女子刑務所内の消灯時間は早い。
私は布団にもぐりながらもなかなか寝付けないでいた。明日も早い…無理に目をつぶっていると、突然誰かに口をふさがれた。
「んん!?」慌てて目をあけると、目の前にめぐみのいたずらっぽい顔。
「めぐみ…」口をふさいでいたのは刑務所内で知り合っためぐみの唇だった。
気が合う仲間の関係からお互い恋愛感情を抱くようになるまで時間はかからなかった。
「松子…」
めぐみが布団をめくり、そのまま私の体の上に覆いかぶさってくる。
「駄目だよ…めぐみ…」布団をなおそうとする私の手をつかみ、めぐみが再びキスをしてくる。
温かい…人のぬくもりがこんなにも心地いい。
首筋を舐めあげられ、思わず声があがる。
「シッ…気付かれるよ」
私は頷き、自分の手で口元を隠した。
服の中に入れられた手がもぞもぞと這うたびに、体がビクビク動いてしまう。
胸をゆるやかに揉まれて、私は顔が紅潮していくのを感じた。
「ふ…っ…ん…」
乳首をなぞる指のもどかしさに、腰が自然と浮く。
「松子…可愛いよ…」
髪を撫でるめぐみの手の優しさに、思わず涙が出そうになる。
「めぐみ…愛してる…」めぐみの頬に手を当てると、めぐみもあたしも愛してるとつぶやいた。
ここを出る日はいつかやってくる。それはめぐみとの別れを意味している。
それでもいい。今は、今だけはめぐみとの愛を育ませて…。
私はもう二度と祈ることはないだろうと思っていた神に最後の祈りを捧げた…。