「クドリャフカの順番」より、題名「クドリャフカの気持ち」 
・奉太郎xえる、摩耶花x里志 
・ライトエロ 
 
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 もうじき、文化祭になるという、妙な高ぶりをえると紛らわしているところだ。 
 
「はぁ…、奉太郎さん。ロシアのスプートニク2号の話を読んでいたら、ですね」 
 
 俺とえるは、裸になって抱き合い、えるのなめらかな首筋にキスをしている。 
 
「ああ、ライカ犬が乗っていたんだっけ?」 
 
 そして、いつものように乳房をまんべんなく愛撫している。俺の手の平に良く馴染み、 
努力の甲斐があって量感が増してきたよ。変な形にならないように愛情を込めて揉み、 
淡い色合いの乳首を吸っていると甘い吐息が漏れてくる。 
 
「そうです。可愛がられていたんですが、あっ、ふぅ、自分がどうなるか理解できず、不完全な 
ロケットに乗せられて、実際には過熱とストレスで宇宙にたどり着く前に…。」 
 
 触れあう肌が気持ちいい。撫でていく肌が熱を持ち、その最も熱いところへ手を差し入れて、 
湿った敏感なひだが俺の手の平に吸い付き、あやしてるととろりとした蜜が出てきた。 
 
「そうだったのか。えるは『氷菓』の関谷さんのことをまだ引きずっているのか?」 
 
 起ってきた乳首を吸い付いて舐め、愛しい乳房にキスをした。えるの中に中指、人差し指と 
差し入れて、優しく中を探り、反応を見ながら熱い肉襞の感触を楽しんでいると、えるの腰が 
それにつられてびくびくと反応する。 
 
「あぁん…読んでいたら、頭を過ぎりました。だから、奉太郎さんたちに出会えなかったら、 
わたし、いずれ、そんなことになるかもとか…」 
 
 ライカ犬の悲惨な処遇に震えた、えるを強く抱き締めて熱いキスをし、えるの悪寒を打ち消した。 
 
「俺は、えるをそんな悲惨な目に遭わせないさ。俺はえるを守ってやりたい」 
「奉太郎さんっ!」 
 えるの目がぱっと輝く。その瞳を見つつ、俺は微笑み、コンドームを取って、装着した。 
 そして、俺とえるは熱く繋がり合った。 
 同じようなことをしているようで毎回違う、と思う。 
 お互いの思いがあれば、さ、と二人で高みを迎え、えるへの思いの丈を吐き出して、落ち着いた。 
 
 事を終えて、シャワーを浴び、着替えてから、文集の原稿を進め、推敲していた。 
 それにしてもこの文集、どれくらい売れるのだろうか。 
 
 
 数日後の放課後、古典部室に来たら、妙に騒がしい。 
 
「どうしたんだ?って、えぇ、なんだこの文集の山は。50部じゃ無かったっけ?」 
 
 里志が途方に暮れたように、 
「ホータロー、摩耶花を責めないでやってくれよ。自分の個人誌のことも相まって、摩耶花は疲労で 
そうとう判断力が落ちていたようで、1部200円で売るって言うのを、200部刷ってしまった」 
 
 摩耶花は、平謝りだ。 
 
「あのとき、どうかしてたんだわ。うっかり、そう言っちゃったのよ、ほんとーにごめんなさい」 
 
 えるもこの文集の山に圧倒されて、おろおろしている。 
 
「あの、その、奉太郎さん。どうにかしないといけないですよね? 何か名案がありますか?」 
 
 これは、謎解きじゃないよな。何か、笑えてきた。 
 
 それぞれ、何か手を考えていたようだが、あっという間に文化祭当日となった。 
 
 まず、里志はいろんなイベントに参加し、古典部の宣伝をしてくるという。摩耶花は、漫研で 
文集を置いてもらえないか頼んで見るそうだ。えるは、この間のミステリーのトリックの件で 
恩がある入須先輩に頼んでみるそうだ。 
 
 それぞれが在庫の束を抱えて、慌ただしく古典部室を出て行く。 
 
 俺?俺は、売り子だ。それに誰も部室に居ないなんて不用心では無いか。ともっともらしい 
理由で省エネを満喫できそうだとほくそ笑んでいた。 
 
 といっても、里志の宣伝効果のせいか、ぼちぼち客が訪れ、珍客が来て、物々交換でアイテム 
を置いていったりして、なかなか面白い物だ。このハンドガンなどは、電池で弾が出るようだ。 
 
 
 視聴覚室では、わたしたちが手伝ったミステリーが上映されています。 
「こんにちは、入須さん」 
 
 相変わらず、クールな美人ですね。 
 
「ん?、ああ、古典部の千反田か。ほら、見てくれ。ほぼ満員だよ。恥をかかないですんだ。 
本当にありがとう」 
「いえいえ、そんなたいしたことないですよ。あの、早速なんですが、古典部の文集を作り 
過ぎちゃったので、こちらで何冊か置いてくれませんか?」 
 
 主にがんばってくれたのは奉太郎さんですし。 
 
「ああ、それは大変だな。今、何冊持ってるんだ?」 
「はい、50冊ありますが、何部か売っていただけたらと…」 
 
 わたしは、おずおずと文集が入った袋を渡します。 
 
「それなら、映画のパンフレットと一緒に売ろうじゃ無いか。それで良いか?」 
「はい!よろしくお願いします」 
 もう、持ってきた分、捌けちゃいました。なので、ほかの展示を回っても良いですよね。 
 わたしは文化祭のしおりを手に、心の中で店番の奉太郎さんに謝りながら、賑やかな校内 
をぶらついてきます。 
 
 夕方になる頃、えるが手ぶらで戻ってきた。 
 
「その様子だと、引き受けてくれたか?」 
「はい!、それで、わたし、気になることが…このしおりなんですけどぉ」 
 
 てへぺろとでも言うようないたずらっぽい表情で瞳をきらきらさせ、また、えるがいつものやつを…。 
 
 そのしおりには、 
 『クーラーボックスのドリンクを飲んで、待っている 麒麟』とある。 
 裏面には、『文化祭が終わったら返します』と書いてある。 
 
「なんだこれは。謎かけか?」 
「このしおりが置いてあって、飲み物が1本無くなっていたそうです」 
『確かに気になるな。でも、謎かけならいくつか無いとなあ」 
 
 ドタバタと里志が走ってきた。 
 
「おお、里志、宣伝はどうだった?」 
「あまり好成績じゃ無いけど、確実に目立ってきたと思う。それよりさ、これを見てくれよ」 
 
 里志もあちこちでしおりを見かけたようで、何枚も持ってきてる。 
 
「まずは、アカペラ部から」 
 『クーラーボックスのドリンクを飲んで、待っている 麒麟』 
 
「次は、歴史研究会から」 
 『リャフ (Lyakh)は、スラブの英雄。彼も待っている 麒麟』 
 
「SF研究会から」 
 『kanonを聞きながら、待っている 麒麟』 
 
「模型部から」 
 『超量産型MSサクも待っている 麒麟』 
 
「華道部から」 
 『蒲(ガマ)を活けつつ、待っている 麒麟』 
 
「被服研究会から」 
 『Durbanのシャツを着て、待っている 麒麟』 
 
「サバゲー部から」 
 『グロック17で君を狙いつつ、待っている 麒麟』 
 
「以上、全て、古典部が解決しますって僕は、持ってきたわけさ!」 
 
 里志が胸を張り、ドヤ顔である。 
 
「貴様、何を勝手なことを〜〜!」 
 
 イラッときて里志の頭を抱えてぐりぐりと折檻した。 
 
「いてて。そうでも言わないと文集が捌けないだろう?」 
 
「ああ、そうだったな。すまん。といってもこれを解かないとダメなんだよなあ。まあ、もう 
下校時間のチャイムも鳴ってるし、一日目はこれで解散かな」 
 里志は摩耶花を迎えに行き、俺とえるは部室の戸締まりをして下校した。 
 
 俺とえるは、自宅の部屋で数枚のしおりを手に頭を悩ましていた。 
 
 たいていこう言うのは、頭文字とか取って、クーラーボックスのドリンクで、 
「クド」とか 
 当てていくんだよな。だとすると残りのは、 
 「リャフ、ス?」「カノン」「サク」「ガマ」「ダーバン」「グロ?」 
 
 ノートにあーでもないこーでもないと字を減らしたり、増やしたりしているとえるが、 
「この間のスプートニクの話で、出てきた犬の名前、クドリャフカって言うんですけど、 
繋がりそうじゃないですか?」 
 
「ああ!クド、リャフ、カ、か。よし、残りもってノン=サクガマってロシア人?」 
「いえ、そんなスタッフは居なかったような」 
 
 そんな簡単に解けないようだな。煮詰まってきたので俺とえるは顔を見合わせて、 
「明日にしようか」「ですね」日課のようになったキスと乳房の刺激をして、えるは 
帰って行った。まあ、頭を切り換えれば、解けるさ。 
 
 翌日、少し早めに古典部の部室に行き、持参したノートを開いて早速、考察にかかる。 
 程なく、里志がやってきたので物知りはいいが全然定まらない意見に翻弄されつつ、 
頭を悩ませているとガラッとドアが開き、 
「どう?順調に売れてる? 漫研にも文集を少しは置けたわって、何してるの?」 
 
 摩耶花は、興味深くノートに乱雑に書かれた文字列を見て、珍妙な顔していたが、 
「このクドリャフカって、ほんとは今年の漫研の同人誌に載る予定だった作品の題名に似てるわ。 
『クドリャフカの順番』って、話は出来てるらしいけど、作画予定だった生徒会長が、あっ、 
何これ!おもちゃの銃?ちょっと貸して!、うりゃー里志め!」 
 
 摩耶花は電動ハンドガンで里志を撃ち始めた。弾の勢いはたいしたことなさそうだ。 
 
「何するんだよー摩耶花、僕を撃つなよぉ、いてぇって!」 
 
 グロック17がどうにも判らなかったが、里志がハンドガンだって言ってたっけ。 
 二人が遊んでる様子を見て、銃の発射音、バンバン、これでいいんじゃないか?と一気に 
ひらめいた! 
 
「おおっ!」「ど、どうしたんですか?奉太郎さん、解けましたか?」「そうとも!」 
 
 俺は、晴れやかな顔でノートの新しいページをめくり、正解と思われるキーワードを書いた。 
 
『クド リャフ カノ サクガ マダーバン バン』 
 
「ホータロー?よくわからないんだけど」 
 
「つまり、『クドリャフカの作画まだーバンバン』さ!」 
 
 俺は、ドヤ顔していたと思う。 
 
「あのさ…、バンバンは?」 
 
 摩耶花があたま大丈夫?と気遣うようにこっちを見て言った。 
 
「2ちゃんねるとかで、テーブルを手の平で叩いて催促する様子を『マダーバンバン!』とか 
表現するんだ。それなんじゃないかな」 
 
「すごいです、さすが奉太郎さん!」 
 
 えるが褒めてくれると俺は大変うれしい。 
 
「あたしさ、思うんだけど、奉太郎の才能ってより、同程度のあたま同士だから判るんじゃ無いの? 
麒麟って言うのも、要するに首を長くして待ってるってことでしょ、はぁ」 
 
 浮かれてるところに呆れた摩耶花がまたイヤなことを言う。 
 
「ともあれ、文集の在庫を持って、生徒会室に行き、3人で以上のキーワードを言えば、おそらく…」 
「早く行きましょう、奉太郎さん!」 
 
 強引に俺を引っ張るえるに、また省エネが阻止されてしまった。 
 ともあれ、生徒会室に着いた。 
 
「文芸部ですが、かくかくしかじかで、この謎解きは、あなたが仕掛けたんですね?」 
 
 生徒会長は、肩をがっくりと落とし、 
「驚くべきことに正解だが、仕掛けたのは俺じゃないよ。受験を控えているから、作画は勘弁と 
断っていたんだけど、どうしても『クドリャフカの順番』を出して欲しいって奴がこの謎解きを 
クリアできる奴が居たら、やってくれと言われて、トホホ。 
 まあ、君たちはそこまでがんばったのだから、1つ何か要求を飲んであげよう」 
 
「では、この文集、50冊セットを生徒会に資料として買い取ってください」 
「それくらい余裕はあるけど、資料なのか?」 
「ええ。この学校の大事な歴史が書いてあるので、ぜひ」 
 
 こういった下りが放送部で流れたりして、夕方には文集はほとんど捌けてしまった。 
 
「さて、うんざりする在庫は払底したので、完売祝いに打ち上げしようか」 
「では、私の家で致しましょう」 
「決まりだね。じゃあ、行こうか、摩耶花」 
「うん…そうだね、里志」 
 
 
 千反田家で、ネタも大きい豪華な寿司を出前で取ってくれたりして、盛大に盛り上がった。 
 そして、やっぱりというかそのまま、お泊まりと言うことになり、露天風呂で疲れを癒やし、 
僕と摩耶花は部屋に入り、やっと二人っきりになった。 
 
「摩耶花、浮かない顔だよね。何かあったのかい?」 
 
 布団に寄り添って座って、聞いてみた。 
 
「里志、あたしの同人誌、ちっとも売れなかったの。見てくれる人が居るんだけど、やっぱり、 
先輩のばかり売れていくのよ。来年、『クドリャフカの順番』が出たら、相当売れるんだろう 
なあ」 
 
「やっぱりね…摩耶花の同人誌、何冊か読ませてもらったけど、先輩の作品が好きなのは良く 
判るんだ。でもさ、摩耶花のはそれっぽいだけで、芯が無いんだ」 
 
「あたし、才能が無いのかな。どうしたら良いんだろう…。」 
 
「以前の読んで思ったんだけど、目の前の輝ける作品に幻惑されて、摩耶花の本来の魅力や、 
主張が出来なくなってるじゃないかな?」 
 
「あたしのオリジナルなんて、とてもじゃないけど、ダメなのよ」 
 
「僕は、買うよ。摩耶花の才能をさ。良かったら摩耶花の作品の原作をやらせてくれないか?」 
 
「えっ?! やったことあるの?」 
 
「無いから、これから勉強するけど、二人で作れば先輩に負けない作品だって出来ると思う。 
…僕を信じてくれないか?」 
 
「里志…、ほんとうに?できるかな」 
 
 摩耶花を鼓舞するように僕は強く抱き締めた。 
 
「やってみようよ。二人で絶対成功させる!」 
「うん、あたし、里志とやってみるわ!」 
 
 やっといつもの明るい摩耶花なったよ。その後、僕たちは、熱く繋がり、深く愛し合った。 
 
 どこか遠い感じがしていた摩耶花とどうにか関わって行けそうだな。 
 二人でぐっすり眠って、今年の文化祭を終えた。 
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おわり 

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