「パイカラが来てくれて、とっても助かったよ」  
黴雲臨時支局を設置する時、事務手続きを行う書法精霊に、パイカラが立候補してくれたんだ。  
彼女のおかげで、支局の運営は思いのほかスムーズにいっている。  
「そんな・・・・・、あたしは、ただ、ミリィの役に立ちたかったから・・・・・」  
「本当にありがとう」  
あたしは、パイカラをそっと抱き寄せた。  
「ミリィ・・・・・」  
パイカラが、潤んだ瞳であたしを見つめる。あたしが顔を寄せていくと、彼女は瞼を閉じた。  
2人の唇が重なっていく。  
長いキスのあと、あたしはパイカラの身体をベッドに横たえた。  
帯を解き、衣服を脱がせていく。パイカラの華奢な身体が露わになる。  
胸に顔をうずめ、その先端をそっと口に含むと、柔らかかったそこが固くしこってくる。  
パイカラが、切なげにため息を漏らす。  
あたしは、パイカラの全身に唇を這わせた。そして、彼女のいちばん敏感なところに行き着く。  
「んくっ・・・」  
パイカラが、小さく声を漏らした。あたしは、そこを舌で刺激し続ける。  
「・・・ぁはっ・・・ミ、ミリィ、・・・来て・・・・・」  
「パイカラ・・・・・」  
あたしはパイカラの中に、指をうずめていく。パイカラの両腕が、あたしの背中に回される。  
あたしの指が、パイカラの奥深くを刺激する。パイカラの腕が、あたしを強く抱きしめる。  
パイカラの息が、いっそう荒くなる。  
「・・・んっ・・・・ミリィ、・・・あたし・・・もう・・・」  
パイカラの身体が、ぴくん、と小さく跳ねた。  
あたしの背中に回されていた腕から力が抜けていく。  
パイカラの中に入ったままの指が、2度、3度と軽く締め付けられるのを感じる。  
「ミリィ・・・・・」  
「パイカラ・・・・・」  
あたしたちはまた、唇を重ねた。  
「ミリィ」  
「なに?」  
「ミリィは、・・・優しいから、好き」  
「な、なに言ってんのよ」  
「だって、本当のことだもの。こんな風に、優しく抱いてくれるのって、ミリィだけだもの。  
 あの時なんか・・・・・」  
 
あの時、そう、まだパイカラが気象精霊として前線に出ていた時だ。  
対立する組織に捕まった彼女は、そこでとてもひどい事をされたんだ。  
身も心もボロボロになった彼女は、結局現場には戻らず、書法精霊に転属することにになった。  
まだ、その傷は完全には癒えてないみたいだ。  
 
「パイカラ?」  
いつのまにか、パイカラは眠ってしまったらしい。  
「おやすみ、パイカラ」  
あたしは、そっと彼女の頬に口づけすると、目を閉じた。  
 

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