「おっぱいが見たいの、 おっぱいが見たいの!! おっぱいが見たいの!!  
ほ、奉太郎、僕の一生の頼みだ……僕に至急おっぱいを1セット見せてくれよ」  
 
「おっぱいだったら伊原のしょっちゅう見てるじゃないか、里志」  
 
「だ! か! ら! 入須先輩か千反田くらいのおっぱいが見たいんだよ……!」  
 
「なめてんのか!! そんなもん、健全な男子の98%が常にそう願ってんだよ!!  
見たくて見れるようならとっくに俺だって千反田に見せてもらってるよ!!  
男というものは『見たい・もみたい・吸い付きたい』という、愚者の三原則(トリコロール)を  
常に我慢して生き抜かなきゃならないんだ…」  
 
「ちがう〜〜そんな事はわかってるんだよ〜〜今日の僕は何時もの10倍は見たくなってるんだ!  
摩耶花のあんなおっぱいじゃ満たされないんだよ……」  
 
参考資料:里志のおっぱい見たい度  
奉太郎と風呂に入った時     −1000  
平常時               5  
摩耶花と二人きり           50  
千反田が何かを気にした時   100  
今日               10000  
 
「い、今おっぱいが見れなかったら密室トリックで誰かを殺害してしまうかもしれない……」  
 
「……わかった、それじゃ千反田に一肌脱いでもらおうか」  
 
千反田のおっぱいか。千反田のおっぱい。あの、千反田のおっぱい……  
 
この折木奉太郎、俺自身望むところと言われればはたと困るが自ら好むところは良く弁えている。  
俺はおっぱいが好きだ。生おっぱいならなおいい。それが千反田のものとあれば申し分がない。  
まあ少し考えてみることにするか。そうつぶやきながら前髪をひねる仕草を見せつけると  
案の定、里志は喰い付いてきた。  
 
「お、本気だね奉太郎……こんな真剣な奉太郎はじめて見るよ。  
 でも無理だね。あの千反田さんだよ?二人がかりで脱がそうたって、そう簡単に  
 脱いでくれるはずがない。あのおっぱいはノーブラならぜったい、乳首が上向いてるよね。  
 乳輪ももしかしたら膨らんで尖ってるタイプかも知れない。うーん、実に僕の好みだ。  
 摩耶花のももちろんいいけど艶のある乳房の上の尖った乳首というのも……惜しいけどね。  
 こればっかりはいかに本気の奉太郎でも……」  
 
ふ、里志よ。それだからおまえはDB止まりなのだよ。心の中で言ってはいけない事を言ってしまいながら  
俺は嗤った。脱がせるなどはこの省エネを身上とする折木奉太郎のすることでは断じてない。  
千反田は、姉のモノを見慣れているこの俺の眼をもってしてもあなどれないおっぱいを持つ  
あの千反田は……  
   
俺は伝統ある古典部部室に響き渡る大声で断言した。  
 
「……千反田は自分から生おっぱいを見せるっ!」  
 
「え…」  
 
絶句する里志。しょせん凡人に過ぎないヤツは少し引いていたのかも知れない。  
だが俺には確信があった。頭の中でシミュレーションは完了している。  
千反田にはただ簡単にこう言うだけでいいのだ。  
 
「俺と里志に立ったまま生おっぱいを出して見せて欲しい。  
 あ、いや厭なら別にいいんだが」  
 
「付け加えるとブラジャーは外した方がいいな。そのあとセーラーの前をめくり上げて見せてくれ。  
 手短に。」  
 
千反田はまず硬直するだろう。神山祭の十文字事件で卑猥な話の件を持ちだしたときのアレだ。  
そして紅潮した顔で考える。俺にはその後の千反田の行動と考えが手に取るように読めた。  
 
(いくら折木さんの言う事でもそれはあんまりでは……でも……)  
 
(こんなはっきり物を要求する折木さんは見たことがありません。きっと何か意味があるのではないでしょうか。  
 それに今日わたしは生理日前で今朝お風呂で確かめたところではいつもより肌に艶がありますし  
 きっと見られただけで乳首は立ってしまうものと思います。こんなに近くでお二人に正面からそんなわたしの  
 生おっぱいを見せたとして折木さんはそのとき私の生おっぱいを一体どうするつもりでしょう。  
 眺めたり触ったりまた眺めたりするのでしょうか。 なんだかわたし…とても気になります)  
 
千反田の目は考えすぎでぐるぐるしているはずだ。そしてそんな瞳のまま結局、自分から  
制服の前から生おっぱいを自分の指ではみ出させる事になるに違いないのだ。俺たちは  
何もせずその過程を楽しく眺めていることが出来ることになる。これが正しい省エネというものだろう。  
   
いったんそんな風に千反田が自分の生おっぱいを自分で丸出しのもろ出しのむき出しにしてしまったなら  
その後は千反田の生おっぱいはしたい放題だ。里志はさわり具合を楽しむだろうし、少なくとも後ろから  
剥き出しのそれを黒髪の背中越しに揉みしだく位の事はするかも知れない。俺の場合はまず、その辺に  
寝転がりリラックスした俺の傍らで千反田自ら生おっぱいを俺の顔の上に乗せることを要求する。  
そのままでもいいが顔の上で揺らしたり、押しつけたりするのも悪くない。そうして千反田の乳首を噛んで  
高校の残り2年間を過ごすのもさらに悪くないだろう。  
 
それから……  
   
   
「折木。最低!」  
 
(……あ、口に出てたか?)  
 
伊原の鋭い一言で俺は生おっぱいの桃源郷から引き戻された。どうやら夢想していたらしい。白昼夢というやつだ。  
俺は自分の信条を心から大事にしている。そこからしても同時に二つの事をスルのは信条にもとると言えた。  
(省エネとは言えないか……)だが効率的でないとは……必ずしも言えないかも知れない。俺の目の前には後ろの俺を振り返り、  
それが持ち味のキッとした瞳で睨む伊原の顔があった。  
 
自分でも意外な事にそういうときの伊原の表情は嫌いではない。怒っているのだが持ち前の気丈さで  
むしろそういった感情を認めまいとして作った無表情の上に大きく見開かれた不思議な瞳の色の読み難さ。  
俺は自分も感情を読まれないようになるべく無表情を装ったまま、その実、その瞳から目が離せないまま  
上から左右を両手で掴んだ伊原の裸の尻を引き寄せるようにして、夢の余韻でいつもより  
膨らんだ状態の俺の性器を突き入れ一番奥でしっかりと固定した。  
 
「〜〜〜〜〜っ!」  
 
後ろ向きに両手両足を床に付いた小柄な裸の姿の短い髪、その下の剥き出しの肩と裸の背中の震えごと  
じっとりと汗ばんだ尻肉の奥の伊原の性器が俺を咥えこんだまま小刻みに痙攣するのが感じられた。  
素っ裸で四つん這いで腰をくびらせ尻を突き出した姿勢の伊原は髪型も相まってまるで猫のようだ。  
それも背中じゅうの毛を逆立てた猫に後ろから挿入しているみたいだと皆の居る部室で言ったら殴られそうだ。  
 
だがどんな気持ちがするものだろう?と俺は考えざるを得ない。小学・中学・高校と同じで顔見知りで、  
昔の自分も相手も良く知っていて、ただいつのまにか体格に差がついて自分が納めるには手に負えないモノを  
自分に入れたがる’男’になってしまった相手に挿入される気持ち。しかもそれは数年越しの自分の想い人の  
友人でさらに挿入の今このときも一緒ときていたら?  
   
しかしだ。どうせ解らない物を考えていても仕方がない。俺は先を急ぐことにして自分も  
一度ブルッと身を震わせたあと、猫の姿のまま俺に挿入され続けている伊原の目を見ながら  
無言で自分の考えを伝えた。  
 
(まあ、お前が俺をあまり好きでないのは知ってるし、不本意なのも実に尤もな話だが  
 付き合いが長いのも本当だし……今回も良いよな?そろそろ省エネということもあるし)  
 
「……折木。……本っ当に最低!」  
 
「まあまあ摩耶花。こっちもお願いするよ」  
 
罵倒の言葉で、言葉なしでも瞳で意思が十分に伝わった事を知り満足の想いとともに  
俺は伊原に思い切り射精した。頭を里志に押さえられるのを嫌がり身悶えしていた伊原は  
俺に射精されているのに気付くと今度こそ本当に後ろから俺に性器を奥深くまで突き立てられた猫の姿で  
体の大きな肉食動物にのしかかられ押さえこまれ牙を突き立てられている最中の小動物のような  
長い叫びで俺の射精を受け入れた。伊原の声のおかげかとても良い射精だった。男だからといって  
女なら射精するのは誰でも良いというわけではないし、どんな相手でも気持ち良く射精できるわけではない。  
伊原に射精するのは今回が初めてではないが、今までに射精した相手の4番目、いや3番目位には気持ちが良かった。  
そういうことが伊原に解って貰えそうにないのは残念だがそういうことはままある事なので仕方がない。  
 
というか付き合いを周囲に明かし公認となったのはいいが、それを境にのべつまくなし  
古典部部室でまでさかってとうとう俺まで巻き込みやがってお前ら本当に節操がないぞ。  
だいたい省エネが信条の俺に後ろとはどういうことだ今度は前にしろ。  
俺の射精の後も盛り続ける里志と伊原にそう言い捨てた後、俺は手早く身支度をすると部室を後にした。  
 
そういえば今日は千反田の姿を見かけなかったが休みだろうか?  
……まあいい。今日は十分働いたしな。最初はどんな話だったか思い出せないのがアレだが……  
おそらく続きはないものと思う。  
 
(終わり)  
 

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