福沢幸花、14歳。
自宅のお風呂の湯船の中で、彼女は昼間学校で聞かされた話を思い返していた。
クラスメイトのモモが前から付き合っていた年上の彼氏と初体験をしたという話で、
今日の女子の話題はもちきりだったのだ。
(ひぁ〜……)
彼女が聞かせてくれた赤裸々な体験談を、幸花は頭の中で何度も反芻する。
(あたしもいつか、そんな事、するのかな)
幸花の頭の中で、徐々に妄想が膨らんでいく。
(いつかあたしにも素敵な彼氏ができて……モモちゃんみたいに……)
話の内容を思い返しながら、幸花はそっと自分の乳房に触れてみた。
(『優しく、こね回すみたいに』って……こんな感じかな)
まだ育ち切っていない、なだらかな膨らみをふにふにと揉みながら、
ときおり指の腹で乳首の周りに触れてみる。
これも、昼間聞いた話の通りだ。そうするうちに、指に触れる乳首がぴんと硬くなってくる。
(それから……下着を脱がされて……)
幸花は湯船から出て洗い場の椅子に腰かけ、ボディーソープを手に取る。
今までにも何度かこっそりとオナニーをしてみたことはあったが、お風呂でするのは初めてだ。
もちろん、ぬるぬるの泡の感触を試すのも。
ボディーソープの泡に包まれた指で自分のクリトリスに幾度か指を這わせると、
今まで経験したことのないピリピリとした刺激が幸花を襲った。
(ひゃっ、ひぁぁ……)
左手で乳首を、右手でクリトリスを刺激し続けながら、
幸花は自分の未来の恋人の姿を胸の中に描き出す。
(ここに……入ってくるんだよね……男の人のが……)
少しだけ指を入れてみたが、痛みを感じてすぐに止めてしまった。
(ほんとに、できるのかなそんなこと……不思議だな……)
妄想の中で、幸花はまだ見ぬ未来の恋人に処女を捧げる様を想像する。
たくましい胸が彼女を抱きすくめ、男のそれが彼女を貫いていく。
(や、だめ、あたし、そんなの……っ!)
妄想は最高潮に高まり、彼女の右手の動きも急速に早まっていった。
「あ、あ、ん、んんっ……!」
もう少しで生まれて初めての絶頂に達しようとしていた、まさにその時。
「おーい幸花、いつまで入ってるんだ?早く出なさい」
くもりガラスの入り口に影を映して声をかけたのは、彼女の父親だった。
「ひ、ひぁっ!?」
一瞬でパニックに陥った彼女は、湯船に飛び込もうと慌てて立ち上がり、
そして、泡だらけの床の上ですべり、盛大に転んだ。
「ひゃ、ひぁーーーーーっ!!!」
直後、ひときわ大きな悲鳴が響き渡る。
それもそのはず、転んだはずみに、なんと間の悪いことか、
脇においてあった細長いシャンプーボトルが、彼女の陰部にざっくりと突き刺さってしまったのだ。
「ちょっと、幸花どうしたの大丈夫!?また転んだの!?」
あまりの悲鳴に、母親までが台所から飛んできた。
「だめ、お母さん、開けちゃ駄目っ!……うぅ……ひん……ひん……」
痛みをこらえてしくしく泣きながら、どうにかボトルを抜き取ると、
その周囲には処女膜を破った証の血が、べっとりと赤くまとわりついていた。
(あ、あたしの……あたしの初めて……こんなので……ひぁー……)
不幸少女、福沢幸花、14歳。
彼女の受難は、まだまだ続く。