キング・オブ・ファイターズの出場権を得ようと、  
世界各国で催されている予選では参加者達が  
激しい闘いを繰り広げていた。  
名声を得たい者、自分の力を試したい者、  
大会に纏う不穏な空気を感じ取った者、  
それぞれに思惑は違ったものの、誰もが自分の闘いの腕に  
多少の自信を持つ者ばかりだ。  
中でも予選突破の本命と言われるチームは  
その周りの声に違わぬ実力を発揮し、危なげなく勝ちあがっていた。  
 
「あ〜、やっぱ予選なんかじゃ楽しめねぇな」  
試合後、ホテルの一室で退屈そうにぼやきながら  
七枷社はたいして疲れていない身体を備えつけのソファに投げ出した。  
大きな体躯がソファの上で跳ね、柔かいクッションの中に腰がゆっくりと沈んでいく。  
「本大会出場経験者は予選免除ってことでいいじゃねぇかよ、なぁ?」  
 
社はソファに座ったまま、首だけを部屋のバスルームの方向へと向ける。  
そこには彼と同じほどの大きな身体をした男が、鏡に向かって体裁を整えていた。  
「フッ、全くだ……しかしお前はまだいいだろう。  
 俺など今日は一度も身体を動かしていないぞ?」  
頭頂部に生えた白髪を念入りにセッティングし、バスルームから出てきた男は  
感情の読み取りにくい表情で社に口を開く。  
「今日は俺だけで全部カタ付けちまったからな。  
 アンタにも出番が回ってくるぐらいのイカすヤツがいることを祈っててくれよ」  
「いつまでも今日のような歯応えのない相手ばかりだと俺はともかく、  
 アイツが我慢できるとは思えないな」  
肩にかかるサスペンダーを少し気にしつつ、男は部屋の入り口に歩を向けた。  
コツコツと革靴の小気味良い音を奏でながら、気怠そうにしている社に声をかける。  
「取りあえずメシでも食うか。下にレストランがあった筈だ」  
「オッケー」  
2人はそれぞれに不満を抱えながら、腹ごしらえに部屋を後にした。  
 
コンコン。  
「バイス、いるか? ディナーに出かけるがお前はどうする?」  
出てきた部屋の隣に位置するドアをノックして、メンバーの1人の名前を呼ぶ。  
バイスが異性という配慮から部屋は分けることにしたのだが、  
「ハァッ……ハァッ……」  
返事の代わりに聞こえてきたのは、くぐもった呻き声だ。  
2人は怪訝そうに顔を見合わせてから、再びドアを叩いた。  
「おい、どうした? 具合でも悪いのか?」  
「ハァッ……ハァッ……うう……」  
苦しそうな声に異常を感じ、2人はドアを開ける決意をした。  
ノブを回しロックされていないことを確かめてから、部屋の中に尋ねる。  
「バイス、入るぞ?」  
先に足を踏み入れたのは社だ。  
灯りのついていない部屋の中で彼が初めに見つけたものは、  
ドアの近くに乱暴に脱ぎ捨てられた靴。  
部屋を閉めきっているのか、空気が淀んで感じられる。  
「なんだこりゃ?」  
 
「ハァッ……ハァッ……」  
ベッドの上で仰向けになったまま荒い息を吐く黒髪の女性。  
呼吸する度に揺れ動く肢体が彼女の異常を訴えている。  
「どうしたんだ?」  
間近で声をかけられて初めて気づいたのか、  
虚空を彷徨ったままだったバイスの瞳が2人を捉える。  
「ハァッ……ハァッ……セス……ヤシロ……」  
「平気か?」  
額に触れようとしたセスの手を、バイスは震える自分のそれで掴む。  
軽く掴まれたように見えたその手に必要以上の力がこもり始め、  
セスはバイスの異常さを肌で感じ取った。  
「どこか痛むのか」  
「……熱い……」  
切羽詰まったような表情で言葉を捻り出すと、バイスは上半身を起こして  
ギラギラした眼でセスを睨みつけた。  
「熱があるのか」  
 
「違う……………身体が……………、身体が熱いんだよっ!  
 アタシの血が疼いて疼いて仕方ないんだよぉッ!!」  
まるで相手を射殺すようなキツい視線を向け、バイスは声を張り上げた。  
一瞬で燃え上がった場の空気に圧倒される2人になおもバイスは口早に告げる。  
「なぁアンタ達っ……この疼きをなんとかしてくれよ……身体が熱くて気が狂いそうだ!!」  
「わかったから落ち着け、バイス」  
努めて気を押さえながらセスが静かな口調で語りかけるも、  
バイスは身体を掻き毟るように両手で自分を抱きかかえて吼えた。  
「早くっ……早く!! ああぁぁぁぁッッ!!!」  
「なんだあんた、そんなに身体が火照って仕方ねぇのか?」  
社が蔑みの視線を向けながら言い放つ。  
だがそんな揶揄も今のバイスには通じなかった。  
「そうだよッ! 誰でもいいからこの疼きを何とかしてくれよッ!!」  
「へぇ、要はアンタの身体を満足させりゃいいんだな?」  
社はバイスに顔を近づけて、スーツの胸元に見える豊かな谷間を覗き見た。  
普通の女性なら嫌悪すべきそんな視線も、バイスにとっては心地良いものだった。  
「社、お前…」  
「セスさんよ、お仲間が困ってんだ。俺達が助けてやらないでどうするんだよ」  
 
そう言って、社は上機嫌で服を脱ぎだした。  
見事に割れた腹筋が顔を覗かせ、この後の行為を想像してかバイスの身体が奮えだす。  
その瞳は期待に満ちており、すでに行為を容認しているかのようだ。  
「……おいバイス、いいのか?」  
今の彼女には正常な判断ができないでいると感じたセスが念を押すように問うと、  
バイスは妖しく笑いながらベッドの上に立ち上がった。  
「何でもいいんだよ! アタシが満足できるんなら、殺し合いでもセックスでもさぁッ!!  
 セス、アンタも来なよ……2人がかりで、気が狂っちまうほどアタシを犯してよォッ!!」  
「と、こう言ってるがどうする?」  
すでに臨戦態勢の整った社がセスに告げると同時に、  
バイスは破り捨てん勢いでスーツを剥ぎ取っていく。  
「望んでんだからいいじゃねぇか。メチャクチャに犯してやろうぜ?」  
「……やれやれ、レディに乱暴するのは本意じゃないんだがな。  
 これもチームメイトの仕事か」  
いまいち乗り気になれないながらも、仲間の欲求を満たすためセスが首もとの  
ネクタイに手をかける。  
「そういうこと」  
諭すように社がポン、とセスの肩を叩く。  
目の前に曝け出された見事な肉体に、  
バイスは自分の身体の火照りが一層激しくなるのを感じた。  
「早く……ハァ……ハァ……ハァ、早くッ!!」  
 
 

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