【 これはゾンビですか? はい、せいし確認です。 】  
 
 人間ってのは諦めが肝心だ。  
 やってしまったものはしょうがないと開き直れるくらい神経が図太い奴ならば良かった…いや良くはないけどさ。  
 でもさー…やった記憶がないのにしょうがないと開き直るのは無理な訳で……  
 あれは今から今から36万……いや、3か月前だったか……  
 
「――――――なぁユー、ゾンビって子供作れるのかな?」  
『急にどうした?』  
 その時の俺は晩御飯を待ちながら一緒に同居している少女ユーになんとなーく疑問を口にした。  
 深い意味はないです。ただ純粋な興味心としてです。  
「んー俺ってゾンビじゃん。でも飯は食べるし風呂だって入る、睡眠もする。切られれば普通に出血するし、死ねない事と日光に弱いのを除けばゾンビっつっても殆ど普通の人と変わらないと思って」  
「………ん……」  
 ユーは悩んでいるのかメモに書くまで間がかなり開いた。  
 そりゃそうだ、今までユーが自らの力でゾンビにした人物は俺を含めて二人だけ。  
 対象が少なきゃ情報量も限られている。ユーが考え込むのも無理はない。で悩んだ末にユーが書いた言葉は……。  
『わからない』  
 ですよねー知ってたらそれはそれで驚くけど。  
「まあいいさ、ちょっと気になっただけだから」  
「………」  
「歩ーご飯で来たぞー! 今日は葉っぱの人が手伝ったビーフシチューから出来たコールタール状の物体を軌道修正させて作ったソースをかけたお好み焼きだー!」  
 途中式が気になる……けど、まぁいいか。  
 
「「「いただきまーす」」」  
『いただきます』  
 
 その日の深夜だ―――…俺が眠っている時に何かがあった。ええ、ナニかがあった。  
 
 
「………」  
「ZZZZZZzzzzzz…」  
「………」  
 バサバサッ  
「ZZZZzzzz…」  
「………」  
 ヌガシヌガシ…ポロンッ…  
「………//////」  
「ZZZzzzz…」  
「………ぁ…」  
 パクッ……クチュッチュパッ…クチャヌチュッ…チュピュッ――…  
「…うーん……」  
「………」  
 ムクムクムクッ…  
「……んっ」  
 クパァ……ピトッ  
「ZZZZzzzz……ムニャムニャ……」  
「………」  
 ズブッッ――――!!  
「っ―――〜〜〜〜〜っ///////」  
「zz……う、うーん………」  
 グチュッ!グチャッ!クチュッ!ヌチャッ!グチャッ! ――――――…  
「…! …! っ! ぁっ! …! ――――――…」  
「……ZZZZzzzz………」  
 
 ドピュッッッ!! ドクンッ!ドクンッ!ドックンッ――――  
 
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんっ……ぁ…ぁぁ……////////////」  
「うぅぅぁ…んん……Zzzzzz…」  
「………ぁ………んぁ………んぁぁ……」  
「うぅぅん………駄目だよユー……そんなに激しくしちゃあ…」  
「――――!!」  
「…ぐふふぅ…………ZZZZZZzzzzzz……」  
「………//////」  
 グチュヌチュクチュ……ボロンッ  
「ZZzzzzzzzz……」  
「…………」  
 
 チュッ♪  
 
 
 その日の夜、とても気持ちのいい夢を見た気がしたけど…どんな夢か忘れた。  
 でもその日の事はよーく覚えている。なんせ朝起きると嵐と雹と雷雨と暴風が重なった異常気象が起きてたからな…。  
 
 
 そんなこんなで、それから3か月後の晩御飯時だ…。  
 
「ヘルサイズ殿、お腹の具合はどうですか?」  
『すこぶる調子がいい』  
「ん? セラ何かあったのか?」  
「昼食の際ヘルサイズ殿が突然吐き気を催して嘔吐したのです」  
「!? ユー大丈夫か!」  
『大丈夫だ、問題ない』  
「私もハルナも同じものを食べましたが特に異常はありませんでした」  
「そうか……ユー無理はするなよ」  
『今日は私のリクエスト』  
 お粥か何かか…(ツンツン)…ん? どうしたユー?  
『歩、この間の質問の答えがわかった』  
 ん? 質問? 俺ユーになんか言ったっけ……  
『歩の精液にはちゃんと生殖能力が備わっている』  
 あっ! そういやずっと前にそんな事聞いてたなーすっかり忘れてたぜ。  
「なにヘルサイズ殿に変な質問しているのですかこのクソ虫は―――!?」  
 違うぞセラフィム 別に変な意味で言った訳じゃないぞ。生物学的好奇心で聞いただけで…て、ちょっと構えるの止めて!  
「秘剣:燕がえs」  
「じゃじゃーん! 今日は根暗マンサーのリクエストに答えて〜〜〜酢豚だぁ!!!」  
 ハルナー! ナイスタイミングだ―――!!  
「お、おーようやく出来たかー…ささっ飯だ飯だー」  
「ちっ…」  
 た、助かったー……もうすぐサンドバッグ状に切られるところだったぜ。  
 
「「「いただきまーす」」」  
『いただきます』  
 
 パクッ ハムッ ムシャッ  
 
「「酸っぱッッッ!!!」」  
 
「どうだ根暗マンサー? これくらいでいいか?」  
『丁度いい』  
 いやいやいやいや、これが丁度いいってユー、流石に酸っぱすぎだろ……  
「――――! ヘルサイズ殿、その……どうやって歩の…それを確認したのですか!?」  
 何かに反応したのかセラはさっき書いた紙を見せながらユーに質問した。何をそんなに慌てているんだろう?  
『触れって』  
 どうしたユー? 俺の手を取ってお腹に手を……ああ、お腹をさすってほしいのか?  
「ヘルサイズ殿!?」  
「んーどうした?」  
 セラそんなに大声を上げて…ハルナもキョトンとしてるじゃないか。  
 にしても女の子のお腹を触るなんてそうあることではないよなーなんかこう…ドクンドクンって動いてるのかー…………えっ?  
「………//////」  
「何で……音が……―――――――――はっ!?」  
 
 突然の嘔吐・酸っぱい物を欲しがる・ユーのお腹から聞こえてくる…心音。  
 そこから導き出される答えは――――――――  
 
 
『おめでとう。歩は下僕からパパに進化した。』  
 
 
 (゚д゚ )           (゚д゚)  
 
 
 
 ―――――――あ、言い忘れてた。  
 
 俺、ゾンビっす。あと魔装少女っす。でもって……………16歳で一児のパパになr  
 
『歩、それは間違ってる』  
 
 あのなーユー、モノローグに割り込むのは非常識と言いますか何と言うか……  
 
『お腹にいるのは二人だ』  
 
 ――――――! ……はい、訂正します…………でもって…………16歳で二児のパパになり…ます……orz  
 
 
『 Fin ♪ 』  
 
 

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