隣の席の机を勝手に拝借し、  
俺の机にくっつけ  
真剣な表情でエロ本を読んでいる一人の男がいる。  
 
教室内で堂々と読んでいるというのに、誰一人としてこちらを振り向かない  
 
堂々と読んでいるように見えて、実は周りの目からは見えないような体勢での読み方をしているのだ  
 
これもエロパワーのなせる技か  
 
 
 
こいつの名は織戸   
眼鏡が本体で、ツンツン頭がトレードマークの・・・  
 
「あーいっかわっ!」  
 
突然俺の右肩辺りから手裏剣の髪飾りをした少年のような顔がひょっこりあらわれる。  
 
友紀だ。おぉ、今日も隠れ巨乳が揺れる揺れる  
 
織戸の紹介が途中で遮られてしまったが  
うん、気にしない気にしない。大事なことは言ったさ  
 
友紀「織戸?何読んでんd」  
 
なんだ?!織戸の手がブレた?!  
 
はっ!エロ本が織戸の手にーーー ないっ!  
 
ギャアァー 一瞬手がぶれたと思ったらエロ本が俺の机にーー !  
 
友紀「お?相川ー。教科書が机からはみだしてんぞ?」  
 
それ教科書やない!エロ本や!エロ本なんや!  
 
友紀「しょうがねーなっ!夫の身の回りの世話をするのも、嫁の役割だからな!」  
 
言うが早いか  
エロ本へと手を伸ばす友紀  
 
目の前の眼鏡の視線が腹ただしい  
 
歩「待つんだ友紀くん」  
 
友紀「ふぇ?な、なんだよその呼び方は」  
 
歩「それに手を出したら 君は二度と戻れない世界に入ってしまうよ」  
 
友紀「ど、どういう意味だよお」  
 
歩「それは魔の本だ」  
 
友紀「魔の本?の、のろわれたりするのか?!」  
 
歩「ああ。二度と溶けない魔法にかかってしまう。」  
 
友紀「うおお!こええな!」  
 
吸血忍者パワーで一気に本との距離をとる友紀  
 
友紀「ま、まさか 相川はこの本でゾンビになったのか!」  
 
あれ?ユーにゾンビにしてもらったって  
知らなかったっけこいつに  
 
あ、アホだから忘れてるんだな 納得  
 
歩「そうだ。陸上部の活動ができなくなるぞ!」  
 
友紀「こ、こぇぇ本持ってんだな相川・・・」  
 
織戸「違うぞ友紀 これ、ただのエロ本。相川が毎日ここで読んでるお気に入りの」  
 
織戸 おれはお前を許さない  
 
友紀「え、エロ本?」  
 
織戸「ああ。しかもスカトロ物だ」  
 
スカトロだったのかよ!  
なんて趣味してやがる!  
 
友紀「相川って スカトロが好きだったのか」  
 
織戸「その通りだ」  
 
断じて違う!違います!  
 
友紀「相川ってスカトロが好きだったのか!俺も好きだ!!!」  
 
歩「いや、それ俺の本じゃな・・・ん?友紀いまなんていった?」  
 
友紀「俺もスカトロならすきだぜ!  
可愛いよな!」  
 
可愛い・・・だと・・・  
 
織戸「ひくわー まじひくわー」  
 
お前はひくな  
 
歩「スカトロのどこが可愛いんだよ!てかなんで知ってんだよ!」  
 
友紀「え?相川好きじゃないのか?  
可愛いじゃねーかあれ!もふもふでさ!」  
 
もふもふ?  
 
 
こいつ、絶対何か勘違いしてるな  
 
歩「三原にまたなにか吹き込まれたのか?」  
 
友紀「え、いや 三原がスカトロについてアンダーソンと話しててさ」  
 
アンダーソン君・・・・君はスカトロマニアだったんだね・・・  
 
友紀「話に混ざろうとしていったらよー!アンダーソンの奴、帰っちまったんだぜ!」  
 
友紀「そんで!かなみにスカトロってなにか聞いたんだ」  
 
アンダーソン君の株が・・・・  
 
歩「で、スカトロってのは、なんなんだ?」  
 
友紀「なんだよー。知ってるくせに、いわせんのかよー」  
このこのっ、と肘でついてくる  
 
歩「たぶん、俺とお前の考えてるスカトロは、違うぞ」  
 
友紀「まじかよ!でもかなみが教えてくれたんだぜ?」  
 
歩「いや、尚更だろう」  
 
友紀「まじかよ!じゃあいうぞ!  
かなみは【スカーフをつけたトトロ】っていってた!」  
 
予想以上に適当だったーー!  
 
 
まぁ、三原が話にはいってきた友紀を、なんとかかわすために咄嗟についた嘘なんだろう。  
 
それにしても適当だな  
 
あ だます相手が友紀だからな  
 
納得納得  
 
歩「残念だがあの本は俺のじゃないし、  
スカトロもそんなかわいいものじゃない」  
 
友紀「えっ じゃあスカトロってなんなんだよ!教えてくれよ!」  
 
歩「それは織戸にきk」  
 
織戸が別の本読んでるーーッ!  
 
織戸「これも、相川の本だ」  
 
やめてー うそつかないでー  
 
友紀「あ、あれ?でもさっき相川が、俺の本じゃないっていってたぜ?」  
 
織戸「そうか。そうだったな。。  
厳密に言うとあれはーー 相川のお父さんのだ」  
 
歩「ちげぇよっ!」  
 
友紀「そ、そうか!相川の家族は世界中廻っているから呪いのかかった本もあるわけだな・・・!」  
 
勝手にふむふむと納得していく友紀  
 
いやいやいやいやいや  
あかんやろ こりゃあかん  
 
友紀「ハッ!まさか織戸もゾンビなのか!?」  
   
なんでだよ! あ   
そういえばそっき魔の本とかいっちゃってたわ  
 
友紀「ハッ!相川の家の人が持ってきたという事は 相川ん家、ゾンビ家族?!スリラー!?」  
 
 
あ、だめだこれ  
 
相川「ごめん友紀。魔の本っての嘘だから」  
 
友紀「なんだよー うそかよー」  
 
むっつりとふてくされる友紀  
そしてむっつりな織戸  
 
友紀「そうだ!スカトロってのについておしえてくれよ!」  
 
歩「それはあいつにーー」  
 
また別の本読んでるー!今度はSMかよ!  
 
友紀「あれもお父さんの本なのか?」  
 
歩「全部織戸訓のです」  
 
友紀「そうなんか?まぁ、なんでもいいじゃねーか!」  
 
友紀「んじゃ、スカトロについて教え「織戸に聞け」  
 
友紀「ちぇー 、わかったよー」  
 
 
織戸の眼鏡が輝いた。  
 
 
織戸先生と友紀くんのマンツーマンスカトロ講座が始まった  
 
 
いつになく真剣に語っている織戸と 顔を伏せて時折  
うおおおおーーー!とか叫びながら耳を塞いで暴れている友紀  
 
友紀「うおおお!やめろぉぉー!」  
 
早速だ  
 
織戸「なんだよ じゃあ終わりにすんの?」  
 
友紀「わああー!待て待て!続けてくれ!」  
 
織戸「(´・ω・`)」  
 
ーーーー  
 
織戸「まぁ、こんな感じだ。スカトロの素晴らしさがわかったか?」  
 
眼鏡をクイッとあげながら言う織戸  
 
対する友紀は  
 
友紀「おお!すげぇんだな!俺の知らないスポーツがあったなんて!」  
 
スポーツ?  
そういえば織戸の説明の中にしょっちゅうスポーツという単語が入っていたな  
 
織戸「夜のスポーツは___奥が深い」  
 
格好いいポーズきめるな  
気持ち悪い  
 
歩「ちょっとまて友紀 なんでそんなに奥目もなく夜のスポーツとかいえるんだ?夜のスポーツ、って意味、理解してるだろ?  
いつものお前なら顔を真っ赤にして耳を塞いだりしてたはずだが。」  
 
友紀「あのな相川。夜のスポーツってのはな!テレビでも全然放送されないし、本業でしてる人も普通のスポーツと比べると、すげぇ少ないんだぞ!」  
 
友紀「日の目を浴びることのないスポーツってやつ?だからな!俺は夜のスポーツを極めるんだ!!  
もっとみんなにしってほしい!  
サッカーや野球のように、日の目を見させてやりたいんだ!」  
 
織戸め。あの僅かな時間で友紀をここまで洗脳したのか  
 
友紀「よっしゃ!アンダーソンのとこいってくる!今なら楽しく会話ができる気がするぜ!!!」  
 
星空を見ている時より、目、輝いてなかったか?  
 
歩「おい織戸」  
 
織戸「なにかね相川くん」  
 
眼鏡あげるな眼鏡。  
 
歩「一体どうやってあれだけ洗脳したんだよ」  
 
織戸「私は聞かれたことについて  
詳しく答えただけですぞ  
 
歩「スカトロとはなんですか」  
 
織戸「健全な夜のスポーツです。」  
 
歩「・・本当にちゃんと説明したのか?」  
 
織戸「大便をサッカーボールに例えて説明したんだ。間違いない」  
 
どんな説明の仕方だよっ!  
 
歩「友紀の様子を見てくる」  
 
とりあえず織戸にはそういい残して  
 
ダッシュで教室いd・・うおお!  
なんで廊下のど真ん中でメンチきってんだよ!  
 
せめて教室の隅っことかやれよ!  
ほら、もうちょっとしたギャラリーができてるぞ!  
 
取りあえず俺もそのギャラリーに加わっておく  
 
歩「これは一体どういう状況なんだ?」  
 
隣にいるツンツン頭の眼鏡をかけた奴に聞いてみ・・・なんでいるんだよ  
 
織戸「友紀がアンダーソンを見つけて いきなりメンチ切り始めた」  
 
あ、はい。  
 
最初に口を開いたのはアンダーソンくんだった  
 
困った顔で目の前の友紀に尋ねかける  
アンダーソンくん「ええと・・なにか用かな?」  
 
友紀「大便の早食い競争があるってまじか?!」  
 
おおおおい!いきなり大声で何言い出すのこの子ーーっ!  
 
アンダーソンくん「ここじゃあ危険だ。屋上へ行こう。」  
 
シリアスにもってった!  
アンダーソンくんがシリアス方面に流れをもってったー!  
 
友紀「」コクリ  
 
神妙な面もちで頷くな!  
 
 
とにかく屋上へ移動していくアンダーソンくんと友紀  
 
「ねぇ、友紀とアンダーソン、なんで屋上いったの?告白?相川、友紀をアンダーソンにとられちゃうの??」  
 
今日もばっちりメイクですね。かなみさん  
 
歩「そんな可愛いもんじゃない」  
 
三原「なんだー。残念。じゃあ、なにしにいったの?喧嘩?」  
 
歩「スカトロ談義だ」  
 
ブフオッ    三原さん、唾とばさないでください。  
 
三原「スカトロって、あのスカトロっすか?」  
 
歩「あのスカトロっす」  
 
三原「あちゃー あ、でも大丈夫よ!ちゃんと友紀には、スカトロは【スカーフまいたトトロ】だっていっておいたから!」  
 
あー    
そういえばそうだったなー  
 
歩「織戸が間違いを指摘して  
友紀をスカトロマニアに洗脳しました。」  
 
さあ織戸さん。出番ですよ  
 
三原「・・・」  
 
織戸「相川がスカトロ大好きな女の子にしてくれって・・・俺の大好きなエロ本を人質に・・」  
 
歩「嘘はいけませんよ。織戸さん。  
今本当のことを言えば、天におわす神々はきっと許してくれるでしょう。」  
 
織戸「はい・・・・すべて私がやりまし」パキッ  
 
三原の顔面ハイキック!  
 
 
神様は許してくれてもかなみ様は許してくれなかったようです  
 
あ、片方のレンズが割れてる  
 
こりゃ織戸、しばらく学校に来ないぞ  
 
 
三原「早く屋上いくよ?」  
 
歩「はい。」  
仰せの通りに  
 
 
友紀「 」   
アンダーソン君「 」  
 
三原「ねぇ!何話してるか聞こえる?」  
 
歩「いんや、まったく。」  
 
三原「もうちょい近づいてみない?」  
 
いや、無理だろう。  
ここだってギリギリだ  
 
これ以上近づいたら友紀はともかく、  
アンダーソン君には絶対に気づかれる筈だ。  
 
あ、友紀も結構気配とかそういうのには鋭いんだっけ  
なにしろ忍者と呼ばれるくらいだからな。  
 
そんな憶測は一般人であるかなみにはいえるはずもなく  
俺はただ  
 
歩「これ以上近寄ったらバレるぞ」  
 
とだけいっておいた  
 
かなみのことだから、それでも近くまでいくのかと思ったが  
 
しかめっつらで俺の顔を睨み  
 
すぐにアンダーソン君と友紀に向き直った  
 
友紀は相変わらずアンダーソン君と楽しそうに話してる  
 
ーーそれを俺は下顎をつきだしながら見守っていた。  
 
 
アンダーソン君も楽しそうだ  
 
とてもスカトロ話をしているようには思えない。  
 
もしかしたらもう別の話をしているのか?  
 
そうかんがえると  
ますます下顎がつきだしてくる  
 
ネネさんに言われて以来、若干気をつけているが  
やはり出てくるものは仕方がない  
 
くそぅ 何話してるんだ  
 
かなみにやっぱりもう少し前にでようといいかけたところで  
 
 
「友紀とアンダーソンは、メイカイと呼ばれる場所で毎年開催されている、糞尿まみれになりながら飯を食す大会について会話をしている。 なんでも開催は1週間後だそうだ。」  
 
歩「織戸。」  
 
もう驚かない  
ベタなパターンだろう?  
 
もう何回目だかわからない。  
 
織戸「なんでもアンダーソンは毎年参加して、優勝しているらしい。」  
 
ああ、もうそれも慣れた  
人は見かけに寄らない  
 
もしかしたらアンダーソン君は、冥界ではあの寝言みたいな性格になるのかもな  
 
あのイギリスの王子様みたいな顔をして、実は食糞のプロだったとは  
 
 
と、なにやら友紀が頬を紅潮させ、手を振り回している。  
 
友紀が照れたときにする いつもの仕草だ。  
 
おい織戸、という前に解説をしてくれた  
 
織戸「アンダーソンが友紀をくどいてる」  
 
なんと  
 
織戸「アンダーソンが「大丈夫、なれるためにまずは僕のを食べてみないか?」って」  
 
食い入るようにうんこ王子と友紀を見つめていたかなみが  
ゆーっくりとこちらに顔を向けてきた。  
 
かなみ「まじで?」  
織戸「俺の耳は正確だ」  
 
織戸は事、こういう事に関しては嘘をつかない  
 
エロ本のことはー  
あれは別だ。  
   
織戸「「最初から食うとか無理無理無理!」  
 
「そうだね。すまない。まずは慣れないとね。まずは臭いを嗅ぐところから始めないと 僕も最初は辛かったよ。」」  
 
織戸越しに会話を聞いたかなみは  
 
かなみ「流石にひくわー・・」  
 
 
 

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