育の授業だって受けるだろう。コウノトリ云々で誤魔化そうかとも思ったが、それは真摯な態度ではないと陽菜は考えた。  
何より、自分に対して家族同様に接してくれる工具楽家の人間に適当なことは言いたくなかった。陽菜は珠に目線を合わせて中腰で話しかけた。  
 
「・・・珠さん・・・・セ、セックスというものをご存知ですか?」  
「なにそれー?」  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」  
 
意を決して言った言葉なのだが、ここから説明するのかと思うとさすがに気が遠くなってくる。しかしそれでも陽菜は挫けなかった。  
 
「えぇと・・・男性と女性が・・・何というか、その・・・こう、抱き合ったりする・・んですけど・・・。」  
 
挫けてはいないが、おそろしくシドロモドロな説明だった。相手が性知識ゼロの珠なのに、加えてこの説明では何も分かるはずがない。珠は当然のごとく首をかしげた。  
 
「なんの略なのかきいてるだけなんだけどー・・・」  
「・・・・・・・・。」  
 
陽菜は固まった。とりあえず言葉だけ教えればいいんだろうか。しかしそのあとで意味を聞かれるのでは?それに意味を教えないまま外で「アダルトビデオ」などと軽く発言されても困る・・・いや、それは念を押しておけば大丈夫か?陽菜の頭の中を色んな思考が流れていく。  
 
「・・・では、教えますが。AVというのはアダルトビデオの略です。でもこれをうかつに外で言ってはいけませんよ?女の子が口に出すだけでも恥ずかしい言葉なんですから・・・ましてや社長の前でなんて絶対に」  
「・・・・・・・・・・何やってんの?國生さん」  
 
聞きなれた声が、しゃがんでる陽菜の頭の上から降ってきた。そっちを見るのは多大な勇気を必要としたが、陽菜は泣きそうな目だけでゆっくりと上を見上げた。そこには声の主、我聞が居た。怪訝な表情で陽菜を見ている。  
 
「あ・・・・・あの・・しゃちょう、どこからきいてました・・・・?」  
「えーと・・・・・『セックスというものをご存知ですか』のところから。」  
 
最悪のタイミングで聞かれていた。  
 

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