時計は夜の9時を少しまわったところだった。
カルテの整理をしていた彩佳は帰るのが遅くなってしまっていた。
この診療所に勤める五島健助と星野彩佳はこの島唯一の医師と看護士である。と同時に今は恋人同士でもあった。
そして、帰る用意をすませた彩佳が帰ろうとしていた矢先だった。
「・・・・・・コトー先生?・・・」
彩佳はコトーに声をかけてから帰ろうと診察室を覗いた。
すると、まだ白衣を着たコトーが自分の椅子に腰掛けていた。机に向かっているので表情はこちらからは見えない。しかしその手には彩佳の写真があった。
「彩佳って呼べたらいいのになぁ」
ふぅっ、とためいきをつくコトー。
どうしよう、私のことを名前で呼びたいって・・・。付き合うことになってからもずっと「星野さん」だったのに・・・。
彩佳は突然のうれしさで胸がつぶれそうだった。
「じゃあ、彩佳って呼んでください」
「ほ、星野さん!? いつからいたの!?」
驚きの余り、文字通り飛び上がったコトーは椅子から転げるようにして立ち上がった。こちらを向いた顔は思ったより赤面している。
「さっきからです。先生、私のこと彩佳って呼んでください。いつになったら名前で呼ばれるのかなぁって私もずっと待ってたんですよ」
「星野さん・・・」
「彩佳です」
「じゃ、じゃあ・・・・・・あ、彩佳・・・・・・」
コトーはこれ以上ないくらい照れながら言った。
「はい」
彩佳も最高のほほ笑みで応える。コトーの一番好きな笑顔だった。この顔をされると、コトーは彩佳が可愛くて仕方なくなる。
「だめだ、ガマンできない・・・っ!!」
コトーは彩佳を診察台に押し倒した。
「きゃっ!! 何するんですか、先生!?」
「だって彩佳が可愛いんだ」
「ちょっ、それ理由になってないですってば!!」
その間にもコトーは彩佳の服を脱がせ始める。
「せ、せんせいっ・・・!! こ、ここで・・・!?」
ここは診察室である。診療時間が終わったとはいえ、いつ急患が運ばれてくるとも限らない。何より昼間はたくさんの島の人たちが集まってくる診療所なのだ。
「やぁ・・・っ、恥ずかしい・・・。・・・家に泊りに来ればいいじゃないですか・・・」
「今、彩佳が欲しいんだ」
優しいけれど、固い意思を含んだコトーの声。
彩佳はそれ以上コトーに逆らえなかった。彩佳の体の奥にも火が灯り始めていたのだった。
ピンクのワンピースがするっと床に脱ぎ落とされる。
下には同色系のキャミソールとぺティコート。コトーはまずぺティコートを脱がしにかかった。彩佳も手を貸す。
彩佳のほっそりとした脚があらわになる。あとはもう、小さなショーツだけだ。
「それはいいよ」
キャミソールの細い肩紐に彩佳が手をかけた時、コトーは言った。
ショーツとブラは外して、ほのかに透けるシルクのキャミソール一枚だけ身に付けるようにと。
言われたとおりの姿になると、薄く小さなこの下着は彩佳の体を何も隠してはくれなかった。
キャミソールの裾はようやくウエストを覆う程度で、淡くけぶる陰りもその下の秘花も、コトーの視線にさらされてしまう。
ブラから解放された二つのふくらみは形が崩れることもなく、つんとしてキャミを持ち上げ、乳首がすでにぷつんと硬く充血していることまであからさまにしていた。
「おいで」
コトーは彩佳を腕に抱き、深く口づける。そしてそのまま診察台に座った。
「あ・・・や、いや・・・ぁ・・・先生・・・ん・・・」
思わず開いてしまった彩佳の脚を、コトーは許さなかった。背中から彩佳を抱き、その両脚を大きく開かせる。秘められた花園が診察室中を見渡す。
「いや・・・いやぁ・・・・・・っ!」
羞恥で彩佳の全身がかぁっと熱くなる。さらに、コトーの指が、閉じ合わされた花びらを押し開いた。
「ん?、もう濡らしてるの?」
ほのかにぬめりを帯びた花びらを、するっとコトーの指先が撫でる。
「あっ、―――あ、いやあああっ!!」
彩佳の体を熱いショックが走る。
「彩佳のここ、可愛いよ」
コトーはさらに指をうごめかし、濡れる秘花を蹂躙した。
花びらをかき分け、小さな泉の入り口を探り当てる。
泉は残酷な指を歓迎するかのように新たな快楽の蜜をふきこぼした。
くちゅ、く、ちゅ・・・・・・と、淫らに粘ついた水音が診察室中に響く。
見られている。コトーに。あの優しい瞳で、私の羞かしい姿を見ている。
「いや・・・いやぁ・・・・・・っ!」
羞恥で彩佳の全身がかぁっと熱くなる。さらに、コトーの指が、閉じ合わされた花びらを押し開いた。
「ん?、もう濡らしてるの?」
ほのかにぬめりを帯びた花びらを、するっとコトーの指先が撫でる。
「あっ、―――あ、いやあああっ!!」
彩佳の体を熱いショックが走る。
「彩佳のここ、可愛いよ」
コトーはさらに指をうごめかし、濡れる秘花を蹂躙した。
花びらをかき分け、小さな泉の入り口を探り当てる。
泉は残酷な指を歓迎するかのように新たな快楽の蜜をふきこぼした。
くちゅ、く、ちゅ・・・・・・と、淫らに粘ついた水音が診察室中に響く。
見られている。コトーに。あの優しい瞳で、私の羞かしい姿を見ている。
そのギャップに彩佳の泉はさらに蜜をあふれさせる。
彩佳の秘所を犯すのはコトーの指ばかりではない。コトーの視線が、優しい瞳が、彩佳をさらにはずかしめ、快楽の頂点に押し上ていく。
ああ―――見られてる。コトー先生に私のこんなに羞かしい格好を。でも・・・でも、どうしよう。感じてる。いつもよりずっと深く熱く。感じてしまう。羞かしくて、悦くて、気が狂いそう。
コトーの指が、小さな泉に侵入する。
「ひぁっ・・・くうぅっ・・・・・・!」
彩佳はがくんと大きくのけぞった。
さらにコトーの別の指が花びらをかき分け、ルビー色に染まった快楽の真珠を探り当てる。充血し、ふくれあがった花芽をくりくりと転がし、押しつぶす。
「ここもすごく可愛い。ほんとに可愛い・・・。彩佳、ここでイッちゃってもいいんだよ」
コトーのもう一方の手はキャミソールの上から乳房をつかみ、揉みしだいていた。
「あ、ああっ! だめ、そんな・・・・・・っ!」
「彩佳・・・・・・」
「いや、ああ、ああんっ!!」
悲鳴が散る。開かされた脚は力を失いもう閉じることもできない。小さな腰ががくがくと淫らに揺すられる。
「どうしたの? 彩佳」
コトーはいつもどおりの優しい声で、彩佳の耳元にささやく。
「いやらしいんだね、彩佳は。僕に見られてると感じるなんて」
「ぁあっ、ふあぁんっ、そ、そんなこと・・・あああっ!!」
もう、どうなってもいいと彩佳は思った。
ここが診察室でもどこでもいい。この熱い体をコトーと一つになってしまいたいと思った。コトーに火を付けられた体はそれしか考えられなかった。
「あああぁぁっ・・・ほしいのぉっ、先生のがほしいの・・・っ!!」
「僕の何がほしいの? ちゃんと言わなきゃあげないよ?」
「コ、コトー先生の・・・」
彩佳は泣きながらいやいやと頭を振る。その涙目の彩佳が可愛くて、コトーは思わずさらに強く彩佳を抱きしめた。
この間、初体験を済ませたばかりなのに彩佳は順調にコトーとの快楽の営みをその体に刷り込ませている。素直にコトーを求められるようになってきている。コトーはそのことがうれしくて優しくほほ笑んだ。
「彩佳に羞かしいこと言わせちゃったね。ごめんね。そのかわりいっぱい気持ちよくさせてあげるね。・・・・・・じゃ、いくよ・・・?」
真下からコトーの灼熱の猛りが突き立てられる。
「あ・・・・・・っ! ああああああっっ!!」
突き上げられ、揺さぶられ、彩佳は悲鳴をあげる。そしてさらにコトーをのみこもうと、自分から腰を揺する。
コトーの先端が泉の一番奥を突き上げるたびに、彩佳の中を稲妻のような絶頂感が駆け抜けていく。
「ああっ、いい、すごくいいのぉっ! 先生のが熱いの・・・っ!!」
「ほんとに? 彩佳、気持ちいい?」
「ああん、は、はい・・・っ!すごくいいんです・・・っ、あぁっ、あぁっ、ひぁぁぁっ、いいっ!!」
「よし、もっとだ、もっとよくなるんだ、彩佳!」
「だめぇぇっ、もうっ、わたし・・・っ、だめ、だめ、だめ、だめぇっ!! ああああああああっ、コトーせんせええぇっ!!」
蹂躙のリズムが次第に激しくなる。
蜜に濡れそぼる秘花を突き上げ、かき乱すすさまじい快楽の場は二人だけの診察室。
たった一人の愛する人の腕の中で、彩佳は泣きじゃくり、何度も何度も上りつめた。
その二人の姿を、窓の外では月が、室内の聴診器や薬ビンたちと同じように冷ややかな光で見つめていた。
<終>
―オマケ話―
「もう、コトー先生って見かけによらずエッチなんだからっ!! 明日も診療があるんですよ!?
なのに診察室なんかでしちゃって・・・。恥ずかしくて明日は患者さんの顔を見られないですよっ!!」
えっち終了後、しばらく二人でキスしあったり、お互いの体にふれたりしてまったりと過ごしていたのだが、急に気付いたように彩佳が怒り出した。
「だって星野さんがあんまり可愛いかったからさ・・・」
痛いところをつかれて焦ったコトーは、つい、前の呼び方で彼女を名を呼んでしまった。それが怒りの火に油を注ぐとも気付かずに・・・。
「ああーっ、また星野さんって言った! 彩佳って呼んでください!!」
「ご、ごめんね、彩佳・・・」
必死であやまるコトーが可愛くて思わずクスリと笑ってしまった彩佳だった。