夢の中で根暗マンサーの声を聞いた気がした。そんなはずないけどな。  
朝飯を作らないと食べ物ではないものが食卓に並んでしまうから急ぐか。  
しかし、今日は妙に暑いな。服を着てるのが煩わしい。  
部屋を出ると本が落ちてた。あ〜アユムの奴何でこんなところで読んだんだ! 目が離せないじゃないか!  
いや、待て。私は今、何を考えた? 何でこのエロ本から何で目が離せないんだ?  
影から根暗マンサーが顔を出した。その手にはアユムの電話が握られている。  
『気づいているはず』  
何が言いたいのかさっぱりだ!  
『今日は肌寒い』  
は、そんな嘘、と言おうとしたところどこかでアユムがくしゃみをした音がした。ゾンビの癖に。  
それが示す事を考え、思い至る。天才だからな、風邪引いて当然だ!  
そこの根暗マンサー、呆れ顔をするな!  
『変態に連絡が取れる』  
……は? 何を言ってるんだ?  
『変態ならその本にあるような事をしてくれる』  
その言葉に私は根暗マンサーの手から電話を奪い取る。  
速くなる鼓動に急かされるように、電話をかける。  
私のそばで笑顔の根暗マンサーが何やら書いているけど目には入らない。  
『発情期の猫』  
 

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