「ここなら、誰も来ないよ。」  
暗闇の中に突然連れてこられ、そして、唐突にこういわれたユカはこの後、なんと返していいのかよく  
わからなかった。  
「貞子とか、ゴスロリに追い回されたあげく突然くらいところに入って・・・」  
「しっ、声が大きい。」  
そうユカが不満を漏らすと、ユカを「そこ」に連れてきた方は彼女の口をふさぎまだ追い回されている  
状況を再確認させる。そして、しばらくした後に向かい合ってこういった。  
「やっと、二人きりになれたね。」  
「・・・」  
ここは、桂木小の体育倉庫。体育倉庫の例に漏れず曇ったガラスの窓から薄い明かりが  
指しているだけである。そして、つぶやいた少年の名は真澄。貞子達に追い回されている  
ユカを体育倉庫に連れてきたのも彼である。というよりかは、貞子はともかくとして、ゴスロリ  
(と親衛隊)に追いかけられていたのは実は、この二人なのだ。そのような状況の中でユカの方は  
さらに混乱してしまい、何を言っていいのか解らずに、絶句していた。しかし、お互いの体を密着して  
聞き耳を立てているうちに心臓が高鳴り、少し汗ばんでくるのは確かだった。  
「湯川・・・さん?」  
緊張と暑さの中、ユカの異変に気づいた真澄は、思わず他人行儀になってそう口走ってしまった。  
暗い部屋の中で男女が体を密着させて居るというある種、異常な状況の中で長時間平常心を  
保つ方が難しい。真澄の方も彼女の吐息や、鼓動を直に感じているという状況の中、  
これまでの自分にはなかった感覚に襲われていた。いや、有り体に言えば、彼は興奮していた。  
「真澄、上着、脱いでいい?」  
「いいよ。見てないから今のうちに。」  
ユカが初めて感じる感情と感覚に、とまどいを見せて混乱している中、声をかけてくれた真澄の  
好意に甘えて今だけ、この少し蒸し暑い空間の中では暑い物を脱ぎ、偶然持っていた体育袋に  
入れ始めた。なぜか真澄の方は彼女から目線を外している。  
 
「真澄、何他人行儀になっているのよ。ユカの裸見ても何にもないのに」  
ユカの方は真澄のとった不自然な行動をいぶかしがっていた。  
いつもならー久木井小の男子がそろって言うようにー脱いだところで誰もユカのことを女と意識  
する者など居ないので無関心であることを前提としているだけに、彼の行動はよけい奇妙に  
思えたのであった。  
「着替えを見るという方が余計・・・」  
そういいながら真澄はユカの方を振り向いた。そこには上半身だけ下着姿になったユカの姿が  
あった。そして薄明かりの下で、かすかに見える彼女の肌を彼はまじまじと見てしまった。  
「そんな格好でいると怪しまれるから、体操着に着替えた方がいいよ。」  
目線をユカの方に向けた真澄はそういって言葉を続けた。  
「そんなことしたら一発でバレるよ。」  
「大丈夫。久木井も桂木も体操着は無地だから。」  
真澄は、真澄なりにユカに配慮しているつもりだった。しかし、彼の方も暑さとシチュエーションに  
対する興奮で的確な言葉を失っていた。それでも、さすがに自分の方からスカートを脱いでくれ  
とは露骨には言えなかった。  
「本当?じゃぁ、ゴスロリ達来ていないか見て。」  
そういってユカはスカートを脱ぐ。真澄は少しだけ、扉から頭を出すと素早く周囲を確認して  
ユカの方を振り向く。  
「今日はもうゴスロリ諦めたのかな?・・・真澄?真澄!?」  
(なんか、真澄、目が変だぞ!?)ユカはスカートを脱いだ自分をまじまじと見つめる彼を見て  
そう思った。彼の目線はユカの目を明らかに見ていない。彼はユカの足の方を見ていた。  
そして、扉を背にした彼を照らす光の加減から彼女はもう一つの異変に気づく。  
「なんか、ズボンに入ってない?」  
ユカの足に見とれている真澄のズボンは不自然な部分が膨らんでいた。  
 
「違うよ・・・これは・・・」  
「ねぇねぇ、それって結構苦しくない?ユカが取るからその中見せてよ!ああ、みどりちゃんも  
ここにいたら面白い物見せてあげられるのにな〜。」  
ユカは、初めて見る「それ」に興味津々ではあるが、ユカにはそれが真澄のパンツの中に何か  
異物が入っていて、それを見せたいのだという認識しかない。  
「見ても面白くないよ。どうせ大人になったらいつでも見れるんだし、それ・・・っわっ!」  
真澄はユカが期待しているような物など、自分のパンツの中に入っていないことを言おうとした  
時、彼女がゆっくりと高くなる股間の山の正体を詳しく見ようとズボンを下げたので、彼は驚きの  
あまり、説明を思わず中断してしまった。  
「ん〜何も入っていないや。パンツの中に何かあるのかな?」  
ユカは残念そうにズボンを脱いだ真澄を見る。しかし、パンツがテントのように張っているのを  
見て、今度こそはと思い、パンツの中をまさぐり始めた。  
「だ、だからそれは・・・」  
真澄が顔を真っ赤にして柄にもなく取り乱す。そのいつもは絶対に見られなさそうな光景に、  
ユカはどこか嗜虐心にも似たいたずら心を刺激された。  
「なんか、固い物があるぞ。何だろ?もしかして、これ、」  
「それは・・・ぁ・・・」  
ユカは興味津々で何かおもちゃが入っているかを期待するかのように、股間をまさぐり、  
そして・・・  
「おちんちん?これって、この前学校の授業でやったけど、見ていい?」  
具体的、かつ、残酷にその位置にあるはずであろう物の名前を言う。ユカにはまだ生理が  
来ているかどうかは怪しいが、一応のことは知っている。  
「・・・いいよ。」  
そう頷くか否や、ユカは真澄のパンツを下げてしまった。  
「これって、こんなに固くなるんだ。」  
 
「こんなに大きくなっているところ、初めて見た。」  
ユカは知識でこそは、知っていても勃起したペニスが次第に起きあがり、大きくなっていくその光景  
に対して驚きのまなざしを向けてながら、真澄のそれを手当たり次第にさわり始めていた。  
「そこは痛いから・・・はっ・・・そこをゆっくりと・・・・うっ!」  
ペニスと睾丸をさわるユカに対して、真澄は抵抗するそぶりも見せず彼女の行動に身をゆだね  
、興奮していた。好きな女の子にペニスを触られて興奮するとはまだ先のことだと考えていたのに  
その時期が早く来たと言うこと、そしてもうじき誰かに見られるかもしれないという緊張と背徳感が  
混ざり合った感覚が  
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  
・・・彼を素早く絶頂に導き、白濁液を暴発させてしまった。  
「なんだろ?これ?くさいけど、おしっことは別のにおいがする。」  
ユカは真澄を絶頂に導かせた方の手についたそれのにおいを嗅ぎ、軽くふき取りながらこういう。  
そして、彼女は絶頂の状態でヒクついたペニスを倒れるのを見ながら自分自身の体にも異変が  
あるのにも気づいた。  
「あれ?パンツがちょっとだけ濡れてる。おしっこでも漏らしたのかな?乾かさなきゃ」  
「多分、それ、おしっこじゃないよ。」  
そう言われて、ユカはマットの上に広げた自分のパンツの臭いをかいでみる。  
「ほんとだ。おしっこじゃない。なんだろ?真澄のおちんちんさわっている間に漏れてきたんだ。  
じゃぁ、何だったんだろ?」  
自分の体から出た分泌物のことに対して、少し不思議にも思いながら股間を仰ぎ乾かそうと  
すると、真澄は自分が拭き取ると言いながら顔を近づけてきた。  
「ちょ・・・ちょっと、真澄!そんなに顔を近づけたら逆に・・・」  
自分の秘所がじっくり見られるという状況に、ユカは珍しく羞恥心をかき立てられ顔を赤らめる。  
そして、真澄の目線だけでぬれ始め、彼が陰門を触り始めると塗れた裂け目はユカとは  
別の生き物のように動き始めた。  
 
 
そのころ、ゴスロリは真澄の行動半径にあるところで、なおかつ隠れるような場所でない所は  
はほぼ探し尽くして、今度は隠れそうな場所にある所はどこかと考えながら、桂木小に忘れ物  
を取りに戻っていた。そして、教室に戻ろうとして、学校を歩いていると、体育倉庫からなにやら  
声が聞こえている。  
 
「まるで、生きたアワビみたいだよ・・・ユカ」  
(真澄はんの声や。何のことを言うとるんやろ?ユカもしかして、久木井小の湯川のことか?)  
「やだ・・・そんな変なたとえしないでよ。自分のあれがグロい物に見えて来るじゃない。」  
(扉越しではっきり聞こえんけど、やっぱり久木井の湯川やないけ。二人で何しとるんや?)  
ゴスロリが聞いたのは確かに、真澄とユカの声だった。しかし、その会話という物が尋常  
ではない。何をさしてアワビだと彼は言って居るんであろうか?それが女性の体の一部のこと  
を指していることはユカの言葉から推測はできるが、具体的に何であるというのかは  
判らなかった。  
(もう少し、聞いとこ・・・)  
この扉に鍵がかかっていないと言うことは、溝の部分から見て容易に推測できる。しかし  
中の状況が途中からしか聞いていない彼女には理解しがたいので、しばらく様子を見る  
ことにした。  
「ま・・・真澄ぃっ・・・そんなところ見ても全然ないんだから。」  
「・・・裸、綺麗だよ。・・・それになんか期待してる・・・。」  
桂木小の備品に囲まれた小さな暗闇の中では、まさかゴスロリが扉の向こうで中を盗み聞き  
しているとは知らない真澄が、ユカの性器を愛撫しながらブラウスを脱がせていく。そして薄明の  
下で、まだブラウスをしていない女性ホルモン過小な裸があらわになる。  
(え!?湯川が裸!?)  
状況の流れを素早く察知したゴスロリは一瞬、まるで自分も裸になったような感覚に襲われ、  
ハッとしてしまった。  
 
「きゃっ・・・ひゃっ・・・ひゃひゃひひゃ・・・ま、真澄っ、くすぐった・・・ぁ・・あんっ・・・」  
「んっ・・・はっ・・・あっ・・・かぁぁぁぁっ・・・また、なんか・・・」  
(ちょっと、待ちや。真澄はんも湯川も何けしからん・・・いや、羨ましい・・・あれその逆だったっけ?  
ナニなことしとんかい!)  
ゴスロリはそう言うツッコミを中の様子に対して入れようと思ったが、中から二人がお互いの体を  
触り合う嬌声が聞こえてくると、  
(あっ・・・なんか知らんけど、うちの方もボケにまわりそうや・・・)  
彼女の方も、聞こえてくるユカの声に自分を重ね合わせ乳首を立たせてしまった。  
「なぁん・・・ぁあんっ・・・あっ・・・なんだか、さっきより・・・おちんちんが・・・」  
「あぁ・・・そっちの方も、いっぱい・・・」  
扉の向こうのユカと真澄は、闇雲に全身を触る動作から、次第にお互いの乳首や股間を触る愛撫へと  
移り、そして、その声も性的なニュアンスを持ったそれへと替わっていく。  
「何だか知らないけど、もう我慢できないよぉ」  
「俺も・・・」  
「ユカのここに、入るんだよね?大丈夫かな?」  
「多分。だから、力抜いて・・・」  
そう言ってユカは真澄と相対して十分に濡れた股間を開く。そして、真澄はユカの足の間に入り  
彼女の膣の位置を確認するとさっきの射精前よりも固くなったペニスを体にねじ込む。  
「いくよ・・・」  
そのときだった・・・ユカはここですんなりいくようなタマじゃない。  
「んんんんんんんっ・・・!!真澄、痛いぞ真澄!!」  
初めて男が入る股間から感じる鈍痛、−いや、ユカにとっては激痛−と出血という突然の事態に  
対してユカはのたうち回った。  
(ぶはははは・・・湯川はん、あんた最高)  
ゴスロリはその痴態に無声で笑ってしまった。  
 
「ろすとばーじん」その7  
「大丈夫?・・・っていうか、声大きい」  
痛い痛いと泣き叫ぶユカに対して、真澄はいつものクールさを取り戻した。  
「痛かったってもんじゃないぞ。今、血出ていたんだから。」  
「・・・次からは、痛くないよ。それに、すぐに痛みは治まるから」  
「本当か?本当・・・嘘だったらっ・・・承知っ・・・しないんだから・・・な・・・んんっ・・・」  
真澄は、結合したままの状態で暴れ出したユカの体を押さえ、体を密着させるとそのまま動かずに  
慰めの言葉をささやく。そしてしばらくの間、二人が固く抱き合ったままにしておくと泣き叫んでいた  
はずのユカも股間の痛みは消え、再び、真澄を求め始めた。  
「じゃぁ・・・もう一度動き始めるよ。」  
「うん・・・」  
(二人とも、ナニええ感じになっとんねん・・・)  
改めて、お互いを求め合い始めた二人の言葉を聞き、ゴスロリの方は羨望と嫉妬、そして  
自分の情けなさがない交ぜになった感情を抱きながら、さりとて、興味故に止める気にも  
ならず、ただその姿を想像しながら、己の乳首と性器をさわるほかなかった。  
「はぁ・・・はぁ・・・はぉぅっ・・・あぁ・・・・」  
「あん・・・やぁっ・・・あんっ・・・あぁん・・・」  
(ナニしとる声聞いとったら、うちのメコも固ぉなって来ltうはった・・・)  
ユカと真澄が扉の向こうで愛し合う声にますます敏感になってきたゴスロリは、二人の愛の合唱を  
BGMに自らを慰め始めた。  
「あぁん・・・あぁ・・・あぁ・・・っ・・・かぁ・・・やぁん・・・」  
(あっ・・・あっ・・・うぅん)「・・・あぁ・・・何、ナニしとんねん・・・」  
真澄に抱かれるユカの声が感情とともに、高ぶってくると、扉の向こうで同じ少年に抱かれる  
姿を想像して自慰にふけるゴスロリの方も押し殺していたはずの声を出してしまっていた。  
 
「あんっ・・・あぁん・・・あ・・・あ・・・はっ・・・やぁ・・・」  
(あんっ・・・あぁん・・・あ・・・あ・・・はっ・・・やぁ・・・)  
ユカとゴスロリのあえぎ声は、偶然の一致か、それとも意図的な物か次第に同調しだし、体育倉庫の  
中で、まるでユカのあえぎ声がこだまして居るように聞こえた。そしてその淫らな響きがユカの羞恥心  
をさらにかき立てる。そしてその羞恥心が駆り立てる快楽は淫声が響いているように聞こえる理由を  
考えさせることを放棄させ、初めてであるはずの二人をいとも簡単に絶頂へと導き出そうとしていた。  
 
「あぁ・・・ぁあ・・・きやぁぁっ・・・いやっ・・・ユカは・・・もう・・・」  
「おぉっ・・・うぁっ・・・むはぁっ!・・・俺も・・・なんかっぁぁぁぁっ・・・!」  
「あぁ・・・ぁあ・・・きやぁぁっ・・・やぁぁぁぁ・・・真澄・・・真澄はぁぁぁぁん!」  
 
そして、体育倉庫の中で愛し合っていた二人と、盗み聞きと称して自慰にふけっていた一人は  
ほぼ同時に、絶頂を迎える。  
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・なんか、別の声が聞こえなかった?」  
絶頂の心地よい虚脱感を味わった後で、ゆっくりと自分の膣から真澄のペニスを抜いた時、  
ようやく気づいた別の声に対して、ユカは疑問を持ち始めていた。  
「まさか・・・ゴスロリ?」  
その声の正体はユカ自身もよく知っている人物の声である。そして、ユカと真澄が体育倉庫から  
出てきたとき、扉の前を愛液でぬらしていた黒服の少女はこういった。  
「あんた・・・何ナニしとねん。」  
「って・・・いつの間にいたの?」  
すかさず帰ってきたその質問に対してゴスロリは、こう言葉を続けた。  
「オメコに真澄はんのあれが入ったところからは、全部聞いとった。で・・・真澄はんの名誉も  
あるさけ、今回のことは無かったことにしたる。けど、次ん時は、うちも混ぜてぇな。」  
 
一部始終を聞いた彼女の寝取り予告、それが答えだった。  
 

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