「ふう〜」  
栗生さんは一人、浮かない顔をして、ため息をついた。  
「どうしたの、栗生さん?浮かない顔して?」  
相原が声をかけると、栗生さんはさらにため息を一つついて相原を見た。  
「うん、実はね・・・・・・今月のお小遣いが、足りなくなっちゃって、ロジの餌代、どうしようかなって、悩んでたの。」  
ロジ・・・それは、この間、栗生さんが駅の裏で拾った猫。  
「へえ〜。あの几帳面な栗生さんでも、お小遣いが足りなくなることって、あるんだ。」  
どう見ても、無駄遣いするようなタイプには見えない。寄り道は決してしないし、買い食いなどもってのほかな彼女。  
「いったい何に使ったの?」  
相原が尋ねると、栗生さんは苦笑した。  
「う〜ん、ちょっとね・・・いろいろと。」  
彼女も女の子である。まあ、いろいろと事情があるんだろう。相原は、あえて突っ込んだことは聞かない。  
「大変だね〜」  
「う〜ん、どうすればいいかなあ?」  
相原も一緒になって考える。すると、相原は、何かを思いついたようだ。  
「そうだっ!こうすればいいんだよっ!」  
「何?何かいい方法でもあるの!?」  
「栗生さん、今から体育倉庫に行こう!」  
「えっ!?べ、別にいいけど・・・」  
栗生さんと相原は立ち上がって、一緒に体育倉庫へと急いだ。  
 
この場所に来ると、栗生さんはいつも赤面してしまう。  
あの学園祭での出来事を、つい思い出してしまうのだ。  
あのとき、マットの上で、二人は・・・・・・  
栗生さんにとっては、初めての、甘い思い出・・・  
 
今、あの時と同じ場所に、相原が、同じようにマットを敷いている。  
「ちょ、ちょっと相原君!何をするつもりなのよ!?」  
あのときと、まったく同じ。あの時は、あれから、二人きりの甘いひと時を味わった。  
また、同じことをしようと言うのか。あまりの恥ずかしさに、栗生さんは、顔を真っ赤にする。  
そもそも、これがロジの餌代と、何の関係があるのか?  
「さあ栗生さん!思う存分、投げてくれ!」  
あの時と、まったく同じ構図。その下心見え見えの内容に、栗生さんは少々呆れ気味。  
「あのねえ・・・キスがしたいなら、そう言えばいいじゃない。それに、ロジの餌と、何の関係があるのよ!?」  
そう言いながらも、栗生さんはマットの上に上がり込んだ。どうやら満更でもないらしい。  
相原は、そんな栗生さんを、優しく抱きしめる。栗生さんは、これに弱い。  
どういうわけか、相原に抱きしめられると、全身の力が抜けてしまう。しかも、栗生さんは、その状態が嫌いではないらしい。  
むしろ、好き。相原の抱擁、それは、栗生さんの、一番のお気に入りなのだ。  
そして、いつもならば、ここから甘い口づけへと移行する。  
 
だが、この日は違った。  
相原の手が、栗生さんを抱きしめつつ、彼女のスカートの中へと潜り込む。  
「きゃっ!」  
いつもと違うその動きに、栗生さんは思わず驚いて声を上げた。  
「ちょ、ちょっと、何するのよ!!!」  
抵抗したくても、力が出ない。相原に抱かれると、いつもこうなる。どうして?仮に他の男だったとしたら、容赦なく投げ飛ばしてやるのに。  
その間、相原の手は、彼女のショーツの中に入り込んでいる。今、彼女のお尻を、相原は、直に触っているのだ。  
「いやっ!そこは・・・ダメっ!」  
不意に、お尻の谷間から、前の方へと、手が滑り込んできた。いくらなんでも、この場所までは、許してはいない。  
でも、その彼が、相原である。どうしても、抵抗できない。  
「いや・・・あ・・・」  
くにっ。  
2本の指が、彼女の卑猥な亀裂を大きく左右に広げた。  
「ああっ!!!」  
栗生さんは思わず叫んだ。一番見られたくない、その場所を、相原は今、堂々と見ている。  
彼女にとっては、将来の旦那様にしか、見せてはいけない場所。  
そう、これは、相原の宣言なのだ。  
『僕は、栗生さんに、永遠の愛を誓います。』  
「ああ・・・相原くん・・・私・・・」  
自分でも、信じられない。  
彼女は今、相原の指を払いのけると、自分からその場所を、指で左右に広げて見せたのだ。  
彼女は、顔を真っ赤にして俯いて、何も言わない。  
でも、相原は確信した。  
これは、彼女のOKのサイン。彼女は、自分と交わることを、許してくれたのだ。  
その証拠に、彼女のその場所からは、濃厚な彼女の蜜が滲み出ている。  
相原と彼女が交わる際の、潤滑油の役目を果たす、蜜。  
彼女から、GOサインが出た。相原は何の躊躇いもなく、男気溢れる己の陽根を、その場所に突き立てた。  
 
一瞬。  
 
痺れるような疼きと共に、相原の陽根が、彼女の膜を引き裂いて、中に入り込んでいく。  
彼女の、まだ男を迎え入れたことのない膣が、一気に拡げられる。  
「はああっ!」  
その異様な感触に、栗生さんは思わず声を上げた。  
いきなり異物を入れられた、その異様な感触。でも・・・  
 
嫌いじゃ、ない。  
 
その感触を味わいながら、栗生さんはじっと相原の顔を見つめた。  
「私たち・・・一つになっちゃったね。」  
「うん・・・そうだね・」  
「わかってるのっ!?私が許してあげるのは・・・旦那様だけなんだから!」  
「栗生さん・・・」  
「絶対に、逃げたら許さないからねっ!!!」  
相原は答えない。その代わりに、栗生さんの唇を、己の唇で塞ぐ。  
「ん・・・・・・」  
あの時と同じ場所での、熱いキス。  
だが、一つだけ違う。それは・・・下でも、繋がっているということ。  
 
今、二人は、正真正銘の夫婦。  
もちろん、法や社会では、一度交わったからといって、それが即夫婦であるということにはならない。  
世の中には、夫婦だけではなく、いろいろな男女関係があるからだ。  
だから、これは、彼女のルール。例外は、一切認めない。  
私の将来の旦那様は、相原くんだけ。これが、彼女の絶対法。だから、彼女の中では、二人は夫婦なのだ。  
そして、二人が夫婦であることの、もう一つの証明。  
それは、今から、相原によって、彼女の胎内に作られる。  
「ぐっ!!!」  
相原の熱い陽根が、一瞬力むと、次第に小刻みに震え出した。  
相原は陽根を抜こうとはしない。しかも、避妊は、一切していない。  
次の瞬間、相原の陽根は、白い粘液を噴き出す。  
(あ・・・相・・・原・・・くん・・・)  
相原の射精。彼女は今、それを直接、膣の中で味わっている。  
 
今、二人は、お互いに永遠の愛を誓い合った。  
 
 
そして一年ほど時が過ぎ―――  
 
「いやあ、よかったよかった。」  
相原が笑うと、栗生さんが少しムッとした顔で答える。  
「何がよ?」  
「だって、ロジの餌代、何とかなったじゃないか。」  
すると相原は、にこっと笑って彼女の胸を擦った。  
「きゃっ!な、何よ!」  
「栗生さんの胸から、ロジの餌が自動供給・・・いててっ!」  
栗生さんは怒って、相原の頬をつねった。  
「笑い事じゃないでしょっ!どうするのよっ!赤ちゃんまで・・・産まれちゃったじゃないっ!」  
すると、相原はつねられた頬を押さえながら、そっと彼女に囁いた。  
「いいじゃないか。僕たち二人の・・・愛の証なんだからさ。これからも、大事に育てていこうよ。」  
そして相原は彼女の頬にキスをする。そんな相原に、彼女は思わずため息を漏らしてつぶやいた、  
「まったく、もう・・・・・・調子いいんだから・・・・・・」  
 
おしまい  
 

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