両津「なんだって!?オフクロが倒れた?」
両津の実家。
オヤジ「俺ァ、佃煮のことは からっきしわかんねぇからよ。」
両津「ったく、それでよくつぶれねぇもんだよ。」
オヤジ「おっ!なかなかうめぇじゃねぇか勘吉!」
両津「これぐらい朝飯前だ。オヤジは遊んでばっかりいるから知らねぇんだろ!」
オヤジ「これなら任せておいて安心だな。じゃ、ちょっくらお馬さんを…」
両津「おい!これをオヤジがやるんだよ!」
両津「…行っちまいやがった。相変わらずとんでもねぇオヤジだな。」
(オヤジは、競馬に行くと言いつつも実は妻の見舞いに行ったりする)
葛飾警察署。
纏「何だって?カンキチが実家を継ぐ!?」
早矢「ずっと御実家で佃煮を作ってますわ。新しい佃煮を開発するんだって、
私に京風の味付けをしてほしいって。」
纏「アイツ、しばらくうちに来ないと思ったら…。一体何を考えてるんだ?」
両津実家。
纏「おい!カンキチ!」
両津「おぉ、纏。これ新しく作ってみたんだ。味見してみないか?」
纏「え?あぁ…。」
纏「!?」
両津「どうだ?」
纏「…こんな旨い佃煮、食べたことないよ!」
両津「そうだろ!ワハハ!」
纏「って、何で佃煮なんか作ってんだよ!」
両津「そりゃお前、ワシは佃煮屋の息子だからよ…」
纏「そんなのわかってるよ!何で急にこんなことやってんだ、ってことだよ!」
両津はのらりくらりと纏の質問を交わし、真相を語ろうとはしない。
纏「じゃあ、もううちの寿司屋は継がねぇってのか?」
両津「佃煮もけっこう奥が深くてな…」
纏「もういいよ!」
纏はそう言い放つと店を飛び出していった。
両津「どうしたんだ?アイツ。」
(両津は纏自身も気づいていない纏の本心がわかるほど繊細ではない)
(この後、纏は仕事に戻るも、ミスばっかりしてしまう)