>>269の続き  
 
 
その時だった。突然、部屋になだれ込んできた男達によって、俺達は引き離された。  
「千反田!」  
何度も殴りつけられ、蹴りつけられて、意識を失う寸前。  
目に映ったのは大きな袋を被せられて男二人に担ぎ上げられる千反田。  
それが俺が見た最後の千反田えるの姿だった。  
 
ホテルに踏み込んできたのは、どこからかことを聞きつけた千反田家の手の人間だった。  
学校や警察には既に千反田家から手が回され、今回の件は俺が千反田を無理矢理ホテル  
に連れ込んだという形で収められた。  
勿論、ことに及ぶ前に俺は取り押さえられたという体裁が取られ、千反田に被害は無か  
ったということになっている。  
 
そして、俺は強姦未遂として警察に拘留され、当然のこと、学校からはすぐさまの退学  
が言い渡された。里志と伊原も、俺に協力したということで学校を追われたと、聞いた  
のは後々のこと。  
高校生に部屋を提供した、どころかビラを配布しての呼び込みまでしていたということ  
で、あのラブホテルもすぐに潰されたらしい。  
地方都市――とはいえ所詮は山間の古い土地での出来事。噂が広まるのは思いの外早く、  
千反田家はことのもみ消しに躍起になっていたそうだが、所詮は人の口などに戸は立て  
られない。  
口さがない人々にとって、地元の名家の娘が関わった不祥事などは格好の噂の種だった。  
 
おそらくは千反田家からの圧力があったのだろう。俺の父親は勤め先から突然の解雇を  
言い渡された。その上、自宅への度重なる落書きやゴミの投棄、終いには放火で家が全  
焼したこともあって、俺の家族は引っ越しを余儀なくされた。  
 
 
あれから三年。今、俺達は神山を遠く離れたとある県の、海にほど近い町で暮らしている。  
 
「休憩時間や仕事の後で、時間ができた時に書いて投稿してます。まとめて投稿する時間  
が取れないです。ご批判は、後の作品に活かす予定です。……っと。全く、ふざけんなよ  
この248。何様だよ。俺の創作活動に水を差しやがって。糞ッ」  
俺はキーボードを叩きながら一人ごちた。  
「ええっと、皆さんも……皆さんも、どんどんと作品を投稿してください。僕も読みたい  
です。」  
なんて言って、投下があっても誰が読むものか。ここは俺の、俺だけの表現場所なんだ。  
みんなも俺の投下を待っている。  
だから、俺は自分の好きな時に、好きな量の文章を投下する。俺の書いた文章を読めるの  
だから文句を言うな。問題にすべきは俺の効率。これが俺にとって一番効率のいい投下方  
法なのだから。  
 
あれ以来、エコ思想に拍車がかかり、とにかく動くのが面倒くさい。運動など全くしない  
せいか、体重は高校の頃の倍以上に増えた。  
仕事? そんなものはしていない。この崇高な創作をネット掲示板という舞台に投下する  
こと。それだけが今の俺のエネルギーの使い道である。  
 
風の噂によると、千反田はあの後すぐに全寮制の女子校に転校させられ、卒業後すぐに親  
の決めた見合いで結婚させられたという話だ。  
俺は自分の粗末な一物を取り出して、あの時見た千反田の尻穴を思い浮かべる。今はあの  
穴も見合いで結婚した亭主のものになっているのだろう。こんなことなら、前の方にも手  
をつけておけば良かった。  
そんなことを考えつつ事に励みながら、俺は記憶を頼りに次なる文章の構想を練る。  
そうだ。あの時の千反田達の心理面をもっと描写しよう。  
なに、この俺ならあいつらの考えていたことなんて簡単に想像が付く。そう、それだ。そ  
れこそが俺の精神を満足させる。どうしても心理面を書かなければならないのだ。  
 
そして翌日、俺はPCを立ち上げて、作品の続きを書き始める。勿論のこと、始まりはいつ  
もの一文からだ。俺はキーボードに、その最初の一文を打ち込んだ  
 
「>>252の続き」  
 
おしまい  
 

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