「あ、摩央おねーちゃんだ。おーい」  
 
 体操着で校舎の外へ飛び出してきた菜々は、三階の窓際に良く見知った顔を見かけて声を上げた。  
 
「あ、水澤先輩も気づいてくれたね」  
「うん。摩央おねーちゃーん」  
 
 ぶんぶんと大きく腕を振る菜々に、開け放たれた窓の桟に身体を寄せながら、摩央は笑顔で小さく  
手を振り返す。  
 
「あのねー、私たち次、バドミントンなのー」  
 
 遠目ではよく判らなかったが、摩央の口元が小さく動いたのが見えて、菜々は一層強く腕を振る。  
隣では何だか楽しくなってきたらしいなるみも、いつの間にか一緒になって腕を振り始めていた。  
 
「摩央おねーちゃんは次、なぁにー?」  
 
 菜々の問いに、一瞬だけ怯んだように肩を反らせながらも、  
 
「……現国っ、よ」  
「わぁ、川田先生だよー」  
「いいなぁ、川田先生優しいから好きー」  
 
 ねー、と顔を見合わせてにっこり笑い合う二人をよそに、摩央は窓の桟を掴んでいた片方の手を、  
血の気が失せるほどに力を込める。  
 
「じゃあ、私たち行くねー」  
「気をっ! つけるの、よっ」  
 
 妙な抑揚を付けた摩央の声にも、遠すぎるせいか特に気づくことはなく、二人はきゃっきゃとはし  
ゃぎながらその場を離れていく。  
 その後ろ姿を見送るように、じっと窓の桟に寄りかかったまま手を振っていた摩央だったが、  
 
「――く、フっ」  
 
 空気がかすかに漏れ出たような声。  
 そして、笑顔が張り付いたままの摩央の唇の端から、つぅっ、と唾液が三階から地面へと長い糸を  
引いた。  
 
 
「……ねぇ。なんか水澤先輩、顔赤くなかった?」  
「えー、遠くて判んなかったよぉ」  
「んー、気のせいかなぁ」  
 
 小声で話す二人の声は当然、届いていない。それどころか、摩央は走り去る二人の姿すら既に見て  
はいなかった。  
 
「すごいや、摩央ねーちゃん。今イッたのにほとんど声出さなかったね」  
 
 窓に寄りかかる摩央のすぐ傍で、椅子に座っていた光一は感心したように言って微笑んだ。その手  
は、無遠慮にもスカートの下から差し込まれ、ショーツを履いていない摩央の下腹部をねちねちと弄  
っている。  
 
「我慢強くなったよねぇ。最初の頃なんかイク度に凄い声出しちゃって、ホント場所を選ぶのが大変だったんだよ」  
 
 思い出を楽しそうに語りながらも、指は絶えずクリトリスを繊細なタッチで弄り続ける。その度に、  
摩央はひくんひくんと全身を硬直させたり弛緩させたりの繰り返しで、首筋を流れる脂汗の量は尋常  
なものではなかった。  
 
「……聞いてる?」  
「ィひっ」  
 
 光一が不意に突き入れた指で、膣口の少し上辺りを強めにくじると、摩央はしゃっくりを伴ったよ  
うな微かな悲鳴を上げて、ゆっくりと顔を振り向かせる。  
 その表情は汗と涙と鼻水に唾液にまみれ、「おしゃれでカッコいい三年の水澤先輩」の姿は見る影  
も無い。  
 
「すごくキレイだよ、摩央ねーちゃん」  
 
 その表情を見て満足げに笑うと、光一はL字に曲げた指の腹で、摩央の最も弱い部分をかすらせる  
ように擦った。  
 
「ギい、ひっ!」  
 
 声帯がどうかしてしまったかのような奇妙な声を発し、摩央はぐしゃぐしゃの顔に凄まじいまでの  
色気の感じられる笑みを貼り付けながら、下腹部から滴る飛沫で床を濡らしていった。  
 
了  
 

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル