「こよりTemptation!!」 
 
 
 ――頬を撫でる夜風。見渡す限りの美しい夜景。瞬きに色づく、微睡みを知らない東京。キラキラと、見下ろす世界一面人々の光で敷き詰められている様は、まるで天地逆転した星屑のプラネタリウム。地上の明るさで本来、空にあるべき星々がほとんど見受けられないことからも余計そう思う。 
 淡い輝きを纏った東京タワーを遠くに一望でき、俗に百万ドルの夜景と勝手に鑑定されてるのも頷けるものだ。だが、空駆ける少女は其れを意に介さない。 
 「――くっくっく……今日こそ、素晴らしいカオスフィールドを見つけてレッツビギンでございますわ!」 
 その夜景すらかすむほどの美貌の持ち主は不敵に嗤う。身体を包むメイド服を押し上げる豊満な胸に似つかわしくない、幼い顔。口元から覗くいたずらな八重歯を以てしてもにじみ出る性悪さは隠せない。穏やかなタレ目だがその瞳には邪悪な光が充ち満ちている。 美しきメイド魔法少女が座すクリームパフェを載せたお盆型UFOは主の意思のもと、風を切り裂き疾駆する。  
 ――そう、今日も今日とてまじかるメイドこよりちゃんは『地球総ウイルス化計画』遂行に余念はないのだった。その割に全然進んでないけどね。 
 「うっ、五月蠅いですわね! それもこれも、あの小癪なおポンチ魔法少女がいつもいっつもいいところで邪魔しやがるからですわ――って、ん?」 
 眼下に広がる住宅街。それに目をとめた彼女は飛行端末に制動を掛けた。彼女が向かった先は、表面上は何の変哲もない一軒家だが、彼女は有象無象の混乱(カオス)の気配を赦しはしない。 
 
 
 
 「ほほぅ。一見、ごくごく普通の一軒家に見えますが……なるほどどうして、なかなかのカオス・エネルギー。くすッ♪ 決めましたわ。今宵の獲物――――」 
 メイドウィッチは愉しげに目を細めると、次の瞬間には夜空に融けるように闇に消えた。 
   
 
 まじかるまじかるナースッ♪ こっどぉ〜はドキドキ♪ 
 
 ちょおしんきがなくってぇむぉお、きこへェるでぇッしょお〜♪ 
 
 調子っぱずれで舌っ足らずな歌声がTVから響く。 
 「いやぁ。やっは゜小麦ちゃんっていいなァ。ムギムギ」 
 木造の床にあぐらをかく男は魔法少女が乱舞する画面を見つめてだらしなくにへらぁ〜ってしてる。 
 一般的に言われてるアニオタ平均からするとかなりのーーというか普通に美形に入る造形だが、今の彼はやっぱりその辺のオタと大差ない。親とか見たらきっと泣く。 
 尤も今の所一人暮らしだからその辺は無問題なんだが、それをいいことに彼の部屋はある意味“極まって”いる。 
 部屋中、所狭しと置かれた小麦グッズ。棚に大事に飾られた小麦フィギュア。壁という壁を覆いつくさんばかりにぺたぺた貼られた小麦ポスター、雑誌の切り抜きもお構いなくだ。おまけにスタンバイしているPCに映し出されてるのは某巨大掲示板の『ナースウィッチ(以下略)』スレッドという徹底ぶりだ。携帯の着信メロディはむろんのこと『愛のメディスン』。今度はシングル『くちびるイノセンス』に換える予定だ。 
 
 
 
 
 
 唯一目を引く、というか違和感を醸し出してるのは黒いギタースタンドに立てかけられたフェンダージャパンのクリーム・イエローのストラトキャスター(指版スキャロップ済)とマーシャル真空管アンプその他機材一式だがコレも専ら最近小麦ソングにおけるギター・パートをコピーすることにしか使ってなかったりする。 
 「――でも、やっぱりこの曲、リニューアル前の方がいいなぁ。ギターはこっちの方がいいけど。無駄にリズム隊を強調しすぎというかスピード感が無いというか」 
 何回も見直しているがやっぱり感想は同じだ。 
 小麦ソングを担当しているギタリストはストラトではなく明らかにレスポールタイプを使っているが同モデルがどうしても手に入らなかったんだそうだ。ギタリスト自体に拘りはないから別にこのままでもイイらしい。 
 「でもまぁ、小麦ちゃんの声があるなら別にいいやー」 
 そんな、もはやどうしようもない部屋の主の名前は渡部秋雄。どこぞの超人気アニメーター兼ゲーム原画家と非常によく似た名前だが、マァ気にするな。 
 ちなみに好きなアーティストは筋肉少女帯で一番好きな曲は『ボヨヨンロック』だがコレも気にするな。するなよたのむから。 
  
  このこいーっを♪ おだいじにっ♪  
 
 さぁOPは終わった。これから本編に雪崩れ込むぞー。と、思わずKARTE2.5の特典フィギュアを握る。まさに手に汗握る瞬間。 
 
 「はぅあ!! いけないいけない俺の小麦タンになんてことを!! ごめんよ小麦たん痛かったかい? ……あんれ?」 
 画面が消えている。停止ボタンを押してないのにもかかわらずだ。 
 
 
 「んんー? どしたんだろ?」 
 コントローラーを操作しても全く反応がないので仕方なしにPS2の接続部を点検してみたりするが、何の異常もない。 
 「むぅ。おかしいな、今までこんなコトは一度たりとも」 
 流石に焦りの色が隠せなくなってきたーーそのとき。 
 
  
 「――――気に入りませんわね」 
   
 「……はへ?」 
 ふとした声に振り向いてみれば。 
  
 どーん!! 
 
 ってな擬音が聞こえてきそうな勢いで紫の布地に包まれた二つの巨大な物体が視界いっぱいに広がる。 
    
 「――む、胸ッッッ!!? ――じゃあなかった誰!?」 
 「ふぅん――貴方が今回のターゲットでございますか」 
  
 この服装、そしてこのしゃべり方この声……秋雄はイヤな予感がしつつも顔を上げる。 
 見覚えのあるセミロングのロリーフェイス(モニターの中で)に見覚えのあるタヌキ耳と見せかけて実はモモンガ耳(モニターの中で)、そして見覚えのある左肩のだっこちゃん人形みたいなタヌキ(モニターの中で)。 
 「……ま、さか。嘘だろ………ま、ままままま、まじかる、メイド――――?」 
  
 「ふん」 
 対するまじかるメイドこよりは不機嫌そうに彼を見下ろし鼻を鳴らしただけだった。いや、実際そうなんだけど。 
 
 ごしごし。と彼は取りあえず眼を擦った。 
 「は、はは。まさか、ね。昨日からぶっ続けで二十四時間ラジオの再放送聴いてて一睡もしてないからな……」 
 それならちょっとした幻覚見ても可笑しくはないーー? 
 が、幻像は薄れていくどころかますますその輪郭を際だたせていくのだった。 
 
 あれ――可笑しいな――――? 
  
「全く、素晴らしい混沌のうねりを感知してきてみれば――コレは一体全体どー言うことでございますのッッ!? ええ!! ーーーーあ、あら?」 
 仁王立ちし、わざわざ手を広げまじかるメイドは聞いてませんわ!! っと一気にまくし立てるが、彼はおもむろに立ち上がると傍らのベッドへと腰掛け、 
 「寝よっと」 
 寝っ転がって睡眠体勢万全だ。 
 「むぐぐ…………こ、こらぁ! ちょっと! わたくしを無視するなんて赦しませんコトよ! 放置プレイ、ダメ、ゼッタイでございますですわよッ!」 
 「ふうー。幻覚の次は幻聴か、なんかやたらはっきりと見えたり聞こえるしだいぶ身体が参ってるなこりゃあ。でも、どーせなら小麦タンを拝みたかったよ……お休み、小麦たん」 
 と、隣の小麦ちゃん等身大抱き枕をぎゅっと抱きしめ、布団にくるまると彼の意識は本格的に夢現へ――――入らなかった。 
  
 
 
 ――――――バッ! 
  
 「くぉのぉッッ! 起きなさいよ!!」 
 勢いよく布団が、まるでエロゲー主人公を起こしにやってきた幼なじみよろしく引っぱがされる。 
 「んん……? な、な――んだ、もぅ朝か……? オレには毎朝起こしてくれる幼なじみなんて居なかったはずだけど」 
 「ぼ、ボケ倒すのもいい加減になさいませッッ!! それにだーれーが幻覚ですか誰が!! ったく失礼しちゃいますわっとにっ! にしても、よくもまぁ、此処までアレもコレも……!」  
 布団を放り投げ腕を組み、呆れたように改めて辺りを見回すまじかるメイド。 
 あらゆる棚に飾られた、華のコスプレアイドル・中原小麦のフィギュアにブロマイド。 とにかく、四方八方、小麦づくし。 
 「むむむッ!? 出ましたわねおぽんちナースッ! どうしてここに!? ――ってコレ等身大ポップだし!!」  
 
 『いまだぁ! 主役ゲットー!! ずざー』 
 
 な、何なんだ、この人は……? 
  
 確かに幻覚にしてははっきり見えすぎたり、色々と不審な点がある。それ以前にこよりのことなんぞさっぱり眼中にない自分が彼女の幻覚など見るだろうか? でないならどっかのコスプレねーちゃんが何故か自分の部屋にやってきたということになるが、そっちの方がどう考えても不自然だ。第一、コスプレというには余りにも――。 
 「あ、あの、あなた、一体……」  
 「あぁッ! やっぱり!」 
 「ど、どどどどーしたんです!?」 
 こよりはマジカルてのDVD手にして向き直る。右はKARTE1、左はKARTE2だ。 
 「なんでKARTE1の初回版だけ買ってわたくしの超らぶりぃ初回限定こよりちゃんフィギュア付きのKARTE2を買わないんですの!?」 
 
 
 
 1の方は例のまじかるナース姿の小麦ちゃんがプリントされたでっかい箱入りで2は通常版だ。棚にはちゃんと下着姿の小麦たんフィギュアが飾られている。ちなみに次のKARTE2.5も初回版手に入れたのは言うまでもない。ついでにKARTE3も。 
  
 『小一時間問いつめたい……』 
 
 「小一時間問いつめたいですわ!」 
 憤懣やるかたないって感じだ。 
 「そんなこと言われても。オレが買いに行った時はもう売り切れてたし」 
 「ならば! どぉしてかけずり回ってでも初回版を買いに行かないんですの!? 秋葉とかに逝けばまだ売ってるところは結構ありましてよ? あなた、それでもファンですの!?」 
  
 『アキハバラ標準仕様ー』 
 
 「いや。つーかね。こよりフィギュアなんて別にいらねぇし。へッ!」 
 頭をぽりぽりかきながら視線を逸らして言う。そして見下したように肩を竦め、鼻で笑う。その仕草が何とも小麦を思わせて、苛立つ。 「ぬ、ぬわぁぁぁぁんですってぇッッ!? きぃ〜〜ッ!! あの貧乳魔法少女のグッズだけ集めてどうして私のは一個たりともございませんのよ!? 不公平ですわ不公平!! 差別反対断固抗議いたしますですわッ!! レッツ・ボイコットでございます!!」 
 新しい口癖誕生の瞬間だ。 
 「いや、『一個たりとも』ってっ、だいたいアンタのグッズなんてほとんど無いじゃないっすか。それこそあの出来の悪いフィギャーぐらいしか」 
 
 
 
 「――――!!」 
  
 ぴたっと硬直するこより。核心をつかれたようだ。 
 「そうですわ、そうですわ、嗚呼……何故、どうして――?」 
 と膝を着き天を仰ぎ現実に打ちひしがれる少女を華麗にスルーして青年は更に続ける。 
 「それにオレ小麦ファンだし。つーか大きな少年むぎむぎ団の」 
  
 『小麦ちゃんですが、何か?』 
  
 ――くぅうっ! ど、どうしていつも貴女ばっかり………!! 
 
 こよりはキッ! と涙目でそれを睨み据え、 
 「――ええい! さっきからやかましいですわ!! 黙らっしゃいませ!!」 
 「へッ!? な、何するだァーーッ!! か、買ったばっかの新型パソが!! つーか角二(むろん半角二次元板小麦スレ)で拾ったエロ画像がッ!!! ま、まだバックアップ取ってなかったのにッ!!」 
 小麦ボイスで我に返ったこよりの一喝で彼のWinXPは火花を立て沈黙した。マジカルて鑑賞の際少しでも気分を盛り上げるために起動しておいた小麦ちゃんデスクトップマスコットのランダムトークが癪に障ったようだ。思わず拳固めて怒りを露わにする。 
 他の貴重なデータはあらかた予備のノート型に移していたが今日拾ったコラおよび様々なエロ画像は未だデスクトップのHDDの中だった。 
 「そんなの、萌○.jpやらどっか適当なとこで後で勝手に拾えばいいじゃないですか!? だいたいですね、この私の前で小麦ファンを名乗ることなんて言語道断、横断歩道でございますですわよ!! ったく、わたくしのマスコットは一言たりともしゃべりませんのにどうして小麦のばっかり、しかもメイドの私じゃなくて国分寺の方の……ぶつぶつ」  
 
 「“そんなの”? エロ画像のことか……エロ画像のことかァーーーーーーーーッッ!!」  
 我を忘れた秋雄は、思わず目の前のメイド魔法少女に掴みかかる。彼にとっては新型デスクトップよりもエロ画像の方が大事だったらしい。 
 「シャラァップ!! でございますわッッ!!」 
 胸を反らした瞬間、目が妖しく光ったかと思うと、蒼白い雷光が彼を捕らえた。  
 「ぐわわぁッッ!?」 
 「ふん――かよわい女の子に掴みかかるなんて、殿方のやることじゃあなくってよ?」  
「こ……コレの何処がか弱い女の子なのかと小一時間………」 
 ぷすぷすと、その場で焦げ倒れた秋雄は呟く。 
 「あら、何かお言いになりまして?」 
 因みにお台場の時のようにウイルスは仕込んでない。当初はそれで十分だったが、少し、気が変わった。 
 その前に……このわたくしのミリョクで――――。 
 
 「い、いやぁ何でもございませんですはい」 
 
 聞こえないように呟いたつもりだったが、流石はタヌキ耳。地獄耳でやんの。モモンガだっけ? どっちでもいいや――とつれづれ思いながら秋雄は何とか立ち上がる。 
 「――はッ! ち、ちょっと待てオレ、何をこの人がホンモノみたいなこと思い始めてるんだ? コレは、そう、夢だ、夢に違いないそうにきまってる――――」 
 そうだ。現実的に、その前にこんなことはあり得ない。あの電撃だって、そう、トリックだ、トリック。ベストを尽くせ、オレ。何故、ベストを尽くさない? そんなものはまるっとお見通しじゃないか。 
 
 
 そのベストの尽くし方が決まる決まらないで葛藤してる間も、彼女はむふ〜♪ と意味深な笑いを浮かべ。 
 「そうですわねー♪ 今からこの私、まじかるメイドこよりに乗り換えるなら赦してやらんでもないですわよ〜っ」 
 「WHY!? な、何でそうなりますか!? それにナニを赦すのか意味不明だし」 
 ホンモノなら思った通りの性格だったがコレはコレで問題だ。なまじ自分の知るとおりの彼女だったことがことさらに問題なのだ。 
 「ほら、どうですのよ? 早く返事なさいませ」 
 言ってこよりはしなを作る。勿論自慢の胸を強調してだ。 
 「いや、だからですね」 
 「ねぇ、悪い話ではないでしょう?」 
 上半身をかがめ、右手を太股に、左手を腰にやり、さらに谷間を強調するポーズ。コレはグラビアなんかでもお馴染みのアレだ。 
 「その、あのですね」 
 「ほらほらぁ♪ どうですの〜この胸、この腰――この太股……あんなちんちくりん貧乳コスプレ娘とは大違いでしょー? ねぇ? 解ったら、早く私の僕に――――」 
 秋雄を置いてけぼりに様々などきどき挑発ポーズを取りまくるこより。なるほど、噂以上の美貌だ。大きさも形も申し分ない、ロリーな童顔と不釣り合いな見事なまでの巨乳、そして其れを支える美しいくびれを魅せる腰、時折スカートから覗くライト・パープルのショーツに包まれた丸い尻に白い太股、そしてふさふさ獣耳と尻尾に胸元の大きく開いた可憐なメイド服という、ある種のフェチズムを満たしまくった出で立ちは見る人が見れば確かに夢中にならざるを得ないが、彼の返答は筋金入りだった。 
 「いや。どーでもいいし」 
 「んな゛ッッ!! そ、それはどーいう意味ですのよ!!?」 
 全く以て想定外な答えにさしものこよりも取り乱す。 
 
 
 
 「意味もなにも、そのままだし。第一ですねぇ、小麦ちゃんの場合、あの度を超した貧乳っぷりがいいんじゃあないですか〜ッ! 素人はすっこんでろって感じですよええ。ったく、解ってないなぁ。もう十七なのにあんなんだから激萌えなんですよ貧乳じゃない小麦ちゃんなんてよけいなパワーをつけてダメになったスーパーサ○ヤ人2のト○ンクスと一緒ですよあのまな板バディだからこそあんなにスク水が似合うんじゃあないですかっっ! 余談ですけど小麦ちゃんほどスクール水着が似合うキャラもそうそういないですよねーホントもう最高のロリえろっぷりで(以下延々と小麦絶賛が続くため省略)……つーかこよりさん元々あんまり好きじゃないっつーかむしろアウトオブ眼中って感じ」 
  
 ――――がッ!! 
  
 秋雄の肩口をつかむこよりの形相は、それはもう凄いことになっていたので半ばトランス状態になった秋雄の意識が現実に引き戻された。  
 
 「……それはさすがに聞き捨てなりませんわね、この美少女メイドたる私のどこがいたらないと言うんですの!? 一体全体どこがあのつるぺたぼんくらナースに劣ると言うんでございますの!?」 
 彼女の迫力は先ほど以上だったが小麦への思いによるモノか、今度は呑まれずに済んだようだった。しばらく思案した後、彼はぽつりと 「だってほら、えろタヌキだし」 
 「だから、エロって何なのよエロって!? そーれーに私はモモンガでございますッッ!! この耳も! この尻尾も! 見てお解りになりませんの!? ほらほら!」 
 言ってどうやら自前らしい耳をぴくぴくさせたり尻尾をふりふりしたりするが、 
 「それにですね〜、」 
  
 
 ――って無視かよ!! とこよりはそのまま硬直する。 
 
 「あの小麦ちゃんのライバルって言うからどんな奇抜なキャラかと思ったら至ってフツーだしメイドのクセに全然メイドっぽくないし、声なんて某チ○ッパーや○ッシュと同じだし、レッツビギンって口癖パクリだし、二重人格って設定全然活かされてないし無意味にエロいしフツー主人公のライバルといったらだいたいそのときの主人公より一段階強いはずなのにべらぼーに弱いし、カルテ3の自爆なんてどー考えてもあり得ない(以下略)――――」 
 
  ――グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサッッッ!!! 
 
 「……あ………ぐ………ッ!!」 
 質の悪いオタ特有の、自分にとって興味を引かないキャラはとことん怜悧に貶めるモード全開だ。普段の彼はとても温厚、というか気弱で消極的な、見た目以外は殆どその辺のオタと変わらない人物といえるが、徹底した貧乳好きである彼にとってまじかるメイドは全くどーでもイイ存在だった。こうした極端な性質を持っていたからこそ、彼女に見いだされるほどのカオスを内包しているのだとも言える。竜○乱舞や鳳○脚を遙かに上回る毒舌乱舞が容赦なくこよりに炸裂し、鋭利な刃物のような一言一言が彼女を抉る――――が、真に彼女を震撼させたのは次の一言。 
 
 「――オレ巨乳嫌いだし。だいたいにして貧乳の小麦ちゃんの敵が巨乳なんて安直にも程がーー」 
 
 ――――――ブチン。 
 
 まじかるメイドの中で何かが切れた。決定的な何かが。 
 「ふっ。うふふっ、フふふふふふふふふふふ………」 
 
目を伏せ、肩をプルプル戦慄かせる。その急な変化に秋雄は我に返るが、其れは寧ろこれからだと言うことを思い知る。  
「乳がでかいこと以外はまるっきり某プリサミのピ○シィ・ミサの丸パクリ――こ、こよりさん?」 
 「おーっほっほっほ!!!」 
 「おわぁッ!」 
 こよりはなんかイッちゃった高笑いと共に秋雄をベッドに押し倒し、 
 「ち、ちょッッ!! ちょっとナニを――うぐぅッ!?」 
 
 ――――ズッキュウゥゥゥゥゥン!! 
 
 抗議の声を上げようとする唇をこよりの形の良い唇が塞ぐ。 
  
 んっ…ぐッ! や、柔らかいッッ!! ってそうじゃなくて! わ、な何だこッー口の中に――――。 
 続いて、口内にこよりの舌が飛び込んでくる。 
 「――んん、ふぅっん……! はァッ、くっ! ふぁ、んむ……んン――!」 
 唾液をたっぷりまぶした舌が口内を縦横無尽に駆けめぐる。そのたびにこよりの顔が揺り動かされ、濡れそぼった朱唇は秋雄のそれを濡らしていくように這い回る。 
 直接快楽に結びつくような行為ではないのに、とろけるような気怠さが、次第に彼の身体をとらえていく。鈍い痺れが唇と淫靡に動き回る舌から、波紋のように身体全体へ広がる。 
 「はぅ……ん、ふくっ! んっ、むぁ、く、ぁう――はぅん、くちゅ、くちゅ――んう、ン…! んん……んーっ」 
 
 な…なんだろコレ――な、何だってこんなに――うぁあ!? 
 
 
 
 こよりの舌が彼の舌をとらえ、絡みつくようにうねり、這う。慌てて離そうとするも彼の舌の動く方に合わせて蛇のように執拗にまとわりついてくる。暫くは其れの繰り返しだったがいつしか、互いの粘膜をこすりつけるように絡み合い、もつれていく。 
 ならばと顔を離そうとするが、両頬をがっちりと捕まれているためそれも適わないのだった。そうでなくとももはや満足に、 
 
 ダメ……だ、ち、力が――――! 
 
 出ない。 
 「うぅん! ふぅ、ぁあ、れりゅれりゅ……くぁ、ぅぅん、ぅあふ――んむっはァ……ふふふ♪ あんっんんっ――!」 
 ……嗤、った……? 
 半ば朦朧とする意識の中、秋雄はそれだけを何故か確信できた。それよりも――。 
 先ほどからのむしゃぶりつくようなディープキス、そのたびに執拗に、ねっとりと絡みつく舌をうねらせる繰り返しの中で、彼は着実に何かを吸い取られていくのが感じられた――が、其れと反比例して下腹部の滾りが異常になっていくのもまた、確かだった。 
 …んな、俺――は、小麦ちゃん、一筋………――。 
 「――くすくす♪ はんっんん♪ ぅん、んちゅ……ンん、んはッ、れりゅ、ぁん、あむ、んあ……ッ」 
 そんな彼の葛藤を知って知らずか、僅かに口元が離れ糸引く合間に彼女は不敵に、妖しく、嗤う。そしてまた、溺れるような熱い接吻を交わす。時に吸い付くように、小鳥が餌をついばむように、互いの粘膜が接触していく。 
  
 
 
 
 
 
 ――彼がそうなってしまったのは未だに彼が童貞――――どころか女性と満足に付き合ったことすらないのと、鼻孔を甘くくすぐる香水と女の匂い、そして胸に押しつけられているやったらむにゅむにゅした感触と無関係ではないだろう。ちょっと目線を下にやれば、互いの身体に挟まれぐしゃりと潰れる、はち切れそうな乳房が見て取れる。真っ白な谷間の深い溝までばっちりだ。その切れ込みが、顔の動きにつられる上体の揺れでむぎゅっと押しつけられ形を歪ませていく。何故だか、それから目を離せないでいると――――。 
 「んふふぅ♪ ……んむ、んっ、はむぅ、んむぁっ、ちゅむ、ふぁう、あぁ、はくっ、ぅちゅ、はむ、ぁう、はっ、くちゅ、くちぅ、んはぁ……あぅん――!」 
 
 ――ちゅぽんっっ! 
 
 「ーーぷはぁっっ♪ はぁッ、はぁッ! も…もぉ、貴方ってば、結構お上手ですのねっ♪ もしかしてこーいうの、結構手慣れてらっしゃるのかしら? ふふふ……♪」 
 吸盤が取れたような音を立ててこよりは唇を離し、人差し指で軽く艶光りを拭った。その仕草も何か意図的なモノを感じさせて止まない。 
 「くすっ。まぁ、んなこたぁどっちでもいいですわ――――それより、もね」 
 「――ぜェ…ぜェ……な、なンでこんなコト、を――……」 
 上体を起こし、荒い息の中で秋雄は問うが彼女はさらに質問で応えた。 
 「あなた。さっき私の胸をバカにしましたわよねぇ?」 
 「い、いや、別にこよりさん、のがどーこーってよりは俺は大きな胸そのものが」  
 「でも――その割にいま私の胸をずぅっと凝視なさってましたわよねぇ? ふふふ、キスの最中に目を逸らすなんて、失礼なんじゃあなくって?」 
 
 再び彼に顔を近づけ、こよりは勝ち誇ったように言う。 
 「そ、其れとは話が別ってゆーか、」 
 「あ〜ら、まーだそゆこと言うんですのォ? もぉ無理しちゃって♪ あはっ、本当は私の胸、好きなんじゃないの? あーんな貧乳ぱーぷー娘なんかのよりよ〜っぽとハァハァしてるんじゃあなくって?」 
 「だーかーら〜! 頼むから人の話を聴いてくださいよっ、そういう問題じゃあないんですってば! それに俺は小麦ちゃんの貧乳が一番だって一体何度言えば」 
 この反応も予想済みだ。くすっ♪ とこよりは笑い、 
 「じゃあ、何だって貴方のココ、こーんなに固くしちゃってるのかしらぁ♪」 
 
 べろん、といつのまに脱がされたのか、開いたチャックの隙間から熱く勃起したペニスがこよりの手で解放される。 
 「!! ――い、いつのまに!?」 
 「あ……あら、結構大きいんですのね……?」 
 流石にコレは予想外だったのか、手にしたモノに思わずこよりは目をまん丸くする。 
 
 ――――今し方『注入』したウイルスのせいというわけでは無さそうですわね……この私としたことが思わず、 
 「ウホッ!」 
 って叫んじゃいそうでしたわ。 
 
 まぁ確かにその巨根は某A氏を想起させずには居られないモノだったのだが。 
 
 「でもーーまぁ」 
 直ぐに元の余裕が引き戻される。そしてその場で跪き。 
  
 
 ――ちゅッ♪ 
 
 おもむろに亀頭にキスをし、ふふ♪ と笑いくわえ込む。 
 「――!?」 
 いきなり行われた衝撃的な行為に秋雄は声を詰まらせるが、こよりはお構いなしにそのまま顔を上下させる。 
 じゅっぽじゅっぽと露骨に卑猥な音を立てさせ、こよりの唇は何度も何度も肉棒を往復する。その間も竿を撫でる人差し指と親指の微妙な動きを休ませることはない。 
 「――んふ……ぅむっ、ん、はふ、ちゅむ、れろ、ぁむん、はぁッ、れりゅれりゅぅ、む、んッ、はぅあーーお、おおきい、ですわよ……コレ、はぁっ! 口の中いっぱいに広がって、そ、それ、にィ、すごく、んちゅ、うぅんーー! かたくて、あぁ、あつ、い、の――! はぁむ、ぅんンーー!」 
 こよりの口元からは声とも吐息とも衝かないモノが断続的に漏れ、淫靡な言葉が飛び出す。口内で良く唾液がまぶされたからか、ストロークの合間に覗く竿は赤黒くてらてらしている。 
 「うぁ……う、くぁ…………ッ!?」 
 コレまでにない直接的な刺激がやせ我慢という名のダムを決壊させようと必死だ。 
 怒張を嬲る張り付くような唇と、唾液を乗せた舌の暖かさは、口づけ合ったときのあの柔らかさは錯覚じゃなかったことをイヤでも思い知らされる。 
 「くッ……! そ……」 
 勿論このまま好き勝手させるわけにはいかない。腰を引いてただの悪口と思ったら本当にえろメイドだったこよりのフェラチオから逃れようとする――も。 
 な………!? か、身体が、動か、な………!? 
 
 
 
 
 股間からもたらされる快感の調べによるものか…と一瞬過ぎったがどうもそうではないらしい。“動け”と念じてもその命令が身体に行き渡ってない感じだ。操り糸が途中でプッツンと切られたような、そんな玄妙な感覚。 
 「んちゅっ、んんっ…むぅ、ぅあ、ん、ふぁ、はむぅ――ぷはぁッ、貴方のお○んちん、びくびくって震えて……キモちいいのね。あン、もっと、もっと舐めてあげますわ――」 
 肉帽からおもむろに唇を離し、こよりは意味深にウインクしたかと思うと、再びフェラに没頭していく。より唇をすぼませつつ口に含んだ肉茎を舌で転がしたかと思うと次の瞬間にはアイスキャンデーのように舐め回しゆったりと出したり頬張ったりを繰り返す。 
「はぁむ、うちゅっ、ぅぁん、ふぅ、にちゅ、んぁんっ、あむぁあ――これ、くちのなかでっ、どんどんおっきくなって、どくどく脈打って、はぁっ、ぅん、素敵ーーぁむぁ、わた、しの唾液で、ぬらぬらってしてますわ、よーーあぁむ、んぁ、ちゅぷ、ぺちゅぅ、はぷっ♪ にゅぷ…くちゅくちゅ、ぢゅぷぅ」 
 「ちょ……ちょっ待っ……も、やめ…」 
 身体が動かない以上、出来ることと言えば悲痛な声を上げることだけ。そうこうしている間も、少しずつ、また着実に追いつめられていく。 
 「んふふ――ふぉんはひひやふぁら、ふぉーひひぇはははふぉふぉはへはへんへふ?」  
肉帽を頬がへこむほど頬張らせたまま喋るモンだから、こよりがナニ言ってるか解らない。 
 「な、何ッ? よく、聞こえな……うっ、く……!」 
 「あむぅっ、んちゅ…んんっ……んはっ、はぁふ、ちゅ、ん、んん! ――んじゅっ!じゅむっ、はむぅっ、くち、くちゅくちゅぅ、ぅん、あはぁ♪ お○んちんおいし…い…ぅぁ、ああ、んく、んむ、ふぁっん――!」 
  
 
 
 ――ぢゅっ、ぢゅむ、ぢゅっぽ、んじゅッ! ぢゅにゅ――――。 
 
 またピストン運動――しかし今度はさらにスピードが増しており、いつにもまして容赦がない。いつになく熱烈な口戯に秋雄は思わず腰を浮かし目を白黒させる。 
 「こ、こより、さん……!? も、も、やめ……!!そ、そんな吸っちゃ、だ、駄目――だッ!?」 
 「んじゅっ! はむっんん! ちう、はぅ、ん、ちゅむ、んはッ、はふ、んくっ――ぷはっっ! ――はぁっ、はぁっ、はぁっ――!」 
 
 薄桃色の唇で吸い立てられ、舌で亀頭から竿まで余さず舐め立てられるというダブルコンボで急激に追いつめられ、境地に達する直前ーーまさに一歩手前で怒張は唇から解放され、こよりは荒い息をつく。 「えッッ!? あッ………」 
 今の秋雄の表情は呆気にとられたという表現がよく似合う。 
 「はぁッ、はぁッ、はぁッ……ふふ♪ そんなにいやだったら、どうして身体を退かさないんです?」 
 一連の行為で口調にこそ乱れはあるものの、彼を見つめる眼差しは未だ妖しく陶然しており、衰えるどころかその彩(いろ)を増している。 
 「そッ――! それ、は……――!」 
 「ひょっとして――ちゃんと、最後までして欲しかった、から――――とか?」 
 「ーーーー!!」 
 彼の目が大きく見開かれた。 
 ち、違うーーそれは断じて違う――はずなのに。それなのに。いや。 
 
 
 
 
 
 「そのままわたくしのおくちにぜ〜んぶ射精して、飲んで欲しかったとか? このわたくしのおくちにたっくさんの真っ白なせーえきどっぴゅどぴゅ流し込みたかったとか? まーさかそんなんじゃあありませんよね〜♪ 小麦のファンがわたしなんかに、そんなこと、ねぇ?」 
 ご丁寧に自分の口元を指さし、ニヤニヤした上目遣いでこよりは問いかける。実際、もう問いかけですらないようだが。 
 うっすら濡れた朱唇が言葉を紡ぐ様を見て鼓動が高まるのが押さえきれない。内容が内容だけに、どうしても意識してしまう。 
 目の前のメイドはウイルスによる人心掌握だけでなく、こうした誘導尋問にも長けているようだった。 
 「――まぁ正解は、さっきのキスの時――貴方があんまりにも情熱的に舌を絡めて求めてきてくださるモノですから、わたくし思わずウイルス伝染しちゃったからなんですけどね〜♪ もぉ、わたくしってばホントうっかりさんですわっ!」 
 てへっ♪ っ照れ笑い。  
 わざとだ!! 絶対わざとだ!! 
 と秋雄は直感するが今更遅い。 
 「いや、これはむしろ好都合かもしれませんわね……だぁって貴方、さっきこの私がホンモノなのかって疑ってたでしょ〜?  だから、あなたはまだ大好きな大好きな小麦たんを裏切ったことにはなりませんでございますわよぉ♪ 良かったですわね♪ くすくす」 
 やっぱり地獄耳だ。疑いを晴らすには直接、思い知らせるのが一番ってコトか。モモンガ耳は伊達じゃない。 
 「…………………」 
 
 
 
 
 
 
 
 秋雄は答えられない。ああ、どうせそんなところだとは思いましたよ、とでも逝っておけば一応の面目は保てただろうに。その勝ち気な笑みはコレを見通していたからなのだろうか。どうもさっきから自分の心が見透かされっぱなしではある。だいたい、ウイルスの所為なのかどうかは判らないがホンモノだとしても、何でもアリの邪道アニメだしこんなこともあるか、と楽観的に済ませてしまってるのも困りものだ。ああ、そういえば次のネタはアニメの世界に入ったりするんだっけなー、ってことはマジカルてはアニメじゃないのか? その昔、アニメじゃない、アニメじゃない現実なのさ、と歌った曲があったが大人は誰も笑いながら、テレビの見過ぎというけど僕は絶対に、絶対に嘘なんか言ってないっつーか嘘だと思いたい気分だ。  
 「これがホントの粘膜感染、な〜んちゃって♪ でございますわーーあらあら、どうしたんですの? その顔。ぽかーんとしちゃって♪ ふふーーどちらにせよもはや、貴方の身体はこの私の思うがまま、操られるがまま。あんぐらー様の『地球総ウイルス化計画』の礎となるのですわ……――と、いいたいところですが、」 
 言葉を切り、まじかるメイドはそのまま彼の股の間に身を乗り出す。重力に従いぶら下がったようになる乳房の深く暗い谷間に丁度屹立が押しつけられる体勢だ。 
 「貴方の場合、これだけではすましませんわよ〜、くすっ♪」 
 続いて上半身を上げ、胸元に手を掛ける。空いた手は依然肉棒を握ったまま、瞳に昏い光を湛え熱っぽく言うこより。 
 「後悔させてあげますわ。私よりまじかるナースを選んだことを、ね。くっくっく――これからこの私の魅力をじぃっくりと教えこんで、其れこそウイルス無しでも従うように、萌え萌え〜の虜にしてあげますコトよ」 
 「あ、あの……こよりさん目が怖いんですが、すんごく」 
 「ふふふふふ♪ と、ゆーわけで次はぁ、“ココ”で萌えさせてあげる――!」 
 
 
 
――ぶるんっっっ! 
 
「どぉ? わたくしの胸。まぁ、本編や漫画でさんざんお馴染みでしょうけど」 
「――!?」 
 「でも、実物見ると、やっぱり臨場感とか、LIVE感とか、角度とかぜんぜん違うでございましょ……? ちゃあんと計算されてますし。人間ビート板ナースじゃあこーはいきませんですわよー?」 
 
 何が計算されてるのか、何がこーはいかないのかはともかくとして、大きく開いた胸元を一気にズリ下げると、布地から解放された白く見事な、小麦をしてうしちちと呼ばせる巨乳が姿を現す。まろびだされた反動で柔乳はたゆっと揺れ弾み、やがて安定する。 
 とても若干十七歳とは思えないほどの、『爆乳』と言っても何ら差し支えない双乳、なのに決して垂れることはなく美しい半円を描き、一呼吸ごとに微かに揺れその度に服の上からも確認できた大きさの割に控えめな薄桃色の突起がさりげなく自己主張する。 
 「ちょ……ちょちょ! こ、ここ、今度は、何を」 
……あと「角度」ってナニ? 
 まさに『混乱』(カオス)に陥りながら、秋雄はおそるおそる声をスクラッチさせ尋ねる。露出した胸以外はいつもの格好であるため、それが奇妙なコントラストを生み巨乳趣味を持たぬ彼をもドギマギさせているのだ。というか仮にも『生』の女性にこんな形で迫られたらこうならない方がどうかしている。それも、タイプじゃないとはいえ明らかに規格外の美少女に。アニメキャラなのに『生』というのも面妖だが、何せ普段の彼女は小麦などかすむ圧倒的人気ぶりを見せつける新人グラビアアイドルなのだから。 
 が、同時に世の男どもが熱狂して止まない“モノ”をその例外であるところの自分が間近にしているという複雑な思いもあった。 
 
 
 
 「くすくすくす……あんなまな板ナースなんかじゃあ絶対ぜったいぜーったいにできないようなコトをシテ上げますわ。ほら……ココを、こぉしてね――♪」 
 思いが混濁している彼を余所に上半身をやや倒し、乳房を両手で押さえ固定させ、ペニスを谷間へと導き挟みつけた。左右から押し込められた生乳はその中心の勃起を圧迫せんばかりにひしゃげ、その形を変える。  
 「ぐっ――!?」 
 両乳が竿に亀頭に押し寄せる刺激が脳髄に奔った。 
 「あははッ、あなたのお○ンポ、こんなにおっきいクセにわたくしの胸の谷間に隠れちゃいましたわよ♪ ねぇ――」 
 それを確認したようにこよりは悪戯っぽく微笑み、軽く両手を動かしてみる。 
 ずにゅずにゅと、挟み込んだ勃起を擦る柔乳。肉棒を包む暖かな弾力による摩擦の刺激は、未だ本格的に行為を開始してないのにもかかわらず先ほどの激しい口淫に迫ろうとしている。 
 「んッ……ぐ――!?」 
 「あらあら♪ これしきのことで音を上げて貰っては私としても困っちゃいますわ。本当に気持ちよくなるのはこれから――あなたの忌み嫌うこのムネの良さをゆっくりたっぷりのーんびりと教えてあげますのに♪ ふふ、さぁ…このおっぱいでしごいてあげる……お○んちんから真っ白なせーえき、一滴残らず絞り出してあ・げ・るでございますわ♪」 
 こよりはそのむっちりとした乳を指の間から肉がはみ出すほどに押し込めると上体ごと両腕を上下させた 
 
 ――ずりゅ、ずりゅ、ずにゅ、ずにゅんッ! 
 
 腰を支点とし、肉乳を介して怒張を擦り上げる両手との二重奏。フェラチオで怒張にたっぷりにデコレートされた唾液と乳谷の汗の滑りでパイズリは思いの外スムーズに進む。 
 
 「ほぅらほらほらぁ♪ どうなのー? わたくしの胸、すごく柔らかくって、あったかくって、気持ちいいでしょ〜? 貴方、今まで、オナニーしてたときは、ずっとあのへっぽこ貧乳ナースのコトばかり考えてたんでしょう? でもね、んッ――直ぐに、頭の中私のことでいっぱいに――んぁあ、してあげますわ……ッ♪」 
 掌で覆いきれないほどの巨乳の肌の弾力と圧力、そして上下の摩擦でペニスをあらゆる方向から挟み込み、覆い隠し、扱き上げていく。柔らかいだけじゃあない、メロンのようだがゴム鞠のような肉球の奉仕は、普通の男ならあっという間に果てているほどに絶品だ。だが、彼はといえば未だ喪わぬ小麦への強烈な想いが肉体の訴える快楽をどうにか押さえ込んでいた。 
 「そ…んなこと、ない……! ぜ、全然……」 
 だめ、だ……! 動けない――――! 
 乳肉が上下するごとに訪れる、とろけそうに甘美なる痺れを必死に気にしまいと、秋雄の口からそれだけが上擦って漏れ出る。 
 「またご冗談を。っこ、んなにお○ンポ固くして……! はあっ、何を言ってるのかしらねっ、ふぁ、私のパイズリであなたのお○んちん、胸の中で、あはっん♪ どんどんおっきくなって、どんどん熱くなって――! わた、くしのおっぱいも、扱くたびにあ、熱くて、ヤケドしそ――あ、あん!」 
 ペニスを通じて、乳房から直に伝わるこよりの鼓動と体温が、擦り上げていくたびに高まっていくことから、この行為はこより自身をも感じさせてしまっているのが解る。情欲にとろんとした双眸、上気した頬。漏れる甘い吐息。なのに彼女はともすれば主導権を握られかねないこの情況すら愉しんでいるようにも思える。 
 切ない息をはきっぱなしの口元から漏れ出る唾液がシェイクされる谷間に流れ落ち、更に更にパイズリを潤滑させる。しゅっ、しゅっと皮膚が擦れる摩擦音が次第にずちゅずちゅとしたいやらしい水音へと生まれ変わっていく。 
 
 
 
 「わっ、わたくしも、わたくしもキモチいいですわ、よ……! あッ! あはッ! お、お○んちん、わたくしのおっぱい、抉ってるみたいっ! ほ、ほらぁ、もっと、もっといっぱい擦ってあ、げますわ――♪」 
  
 ――ずにゅ、ずちゅっ、ずりゅッ、ぐにゅ、ぐにゅぐにゅん――! 
 乳を中央に寄せて上下にたゆんたゆん揺さぶるごとに赤黒い亀頭が見え隠れする。彼女をうならせるほどの怒張も、あのメイド服をぱっつんぱっつんに押し上げるうしちちにかかれば見る影もない位に埋もれ、包み込まれてしまう。 
 乳肉に嬲られる摩擦音と、重い下乳が下腹部にぴた、ぴたんと叩きつけられる音が奇妙な調和を奏でる。 
 「うぅ……ぐッ……!」 
 肉棒から伝わる肉体的な悦楽と、乳の打音で自分がパイズリされてるという、本能的な被虐感が少しずつ、だが着実に彼を昇らせる。 
 「あ! んッ! 貴方の嫌い…なおっきな胸で、お○んちん、ここまでシゴかれて、るのに、ふぅ、んっ♪ こ、こんなに、ふぁ……! あ、なたのが、ビクビクッ! てぇ震えて、おっぱいで挟まれてこんなに、いっぱいおっきくして歓んで――んあッ♪ はぁっ♪ や、やっぱりほんとぉはッ、好きなんじゃあないのっ? ほ、ほんとぉは、ずっとわたくしに、こぉしてほしかったんでしょお……ね、ねぇ――!」 
 「……………ッッ!」 
 彼は、答えない。下手に答えてしまうとそこをねちねちとつけ込まれてしまうのがオチだ。だから、こうすることこそが唯一の抗議と言えた、のだが。  
 
 
 
 
 
 「まぁ、強情ですこと♪ いい加減、素直になればいいのに、私には全部解ってますわよー。それとも、緊張してるの? ふふっ、大丈夫よ、あなたは黙って私に任せてればいいの。いっぱい、キモチよくしてあげるから――くすくすくす……さて、それじゃあ、」 
 ――答えまい。答えるもんか。それにこのリズミカルな刺激も少しずつだが慣れてきた。規則的に擦られているが故に単調に感じられてしまう。これなら。 
 「もっと強く、キツくしてあげますわね――!」 
 
 ――むぎゅうッッ!  
 
 「うあッッ!? くっ!」 
 途端に、コレまでとは比較にならないほどの快美感が全身に奔り、思わず閉じていた目を見開いてしまう。 
 乳に埋もれた勃起を押しつぶさんばかりに力を込め、乳肉で強烈に圧せられる。肌の密度は更に増し、弾力の心地よさがより顕著となる。一見するとそのアピール度が桁外れな乳房の間に隠され寧ろ自分のが埋まってるなんて思えないが、紛れもない肌の暖かさと、ペニスが全方向から圧迫されてる感覚は偽りようがないモノだ。 
 「こ、こよりさ……! く! や、やめ………」 
 とうとう情けない悲鳴が口を衝いて出るが、勿論こよりは取り合わない。 
 「あらあらあらさっきまでの威勢はどうしたんですのぉ♪ くすっ、ねぇ、こぉすると、もっと、ずっとキモチいいですわ、よ♪」 
 
 ずしゅッ! にゅっぐ、にゅむん! ずっちゅ! ぐちゅ、ずりゅ、ずちゅ! 
 
 今度は根本から亀頭に掛けて、搾るように乳をぐにゅぐにゅさせる。容赦ない揺さぶりに従って肉茎の中のモノが尿道を昇ろうとしているのが今まで以上に感じられる。 
 
 「あはッ♪ さ、さっきよりお○んちんの震えが伝わってきて、す、すご、いのッッ♪ ふあッ♪ あん! んん、こ、これは、どぉでございますかッ?」、 
 手を別々に動かし、左右の乳房を交互に揺らし、それだけでなく更に腰を捻らせ縦方向だけでなく横方向の刺激を勃起に送り込む。 
  
 「〜〜ッッ!!」 
 
 二重、三重にも及ぶ快楽はとてもじゃあないがたった二つの乳房で刷り込まれているとは思えない。見た目には軽くGカップを遙かに凌駕する圧倒的な美巨乳はこよりの容赦なく踊る両の手に従い、秋雄に見せつけるように淫靡に歪み、乳肌に浮かんだ汗と蛍光灯の光でいやらしく艶光りする。激しいパイズリは谷間の切れ込みをぐちゃぐちゃに乱れさせ、その奥に溺れ戯れる怒張をずりゅずりゅと弄ぶ。 
 「ど、どぉ!? わたくしのムネ、凄いでしょっ! 気持ちいいでしょ萌えるでしょ!? あ、あんなおポンチ魔法少女なんてねッ、比べモノにならない位ッ、サイコーでしょお!? ね、ねぇ――♪」  
 最初は確かに、自分の魅力を認めようとしないことに腹を立て、力ずくで認めさせようとしていたこよりだが、いつしか目の前の獲物を弄ぶ嗜虐心と隙間がないほどに閉じられたムネの谷間を抉る肉棒からもたらされる快感によって陶酔しきっていた。それは固く尖らせた乳首からも明白だ。豊乳が上下に動くたびに、薄桃色の突起がはっきりとした残像となって秋雄の目に映る。 
 心ならずの快楽に喘ぐ口元からはだらしなくよだれが漏れ、谷間に流れ込み乳奉仕を更に円滑にさせ、秋雄にも凄まじいまでの悦楽をもたらしていた。 
  
 ――ずりゅ、りゅむッ! りゅむん! ずしゅ、ずりッ、ぐにゅ、ぐりゅ! ぐりゅんッ! 
 
 
 
 「んあ! あ、あなたのお○んぽ、こ、こんなにィ、はしたなくって、む、胸の中でカタくて、ビキビキッ!って張って、くはッ♪ い、いまにも爆発しそうでッ! あん♪ す、すごいですわッ!!」 
 
 ここに至ってはもはや打算や何のしがらみもない。遮二無二腰を揺らし、キツく乳を締め付け、激しく揺さぶる。 
 「だ、だめ……だ!! す、すごすぎ――! こ、こより、さ……!! も、もぅ!!」 
 小麦オタとしての強靱な精神力も人間の三大欲求の一つである性欲の前にはもろいモノだ。それにしても、あんぐらーの配下として日夜働いているはずの少女はどうしてこんなコトに手慣れているのか。うしちちえろメイドの異名は伊達じゃないってコトなのか。 
 大きすぎる乳房は何処までもみっちりと勃起を締め上げ、もはや何処にも逃げられない。上体の激しい動きと根本から、雑巾を絞るように扱きまくる双乳の揺さぶりで急激に上り詰めていく。 
 「で、そう!? ――射精しちゃいそうなの!? あ、あふ! そ、それじゃ、あッ! あなたの嫌っていた、わたくしのおっぱい、でイクッて叫びなさいッ! んあ! ほら――早くなさいませ! そ、して、小麦じゃなくて、まっすぐ私を見るのですわッ! は、早くッ! 我慢しないで、もぅ、気持ちよすぎてとろけそうなクセに!」 
 最後の台詞は実はこよりにも言えたことだったが、それは口に出すわけにはいかない。  
「み――! 認めますの!? わ――私のムネ、サイコーだって…ッ!! こ、小麦なん――かよりこよりの方が断然イイッて――! 萌えるって! ほッ、ほらぁ! どうなの!?」 
 「認めますッ! 認めますから! こ、小麦ちゃんよりッ、こ、こよりさ――の方が――!!」 
 ウイルスの僕である彼は、なんとしても自分に征服されなければならないからだ。  
 「い、イイですわ、よ! それで! そ、それじゃあ、このまま、胸でイかせてさしあげますわ――」 
 
 ふふっ、こんなに早く陥落するなんて、ね――! チョロいもんですわ――。 
 
 勝利をこよりは認めると、今度は亀頭を中心にして乳肉を這わせ、たゆんたゆんと揺らし、弄ばせる。乳肌に伝わる亀頭の震えが、もう本当に終焉が近いことを予感させる。 
 「う、うあぁ――! す――凄すぎるぅ、こ、よりさんのおっぱいで、こよりさんのおっぱいで、イク――で、射精、る――!! こ、こよりさんのおっぱいで、とろけ――!!!」 
 最後はとうとう、自分からも腰を動かす秋雄。何を口走ったのか、もはやどうでもイイ。判別さえできない。ただ今は、この打ち寄せる快絶の波にたゆたい、身を任せることに支配されたいと、固く張った怒張がこよりの谷間を抉り込むように突き上げ、犯す。 
  
 ――ぐにゅっちゅ! ずりゅずにゅずにゅッ! ぐにゅぐちゅぐにゅん! ずりゅ……!!  
 
 「あッ!! ん!! あふッ! そ、んなに激しく……! 突き上げ、て、おっぱい、ふぅッん! お、犯されッ――!? くはぁ♪ ん! い、いいですわよッ! 射精して!! ふあぁ、わたくしのっ、こよりのえっちなおっぱいの中で! せーえき、思いっきり射精してくださいませぇッ!!」 
 ラストスパートとばかりに、こよりは満身の力を込めて胸を締め付け、無茶苦茶に揺さぶる。其れは汗と唾液とペニスの先走りと相まってずちゃずちゃと卑猥な水音を立てた。  
「さ、さぁ、イッて!! 射精して――!! わたくしのムネ、ぜんぶ白いのでいっぱいになさいな!!」 
 「ぐぁッッ!! ぐぅッッッ――――!!?」 
  
 ――ずちゅずちゅずちゅ! ぐにゅん! ずちゃッ、ずりゅずりゅッ……ドクッッ!!! 
  
 ズリ上げられていた乳房を下腹へ叩きつけようとした瞬間、四方八方乳肉の海の中で亀頭は暴発した。秋雄の腰ががくがく震え、こみ上げてきたモノを一気に解放する。 
 
 「うあぁぁッッ!! あッあ――!!!」 
 ぴったりと固く閉じられていた谷間の奥で弾け、激しく噴き出す白濁液が乳の肉壁を叩くのがこよりには心地よく感じられた。 
 「あはぁッッ♪ すっ、ごいよ、胸の中熱く、て! あは、あんっ♪ お○んちんおっぱいの中で爆発して、せーしたっくさんビュルビュルって出てます、わよ、くはッ、こんなに弾けて――♪」  
 谷間で跳ねて暴れるペニスをこよりは力ずくで押さえ込み、そのまま思い切り、精液吹き出す亀頭を中心にして揺さぶる。 
 
 ――ぐちゅぐちゅッ! ずりゅ、ずりゅん………! 
 
 「こ、よりさ……!! ちーーちょっと待っ……ぐあぁ!!」 
 満身の力で押さえ込まれ、押し込められた二つの肉球は一つの房となって肉棒をまるで乳牛の乳首を搾る搾乳機のように、根本から亀頭まで一滴残らず精を搾り取ろうと絞られる。その様は、チューブから残った中身を捻り出すようであり万力のごとき乳肉の締め付けが尿道に乗った白濁を吐き出させる。 
 上下運動の合間に、谷間から覗いた亀頭からびゅッ、びゅッと断続的に精液が噴き出され、次の瞬間には柔乳に付着し撹拌される。 
 「くすくすくす♪ あなたのミルク、こぉやっておっぱいでしごくたびにびゅーびゅーって搾り出されてますわ――ふふ♪ ……せーえきせーえき、白いせーえき、もっともっとこよりにくださいな………♪」  
 こよりはうっとりと吐き出されるザーメンを絡め取る乳房を見つめる。 
 
 
 
 いつしか双乳は白く濃厚なクリームでべとべとにされ、ねとねとにされ、あるいはぬとぬとにされ、文字通り一滴残らず乳房だけで精を絞り尽くす。 
 「あっぐ………!」 
 「ふふ、もう、終わりですの……?」 
 に 
 先ずは、こんなモノかしらね……。  
 ようやく噴出が終わったのを確認したこよりは乳を持つ両手を止めた。 とはいえ、一連の怒濤のパイズリはボールのような美巨乳を白いクリームでデコレーションさせ、特に放出の中心である谷間なんかは切れ込みが見えないほどに白濁で埋め尽くされ汚れきっていた。 
 「ハァッ……ハァッ……ゼェッ、ゼェッ――」 
グルグル回る世界の中で。絶頂感がもたらした意識の白光は何とか納まったがしばらく声は発せそうにない。 
 「もぉ――あれだけ厭がってたのに……よっぽど溜まってたのかしら? 私のムネ、こーんなにべっとべとにして……♪」  
 汚濁まみれの谷間で絶頂の名残に震える肉棒を見つめ、くすっ♪ と目を細めるこより。 
 「それとも――――よっぽどキモチよかったから、とか?」 
 妖艶に微笑み、軽く乳に添えた手を動かしてみる。  
 「…………!」 
 「で・も――――」 
 勃起を撫でるにゅるにゅるした白濁に汚された爆乳の感触に抗う術はない。動けないといった方が正しいか。今度はウイルス効果ではなく、ずっしりとした気怠さによるモノだったが。 
 喩えるなら泥沼が、手足にまとわりついてくるようなものか。 
 「まだまだ――――続けてできますわよね?」 
 「んな………!?」 
 肉幹を包み込む乳が再び圧迫され、何が起こったのか自覚するまもなくパイズリが再開された。 
 
 
 「ふふ――今度はぁ、精液の滑りがさっきより凄くイイ感じでございましょ?」 
 
 ずちゅッ! ずにゅ、ずにゅずにゅんっ、にゅちゅッ! 
 
 「うぁッ! ぐッ、あ! こ、こより――さん!? な、なんッで」 
 「言ったでしょう? あッ! あはッ、わた、くしのムネの良さを、教えてあげるって――! あん! んあぁッ!、ふふ♪」 
 高速で双乳が動かされ、最奥に拘束された肉棒がぐちゅぐちゅとシェイクされる。谷間を埋め尽くした白濁は両乳の摩擦で撹拌され、泡立っていく。 
 「だ! だって、さっき、認めーーたじゃあ、な――!」 
 「なに、言ってるの、こんなもんじゃ全然たりませんわ、よ――っ! も、もう! これから、は、わたくしのカラダ無しではいられないよぉにしてあげるんですからッ! おっぱいで、依存症にして差し上げますわ、ふあぁッ! ま、またあなたのがカタくなって、あ、あん♪ ムネが、ムネがぁにゅるにゅるってしてッ!」 
 激しく巨乳が上下するごとに絡め取られた精子が、谷間の涎と白濁と汗とが混ざったモノが淫靡な音を立てて飛び散る。滑りが格段によくなってもペニスに伝わる密着感は先ほど以上だ。スムーズに勃起を滑るからこそ逆に谷間で暴れるペニスを強く押さえつけなければならないのか、乳肉は痛いほど握りつぶされ、中央に押し込められ妖しくたわむ。 
 
 「――そ、それにッ! アナタも、もっとこうして欲しいんでしょ? もっとおっぱいでずりゅずりゅって擦りまくって欲しいんでしょ? だ、だって――あなたの、さっきよりおっきくって――!」 
 「くっーー胸が、こよりさんの、おっぱいが……か、絡みついて、吸いつくよう、で…――!?」 
 射精した直後であるため最初よりも敏感な痺れが勃起を弄び、彼を追いつめていく。腰が上下され、弾力感溢れる乳肉が波打つ度に肉棒は堅さを取り戻し、張りつめ、ぴったりに閉じられた谷間を割ってかき分ける。   
  
 ぐにゅちゅッ、ぐにゅん、ずりゅッ、ずちゅ! ずちゅんッ! 
 
 「くすくすっ♪ ン――! そンなにおっぱいで挟まれて擦られるの、気持ちイイの? もぉっ、ボウヤなんだから♪ でも、そこがまた可愛くってっ♪ 好・き・よ――あ、ん――!」 
 
 なんて冗談めかしながらも彼女自身、先ほどの乳奉仕より感じてしまっているようだ。 こうして乳を揺らしている間も秘部の疼きを押さえつけるようにスカートの裡の太股を擦り合わせている。 
 「こよりさ……! そ、そんなに激しく、されたら、ま――また! す、スッゲ……!!」 
 「ま…またわたくしのパイズリでイッちゃいそうなのですわね? お○んちん、胸の間でこぉんなに震わせて、今にもいっぱい白くってどろどろしたの噴き出しそうでッ――! おっぱいのナカで、またドクドクッて! んぁッ! い、イイわ、よ――! このまま、も一回、ムネでせーえき搾り取ってあげますわ……びゅくびゅくって!!」 谷間で暴れるペニスは一回め以上に張りつめ、まさに暴発寸前まで追いやられている。 
 その震えから再び絶頂が近いことを感じ取ったこよりは左右別々に美巨乳を動かしたり腰を早め肉幹の根本から巻き込むように擦り上げ、埋められた勃起を蹂躙せんばかりに乳肉を揉み潰し、ぐちゃぐちゃ水音を立てて手でもみくちゃにする。 
 「さ、さぁ――は、はやく射精しちゃいなさいな! もぉよすぎてたまんないでしょ? ねぇ? こ、このままおっぱいでしごいてお○んちんメッチャクチャにしてあげるんだからぁ――ほらッ!! また烈しくおイきなさいな!! ――あたしのおっぱいでレッツ・ビギンでございますわッッ!!」 
 
 
 
 ――ずりゅッ、ずにゅん、ずしゅずしゅぐにゅんッ! どびゅるるぅッッ!! 
 
 コレまでとは比較にならない凄まじい乳攻めと、白濁でつやつやと妖しい光沢を放つ淫乳のいやらしさで秋雄は急速に上り詰め、 
 「うッ! うあぁ――!! き、気持ちよすぎ――で、射精――ッッッ!!!」 
 「あんッ!? ――お○んちん、ビクッて!!」 
 ――――暴発。 
 今回は腰を動かす間もなく激しく揺れる乳間の中であえなく精を解き放ってしまった。 膣内ならぬ、乳内射精。今回もまた、肉壁に埋もれたまま吐き出されるが勢いは前回とは比較にならない。 
 「あ、あつい、熱いですわ♪ あなたのせーえき、またこよりのおっぱいの中にどぷどぷ流れ込んできて、さっきよりもたっくさん………きゃあんッッ!?」 
 ――程なくして肉乳の締め付けをロケットで突き抜けた白濁の塊がこよりの童顔を断続的に叩き、そしてトレードマークたるモモンガ耳まで飛び散る。 
 「だ――めだ――!! と、とまら、ない!?」 
 とても一回出したとは思えないほどの量が半ば自分の意思とは無関係に噴出する。 
 「あふぁ! す、すごいッ! ぷぁっ、い、息がッ、できな……!? こ、このッ!」  
 おびただしい量の噴射を顔に浴びつつも、谷間で跳ね回る肉棒を離す気配は微塵もない。目に入らないよう気をつけながら乳肉を揺さぶり、更に精液を噴き出させようとする。   
 「す……吸い取られる!? うあっぐッ――!!」 
 また根本から絞り出されるようなパイズリ。巨乳で牡のミルクを絞られるとはなんたる皮肉だろうか、亀頭から根本までズリ下げられるごとにびゅーっ、びゅーっと白液が搾り出されていく。 
 
 
 「こ…今度こそ、一滴残らず搾りまくってあげますわ♪ もっと、もっと、思う存分、私に射精しちゃっていいんですのよ? おっぱいでも、顔でも、どうぞお好きなところにせーえきたっくさん――あはっ♪ まだまだ、こんなにいっぱい!」 
 もはや自分の乳で男を攻め落とすのが愉しくて愉しくて仕方がない様子。所詮、胸部モンゴル大平原ナースの信者なんてちょっとユーワクしちゃえばこ〜んなモノですわ。と間接的な勝利宣言だ。 
 ――ふっふっふ。去年のクリスマスイブの時の恨み、晴らさせて貰いましたわよ、まじかるナース。  
 
 どうやら以前、とは逝ってもかなり前の話だが――イベント中の小麦に『ドキドキ対抗撮影大会』を挑んでボロ負けしたときのことを未だ根に持ってたらしい。つくづくこの場に中原小麦が居ないことが残念なこよりである。 
 
 「も――もぉ止め……! 擦り切れ……!!」 
 「クスッ、なぁに言ってますのォ? あなたがぜ〜んぶ射精しきるまで、やめませんですわよ? 最後まで私のおっぱい、味あわせてあげるんだから――!」 
 息切れしてきた彼に比べて、こよりは俄然張り切って乳奉仕に没頭する。 
 通常から言うともはや何ヶ月溜め込んだか解らないほどの白濁液に彩られ、双乳の肌が占める面積はほとんど無くまさにクリームのパック状態だ。青を基調とした服装にあって其れは否が応でも目立つ。 
 「おねがい……しま――もう、ほ、ホントに、駄目…………!!」 「もぅ……しょうがないですわね、もう打ち止めでございますのー?」 
 つまらなそうな一声と共に乳の動きがやっと止まる。 
 ようやくパイズリから解放された秋雄は惚けたように息をつく。 
 もう何にも出ない。少なくとも向こう一ヶ月分位は乳で吸い取られたって気分だ。 
 
 「ふぅ……それにしても――――くすくす」 
 ウインクしつつ、こよりはペニスから谷間を離し、上体を起こす。乳肉という支えを喪った肉柱は糸を引いて力無く萎れる。砲弾のような爆乳による抜かずの極上2連続パイズリの破壊力は、巨乳メイドのうしちち並みに規格外のペニスをも喰らい尽くしたのだった。 
 「もう、萌え萌えですわね………♪ 私の胸、こーんなに白いモノでいっぱいにして、肌が見えないくらいせーえきまみれにして、おっぱい、すっごくどろどろのにちゃにちゃ――――ふふっ、やっぱり本当は私のことが好きなクセに、最初からこうして欲しいがために侮辱したんじゃなくって?」 
 口元にこびりつく精液を軽く舐めとり、こよりは悪戯っぽく言いながら美しい指が乳房にぶちまけられた白濁を塗り広げると、どろりと絡みつきにちゃにちゃ…といやらしい音を立てる。両手で広げられた釣り鐘のような双乳の間には粘度の高い白液が糸を引き、その幾らかはシーツに滴り落ちる。 
 
 「あむっ、ん………はァっ……はぷぁ――」 
 続いて髪や顔のを右手の指に絡ませ口に運ぶ。そうして艶めかしい唇をすぼませ舐め取る様も溜まらなく淫猥だ。そして左手は自覚しているのか否か、股間の濡れそぼった紫のショーツを這っている。 
 「ハァッ、ハァッ、はぁっ………!」 
 「あふぁ――はむっ、はぁっ♪ ちゅむ、んぁ、んんっ、んちゅ、ちゅむむ……アナタの、とっても濃くって、ネバネバして、くちゅ……あむぁ、おいし、ですわ♪ くすっ。なーんにも言えませんの? そんなに惚けた顔しちゃって♪ そんなにおっぱいでお○んちん挟まれるの良かったの? 萌えましたのォ?」 
 と陥落させた自信からか、モモンガ耳をぴくつかせ、しっぽをご機嫌に振らしこよりは嫌に無邪気な上目遣いで訊いてくる。 
 「は…………い…………すご、く――」 
 焦点が合わない瞳で、心ここにあらずといった趣で答えた。  
 
 
 「おほほほほほほほほ♪ そうでしょうそうでしょうっ! 最初から素直に認めればよろしいんですのよ全くもぅ! 解ったらこれからは小麦なんて目もくれずナイスバディーな私の言うことを良く聞いて――――――――は、はれ?」 
 空気が、変わった。気がつけば、肌に感じる大気の流れが幾分冷たく冴え、澱み、鋭くなっている。 
 「あ、あの〜? もしもし?」 
 
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!  
 
 なぁんて擬音が聞こえてきても可笑しくない。いつしか辺りはただならぬ緊張に包まれてしまっていた。青年はおもむろに起きあがり、上体が跳ねた勢いを買ってこよりに覆い被さった。 
 「うきゃあぁぁッ! な、なにをする――あぁっ、はぁッんッ!?」 
 完全に不意を衝かれたタヌキメイドはそのままばふっと押し倒され、モモンガ耳を甘噛みされる。悪寒にも似た痺れが耳から首筋、背中へと奔りこよりは身を震わせ、耳をぴくんぴくん、と痙攣させる。 
 
 「はぅっ……うぅ……そん――なぁ、耳を噛むなんて………あぁ!?」 
 敏感過ぎる自分の反応に驚く暇もあればこそ、どさくさ紛れに青年はスカートに手を入れ秘部をまさぐる。 
 「こ!! こらぁ、やめなさ、へ、変なトコ触らないで――ふあぁッ! ああ!! んッ! ひぅんッ、あふッ!?」 
 程なくして下着に包まれたソコへと辿り着き、やや乱暴に指を這わせ、かき分ける。コレまでの行為だけでかなり感じていたのだろう、ソコは既に潤い、ショーツを濡らしきっていたのが文字通り手に取るように解る。だから、多少強引な攻めでもこの通り、彼女は問題なく嬌声を謳い上げ彼の耳朶を打つ。 
 
 
 
 「そういう割りには満更でもなさそうじゃあないか? オレのを扱いて下着までビショビショになる位濡らしてさぁ!? ほら、おまえだって、本当はこうして欲しかったんだろッ!? すけべ体型のえろメイドが!」 
 「んなッ! な、なななな……!! 何を言って――」 
 「それとも? するのはともかく、されるのはてんで駄目だとか?」 
 不自然な位に頬を紅くして否定するまじかるメイドの表情が「ギクッ!」としたのを彼は見逃さない。 
 「くっくっく――――今のアンタの姿、小麦ちゃんに見せたらなーんていうかね? 案外『お主もスキ者よのぅ?』とか言ったりして」 「こ、この! ふざけるのもいい加減に――! んあっ! ああ、ぅぁああっんん!!?」 
 小麦の名を出されて逆上したこよりは先ほどのように眼光を放とうとするが、それを予期していた秋雄の指が秘処を責める。 
 「あっあは! くあぁ、ぅん、あふぁッ! あん! あ、ああぁ、だ、だめ、えぇ!! そっ、そンな、そんなに、くふぅ、ッん! か、かきまぜちゃ――! ひぅ、ああッ!! あはぁっ! ああぁあんッ!!」 魔力の集中を断たれたこよりは彼の巧みな指の動きに隷従させられるばかり。それが愉しくて愉しくて、青年の口元が思わず、歪む。これまでにはおよそ見られなかった禍々しさが其処にあることを、果たして彼女は気づいていたのだろうか。 
 「や、やめなさーーいよ、――んあぁ! このままじゃ、承知しま、せんわよッ、くはッ、こんなことしてタダでッ! はあぁ、ひぁ、わたくしの言うことが、ふぁあ! き、聞けないのッッ!? んんっ、くぁう!」 
 大事なところをぐちゃぐちゃにかき回されながらも反抗できるのは流石は悪の魔法少女、あのマジカルナースに毎回毎回酷い目に遭わされながらも果敢に挑み続けるバイタリティは並じゃあないってコトか。 
 
 
 「聞けませんねぇ、その命令――オレは“ノー”としか言わない男さ」 
 「“イエス”と、言いなさ――はぁあんっ!? あぁ、ひぁう! いやぁ、や、やめてくださいましっ、そ、んな! そんな、はぁうっ、確かにウイルスを――!?」 
 こんなコトはあり得ない。クレイジーだ。フェラやパイズリの時もウイルスに働きかけ身動きとれなくしたのだ――浄化された気配はない。間違いなく感染させたはず。 
 それに間近に感じる強力なカオス・エナジー。目先の欲望にとち狂った眼差し。 
 彼女がよく識る、暗黒面に取り込まれたそれ。彼女に魅入られ、ウイルスに取り込まれた人間の末路。 
 こんな風に命令に叛逆などするわけがない。しかし、それは彼にとって「弱い考え」なのだ。 
 
 「ええ……その通りですが、何か?」 
  
 ――ぐちゅぐちゅちゅむ、ぐちゅぐちゅ!! 
 
 「ひあッ!? ぅあ、あ! あ゛あ゛!! い……イッく――――う!? ぅあ! あァああああァァぁぁぁぁんッッ!!!」 
 足の付け根のショーツの端に手を入れ、直に秘部をコークスクリュー気味に掻き回すと、さっきの彼のように腰をがくがくと痙攣させ、跳ね上げ、蜜を迸らせ彼の指をしとどに濡らした。 
 激しく蠢動し、止めどなく汁が噴き出す秘洞を、指を強く締め付ける膣肉をモノともせず暴れさせるとさながら湧き水のように後から、後から蜜が溢れだし、滴り落ちていく。 
 「ふあぁぁぁぁッ!! あひぁッああッ!? あぁぁあっ、ふぅっんんッ!! だめ、それだめ、だ、め、だめだめだめェぇぇ!! はぅあぁ、ああぅんぁあぁぁッ――!!」 
 
 
 イッている最中も否応なく責め立てられ、激しい電流とも苦痛ともつかない、甘く壮絶な痺れが彼女を貫き続ける。 
 「あァッはあぁぁぁっっ! くぅ、んぁあぁ――はぁっ、はぁーっ、はーっ、はぁッ……………」 
 絶頂が収まったのを見計らって、彼はようやっと指を止める。  
 「くっくっくっく。やけに早いじゃあないか、まぁオレのを扱いてだいぶ濡らしてたようだからなぁ。無理ないか」 
 涙も、半開きの口から漏れる涎も拭うことすらせずに余韻に浸る彼女を嘲笑いながら見下ろす秋雄。さっきまでの彼とはまるで別人だ。 「はぁっ、はぁーっ、はぁう……ど、どうして――――? うあんッ!?」 
 答える代わりに彼はこよりの脚を持ち上げ、割り開かせ濡れそぼった股間を露わにすると、漆黒のガーターベルトの下にもはや下着の体を為さなくなったライト・パープルのショーツに覆われた秘処の茂みが透けて見て取れる。 
 濡れた肌に張りつき、くっきりとした割れ目まで浮き出、その卑猥な輪郭をいやがおうにも露わにする。 
 「い、やぁ……!」 
 ここで初めて快感ではなく、純然たる羞恥で顔を赤らめるこより。 ――こんなっ……こ、これじゃ、あの時と同じじゃあ……。 
 以前、秋葉原を萌えオタの力でカオスフィールド化させたときウイルスが暴走してコレに近いことをされたがあの時とは比較にならない情況だ。あの時はだめ押しに使った「奥の手」が効き過ぎてしまったからという反省もあるが、今回の原因は。 
 「どうした? さっさと抵抗してみろ。反抗してみろよ。悪の魔法少女の力を魅せてみろよ? こんな風に軽く手玉に取られて小麦ちゃんのライバル気取りかよ? 嗤わせンなだから負けるんだよ。いつもいつも無様にさぁ!」 
 「くっ! ウラギリ者が、よくも言って……――!」 
 
 
 
 怒りで白みがかってた意識がクリアとなり、こよりは左手を閃かせ魔杖を呼び出す。だが、今や反逆者(トリーズナー)となった彼にとっては玩具も同然。 
 「だから無理だって!!」 
 「きゃッ――!」 
 先端を彼に向けるより早く秋雄に組み敷かれる。ベッドに叩きつけた反動であえなくこよりスティックは手から転がり落ちる。 
 「アンタは非力だが魔力だけは一人前だからなぁ。ソレさえ気をつければあとはどうという程のモノではないさ。尤も? 自慢の魔法でも小麦ちゃんに勝てた試しないよなぁ?だいたい毎回毎回爪が甘過ぎなんだよ、せっかくのウイルスという、人の欲望につけ込んで混乱を起こす能力もあんた自身、どうしようもない脳タリンの所為で使い切れてないしさ! 全く、オレなら一週間もあれば世界征服ぐらい――ああ、地球総ウイルス化計画だっけ? 訳もないね!」 
 作中のお馬鹿な雰囲気とこより自身の間抜けぶりでだいぶ誤魔化されているが、不安と混乱を溜め込んだ人の心にウイルスを感染させカオスフィールドを展開、被害を拡大させるという能力は相当に恐ろしいモノだ。冷静に考えれば、例えば色々と難癖をつけては他国に介入しあからさまな大義名分を掲げ戦争を拭きかける、某大国の大統領辺りでも感染させれば瞬く間に地上を破壊と混乱の焦土に変えることが出来るはずだが、目の前のメイド魔法少女はどうしてこんなに無能なのか(乳以外)? それが彼には理解できない。 
 それが、とにかく無性に……彼を苛立たせて止まない。 
 「ほら、いまだってこうだ。今だってな! こんな風に手も足も出ないじゃないか! ったく、小麦ちゃんに勝ってるのはその馬鹿でかいうしちちだけかよ!? ああ!?」 
 腹立たしげに言い放ち、未だ露わになったままの乳房を乱暴に鷲掴み、こね回す。これだけ精液まみれだというのに、決してふやけず弾力を失わない肌は流石と言わざるを得ない。すべすべといい具合に肉が指に張り付き、掌に従い形を変えていく。 
 
 
 「あっぐッ! い――! 痛ぁ…あ…ですわ…! うぁっ…く――離、せ、離しなさい、よッ! 無礼者ぉ!」 
 とまじかるメイドは残った手足をばたつかせてどうにか逃れようとするが 
 「フン――!」 
 別段意に介することもなく秋雄は空いた手を素早く秘処に差し入れ踊らせる。 
 「ふあッあぁ!? やっーーやめなさ――! ひあぁッ、くはぅ! ひぐっ、あぁっああぁぁぁんッ!!?」 
 イッたばかりの敏感な箇所をピンポイントで攻められ、こよりは別の意味で手足をばたつかせてしまう。 
 
 「や、やぁ……ち、力が、抜けーー!」 
 なん、で――なんで……こんなに、上手――なの……!? 
 
 自分が感じるポイントを少しも外すことない愛撫はこよりの肉体から徐々に力を奪っていく。まさか本当に「手慣れて」いたのだろうか? それともウイルスの所為なのか。 
 太い指が卑猥な水音を立てるごとに手足は弛緩し、腰がぶるるッ! と震え、ぴくん、ぴくん、と鋭い痙攣が差し込まれる。 
 「馬鹿が、魔法がない以上、オマエはもうどうしようもないんだよ! 腕力でも小麦ちゃんに勝てないオマエが男に敵うとでも思ったかよ!? しかもこんだけ悶えさせて感じまくってよ、それでよくもまぁ『エロって何よ!?』 とかほざけるもんだ、アンタははさっきのコトを差し引いても十分にうしちちえろメイドだよ、こよりさん」 
 「ぁう、ううぅぅ〜〜……!」 
 ひ、酷い……! 
 いろんな意味で返す言葉がない。それが余計に腹立たしいこよりは涙目でにらみつけるが当の彼は涼しい顔だ。 
 「でっ――でも! でもあなた、さっきは私のこと認めていうこと聞くって!!」 
 
 「認めたよ! ああ認めたよ!? アンタのファンになるって言ったよそれが何か? だけどいうこと聞くなんて唯の一言も言ってませんが何か!? ったくあんまり手間ァ掛けさせンな、ファンってのはなぁ――――」 
 ショーツを掴み引きちぎる。 
 「え――うきゃああぁぁぁぁぁっっ!? ちょっと、何するのよぉッッ!!」  
 「ファンってのはだなぁ、『偶像』を汚したいモンなんだよ!! わかってねぇなッッ!!」 
 そしてそのままこよりにのしかかり、いつしか天を衝くほどに回復した怒張を剥き出しになった入り口へ突き立てる。 
 
 
 「う、嘘ッ!? あ、あんなに射精したのにちょっと、そんな、そ、ソコはダメ、いやぁ――あはッ!? あああああぁぁぁッッ!!!」 
 散々嬲られたお陰か、こよりの花弁はだいぶ押し広げられつつも何の抵抗無く彼の巨根を奧まで受け入れ、くわえ込んだ。 
 「あぁ……!! ぅあ……ぐ――!」 
 はーッ、はーッという荒い息と、声にならない声。。 
 ――なッ…なんて――大きい……の……ーーー!? 
 極太の焼き鏝を直接突っ込まれたような、とてつもない手応えが彼女のカラダに、脳裏に、そして魂に重い枷を掛け、鈍い震動を響かせる。 
 「ふ……ふふ。ど、うだ――入ったぞ――」 
 こよりの上に覆い被さり、彼女の耳元に囁くと速やかに行為を開始する。 
 ――ずちゅッ!! ずっ! ずにゅちゅ、ずちゅッ!  
  
 「――はッ! ぅあ、や――やめ――あっあッあはぁッあ!! だめッ……へぇ――!! ひぁっ、あぁ!! ふぁあ、ひっぐ! あぁッん!」 
 
 ずっずっ、と腰が叩き込まれるごとに地響きのような重みの衝撃が彼女の総てを駆け抜け、迸る。こよりの中を泳ぎ、貫きその華奢な身体がバネのように跳ねるに従ってそのたわわな胸も水風船のようにたゆんたゆん弾む。 
 「くはぅっ! ああッ、んん! そ、んな――!! は、激しく、くぁッ――あ、ああぁッ!! ひあっう! はあッん! ひぅ、お、奧まで!! くはッ! はあぁぁ!!」 
 「ふ、ん――! なかなかどうして、厭がってた割りには締め付けるじゃあないかッ――!」 
 「だっ、だって――!! だってあ、あなたのッ! あはっ! うぁッ! あなたのお○んちんっ、すごく、カタくって! おっきくて太くて――あはぁ、ふぁあッ!! ひぃぁ、あぁあぁぁっっん!! うあぁ、き、気持ちいい、気持ちいいよぉッッ!!」 
 「この――駄メイドが――――!」 
 自分の時とは比べモノにならない速さだ。こんなにも脆く、早く堕してしまうとは。 
 無能なだけでは飽き足らない、取るに足らないほどの脆弱で浅薄な精神力。メイド衣装を身に纏いながらもやたら強気で、高慢に笑い傍若無人ぶっても、結局は、否――所詮、やはりメイドなのだと。 
 そうでしかないのだ。自分より強い相手には、ただただ伏して許しを請い、少しも抗いもせず流され従うしかないのだ。 
 こんな気質だから、勝てない。こんな有様だから、負ける。流石は自称ライバル。悪の魔法少女という割りにはろくな悪事も引き起こせず終いには自爆してインドで修行だ。彼にとって、そんな彼女は所詮マジカルナースの引き立て役でしかなかったが、今は――――。 
 「あはぁッ! ああぁっ、ひぅう! んあっあぁぁぁ!! す、すごいよッ、お、奧までーー届いてッ!! ああッ、ふあぁぁ!! イイッ、イイの!! ひあっ! あん、お○んこすごいよぉッ!! わ、たくしのお○んこ、あなたのお○んちんでいっぱいなのぉ! ぎ、ぎちぎちに埋め尽くされてるっあ、んあ、ああぁぁあぁッ!!」 
 「は  っ。はは――ハハ、ハハハ――」 
 
 大きく見開き、秋雄は――彼だったモノがこよりの痴態を見つめる。 
 こんなにも無防備に喘ぎ、こんなにも淫らに腰を振り、こんなにも欲情に顔を歪め、こんなにも乱れ息を吐き散らし、こんなにも快楽に酔いしれる様を、彼は眼に焼き付ける。ホンの一寸前まで勝ち気に微笑みながら弄び、嬲り、精を貪っていた対象(モノ)に奧まで貫かれ、彼女は今は別なモノ――――快感を貪っている。 
「――ひあぁぁッ!! あ! あぁぁああぁ溢れちゃ――! こよりのお○んこ汁、溢れちゃうよぉォォッ!! あふぁ、おっきなお○んちんでいっぱいお○んこ栓されてるのに、いっぱい漏れちゃ――ぅあ、ああッ、ああぁん!!」  
 
 ――じゅぶッ! ぢゅッぢゅッ、ず、ず、ずちゅ、ずちゅッ! ぢゅにゅ……!!  
  
 「くあっ――は、激し……!! あっはっ!! はくっ、そ、ンな激しくしちゃ…あ……!! こより、こより、壊れちゃうよおォぉぉっっ!!」 
 もうあの独特な高飛車口調など影も形もない。何もかもをかなぐり捨て、さながら御主に祈る修道者のように涙を流し、歓喜を謳い、ベッドをギシギシ揺らす震動にたゆたい、じりじり熱を上げる心、もはや互いによく知ったカラダを汗で繋いでいる。しかし、普段はモニター越しで小麦相手にしょうもない戦いばかり挑んでいるところしか見たことがなかった彼女にこんな一面があるとは。ウイルス化し暗黒面が引き出された彼もコレには素直に驚かされた。これが本当に全年齢のアニメの登場人物なのか? と小一時間問いつめたくなる。 
 なるほど、現実は小説よりも奇なりとは誰の言だったか。よく言ったものだ。 
 怒張が激しく膣口を行き交いするごとに果てしなく愛液が分泌され、絡みつき、潤滑剤となってストロークをスムーズにする。 
 
 
 「あふっ! あ、あはあぁぁッッ!! はぅ、んんあ! ぅぁ、やぁですわぁ、くはっ、お、お○んぽ、お○んぽイイ! いっぱいお○んこ抉って、ぐちゃぐちゃってしてあぁ、あああああっんん!! す、凄すぎてあたし、こ、このままじゃあたし、も、もぉ!! ふぁあ、イッ――イキそ、イッちゃーー!! はあッ! あああぁぁぁ――――!! …………ッ!?」 
 急激に上り詰め、頂へとたどり着こうとした刹那、彼は腰を止めると、 
 「はぁっ、はぁっ――――ど、どうして? どうして止めるんですの……――?」 
 
 こよりは潤んだ目で彼を見上げる。その眼差しは先ほどの屈辱にまみれ、敵意を剥き出しにしたモノではなかった。ただただ崖から転げ落ち救いの手を掴み、引き上げてくれるのを待つ目。ただただ救いを求め、訴える者の目。もはや当初の目的など忘却の彼方だ。 
 「ね…ねえ……――」 
 心ならずも身体を蝕む快楽に逆らう術も持たず、うずうずと蠢く性衝動に抗いもせず与えられる甘美な電流に流されるがままだ。 
 まじかるメイドは荒い息をつきながら、力無くも彷徨うように左手で彼の頬を撫で、少し、逡巡するかのように口を動かし、 
 「止めないでください、まし――このままじゃ、わたくし、嫌ぁ…………!」 
 此奴は、このうしちちメイドは今自分が何を言って、何をやっているのか理解して居るんだろうか? が、畜生なことにそれもまた――。 
「お、おねがい……わたくし、何でも…します、から……もっと、こより…を、ぐちゃぐちゃに、苛めて……壊してください…ま……せ……」 
 「本当、オマエは、どうしようもない――!」 
 「きゃッ――? あっ、ん――――っ!」 
 
 
 こよりの細腰に手を回しぐっと引き寄せると、梃子の原理で彼の背中は仰向けになり、彼女を起きあがらせた。 
 少女の心地よい重みが直に下腹部に伝わり、ずんッッ! と音を立てそうなほどに秋雄の屹立はより深々と、ダイレクトにこよりを貫いた。 
 「ぅんっ……! ああ……はにゃあ…♪」 
  
 体位移行の余韻か、彼女の朱唇から声と切なげな吐息が微かに漏れ出る。 
 「さぁ! レッツ・ビギンってか!?」 
  
「んあ――あはぁッ!? ひっ…あっっ……!! す、すご…! さっより、奧までーーぇ、響いてッ! うああっ、あぁぁっあんッ!」 
 自分の口癖の茶化しが耳朶を、膣口には灼いた楔が打ち込まれる。その衝撃に耐えきれず、こよりは思わず秋雄の胸板に手を押しつけてしまう。 
   
 ――ぐぢゅッ、ぢゅっぢゅっぢゅむ、ずちゅ、ずちゃ、ずっちゅ! ぐちゅるっ! 
 
 「ああッひぁっああぁぁッッあ!! あ、あん! ふぅっ、んあはあぁぁっ! い、イイ!! イイよぉ、さ、さっきより太くなって、お○んぽ、お○んこの中でおっきくなって、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ突かれてッッ!! こ、こより、もうおかしくなっちゃうよォォ!! ひはッ! ぁああっあぁぁあああぁ!!!」 
 直下より突き抜ける、地響きのような抽送にこよりのやや小柄な身体は揺さぶられ、美しいくびれを描く腰は空を舞う羽根のように振り乱され、荒々しい呼吸に従って揺れ弾む美爆乳はそれ自体が別個の生き物のように四方八方へと彼の視界いっぱいに踊る。 
 
 
 
 ばゆんばゆんと弾み、痛い位に固く尖った乳首は残像を描き、乳肌を汚した白濁は飛び散らされ、時折彼の顔を叩くとそれについ先ほどまで肉棒を蹂躙され、好き勝手に扱かれ精を絞り尽くされたことを否が応にも思い出させる。さながら挟み扱く快楽にて男を惑い狂わせる魔性の肉球。魔法やウイルスに続く彼女の第三の武器にして、最上の驚異。なまじ眼前で暴れ回る様がド迫力なだけに尚更だ。  
 「うぜぇな――」 
 重力に惹かれより重みを増して風もないのに揺れる胸を鷲掴み、引っ張ることでこよりの身体を引き寄せる。掌では到底納まりきらず乳肉に押しつぶされた格好となるがそのままぐにぐにとパン生地をこねるように揉みしだき、指の間の乳首も挟み扱く。 
 「――ひあッ!! いやあぁぁッんッ! あ痛ぁッ、ですわッ、そんなにキツくっ、揉みくちゃにしないでくださいましッ、あ、あぁん!! ふぁあっ!」 
 「ふん――! 流石、こんなムダにえろい格好してるだけあって、とんだ淫乱メイドだな、おいッ! もう、どうしようもないじゃあないか、なァッ!!」 
 暖かなマシュマロみたいな肉乳を支点に、秋雄は軽く腰を浮かせ連結したこよりの腰を押し上げそのまま抉り込むように突きまくる。 
 「くあぁぁあッッ! あはぁっ!? ああぁぁっは!! そ、そンな――! ら、らめぇ、お、おっぱいと、お○んこがッ! あぁ、す、すごいィィッッ!! はぁっくぁあぁっ!! ああ! あんん! ぅああ、イイッ、イイの! お――お○んちんすごいよおぉぉぉッッ!!! じゅぷじゅぷとお○んこエグるぶっといカリ首がいいのォッ!! ――ちょうだぁぁいッ!! もっと、もっとお○んちん欲しい、欲しいのォぉッッ!! あ、ソコがああッ、こ、擦れて、ジンジンしちゃう、んは、あぁッぅああんあぁぁッッ――!!!」 
 もはや自分を辱めるありとあらゆる行為が快感に繋がってしまうのか、こよりは自らの痴態すら何の躊躇もなく喘ぎの中に実況してみせる。 
 
 
 何を口走ってるのか混濁しきった意識の中では甚だ不明瞭であるが彼の方も十重二十重に絡みつく、膣壁の締め付けと勃起を根本から搾り取るようなうねりが生み出す痺れに囚われ、これが女というものか――と初めてのSEXに浸る暇も見出せないでいた。 
 上体を起こし、奥歯をギシギシ言わせながらもっとこの快感を、深々と、奧の奧まで味わおうと彼はこよりの腰を抱き締め、より深く深くメイド魔法少女を刺し貫く。 
 少女の乱れ踊る吐息を間近に感じ、鼻腔に広がる女の匂いの中で、彼は一心不乱に突き上げひたすらまじかるメイドをよがり狂わせていく。気のせいか、窓から漏れる月明かりが、彼らの狂気を煽っていくかのように感じられた。 
 
 「つ、突いてぇッッ!! あはッ――もっと、もっと激しく、ぐちゃぐちゃにしてあぁぁあぁ!! あたしをめっちゃくちゃにしてぇ!! ――も、もっとお○んちんでお○んこ突き上げてくださいませぇぇッ!!! あ! あふッ! んあぁっはあぁぁあぁ!! だ、め――駄目駄目駄目えェェェ!!! 腰がッ、き、気持ちよすぎてあたしの腰勝手にうごいちゃうよぉぉッッ!! ああッ!! あぁぁぁああァ――――!!!」 
 彼女も同じ考えなのか彼の背中に積極的に手を回し、それを支えに遮二無二腰を振る。もはや互いに考え無しで快絶を貪るしか頭になかったため、二人は急激に上り詰めていった。 
 「くッ――――や、やべ――――!!?」 
 凄まじいまでの極太の突き上げと、それを呑み込むどころか捻り切ろうとばかりに締め付ける膣口が相乗し、快楽を何倍にも高めていく。 
 
 
 
 
 
 
 
 「――あぁぁぁあぁッッぁあ!! ひあっああぁッんん!! いあ!! す、すごいぃぃぃ!!! 凄すぎてっっ!! あっ、はぁッ! だめぇ、こんなに激しくされたら、あたし、あたしすぐまたイッちゃうよぉぉ!!! こーーこんなの、こんなのって初めてで、あはあぁぁぁ!! ああ、あ、あたし駄目、もぉ駄目!! いィッ、イク! またイく、イぃっく!! ひぃあッ!! あぁ! イキそ、い、イッちゃ――!! ふぁああぁぁイッちゃ――――くあぁぁッあぁぁああああッッ!!!」 
 「駄目だ――も、もぅ射精――ッッ!!」 
 互いが互いのデッドヒート、ラストスパートは同時に、そして――――。 
 
 「い、いいよ、だ、射精してッッ!! い、いっぱい!! このまま、し、白いの! 真っ白で、のーこーなどろどろのせーえき、ぜ、ぜんぶあたしの――こよりの膣内(ナカ)にぶちまけて!! ――な、流し込んでくださいませッ!! あたしの子宮をあなたの熱くって濃いせーえきミルクでいっぱいにしてくださいませえェェッッ!!!」 
 そのときは、唐突に訪れた。 
 「――――ッッッ!!!」 
 「――イッちゃーーうぅっっ――――!!! ぅあ! あぁ!! あはぁッンあああぁっッあぁぁあッ!!? ふあぁあ、あああぁあぁぁんんんッッ――!!!」 
  
 ビュクッ――――ドビュッルゥゥゥゥッッ!!! 
 
 膣内に埋まった怒張は暴発し、それに伴って激しく秘洞が蠢動する。 
 「ぅあッ――ぐあぁッッ――!!?」 
 三度目にして、最大の衝撃が迸り、秋雄の脳天へと突き抜ける――瞬間、彼はこよりの巨大な乳に顔を埋め、快感に打ち震える。途端に視界は閉ざされ、押し寄せる柔肉の弾力に埋もれ息が出来ないほどに密着しきっていた。 
 
 「はあぁぁぁぅいいィッッあぁ!! ぅあっあぁぁあ!!! い、イクのがと、とまんない――いよォォッ!!? んあ、はぁぁぁ!! あ、あつい、熱いのぉ!! あ、あなたのせーえきがいっぱい、どぴゅどぴゅ注ぎ込まれてすごいよぉッッ!! ああぁ――はあぁっぁあぁああ!!!」 
 
 互いの腰と腰とが張り付き、満身の力で抱き合い、押し付け合い秋雄は本日三回目とは思えないほどの大量の白濁を、凄まじい膣の収縮に煽られ導かれ吐き出し続ける。 
 ごぽごぽと際限ない白液と愛液は混ざり合い秘唇と肉棒の隙間から溢れてはシーツを濡らす。 
「――あぁ……あ……ッ! ふにゃぁ、ぅぁ……あッ……ああ、ふぁあ、あはぁ……――!」  
 
 ――――わ、わた、し、わたし、こんなの気持ちよすぎて……!!! 駄――目――……!! 頭がーー真っ白に、もうなんにも考えられなくって――……わたくし――――!! 
 
 白い濁流が膣内を、その最奥の子宮を叩き続ける様も恐ろしいまでに心地よい。 
 白濁が子宮に注ぎ込まれていくごとに、彼女の意識もまた、白く淀み掛かっていく。 
 正直、もはや彼女の頭には当初のことはおろか、宿命のライバルであるはずのまじかるナース小麦や生みの親であるあんぐらーのこと、果ては「人類総ウイルス化計画」のことなんかどうでも良くなりつつあったーーーそんな、何もかもが情欲の波濤に押し流されてしまいそうな、その片隅で。  
 
 
 
 
 
 「――ッッ!?」 
 何の前触れ無く激しい震動が快楽の部屋を襲う。 
 「なッ! なんですの、コレ――!?」 
 彼らを取り巻く空気中の分子が急加速し、ぶつかり合いプラズマを発生させる。 
 いつのまにやらこの部屋に展開されたカオスフィールドが崩壊を始めていたのだ。 
 
 「そうですわ、これは――!」 
 ココにいたってようやくこよりにも理解できたようだ。ウイルスはより上位のウイルスに逆らうことは赦されない。その矛盾。 
 アイドルやタレント、果ては二次元キャラでもいい。ある強烈に崇拝する対象を持つ者に、多かれ少なかれ持ち合わせている歪んだ願望――愛するが故に、萌えるが故に汚したい。殺したいほど愛している。愛と憎しみの始まり――そういった強壮な負の感情がウイルスによって増幅され、外へ吹き出た。 
 小麦萌えなんて絶対に認めてたまるか。だから無理矢理にでも自分に萌えさせる。 
 当初の目的はとうに完遂されていたのだ。だから本来は小麦に向けられるべき感じる感情、精神的疾患の一種はこよりに矛先が変わった。だが、前述の矛盾はウイルスを狂わせ、カオスフィールドの時空に亀裂が生じ、崩壊を引き起こしてしまったのだった。 
 かつて暴走したオタ群衆に襲われたときはかろうじて未遂で済んだが、今回はもう取り返しがつかない。しずめる方法はもう誰も知らない。私に任せられても、その、なんだ、困る。炎の導火線は既に点火し、破滅へのカウントダウンが始まる。 
 このままでは拙い。拙い。つくづく思うが自分の流されやすい性分が恨めしい。おそらくウイルスの催淫効果もあったろうとはいえ乱れすぎた。 
 
 
 
 「い、いけませんわ! ばッ――爆発――!? ちょっと離しなさい、離しなさいませ! こ、こら、惚けてる場合ではございませんわよ、いつまでも呑気に浸ってないで――!! ああ、もぉっ!!」  
 この体位は拙かった。きつく抱きすくめられ非力な彼女には身動きが取りにくく、もがいて身をよじるばかりだ。 
 「や、やあぁん――ちょっと…!! この、いい加減にッ! って、あ、あら――?」 
 自分の胸にめり込んだ顔を引き剥がそうとするこより。だが、 
 「う〜ん」 
 「――し、死んでいる……で御座いますですわ」 
 圧死していた。しかもこのまま硬直して。 
 「Oh,Noォッ! ですわッ!」 
 絶望だった。まさか自慢の胸が最後の希望を断ってしまったとは。思えば矛先が変わったのもこの巨乳で誘惑しすぎてしまったからだった。 
このままではそれこそ首を乗っ取って鋼鉄製の棺にでも隠れて海底で百年間過ごすぐらいの勢いじゃないと助かりそうもないが、魔法少女でも出来ることと出来ないことがあるわけで。 
 「こんなッ! こんな終わり方って!! このまじかるメイドがッ! そ、そんなのアリでございますかあぁぁッッ――――!!?」 
 どうせ邪道だし。腹上死って言葉をたまに聞くけどこんな感じだろうか。 
 「イヤあぁぁぁぁですわあぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」 
 
 ――――爆発。 
 
 かつて某漫画誌で連載されていた某スナッチャー漫画の最終回よろしく、渡部宅はテトリスのブロックのように粉砕し、爆煙を噴き上げる。 
 
 
 
 そして。 
 
 「――げほっ! げほっ! な、何だか知らないけど、と、とにかく! 覚えてなさいませぇでございますですわあぁぁぁッッ!!!」 
 お馴染みの捨てぜりふは忘れず、今宵もどこかに吹っ飛んでくれるこよりちゃんだった。胸を両手でしっかりと隠してるあたりさっきまでの淫乱さは嘘のやうだ。いつも小麦に挑んで負け越しだったがよもや今回は不戦敗という結果になろうとは。 
 「もぉ本当にインドで修行してくるでございますわよおぉぉ〜〜ッ!!」 
  
  
 
 
 
 
End. 
 
 

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