「はあ、はあ、はあ・・・」  
僕は廊下を音楽室に向かって走っていた。早くしないと、音楽の授業に遅れてしまう。  
そして、あそこを曲がれば音楽室というところまで来たその時・・・・・・  
「あっ!!!」  
たまたま、曲がり角の向こうから歩いてきた祇条さんと、ぶつかってしまった。  
「うわっ!」  
「きゃあっ!」  
僕と祇条さんは、もつれ合って倒れる。その時、うかつにも開きっぱなしだった僕のズボンのチャックから、名槍ポコティーンが飛び出た。  
(な・・・何だろう・・・すごく・・・気持ちいい・・・)  
僕の股間を包む、気持ちのよい違和感。我に返った僕は自分の股間を見下ろして驚愕した。  
祇条さんのスカートが大きくめくれ上がり、その下の彼女のショーツが、左にずれていた。  
そして、その彼女の顕わになった秘密の場所に、僕の名槍ポコティーンが、根元まで深々と突き刺さっている。  
「ひぎいいっ!!!」  
祇条さんは苦しそうな悲鳴を上げていた。まずいっ!早く抜かなければ!!!  
でも、まさか、こんな偶然に、彼女と繋がってしまうなんて・・・・・・  
「ご、ごめん!すぐ抜くから!」  
僕は急いで彼女の腰を掴んで抜こうとする。だが・・・・・・抜けない。あまりにも勢いよく入ってしまったので、抜こうとすると、途端に痛みが走る。  
しかも、彼女も未経験だったらしく、彼女の入り口は、とても狭かった。その狭い場所に、いきなり入ってしまったから、無理に抜こうとすると、名槍がちぎれそうに痛む。  
「いやあああああ・・・・・・」  
どうすればいいのだろう?といっても、答えは簡単。僕の名槍が、小さくなればいいのだ。そうすれば、簡単に抜けるようになる。  
でも、彼女の膣は、狭くて気持ちいい。これでは、射精をせずに萎えさせることなんて不可能。ということは、僕の名槍をしぼませるには、射精するしかないという事になる。  
(射精を・・・しろと言うのかっ!?)  
どうにもならない現実。こうなってしまったからには、もう、引き返せない・・・・・・  
僕は・・・心の中で彼女に繰り返し謝る。祇条さん、ごめん。  
びゅっ!びゅっ!びゅっ!  
僕の名槍ポコティーンが、ひどく濃い男のエキスの詰まった僕の精液を、彼女の子宮めがけて撃ち込む。  
それによって、僕の名槍は縮み、ようやく彼女から抜くことが出来た。  
でも、僕は・・・・・・取り返しのつかないことをしてしまった。  
 
彼女は泣いていた。それはそうだ。出会い頭にいきなり僕とぶつかってしまって、それだけではなく、あんなことにまでなってしまうなんて・・・  
「祇条さん・・・ごめん!僕を・・・気の済むようにしてくれ!」  
僕にはもはや、謝るしか手立てはなかった。もう・・・僕にも、どうにもならない。  
すると、彼女はじっと僕を見た。  
「・・・あ、あの・・・相原さん・・・お気に・・・なさらないで・・・下さい・・・」  
こんなときにも、彼女は僕を気遣ってくれる。彼女は優しい。でも、そんな彼女に、僕は取り返しのつかないことをしてしまったのだ。  
彼女の父親に処刑されても、文句は言えない。僕は何度も、彼女に頭を下げた。  
「中絶費用は、僕がバイトして返すから!!!」  
僕はそう謝る。だが、中絶はできても、彼女の心に残った傷跡は、一生消えない。でも、今の僕には、こうするしかない。  
「いえ、結構です!私なら・・・大丈夫ですから・・・」  
僕を気遣ってくれる優しい言葉にも、彼女の心の傷がちらほらと浮き出ている。  
「僕は・・・・・・」  
「・・・・・・それなら、一つだけ・・・・・・お願いがあります。」  
僕ははっとして彼女を見た。  
「これからも・・・・・・私の・・・話し相手になってくれますか?」  
こんなにも、彼女にひどい仕打ちをした僕に対する、彼女の暖かい言葉に、僕は思わず涙する。  
「は、はい・・・それなら、喜んで!」  
僕のその言葉を聞いて、彼女は微笑んだ。  
「よかった・・・それでは、これからもよろしくお願いしますね。」  
「は、はい・・・」  
僕と彼女は立ち上がり、自分の服装を整えると、そのままその場を立ち去る。  
「またね、祇条さん・・・」  
「はい。それではまた、相原さん・・・」  
別れ際に、彼女は僕の頬に軽くキスをした。  
祇条さん・・・・・・僕は・・・・・・  
 
その後、僕は彼女の話し相手として、いろいろな話をした。  
彼女のこと、そして、僕自身のこと・・・・・・  
知れば知るほど、彼女の魅力に、僕のほうがクラクラしてしまいそうになる。  
美しく、気高く、そして心優しい女性。こんなに素敵な女性は、きっと世界中探しても、どこにもいないだろう。  
そんなある日、僕は彼女を下校に誘ってみた。  
「ねえ祇条さん、一緒に帰らない?」  
「はい、よろしくお願いします。」  
そして、一緒に下校。その時、僕は彼女と一緒に、近所の公園までやってきた。  
昔懐かしいブランコや滑り台、砂場。どれもこれも、皆、小さいときによく遊んだ、思い出の場所。  
僕たちの話題は、自然とそれらの小さい頃の遊びになる。  
「私、実はこういう遊びをしたことがないんです・・・」  
「えっ?そうなの?」  
「はい、泥だらけになって、汚れるからいけないって・・・」  
「そうなんだ・・・・・・そうだ!子供が出来たら、こういう遊びをさせるといいよ。」  
「そ、そうですね・・・・・・あの、相原さん・・・・・・」  
このとき僕は気づいた。彼女の眼が、尋常じゃない輝きをしている。それはまさしく、獲物を狙う猛獣の眼。  
しかも顔もほんのり赤くなっている。そんな眼で、うっとりしたように僕を見つめる。  
そして彼女は、そっと自分のお腹をさすった。その仕草に、一瞬、僕は身を引いた。  
「あら、どうなさったんですか相原さん!?」  
「は・・・ははは・・・」  
僕はもう、笑って誤魔化すしかない。それにしても、彼女・・・・・・中絶してないのかな?  
・・・・・・まあ、まだあれから日も浅いから、まだ妊娠しているかどうかもわからないのだろう。でも・・・・・・  
自分が言った言葉に、まさか自分が冷や汗をかくなんて・・・・・・  
 
 
それから少し経って、また彼女と一緒に帰る機会があった。  
「あ・・・雨・・・」  
ちょうどきびな池に差し掛かった辺りで、急に雨が降ってきた。  
悪いことに、二人とも傘を持ってない。  
「祇条さん!雨宿りをしよう!」  
僕は彼女と一緒に大きな木陰で雨宿りをする。さすがにこの木は大きくて、上の枝も大きいので、雨は当たらない。  
でも、彼女の屋敷までは、まだ少し歩かなければならない。自然と、この間はずっと二人きりになる。  
「相原さん・・・・・・」  
彼女は寄り添うように、僕にもたれかかってくる。そんな彼女の体温が、僕の半そでの腕から、直に伝わってくる。  
その彼女の、あまりに可憐な柔らかさに、僕はもはや我慢が出来なかった。  
「あ・・・・・・」  
僕は彼女を抱き寄せ、一瞬にして彼女の唇を奪った。  
「んん・・・・・・」  
そして、僕は彼女のスカートを捲くり上げ、彼女のショーツをそっと横にずらす。  
「・・・・・・。」  
唇を離した彼女は、その僕の様子をじっと見つめていた。怒った様子はない。実際に、彼女はまったく抵抗しなかった。  
むしろ、僕を信頼しきって、僕に全てを任せてくれているみたいだ。  
それならば・・・・・・僕は、ズボンのチャックを開け、中から自慢の名槍ポコティーンを取り出す。  
それをそのまま彼女のちょっとエッチなアソコにピタッと当てると、僕はそのまま腰をぐいっと押し込んだ。  
「んんんっ!ふあああああっ!!!」  
彼女は僕にしっかりとしがみつきながら、僕の耳元で悲鳴を上げた。それは、紛れもなく、僕を感じてくれている証拠。  
ねっとりと纏わり付くような、彼女の膣の感触・・・・・・それは、あの、音楽室前の廊下での出来事のときと、寸分変わらない。  
でも、あの思い出は、気持ちよかったと同時に、僕にとっては辛い思い出となってしまった。  
あの時は、不本意ながら、中に出さざるを得なかった。今度こそは・・・・・・出る前に抜こう。  
相変わらず、彼女の膣は、僕に痺れるような快感を提供してくれる。やはり、射精しないと、僕の名槍が萎えることはないだろう。  
でも、今度は大丈夫。あの時は抜けなかったけど、今度は彼女のアソコはちゃんとほぐれているし、きちんと濡れているので、ギンギンに勃った状態でも抜けるだろう。  
僕は抜くために、彼女のくびれた腰を両手で押さえた。だが、その瞬間、彼女は僕の両肩をしっかりと掴み、そして両足を持ち上げ、  
僕の腰の後ろに両足を回して、ぎゅっと抱きついた。  
「ちょ、こ、これじゃ・・・抜けな・・・ああ・・・」  
渾身の力で、彼女は両足に力を込める。そのため、僕は・・・・・・結局抜くことができなかった。  
「んんんんんんんんんんんんんっ!!!」  
彼女は眼を閉じて、ぎゅっと歯を食いしばった。そして、彼女は、再び僕の射精を、自分の子宮で受け止める・・・・・・  
 
「はあ、はあ、はあ・・・ごめん祇条さん。僕は・・・・・・我慢できなかったんだ・・・」  
僕が謝ると、彼女は首を左右に振って答えた。  
「謝らないで・・・下さい。相原さん・・・実は・・・私も、我慢が出来なかったんです。」  
僕は一瞬驚いた。まさか、彼女の方から・・・・・・僕を受け入れてくれるなんて・・・・・・  
「うふふ。これで、私も・・・同罪ですね。」  
彼女はそう言って、にこっと微笑んだ。  
「祇条さん・・・・・・」  
「そんな顔、なさらないで下さい。今回は、私のほうが望んだのですから。」  
あの時、出会い頭にやってしまったことに対する僕の心の傷を、どう償っても償いきれないことに対する僕の深い悲しみを、彼女はきちんと理解してくれていたのだ。  
「あっ、雨も上がったみたいですよ。」  
「そうだね。それじゃ、帰ろうか。」  
「はい。」  
彼女は一瞬、暗い表情になった。僕には、その意味がわからなかった。  
そう、あの悲しい知らせを、彼女自身の口から聞くまでは・・・・・・  
 
それから少し経ったある放課後の屋上。  
 
僕はその知らせに、愕然としていた。  
「ごめんなさい」  
祇条さんは泣いていた。信じられなかった。まさか・・・・・・彼女に、婚約者がいたなんて・・・・・・  
しかも、その相手は名門の御曹司で、大学生。彼女とは、まだ会ったことがないらしい。  
「それで・・・・・・今度の学園祭のすぐ後に、婚約式が行われて、そこでいよいよ対面するそうです・・・」  
「いやだっ!そんなのいやだ!!!」  
「相原さん!?」  
僕はだだっ子のように、祇条さんにぎゅっと抱きついた。  
「僕を・・・僕を、こんなに・・・好きにさせといて・・・こんなのひどいよ!」  
僕は・・・・・・泣いていた。こんなに・・・好きになったのに・・・  
「相原さん・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」  
僕の胸で、ひたすら謝罪を繰り返す祇条さん。でも、親の決めた婚約者。彼女が名門の生まれである以上、それは絶対なのだ。  
僕はこれほど、己の運命というものを呪ったことはない。他の誰よりも、僕は、祇条さんが好きなのだ。  
「祇条さん・・・僕とは、遊びだったの?」  
「違います!決してそんなことはありません!・・・私だって・・・・・・でも、親の決めたことには・・・」  
僕は、どうすればいいのだろう・・・・・・  
僕は・・・・・・  
 
そして迎えた学園祭。  
この学園祭が終われば、祇条さんはいよいよ、婚約者と対面することになる。  
その時が、刻一刻と迫るたびに、僕の胸が、張り裂けそうになるほど痛む。  
このまま終わりなんて、絶対に嫌だ!  
「祇条さん・・・・・・」  
僕は学園祭の後夜祭の後、彼女と一緒に帰る。そして、あの、雨宿りを一緒にした木の手前で、僕は立ち止まった。  
「祇条さん!もし、君も僕を好きなら、僕のところに来て!」  
「相原さん!?」  
「僕は、ずっと、ここで待ってるから・・・」  
祇条さんは困ったような顔をした。やがて、彼女は身を翻し、屋敷の方へと歩いていく。  
祇条さん・・・このまま別れることになったとしても、僕は・・・・・・君のことを、ずっと好きでいるから。  
 
小一時間。  
僕が待った時間は、たったそれだけだった。  
彼女は僕のところに来た。その瞬間、僕の心に、まるでたくさんの花が咲いたみたいになった。  
「破談になってしまいました。」  
彼女はそれだけ言うと、僕の胸に顔を埋めた。  
「祇条さん・・・」  
「私も・・・あなたを・・・好き・・・」  
僕はそのまま、ぎゅっと彼女を抱きしめた。もう、二度と離さない。  
「祇条さん・・・今から、君のことを・・・深月って呼んでいい?」  
「はい・・・・・・ご主人様・・・・・・?」  
 
「ところで・・・・・・どうして破談になっちゃったの?」  
僕はその場で、ふと深月に聞いてみた。  
「はい、それは・・・・・・私、お父様の前で言っちゃったんです。『相原さんの子供を、身篭った』って。」  
「ええええっ!?」  
僕は思わず驚いた。そ、そんな、まさか・・・妊娠?  
「うふふ。それはまだわかりませんよ。だって、私たち、出逢ってから、まだ一月ほどしか経ってないんですから。」  
「そ、それはそうだけど・・・・・・これはまた随分と大胆な・・・・・・」  
「ふふふ。恋する女の子は、いざというときには、男の人よりも大胆な行動を取ることがあるんですよ♪」  
僕は今更ながら、女の子の・・・というか深月の真の怖さを知った・・・気がする。  
 
ようやく深月のお父さんの怒りが収まってきた春の日。  
僕と深月は、今日も一緒に仲良く手を繋いで、学校に通う。  
「深月、今日も、いい朝だね。」  
「はい、ご主人様。」  
「君の笑顔も、今日も眩しいよ。」  
「まあ、ご主人様ったら・・・(ぽっ)」  
周りの人も羨むような、僕と深月の仲。だが、最近、気になることがある。  
 
深月・・・・・・最近、お腹、大きくなってない?  
 
おしまい  
 

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