「おはようございます」
「おはよう。今日もゴミ拾い、感心だね」
「はい、ありがとうございます」
「みんなも七海ちゃんくらい気をつけてくれたらね〜」
少女は一人で早朝の海岸のゴミ拾いに励んでいた。彼女の名前は広瀬七海、
高校2年生である。身長は160cm、スリーサイズは上から78−57−84と
スレンダーな、いや引締った身体をしていた。そのスタイルと短く切りそろえた
ショートカットの髪のせいで男の子っぽく見えるが、れっきとした女の子である。
彼女は見た目の印象どおりに運動神経に優れていた。特にマリンスポーツに
ついてはかなりの技量を有している。
彼女が海辺のゴミ拾いに勤しむのは、マリンスポーツをするものとしてのマナー
だけではなかった。今は亡き彼女の父親は海をこよなく愛しており、七海はそんな
父が大好きで、そして父の愛した海もまた大好きだった。
「またガラス瓶・・・誰か怪我したらどうするのよ・・・」
ここ、さざ波海岸ビーチは開発されたばかりの観光エリアであり、観光客も
増えているのであるが、同時に一部観光客のマナーの悪さも問題になっていた。
そんな観光客が海に捨てるゴミに七海は怒りを覚えていた。
父の愛した海を汚すのは許さない!そんな彼女は海にゴミを捨てる人間に対し、
周りの人がハラハラするほど激しく注意した。
「ふぅ・・・」
空き缶、生ゴミ、花火のカス、キャンプファイヤーの跡・・・七海は袋いっぱいに
なったゴミを見て、怒りと悲しみを感じた。だが、そんな七海に激しい怒りを持った
連中がいた。
「よく見たら、なかなかいい女だな・・・」
「だな!胸はないけど、あの尻は絶品だぜ!」
「おいおい、俺にもよく見せろよ!!」
望遠鏡で海岸のゴミ拾いをする七海の姿を注視する男たちがいた。彼らは
数日前に海岸でゴミをポイ捨てしたのを七海に激しく怒られた連中である。
最初は七海を無視していたが、その剣幕に逆ギレし食って掛かりかけたが
騒ぎを聞きつけた海辺の住人たちが集まってきたためにスゴスゴと退散させ
られたのである。おかげで、そのときにナンパしていた女に呆れられ振られる
というオマケまでついた。
男たちは七海を逆恨みし、なんとか報復しようと考えた。そして、七海が
美少女であることに気づいた彼らはその報復する手段を決定したのである。
陵辱である。徹底した陵辱を加え、広瀬七海を汚し尽くすのである。そして、
それは予想外に大規模な計画となった。
七海の父親はこの海岸の観光地化に大反対していたグループの中心人物で
あり、その活動によって開発計画は幾度となく頓挫していた。結局、この海岸が
開発されることになったのは広瀬七海の父親が不審な死を遂げた後のことで
ある。しかし、反対運動は打撃を受けたものの開発反対派は今でも存在しており、
これ以上の海岸の開発には反対意見が根強く存在していた。それだけに
反対派の中心人物の遺児で、美少女である広瀬七海は開発賛成派にとって
将来の反対派の求心的存在になりうるだけに要注意人物であった。そして、
それは七海が観光化することを嫌っていることから容易に予想しうる未来である。
将来の災いの種を除去する、そのためにこの男たちの企みはスポンサード
された。
「行くぞ!」
七海が海岸でも人気の少ない砂浜のほうに向かったことを確認した男たちは
彼女を捕獲すべく行動を開始した。
広瀬七海の未来は絶望に閉ざされることになる。
「ふぅっ〜」
七海は一息入れた。このあたりの砂浜はさざなみ海岸でも外れの方にあり、
地元の人間でもあまり来ないところであった。だが、いや却って人があまり
来ないゆえにゴミを捨てたり、後始末をせずに立ち去る人間が多いのかも
しれない。
「これで良し・・・と」
袋一杯になったゴミの量は七海を悲しませたが、それでもキレイになって砂浜
は彼女の心を和ませた。
ポスッ
そんな七海の目の前に空き缶が投げ捨てられた。見るとちゃらけた男どもが
ゴミ拾いをしていた七海を嘲笑しながら、これみよがしにゴミを捨てたのである。
よく見ると先日、七海が注意した連中であった。
「あいつら・・・またっ!!」
男たちの行為は七海を激怒させるのに十分であった。
「あんたたち!まだ判んないの!!」
怒気を満面に浮かべた七海を、しかし男たちは嘲笑していた。
「何が〜?」
「海岸にゴミを捨てない!これはマナーでしょ!!」
「マナー・・・はははははは」
「こいつはおかしいや〜」
「なっ!何がおかしいの!!」
「お前が自分の立場が判ってないことかな」
「えっ?」
いつの間に男たちが三人、七海を取り囲んで立っていた。七海は自分を取り巻く
雰囲気が異なっていることにようやく気づいた。朝早くの、しかもこんな外れの
海岸にいるのは自分とこの三人の男だけだった。
七海は咄嗟に逃げようとした、しかしその前に男のパンチが一発おなかに入った。
「ぐはっ!」
砂浜に崩れた七海に男たちは蹴りを入れる。
「あっ!あっ!痛い・・・だ、誰か・・・・・・」
「叫んでも誰もこねぇよ!!」
七海は身体を丸め、自分を守る。男は七海の足を持ち、仰向けにする。そして、
その股間を足でグリグリと踏み付けた。
「アァァっ!!」
「ははは、いいザマだ!」
「お客様は神様なんだ!神様を侮辱した罪、詫びてもらおうか!!」
「原住民の分際で!!」
男たちは七海の股間をなおも強く踏みつけ、痛みに苦しむ彼女を嘲弄した。
だが七海もただやられているだけではなかった。七海は砂を握り締めると、
それを男どもに投げつけた。
「わっ!?」
「ぺっ、ぺっ」
「この野郎!」
砂を投げつけられ、男たちが怯んだ隙に七海は脱兎のように逃げ出す。
「あっ!こら、待ちやがれ!!」
痛めつけられたとはいえ、普段からスポーツに励んでいる七海である。ナンパな
男どもに負けるような脚力ではなかった。ぐんぐんと男どもを引き離す。そして
砂浜を出るあたりでアロハシャツを着た中年男の姿を見かけた。
「た、助けてください」
七海はその中年男に助けを求めた。その男は七海の叫びに応じて近寄ってきた。
「あの男・・・はぐっ!!」
七海は意識を失った。中年男は七海にスタンガンを押し付けていた。やがて
追いついてきた男たちに無言で目配せをする。男たちは七海を抱えて車に
押し込むと海岸を後にした。
中年男は車が発進した後、周りに誰もいないことを確認して携帯を取り出す。
「広瀬七海、確保しました。今、そっちに向かっています。あの連中ですが・・・
広瀬を逃がしそうになりました、いえそれ以前に商品を傷モノに・・・
はい、処分はお任せいたします・・・はい・・・はい・・・それでは」
男は携帯をしまうと、その場を立ち去った。
この日以降、この海岸で広瀬七海の姿を見ることはなくなった。
「放して!下ろしてよ!!」
七海が意識を取り戻したのは船の中であった。海岸で七海を絡んだ男たちの
姿は見当たらなかった。しかし、彼女の置かれた状況はむしろ悪化していた。
七海のいる船室に窓はなく、どこを航行しているのかは判らなかった。ただ
船のゆれ具合、エンジンの振動、そして波を切る船の音からかなりの高速で
航海していることは判断できた。
七海は拘束されていた。それは手錠を掛けられたとか、後ろ手に縛られた
とかではなく、もっと異様な形であった。七海は左右それぞれの手首と足首に
手錠を掛けられ、その手錠は一本の棒に固定されていた。なぜ、こんな変な
縛られ方なのか、この時点で彼女は理解できなかった。
むしろ問題なのは七海の服装であった。七海の服装は青いビキニとなって
いた。それは海岸の掃除が終わったらボードを楽しもうと、服の下に来ていた
ものであった。七海のスレンダーなボディに似合ったそのスポーティなビキニは
だがパンツの部分が膝のあたりまでずらされていたのである。七海の大事な
部分はまる見えになっていたが、手を拘束された彼女にパンツを引き上げる
ことなどできはしなかった。
助けを求め、一通り悪態をつき終えた頃、船は止まった。そして七海の船室に
男たちが入ってきた。自分の大事なところが露にされていた七海は驚き慌て、
何とか隠そうともがいたが、男たちはそんな七海の努力など意に介すことなく
事務的に七海の棒を持って部屋から運び出した。
棒に手足を縛られ、吊るされた七海はまるで狩猟が終わって狩られた獣の
ようであった。そう、七海は彼らの"獲物"であった。
船から降ろされた七海に夏の太陽が照りつける。既に陽は天高く上り、
正午あるいは既に午後になっていたかもしれなかった。埠頭を運ばれるとき、
七海は周囲を見渡した。その光景は彼女が見たことのないもので、船の速度と
時間からかなり遠くに運ばれたことは七海にも推測することができた。
「助けて!誰か助けて!!」
七海は大声で助けを求めた。だが港にはそれなりの設備はあるものの、
そこにいる人間は船から降りた男たちだけであった。
男たちは七海を砂浜に運んだ。そこは白い砂がきれいな場所であった。
さんさんと輝く夏の太陽、美しい白い砂浜、アイドルのグラビア写真集に
出てきそうな情景にパンツを下ろされた美少女が射殺された猪のように
吊られ運ばれていく様はあまりにも異様であった。
七海は海辺に運ばれ、そこで下ろされた。男たちは杭を打ち込んで、
その棒を固定させた。
「(な・・・なんなの!?)」
七海に男たちの行動は理解できなかった。七海の手足を固定した棒は
水面下にあった。周りからは七海は足首まで水につけ、手を水中に入れて
しゃがみこんでいるように見えた。
海でしゃがみこんでいる七海の周りで男たちは撮影の準備を始めた。
その機材は素人である七海から見てもプロ用の本格的なものと分かった。
「(お、犯される!)」
七海は自分の身に降りかかる惨劇を予想して脅えた。だが彼女はこの
段階では犯されることはなかった。むしろ、もっと酷いことが彼女に対して
なされた。
「や、やだ!なにするの!!」
一人の男が七海の股間をまさぐる。
「ふぁっ!!」
男は七海の尿道にカテーテルを挿入した。その太いカテーテルは七海に
酷い不快感に与えた。
「じゃあ、七海ちゃん。おしっこしてみようか」
「えっ・・・そ、そんなこと、あっ・・・ああっ!!」
男は手元のスイッチを入れた。するとカテーテルの先端が開き、そこから
七海のおしっこがちょろちょろと流れ始めた。
「あっ、ああっ・・・そんな・・・・・・」
七海は流れ出る尿を止めようとした。だがカテーテルによってこじ開けられた
尿道は七海の努力にも係わらず、ふさぐことができなかった。結局、七海は
膀胱が空になるまで尿を漏らし続けた。
「うん、いいよ!七海ちゃん!!」
「へ・・・へんたい・・・・・・」
怒りと羞恥に身体を紅く染めた七海が男を睨みつける。だが男はそんな
七海を気にかけることもなく、次の行動に移った。
「じゃあ、七海ちゃん。今度はうんこしてよ!」
「えっ!!」
七海は絶句した。こんな・・・大勢の男の見ている前で・・・・・・
撮影されている前で・・・・・・
「はぁあっ!!」
突然、冷たいものが七海の中に注ぎ込まれた。呆然とする七海の背後から
別の男が・・・彼女に浣腸をしていたのである。
「な!なにを!!」
七海は怒りで暴れようとした。しかし、がっちりと固定された彼女は動くことも
叶わなかった。その間にも男は七海の肛門に浣腸を注ぎ込み続けた。
「ふぅあぁぁぁ・・・はぁっはぁっはぁっ・・・・・・」
七海は自分の直腸に浣腸の冷たいグリセリン液を感じた。それが七海に何を
もたらすかは明らかであった。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・・・・」
グリセリン液に耐える七海に対し、男はもう一本浣腸を注ぎ込んだ。二本分に
なった液は更に彼女を苦しめた。
「もう一本、いこうか!」
グリセリン液の効果に苦しむ七海に、三本目の浣腸が注ぎ込まれた。
「あぁぁぁぁぁ・・・・・・」
注ぎこまれた大量のグリセリン液は七海の体内で、その効果を発揮しようと
していた。
「あっ・・・ダメ・・・・・・」
グリュリュリュリュリュ
七海の腹は激しく鳴った。七海は必死になってこらえていた。男たちは七海の
瞬間を撮影しようと虎視眈々と待ち構えていた。おそらく、その瞬間が来るまで
何日でも待ち構えるだろう。そして、七海にその瞬間が来るのは時間の問題で
あった。
「はぁぁ・・・ダ、ダメ・・・・・・漏れちゃう・・・・・・・」
ググググググググウググググ
七海のお腹は更に鳴った。この時、七海は自分の拘束された形の意味を
理解した。七海の今の姿勢は和式便器に跨る姿勢そのものであった。そして
今の七海の姿は海にうんちをしようとしている姿に他ならなかった。
「トイレ・・・トイレに行かせて!!」
七海は半泣きで男たちに哀願する。男たちはそんな七海の姿を撮影する
のに忙しかった。
「はぁっ!!」
七海のお腹が一際大きく鳴った。もはや限界であった。
「お願い!トイレに・・・トイレに・・・・・・」
七海は泣いて懇願した。だが男たちはそれを完全に無視、いや、その瞬間が
近いと判断し、一瞬たりとも逃すまいと七海を注視した。もはや七海に身体を
動かすだけの余力はなかった、それどころか話す力すら失われ始めた。
「も・・・もう・・・ダメ・・・・・・」
七海のお腹の音は更に大きく、そしてその間隔を短くしていった。七海は
全ての力を肛門に集中した。うんちを漏らさぬように肛門を引き締めた。少し
でも身体を動かそうものなら、一言でも喋ろうとするのなら、その瞬間に
七海の体内のモノは男たちの前に晒され、撮影されてしまう。誰も助けに
来ない絶望的な状況であるが、かといってうんちを漏らすことは七海にとって
耐え難いことであった。
「・・・あっ」
ピュルッ
七海の肛門から一筋流れ出た。七海の堤防は決壊を始めた。
「・・・あっ・・・・・・あっ」
ピュルッ、ピュルッ
七海の肛門から少しずつ流れ始めた。それは茶色い水流となって海に
零れ落ちた。そして、その数は増え、勢いを増していった。
「・・・・・・・・・!!!」
七海は懸命に堪えた。全身の持てる全ての力を肛門に集め、惨劇を
阻止しようと試みた。しかし、それは徒労に過ぎなかった。七海の堤防は
破段階を迎えた。七海の肛門から七海の中のモノが溢れ出した。
「ダメェェェェェ!!!」
七海は悲鳴を上げる。七海の肛門と直腸は名状しがたい音を立てながら、
七海のモノを噴出させ続けた。噴出された七海のモノはベチャベチャと嫌な
音を上げて、海に落下する。
「ダメ・・・こんなの・・・・・・ダメ・・・・・・」
七海は屈辱に泣いた。涙は止めようもなく流れ、海の落ちた。
「あぁっ!!!」
俯いた七海の視界に七海の噴出したモノがゆらゆらと漂ってきた。
漏らしたという肛門の感覚が、視覚によって証明されてしまったのである。
「いいよ、いいよ!七海ちゃん!!」
男たちはお漏らしをした七海に拍手を送る。七海は今までしたこともない
ような凄まじい形相で男たちを睨み付けた。
「へんたい・・・この、へんたいども・・・・・・」
呪詛に満ちた七海の呻きも男たちにとっては仕事をやり遂げた達成感に
しかならなかった。
「じゃ、お尻を拭こうか!」
「はぁっ!」
一人の男がティッシュペーパーで七海の尻を拭いた。この行為は七海に
更なる屈辱を与えた。
「ほら見て、七海ちゃんのうんち」
男は七海の目の前にお尻を拭いたティッシュペーパーを持ってきた。白い
ペーパーは七海のモノで茶色く染み付き、異臭を放っていた。七海は目を
つぶり、顔を背ける。屈辱に胸が締め付けられた。
「じゃっ、七海ちゃん。ちょっと寝ててね」
「ウグッ!!」
スタンガンが押し付けられた七海は一声あげて意識を失った。男は崩れ
落ちる七海の身体を支えた。
「よし、次にいくぞ」
男たちはテキパキと後始末を始めた。そして意識を失った七海を抱え挙げると、
元きた船に連れて行った。
意識を失った七海は目が覚めたときに、これ以上の地獄が待ち構えている
ことを知らなかった。
「(なっ、なんなの・・・・・・これは!?)」
意識を取り戻した七海の眼前に繰り広げられる光景、それは悪夢という意外に
表現のしようがないものであった。
そこは薄暗く、蒸せるように篭った澱みきった空気が漂う大部屋であった。
そこには多くの男女がいた。その年はさまざまであった、若いのや、年取った
のや、中年あたりのものや・・・・・・美醜、体型、容姿など取り立てて共通点は
なかったが、ただ一点、ただ一点のみが大きく共通していた。彼らのいずれもが
濁りきった欲望に満ちた目をしていたこと、人間の持つ理性からかけ離れた
獣性の持ち主であること。
その証拠はこの群れがなしていることにあった。彼らのいずれもが少女らを
嬲り弄んでいたことである。弄ばれる少女らの年も様々で、七海あたりの年齢の
少女だけではなかった。しかし、それでも一番年が上に見えるものでは二十台
前半くらいであった。むしろ、容姿的にどう見てもランドセルを背負っている姿
しか想像できない少女すらいた。
彼女らはいずれも虐待されていた。ムチを振るわれるもの、蝋燭をたらされる
もの、三角形の椅子にまたがされるもの、縄できつく縛れられているもの、そして
男らに交わらされているもの・・・・・・男らの見ている前で排泄させられている
ものや、犬と交わらされているものすらいた。
部屋にはいくつか大きな机があり、そこには七海が見たこともないような高価な
酒類や料理が用意されていた。しかし、そこにも少女らがいた。身動きが取れない
ように縛られて料理を盛り付けられた少女、股間に酒を注がれて男らに美味しそう
に飲まれる少女。
そこは快楽を貪る醜い群れと、その群れに嬲られて絶望に泣き叫ぶ少女らの
饗宴の場所であった。
その哀れな少女たちを見つめる七海は痴態の饗宴の真ん中に誂えられた
ステージの上にいた。そこは少し大きめのステージで人一人分周囲より高く設定
されており、この饗宴の大きな部屋のどこからでも見ることができる空間であった。
七海はその場所にただ一人、ポツンと置かれた状態にあった。
だが、その七海の置かれた状態も決して正常なものではなかった。七海の手足は
それぞれ枷が嵌められ、鎖によって結わえられていた。それは酷く重たくて、手足を
動かせはするものの力を入れなければならなかった。それにもまして異常なのは
七海の身に纏っている服装であった。
七海の服装、それは体操服であった。その服は彼女の学校のものであり、いまや
珍しい存在となったブルマである。そのサイズは彼女の本来のそれより一回りか
二回りくらい小さなもので、さほど大きいとは言えない七海のバストを明らかに強調
していた。ブラが外されているために乳首が体操服の上に浮き上がっており、七海は
両手を胸の前に組んで隠さざるを得なかった。体操服は湿ると透ける素材のため、
七海の学校では不評であったが、この状態で汗をかいたりすると悲惨な状態になる
のは間違いなかった。
ブルマは黒の制式のものであったが、こちらもやはり同じくらい小さなものであった。
ピッチリと食い込むブルマは七海のお尻を隠しきれてはいなかった。ブルマの下は
パンツとなっていたが、お尻を覆う布はなく食い込む形の、昔流行ったTバックのものを
穿かされていた。
この異常な状態を呆然と見つめていた七海は、ふと一人の少女と目があった。
その瞳は光を失って絶望に満ちたものであったが、彼女の七海を見る目は憐憫の
それであった。その目を見た七海は恐るべきことを悟った−彼女らはかつて、この
ステージの上にいたこと。その彼女らの目の前では同じ光景が繰り広げられていた
こと。そして七海がこのステージの下に繰り広げられている饗宴に供せられること。
七海は愕然として、周りの光景を見やり、絶叫した。
七海は自分の周りで行われていることに怯えた。そして床にうずくまって、
目をつぶり、耳を塞いで、この悪夢のような光景を自分の意識から切り
離そうとした。目をつぶれば、その光景を見ないで済む。だがいくら耳を
塞いでも七海の耳には少女たちの悲鳴、喘ぎ声、助けを求める叫び声、
悲痛な呻き声、苦しみ哀願する声が漏れ聞こえてきた。
「お願い・・・もう、もうやめて」
苦しむ少女達への憐憫と自分もその一員に加わることへの恐怖が七海を
襲う。いつしか彼女の頬には涙が伝わり落ちていた。
やがて少女達の声が小さくなり、周りのざわめきも徐々に収まりつつあった。
そして、いつしか照明も薄暗がりから真っ暗に変化していた。七海の周りの
空気が変わり始め、それを七海は敏感に感じ取っていた。
「レディース・ア〜ンド・ジェントルメン! 今宵のパーティにようこそ!!」
ステージの上に男が立ち、周りに挨拶をはじめた。客達はそれに対して
歓声と拍手で応える。その異常な雰囲気、それが何かは七海にとって理解は
できなかったが、その矛先が向かう先はどこか、一つしかない答えを七海は
認めたくはなかった。
司会の男は拍手と歓声が収まるのを待ち、七海の恐れた言葉を口にした。
「本日のスペシャル・ゲスト! 広瀬七海さんです!!」
どっと湧き起こる拍手と歓声、そしてスポットライトが煌々と七海を照らした。
七海は死刑を宣告された。
「「七海! 七海! 七海!」」
会場に湧き起こる七海コール、この場にいる誰もが七海への刑の執行を
望んでいた。
「さぁ、広瀬七海さん! 立ってください!!」
無論、七海は立とうとはしなかった。だが、そんなことは彼らにとって想定の
範囲内のことに過ぎなかった。
「あぁっ!!」
七海の手足をつないだ鎖がチャリチャリと音を立てて引っ張られていく。
七海の四肢は四方に引かれ、広げられていく。
「あっ・・・あっ・・・・・・」
自分の手足を引っ張る鎖に抵抗する七海。しかし、強力なウインチに
抗すべくもなく、徐々に開かれていく手足。右手は右上方に、左手は左上方に、
右足は右下方に、左足は左下方にそれぞれ引っ張られていく。
「くっ! ・・・・・・くっ!!」
七海の懸命な努力も空しく、七海は起立させられ、手足を開かせられていった。
「くっ・・・・・・くはぁっ!!」
懸命に踏ん張っていた足が引っ張られ、宙に浮いた瞬間、支えを失った
七海の抵抗は終焉した。七海の手足は星を模った形に引っ張られていた。
自らの身体で大の字を構成した七海にスポットライトが当てられる。七海の
懸命の抵抗とスポットライトの熱によって生じた汗は彼女の体操服を湿らせ、
その乳首をくっきりと透けさせていた。
「「七海!! 七海!! 七海!!」」
一際大きくなる歓声は、手足を拘束され耳を防ぐ術を失った七海を酷く
いたぶった。
「さて、皆さん! これから本日のスペシャルゲストである広瀬七海さんを
紹介したいと思います!!」
司会がそういうと会場は静まり返った。そして、照明は落とされ暗闇が
辺りを包んだ。
「広瀬七海、17歳。身長160cm、B78−W57−H84・・・・・・」
暗闇に包まれた会場で、いつしか映画が上映され始めていた。その内容は
七海の詳細なプロフィールに始まり、彼女の生活が克明に記されていた。
「(なっ、何これ!?)」
驚きのあまり、七海は声を出すことができなかった。上映されている内容は
ありのままの七海であった。彼女はこの時、自分が誘拐されたのはかなり
念密に計画されたことと理解した。そして、その周到な準備に、長い時間
観察されていた事実に今までにない恐怖を覚え始めた。
七海の生活を克明に捉えた映画は七海のブルマ姿、水着姿、制服姿
などを見事に映し出していた。
「そして、海を愛する彼女は毎朝海岸に出てはゴミを拾い、清掃に励んでいるのでした」
海を愛し、海を汚す存在を許せない七海の行動を映画は余さずに映し出し、
会場からはパラパラと拍手が起こった。
「だが、それは世を欺く姿でした! これから、この広瀬七海の本当の姿を
暴きます!!」
次の瞬間、スクリーンに映し出されたのは・・・・・・七海の排便シーンであった。
海の中にしゃがみ、液状のうんちを噴出させる七海の姿、そして会場中に
響き渡る排便時の音。会場からは失笑が漏れ、いつしかそれが大きな
笑い声になっていた。
「広瀬七海は海の中にうんちをすることを無常の喜びとし・・・・・・」
「違う! 私はこんなことしない!!」
だが、会場中の笑いは七海を取り囲んで激しさを増して行った。
「違う! 違う! 違う!!」
哀願に満ちた叫び声も嘲笑の種でしかなかった。なおも会場中に響き渡る
七海の排便音。
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
七海の叫びはしかし、排便音と観客らの嘲笑にかき消されて行った。
「い・・・いやっ・・・・・・こんなの・・・でたらめよ・・・・・・」
会場中に響き渡る自分の排便音に打ちのめされ、嗚咽を上げる七海。いつしか
映画の上映は終わり、会場は暗闇に包まれた。真っ暗で静まり返った会場の中で
七海の泣く声と少女達のうめき声だけが響いていた。
しばしの静寂の後、再度七海にスポットライトが当たる。途端に湧き起こる大歓声。
「「よっ! うんこたれっ!!」」
「「変態女、広瀬七海!!」」
「「いったい、どういう教育をされてきたのかしら」」
七海を嘲笑い、罵倒する声が溢れる。
「違う・・・・・・私は・・・私は・・・・・・」
罵倒の声は七海の抗議の声を掻き消した。
「皆様、ご静粛に」
司会の男がそういうと会場は徐々に静かになり始めた。
「この恥知らずの変態女に、自らの罪の重さを思い知らせたいと思うのですが、
皆様いかがでしょうか!」
会場は途端に盛り上がった。
「「賛成! 賛成!」」
「「七海に罰を! 懲罰だっ!!」」
「「ギルティー! ギルティー!!」」
観客らは親指を下に向けて、口々に叫ぶ。
「「七海に罰を! 七海に正義の制裁を!!」」
七海はこの私刑ともいえる魔女裁判に驚き怯えた。
「皆様方の正義を愛する心はよく判りました。ですが、犯罪者に厳しさをもって
当たる だけではいけません。我々はこの犯罪者に慈悲を持って報いたいと
思います」
そういうと司会はパチンと指を鳴らした。すると七海の手足を拘束していた
手錠、足枷が外れ、七海の身体を解き放ち、鎖がチャリチャリと回収されて
いった。
「な、なにっ!?」
力の限り引っ張られ痛む手足と嘲笑の眼差しに耐えかね、うずくまった七海の
床下から何かがせり上がって来た。
「こ、これは・・・何っ!?」
床からせり上がってきたもの、それはプロレスのリングであった。そして、
七海はその真ん中にいた。
「(なっ、何が・・・・・・何が始まるの!?)」
自分の周りで起こっている現象を七海は全く理解できなかった。いや、
いきなり誘拐され、海岸で浣腸をされ、それを撮影され大勢の前で上映
された挙句にブルマ姿でリングの上に取り残された以後の展開などを
理解できるはずなかった。
「さぁ! 執行人の入場です!!」
「(なっ、何!?)」
七海は思わず目を疑った。会場の扉が開かれて、スモークの中から
現れたのは異様な集団であった。四人の男がみこしを担いでおり、その
上には一人の女が立っていた。その集団の異様さはその出で立ちにあった。
四人の男はいずれもレザー製のマスクをしており、着衣はレザー製の
ビキニパンツのみである。それはプロレスに出てくる悪役覆面レスラーと
いった風であった。しかし、その体格はいずれも七海よりも遥かに大きく、
その腕は七海の太ももくらいありそうだった。
みこしの上に乗っている女の出で立ちもまた異常であった。蝶を模った
アイマスクに、レザー製のレオタード、そして同じくレザー製のブーツを
履いており、片手にムチを持って腕組みをしたまま、みこしの上に仁王立ちで
立っていたのである。
だが、もっと異様なのはその集団が拍手と歓呼の中、リングの方へ、
自分の方に向かってきていることであった。やがて、その集団がリングの
前に来ると女はみこしからリングの中に飛び降りた。そして、男どもは
ロープをくぐってリングの中に入ってきた。四人の男と一人の女は七海の
前に立ちはだかったのである。
しばしの静寂のあと、リングのアナウンスがなされ、彼女らは一人一人
手を振って、それに応えた。七海はこれから何が始まるのか判らなかった
が、ただ自分にとってよくないことが始まろうとしていることだけは理解できた。
呆然と見守る七海が現実に引き戻されたのはゴングの音によってであった。
その音を合図に男どもが七海ににじり寄り始めたのである。そして、七海は
この時、自分に何が行われようとしているのかを初めて理解できた。
「さぁっ! 変態女の広瀬七海に正義の鉄槌が下されようとしています!!」
にじり寄る男たちに怯えた七海は後ずさりを始め、やがて背を向けてリングから逃げようとした。
「うぁっ!!」
背を向けて逃げようとした七海の足を目掛けて一人の男がスライディングで足払いをする。
バランスを崩し、七海のリングに転倒した音が会場中に響く。うつ伏せに倒れた七海はそれでも
逃げようと起き上がろうとした。だが、そんなことを男たちが許すはずなどなかった。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!! 痛い! 痛い! 痛い!!」
「なんとぉ!! いきなりの掟破りのさそり固めだぁぁぁ!!!」
男の一人が逃げようとする七海の右足を掴むと、そのままさそり固めを行った。そのあまりの
痛さに七海は絶叫する。
「た、助けて! 折れる! 折れちゃうぅぅぅ!!!」
七海の悲鳴に会場中は大歓声をもって応えた。サーフィンを趣味とする七海の運動神経は
同世代の女子高生に比べて勝っているが格闘技に関しては素人である。こんな痛みに耐える
ような練習などしたことなどない。だが、男たちはその手のエキスパートである。観客らが悦ぶ
ように七海を痛め、嬲ることなど造作もないことであった。彼らが努力するのは観客らの要望に
応えることであり、七海の苦痛など意に介することではなかった。
観客によってはリング上で哀れな少女がなぶり殺しにされることを要望することがあり、男たちは
その期待どおりに行動を行ったことがある。今日の観客らは七海をいたぶり、苦痛に歪む顔を
眺め、羞恥に晒されることを期待しており、男たちはそのように遂行する手筈となっていた。ただ、
それが七海にとって幸運なことかどうかは別のことであった。
「くぅあっう!!」
右足の激痛に耐えながら、七海は懸命にロープに手を伸ばし、なんとか掴んだ。その瞬間、男は
七海の足から手を放した。
「(あっ、足が・・・・・・)」
さそり固めを解かれたとはいえ、七海の右足は存分に痛めつけられていた。骨折しているわけ
でも捻挫や脱臼をしているわけでもなかったが、しばらくの走ったり、ジャンプしたりすることは
できなくされていた。いや、ロープをつかんで懸命に立ち上がった七海は何かをつかんでいないと
身体を支えることすらできなくなっていた。
絶望に囚われる七海、そんな彼女に男たちは容赦しなかった。
ロープに手を触れるとロープブレイクになることくらいは七海でも知っていたが、ここのルールは
プロレスなどではない。ロープをつかんで懸命に身体を支えている七海に対して攻撃が再開された。
男たちは七海をリングの真ん中に連れ戻そうとした。痛いことをされると知った七海はロープに
しがみついて離れようとはしない。その力はまさに火事場の馬鹿力、少女と言えども容易に引き
離すことはできなかった。
「いっ、いやっ!!」
必死の抵抗をする七海の姿に会場はやんややんやの喝采を贈る。こんな抵抗ですら興ずる
対象でしかなくなっていたが、さすがにいつまでもこんなことでは会場は冷えてしまう。男たちは
ひとしきり盛り上がった頃合を見て、別の行動に移行した。
男たちは抵抗を続ける七海の股間に竹刀を通すと、それを上に持ち上げた。
「ひっ、ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
七海が悲鳴を上げる。男どもは竹刀の両端を持って上に持ち上げ、七海の股間に
竹刀を食い込ませた。更に別の男が七海の肩を持ち、下に押さえつける。七海は
片手で股間に食い込む竹刀の力を弱めようとする。だが、男二人で持ち上げている
ものを少女の片手だけで抑えきれるはずなどない。
「ひぃあっ! ひぃうっ! やっ・・・やめ・・・・・・ひぐぅっ!!」
苦痛に呻く七海を見た観客は男らに拍手を贈る。その歓呼に男らは更にノッて
竹刀をグリグリと動かし、更なる苦痛を七海に与える。
「痛いっ! や、やめっ! お、お願っ! はぁっ! あぁぁぁあぁっ!!」
ブルマに隠れて見えてはいないが七海の股間は竹刀の擦れる動作によって
真っ赤になっていた。そして、時折クリトリスに当たる竹刀が痛み以外の反応を
彼女に与えていた。
「ひっ、ひぃぃぃぃぃっ!!」
苦痛に耐えかねた七海はついにロープから手を離して、股間に食い込む竹刀を
両手でとめようとする。その瞬間、男らは動きを変える。七海の肩を持っていた男は
その手を放し、竹刀の両端を持っていた男らは大きく手を上げた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
七海は高々と持ち上げられた。股間に食い込む竹刀の痛みと衆人に晒される
羞恥が彼女を苦しめる。リングの上で股間に竹刀を食い込まされた少女の姿に
観客らは拍手を贈る。
やがて拍手が収まると、男らはリングの上に七海を降ろした。あまりの痛さに七海は
股間を押さえてうずくまった。