「正体見たり」から題名「まだ見えぬ正体」  
 
・奉太郎xえる、里志x摩耶花  
・18禁  
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 文化祭とか締め切りのあるイベントをこなしてしまうと俺は、怠惰で省エネなモードに移行して、  
適当な文庫を読んだり、えるの好奇心というか揺らぎに意味づけするのが主な部活になっているのが  
現状であり、俺的には安定した日々で心安らぐのだけど、摩耶花には退廃的であり、良くない傾向で  
あるとの見解を示し、親戚の旅館が改装中であるので連休中に無料で宿泊できるという、俺以外には  
魅力的なプランを提示してきたので、連休中を一人で静かに過ごしたかった俺の意向は脆くも無視さ  
れて、温泉一泊二日旅行となった。  
 
 空いているバスなので気分も景色も良かった筈なんだけど、山間の道を蛇行している道をバスが唸  
りながら登っていくうちに気乗りしない旅行のバイアスがかかったせいか、俺は車酔いした。  
 
 目的地のバス停に下りて、気分転換する間もなく迎えのマイクロバスが来たのでふらつく頭で乗り  
込んで、やっと旅館に着いたのだ。玄関前に姉妹が並んで待っている。  
 
「「青山荘にようこそ!」」と、ハモって迎えてくれた。  
 
「こっちが姉の善名梨絵ちゃんと妹の嘉代ちゃん」  
 摩耶花がそれぞれ紹介する度に姉妹が頭を下げるのが可愛らしかった。  
 えると里志がそつなく話しかけているのを見つつ、俺は軽く会釈するのが限界だったが。  
 
 俺は、ウツウツと館内を歩き、上の空で割り当てられた広い部屋にたどり着いた。ぐったりと畳に  
倒れ込み天井がぐるぐるする感覚を味わっていると、ちゃんと説明を聞いてきた里志がいつものよう  
にすらすらと『改装中のせいで、旅館の露天風呂が使えないので、近くの神社の隣にある露天風呂に  
青山荘の客であると言えば、自由に入れるとか渓流があって景色も素晴らしい』とか語っていた。  
「ほーたろー、とりあえず浴衣に着替えろよ。気分転換になるよ?」  
 すでに里志は着替えていたので、俺もゾンビのように起き上がり、押し入れの扉を開けて、畳まれ  
た浴衣を取り出して、のろくさと浴衣を着て帯を締めた。  
「よし、準備が出来たね。露天風呂で旅の疲れを癒そうじゃないか!」  
「俺は、元気出てきたら…部屋の風呂を使うから…」  
 そんな俺の陰気を振り払うようにガラッとドアが開き、  
「奉太郎さん、さあ、行きましょう!」  
「あんた、ずいぶんやつれてない?まあ、いいか」  
 と、強制連行されてしまった。徒歩5分程度の露天風呂にたどり着き、男女に分かれて入浴だ。  
 
 山間のいい風が吹き抜ける、石造りの露天風呂だ。かけ湯して、俺はそろそろとうぐいす色に濁る  
温泉に浸かる。すーっと手足の緊張が解け、気が楽になってくる。里志は、すいすいと泳いでるよ。  
 足音とぱしゃっと湯を浴びる音がして、えると摩耶花も風呂に入ったようだ。千反田邸の露天風呂  
でのことを思いだし、湯気に煙るそれぞれの裸身を思い浮かべているうちにどうやら血が下半身に集  
まってしまったようで目の前が暗くなってきた。ヤバイと思って里志を呼ぼうにも声が…。  
 
 気がついたら、青山荘の部屋で布団に寝かされてた。乗り物酔いのせいか短時間でのぼせてしまっ  
たようだ。情けない。  
 
「あ、気がついたようですね。里志さんが引き上げてくれなかったら大変な事になっていたかもしれ  
ないですよ」  
 
 俺のそばに座り、のぞき込む、不安げな表情。輝くような瞳をまた、曇らせてしまったか。  
 
「える、か。みんなに迷惑かけたようで、すまなかったな」  
「冷たいおしぼりでももらってきましょうか?」  
「いや、それより、添い寝して俺の頭を抱えてみてくれないか?」  
「はい」  
 
 えるがするりと俺の横に寝て、頭を抱えるとそう、この素晴らしい感触のすこしひんやりとした  
双球が、おしぼりなんて無粋なものより俺を癒やし、回復してくれるだろう。  
 
「奉太郎さんの頭が、そう…こっちのほうがいいんですね」  
「ああ。しばらくこうしてくれていると助かる」  
 母親に抱かれた子供のような、やさしげな柔らかさ、鼓動が俺を安らかな眠りに誘った。  
 
 バンバンと無粋な音がして、俺を眠りの縁から引き上げた。  
「はいはい、夕飯ですよーいつまでもいちゃいちゃしてないでくださいね」  
 摩耶花だな、まったく。すぅすぅ寝ている、えるを揺すって、感謝の気持ちのキスをして起こした。  
「あ、もう真っ暗ですね」  
「夕飯だってさ。添い寝、ありがとうな」  
 えるの手を引いて、部屋を出て、摩耶花と里志の後に続いた。  
 
 座卓に近くで獲れるらしい鮎などが人数分並べられていたので座椅子に座り、席に着いた。  
 
 梨絵ちゃんが味噌汁をお椀に装い、嘉代ちゃんが配っているが、梨絵ちゃんのおたまが偶然、次の  
お椀を持って行こうとした嘉代ちゃんの腕に当たって手元が狂い、味噌汁が座卓にこぼれてしまった。  
 
「なにやってんの、嘉代!」「ご、ごめんなさい」嘉代ちゃんの腕は赤くなりやけどしたようだ。  
 
 憤然と嘉代ちゃんは立ち上がって部屋を出て行ってしまった。その様子を見ていたえるがショック  
を受けたようだ。  
 
 嘉代ちゃんは、けなげにもこぼした分の味噌汁をおたまで補って、配り終えてしゅんとしている。  
 
「奉太郎さん…どうして梨絵ちゃんは…。」  
 
 俺を見つめ、おろおろしつつもおしぼりで座卓にこぼれた味噌汁を拭いているのはさすがだ。  
 
「心配するな。少し待てば、おまえも納得いくさ」  
 
 ばたばたと梨絵ちゃんが戻ってきて、冷えたおしぼりを持ってきて嘉代ちゃんの腕に当てている。  
 その様子を見て、えるはしきりに感心していたので、俺は言葉を足す事をしなかった。  
 
 食事自体は、大変美味でご飯をおかわりするほどだった。  
 
 食後、いささか食べ過ぎを感じた俺は、ぶらっと旅館を出た。里志の話では近くに渓流があるとか  
言っていたので、その辺でも回ってこようかと。  
 
 坂を下っていくと後ろから、ばたばたと誰かが追いかけてくる。  
 
「奉太郎、どこ行くのよ。あんた一人で大丈夫なの?」  
「摩耶花か。すっかり回復したと思うんだけどな。近くにあるそうなんだけど、お前も来るか?」  
「いいわよ。また一人で倒れられちゃ困るし」  
 
 一人で歩いてると不審者だが、男女二人ならおかしくないか。  
 
「また、一人で何を考えてるの? あんたは昔から一人で納得して、人を寄せ付けないのよね」  
 
 少し冷えるくらいの清涼な風を受けながら、夜道をあてどなく歩いている。  
 
「俺はいつまでも自信がない気がする。これだ!と思ってもすぐ覆されるようなことになったり。  
だから、なるべく自分で考えをまとめて、かっこわるくならないようにしてきただけさ。省エネと  
称して、恥をかく機会を減らしてきたというか」  
 
 えるに対しては、そんな先延ばしが許されない。だから、変わってきたのかな。  
 
「誰だって一度で正解は出せないでしょ? あんたが考えを外に出さないから進まない事だってある  
んだし。一人でウジウジしているから暗くなるのよ」  
「小学校からずっと、そうして俺に気付かせようとしてくれてたのか。摩耶花にとって、俺は、そう  
するだけの何かがあったのかな」  
 
 摩耶花は、少し動揺しているようだ。考えているようで歩みが少し送れる。  
 
「判らないけど、気になっていたの。できればさ、奉太郎が心をあたしに開いてくれて、もう少し、  
わかり合えたら、良かったかな、なんて」  
「ありがとうな、摩耶花。」  
「ば、ばか、何言ってるのよ。あたしなんて、何にも」  
「無くはないさ」  
 
 森のようなところを抜け、川のせせらぎが聞こえてくる。足下が暗くなってきたのでえるにする  
ように自然と摩耶花と手を繋いだ。何とも言えない言葉の要らない間が続いた。  
 
 不意に冷たい風が吹き、当たりの空気が揺らぎ、岩場の影から、ゾッとするような白い影が生ま  
れて揺らめいた。  
 
「な…なにあれ? 奉太郎。人の顔みたいに見える」  
 
 摩耶花は蒼白になっていた。俺も鳥肌が立っていたが、何か妙だった。硫黄臭い感じもする。  
 
「帰ろう、もう、こんなのいやよ」  
 
 涙目で震える摩耶花に何を言ってもムダだろうな。  
 
「ああ、散歩は十分だ。帰ろうか」  
 俺たちは、早足で青山荘へと引き返していった。  
 
 
 夕飯を食べたら、ホータローが消えてしまったぞ?どこに行ったんだあいつは。ちょうどそこに  
嘉代ちゃんが通りかかった。  
 
「あ、嘉代ちゃん。ホータロー、あのちょっと陰気なお兄さんを見かけなかった?」  
「えと、玄関の方に歩いて行ったと思います。散歩とか?」  
「そうか!ありがとう、恩に着るよ」  
 
 僕は、玄関に向かっていたところ、えるちゃんを見かけた。  
 
「里志さん。奉太郎さんを見かけませんでしたか?」  
「なんか、散歩に出たらしいよ? えるちゃん、一緒に探そうか?」  
「はい。一人じゃ心細いですし」  
 
 玄関を出ると坂道だ。確か、坂を上がる方に行くと渓流が近かったよな。じゃあ、そっちに行っ  
て見るか。  
 
「たぶん、こっちに行ったんだと思う。渓流が近くにあるし」  
「そうですか、渓流はいいですね!」  
 
 緩い坂道を道沿いに上がっていくとガードレールもない暗い町並みが続き、不気味な感じだった。  
 
「星がいっぱい見えるけど、なんか寂れているね」  
「そうですね、天体観測には良さそうですが、もう少し明るいといいな」  
「さすがに道から外れると真っ暗だから、奉太郎は道路を歩くと思うんだ」  
「ええ、わたしもそう思います」  
 
 えるちゃんは、いっこうに奉太郎の姿が見えなくて心細そうだ。  
 
 そうこうしているうちに高い木が道沿いに並び、坂がだんだんきつくなってきたので適当な岩場  
に腰を下ろして休憩する事にした。  
 
「里志さんは、摩耶花さんの漫画の原作でしたっけ? お手伝いをしているんですよね」  
「ん?ああ、そうだよ。基本的に摩耶花の出すイメージに僕が肉付けしたり、演出を変えたりしながら、  
意見を交わして原作を作り、それをもとに摩耶花がマンガにするって感じかな」  
「そう言うのって、あこがれます。奉太郎さんは、わたしと一緒に何かを作ろうとかそういうのが  
全然無いですから」  
「そうかなあ。僕には、ほーたろーとえるちゃんの間にはしっかりと育ちつつあるものが見えるよ」  
 
 えるちゃんは、不満そうだな。あいつの省エネにも困ったんだけど、フォローしておいてやるか。  
 
「何でも形のあるものにすればいいってモンじゃないと思うな。創作は思想のぶつかり合いだから、  
俺と摩耶花はケンカが多いし」  
「わたしは、ああいう歯に衣着せぬやりとりもうらやましいです。奉太郎さんは押すと引いて納める  
様な感じでのれんに腕押し感というか」  
「でもさ、えるちゃんの言う事をスルーしている訳じゃなく、ちゃんと答えや行動してくれるだろ?」  
「はい!奉太郎さんのそういうところは、大好きです」  
 
 うわ−また、瞳がきらきら宝石だよ。これにほーたろーもこれにやられてるんだろうな。  
 
「さて、先に行ってみようか」「はい」  
 更に坂道を上がっていくと川の流れる音が聞こえてきて、水が近いせいか急に冷たい風が吹いてきた。  
 
 進んでいくと、あたりに霞がかかったような感じがしてきて、おかしな臭いと共に暗い木々の下に  
不気味な白い影が立ち上り、得体の知れない形を取り始め、僕の背筋がゾッとした。  
「あ、あのさ、えるちゃん。あの辺に変なものが見えないかな?僕の錯覚かなあ、あはは…。」  
 正直、もう、逃げたかったけど、えるちゃんが平気なら?  
「変です。あんなところに白い影が…その、こっちに迫ってきてませんか?」  
 ぶわーっと得体の知れないものが林から出てこようとしていた。  
「逃げよう、えるちゃん!」「あ、でも、わたし、気になります」「後でいいから!」  
 今度は下り坂なので、すいすいと元来た道を帰る事が出来て、青山荘の明かりが見えたのでほんと  
助かった気分だった。  
 
 そこで、ほーたろーと摩耶花が走ってくるのを見つけた。  
 
「奉太郎さん!どこいってたんですか、探したんですよ、ずっと…。」  
 えるが走ってきて、俺の顔にぶつかる勢いで抗議してきて、抱きついた。背中をなでつつ、  
「いや、ちょっと散歩してたら、摩耶花と一緒になったんだよ。えるも里志と散歩してたのか?」  
 
 摩耶花は、里志に向かって、飛び込んでいきながら、  
「途中で、幽霊みたいなのに会ったのよ。それで慌てて帰ってきたのよ、里志!」  
 
 里志に抱きついて、しくしくとする摩耶花を里志が頭をなでつつ、慰めていた。  
 
「そうなんですよ、奉太郎さん。わたし、気になるんです。林の間からほわーっと障気が立ち上り、  
やがて、大きくなってわたしたちに襲いかかってきたのです!」  
 
「えるちゃんも見たの?あれ。でも、2カ所で見えるなんて変ね」  
「俺は、だいたい見当が付いていたので見極めようと思ったら、摩耶花がパニック起こしたので、  
最後まで見られなかったんだ」  
「ほーたろーは冷静だねえ。ひゅーっと冷たい風が吹いて、もわっと変な感じになるっていかにも  
これから出ますって感じだったよ?」  
「この地方は、温泉が出るだろう? ということは地面からも蒸気がそこかしこから上がるわけで、  
温度や湿度、風向きなどで蒸気がまとまって浮遊してもおかしくないなって」  
「つまり、雰囲気に乗っていた俺らは、幽霊の正体見たり、枯れ尾花だったわけか」  
「やっぱり、奉太郎さんはスゴイです。えるもちょっとおかしいなって思ってました」  
「パニックにならなかっただけ、えるも成長したな」  
 えるの頭をなでてやるとえへへーと心地よさそうだ。  
 
「すっかり遅くなっちゃったけど、身体も冷えたし、みんなで露天風呂に行こうよ」  
「ああ、そうするかな」  
 4人で連れ立って、近くの露天風呂に向かった。  
 既に営業時間を過ぎていたせいか、誰もおらず、せっかくだからということで俺とえるは男湯、  
里志と摩耶花は女湯で混浴しようという事になった。  
 
 
 俺とえるは、いそいそと脱衣所で浴衣を脱ぎ、木々に囲まれた石造りの浴場に出た。  
 洗い桶で湯を浴びて、湯に浸かると芯までからだが冷えていたんだなあと実感する。  
 
 えるも隣で手足を伸ばし、ほっとしているようだ。  
 静かだ。木々のさざめきと湯の流れる水音以外、何も聞こえなく、俺とえるしか居ない。  
「女湯は、うぐいす色でしたが、男湯は、黄土色ですね」  
「そうなのか。うぐいす色と黄土色、どっちのほうが良いのかな」  
「わたしは、奉太郎さんと入る湯の方が良いです」  
 同意だとばかりに穏やかな表情のえるにキスをした。  
 
 俺の腕がえるを抱き寄せて、寄り添っている。  
 穏やかで心休まる時間だ。  
 
「奉太郎さん、のぼせたときって何を考えていたのか、えるには判ってましたよ」  
「どうしてなんだ? 俺は声でも上げてたかな」  
 えるは、俺の陰茎をにぎにぎしている。  
「ほら、やっぱり。奉太郎さんのが元気になるとえるにも伝わってくるんですよ」  
「となると、俺が今、感じている事は…」  
「はい…。」  
 
 向き合って呼吸をするように唇を合わせ、舌を舐め合い、吸い合ってお互いの気持ちを  
確かめ合い、髪を結い上げた、えるの堪らないうなじに舌を這わせる。  
 甘い吐息を漏らすえるの後ろから、たゆたゆした堪らない感触の乳房を揉む。  
「あっ、いぃ。ねえ、奉太郎さん、はぁ…わたし、あなたと小説が書けたらって思ってます」  
 温泉の効果ですべすべした肌と肌がいつもより興奮させる。  
「俺が良く本を読んでるからか。そうだな、二人でどんなジャンルのが書けるだろうか」  
 えるを岩風呂のへりに掴まってもらい、後ろから湯気の上がる秘部を舐めて、舌をひくつく  
膣に入れて、中を舌先で探り、出し入れしているとえるが激しく反応する。  
「古典部、ですから…ああっ、古典の考察をして二次創作とかいいかなって、あうっ」  
「…うん、そういうのを来年の文集に入れると良いかもしれない。える、ここにコンドーム、  
持ってきてないんだ」  
「わたしは…奉太郎さんのそのままが欲しいです。でも、妊娠したくないです」  
 えるの真剣な表情を見て、どうにもならない衝動が治まってきた。  
「何もここでしなくてもいいんだよな。部屋に戻って落ち着いて、しようか?」  
「そうしましょう。あそこが熱くなってしまって、頼りないですが」  
 えるを抱き上げて、脱衣所まで来た。中断されてしまい、まだからだが治まってないえるに  
浴衣を着せて、俺も浴衣を着て、しっかりと手を繋いで、露天風呂から出た。  
 
 僕と摩耶花は、女湯へ。普段、入れないとこだよなあと思うとドキドキするよ。  
 暖色系の脱衣所は、男湯じゃないなあ。  
「早く脱ぎなさいよ」「ああ、まってよ、摩耶花〜」  
 二人で洗い桶の湯を掛け合って、そろりそろりとうぐいす色の湯に肩まで入り、  
ほっとする。  
 僕の前に摩耶花が座り、後ろから抱きしめるような形で和んでいるとつい、摩耶花の乳房、  
秘部に手が入り、愛撫してしまう。さっきのことがあったせいか、摩耶花は敏感で身をよじ  
って反応し、甘い声を漏らす。摩耶花の中は熱くぬめっていて、もう、このまま…、  
「里志、ダメ、ダメよ。ここじゃダメ。誰か来るかもしれないし、コンドーム入った巾着、  
持ってないでしょ?」  
「あー、しまった。里志、一生の不覚。妊娠のリスクは負えないよ。じゃあ、部屋に戻って  
から続きでいい?」  
「うん。こう言うことは大事だから」  
 からだがほてってふらつく摩耶花を支えつつ、脱衣所で浴衣に着替えて、なんかこう、変な  
テンションで露天風呂を出た。  
 
「あ、里志、巾着袋持ってなかったのか?」  
「ほーたろーだって、まあ、散歩に持ってこないよな」  
 のんきに話していると女子陣の目つきが怖いので、青山荘に戻った。  
 
 それぞれの部屋に別れ、俺は部屋のドアをロックして、バッグからコンドームを取り出して、  
ババっとばかりに浴衣を脱いで、一度中断されたせいで、異様に興奮してしまい、震える手で  
コンドームを装着して、仰向けに寝て、俺を今か今かと待ちかねている、えるのほてった膣に  
ぎんぎんになった陰茎を勢いよく挿入し、貪るように俺とえるは激しく求め合った。  
 
 普段なら一度で終えるのに興奮が冷めやらず、コンドームを交換しながら、露天風呂の時の  
ようにえるを四つん這いにして、びしょ濡れになってるそこにズボッとばかりに突き入れたら、  
えるが悲鳴のような声を上げて、軽くイった。そのまま狂ったように腰を使い、えるの乳房を  
鷲づかみにしながら、嫌がるように喘いでいるえるに構わず、暴力的に射精した。  
 
 そのまま腰を下ろした俺の陰茎から、まだ治まらないえるはコンドームを抜き取り、亀頭を  
咥えて残った精液を吸い取った。そんな淫らな行為に俺の陰茎はさらに反り返り、えるは新し  
いコンドームを口に咥え、ずるっと装着した。える、いつ、そんな技を?!  
 
 えるは、俺の陰茎を握り、自分の膣に当てて腰を下ろすように挿入して、俺の腰に足を絡め、  
対面座位で激しく腰を使い始めた。俺も負けじと下から突き上げ、乳房を揉み、乳首をこねり  
ながら、貪るようにキスをして、あっという間に高まってきて、お互いの股間をこすり合わせ  
て密着しながら激しくイった。  
 
 そんなに激しくしたせいか、二人で荒い息をつきながら倒れ込み、折り重なるように朝まで  
泥のように眠ってしまった。  
 
 
 僕は、部屋のドアを慎重にロックし、用意してあったコンドームをびらびらと取り出して、  
我慢しきれなくて僕の陰茎にむしゃぶりついている摩耶花の淫らな口から引き抜き、コンドー  
ムを装着して、摩耶花をバックからガンガン突いた。  
 
 お預けがあったせいか僕のを握られたように膣が絞まり、僕も変に高まっていたから、ペー  
スなんか考えずバンバン腰を使って、大きな声で喘ぐ摩耶花に奥まで突いて激しく射精した。  
 
 治まらない僕は次のコンドームを装着していたら、摩耶花に押し倒され、騎乗位で暴れられ  
て、短時間であえなくイカされた。へたれた僕の陰茎を摩耶花はコンドームを取り去り、激し  
くフェラチオしてきて、その熱い舌使いと吸引にあっという間に勃起させられ、摩耶花は仰向  
けに寝て、  
「里志、最後まできっちりいかせて!」と誘われると僕の理性は飛び、正常位で激しく求め合  
い、僕も摩耶花もどうにかなっちゃうんじゃないかと言うくらい高まって、一緒にイった。  
 
 僕と摩耶花の意識は暗黒に囚われて、朝まで摩耶花の上でぐっすり寝てしまったようだ。  
 
 翌朝、どんな寝相だ?と自分を疑いたくなる俺とえるは露天風呂にいく気力も無いので室内  
風呂でシャワーを浴びて、昨夜の乱行の後を洗い流して、さっぱりした。  
 
 朝食に向かうと、里志と摩耶花たちに会った。  
 俺と里志は朝からぐったりしている。えると摩耶花は変に元気だ。そんな感じで朝食を摂り、  
それぞれの部屋に戻って歯磨きしたりして帰る準備をして、フロントに来た。  
 しばらくして、えると摩耶花もやってきた。  
 梨絵ちゃんと嘉代ちゃんが見送りに来てくれたので、それぞれお礼を述べた。  
「短い間だったけど、世話になったな」「お料理とかおいしかったです」「楽しかったから、  
また来たいな」「急に押しかけちゃって、ごめんね。二人とも、ありがとう」  
 二人ともニコニコしていて、いい感じだ。  
「「では、またのご利用をお待ちしております」」  
 みんなで手を振って、マイクロバスに乗り込み、バス停まで送ってもらった。  
「ほーたろー、来て良かったと思うだろ?」「悔しいかな、認めざるを得ないよ」  
 バス停について、運転手さんにお礼を言って、ぼーっとしているうちにバスが来た。  
 隣に座ったえるが、俺に話しかけてくる。  
「わたし、きょうだいにあこがれていたんです。だから、夕飯の時の梨絵ちゃんのことで怒っ  
てしまうところでした。きょうだいとは、ああしたものなんですね」  
「うちの姉貴はあんなに良くは無いけど、似たようなことがあったからな」  
「古典部のみんなはきょうだい見たいに感じます。里志さんや摩耶花さんはおにいさんや  
おねえさん」  
「俺は、弟だろう?」  
 ふふんとえるに不敵な笑いをして。  
「そうです!って、えと、その、弟でもあるというか」  
「まあ、いいさ。これからも楽しくやっていきたいからな」  
「はい!奉太郎さん」  
 そんな感じで、連休は充実したイベントで消化されたのでムダがないという意味で省エネだ  
ったかな?と思った。  
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
おわり  
 

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