膝の上の文庫本に目を落としていた千反田はやおら顔を上げ、
「膨張した男性器からどんな風に精液が出るのか。
折木さん。わたし、気になります」
……耳がおかしくなったかな?
今まで千反田の好奇心で猫が殺されそうになった記憶は無いが、
今の状況はお互いの貞操にとって危うい状況になるおそれが無くもない。
……まだ千反田は子猫のようにまっすぐと、返事を期待した目で見てくるんだが。