「もう、お兄ちゃんから卒業しないと…」  
学園祭の日。僕と菜々はお互いの想いを伝えあった。菜々は僕の事が異性として好きだという事を伝え、僕は一時期に菜々を異性として見ていたという事を伝えた。  
「もう一度、デコちゅ〜して…」  
お互いの想いを伝えあった後で、僕は菜々のおでこに優しくキスをした。こうしてデコちゅ〜するのは、久々の様な気がする。  
「…帰るか」  
「うん…」  
そうは言ったものの、しばらくは夕暮れの屋上から動く事が出来なかった。  
「菜々…」  
「お兄ちゃん…」  
僕は何度も何度もデコちゅ〜をした。菜々の気が済むまで、何度も…  
「…大好き」  
何度目かのデコちゅ〜が終わる頃には、夕暮れだった屋上は闇に包まれていた。  
「…帰るぞ」  
「うん…」  
そして僕らは屋上を後にした。お互いの手を強く、握り締めたままで…  
 
「はぁ…」  
家に帰ると「遅い!」と母さんにひどく怒られた。僕と菜々は、お互いの顔を見て笑った。母さんはそんな僕らを見てさらに怒ったけど、しっかりと握られた僕らの手を見て微笑み「夕飯出来てるわよ」と台所へと向かって行った。  
「菜々…」  
夕飯を食べ終え、僕は自室で一人考え事をしていた。  
(菜々は、僕の事をはっきりと『大好き』だと言ってくれた。けど、僕は…)  
気付けば菜々の部屋の前に来ていた。  
「菜々、ちょっといいか?…入るぞ」  
「お兄ちゃん…」  
部屋に入ると、菜々はお気に入りのトカゲ?のぬいぐるみに抱きついて座っていた。  
「ど、どうしたの?」  
目が赤い。どうやらずっと泣いていた様だ。  
「菜々…」  
「お兄…ん!」  
だけど、今したのはデコちゅ〜じゃない。  
「ん…」  
口と口を重ね合わせる、本物のキス。  
「…落ち着いたか?」  
「う、うん…」  
唇を離し、菜々の頭を擦ってやる。菜々の顔は真っ赤に染まっていた。  
 
「お兄ちゃん…その、お願いがあるの」  
菜々はしばらく悩んでいたようだが、覚悟が出来たのかその小さな口を開いて、言った。  
「ちょっと待った」  
「え?」  
だが僕はそれを制し、菜々の正面に座る。  
「…先に僕の話を聞いてくれないか?」  
「うん…」  
突然の出来事に、戸惑いながらも返事をする菜々。  
「菜々は、僕の事をはっきりと好きだって言ってくれた。だけど、僕は…」  
「あ…」  
言いかけて、菜々の変化に気付く。今にも泣きそうだった。  
「あ、いや、そういう意味じゃないぞ?」  
「…え?」  
僕の一言に、菜々は驚きながらも安堵の表情を浮かべた。  
「菜々ははっきり好きだって言ってくれたのに、僕は自分の素直な気持ちを伝えてないなと思ってさ」  
少し照れ臭くなり、目をそらし、続ける。  
「それって…」  
菜々の顔が見る見るうちに明るくなっていく。  
「僕は、菜々の事が好きだ…と思う」  
「思う?」  
僕の中途半端な返事に、菜々がオウム返しに聞いてくる。  
「確かに成長した菜々にドキドキした事もあった。けどそれは、単なる戸惑いだと思ってた。でも…」  
これ以上言えば、きっと僕らは元の兄妹に戻れない。だけど、それでもいい。僕は、菜々の事が…  
「今日菜々が僕から卒業するって言った時、すごく切なくなったんだ。多分それは…菜々を、愛してるからだと思う」  
「お兄ちゃん…」  
お互いの心臓の音が聞こえてきそうな程の沈黙。破ったのは菜々だった。  
「お兄ちゃん、さっき言いかけた事だけど…その、お願いがあるの」  
そう言ってゆっくりと近付いてくる菜々。  
「菜々、お兄ちゃんから卒業する前に、お兄ちゃんの証が欲しいの…」  
菜々の顔が紅くなる。まるで今日二人で見た夕日のように…  
 
「証…?」  
「お兄ちゃん、私を…私を大人の女の人にして!お兄ちゃんの手で…」  
顔は赤いが、目は不安からか潤んでいた。  
「菜々…いいのか?今僕にそんな事言うと本当にやりかねないぞ?」  
「うん…!」  
が、そんな菜々の目も僕の一言で一気に輝きを取り戻した。  
「菜々…」  
「お兄…ん…」  
今度のキスはデコちゅ〜でも本物のキスでもない。  
「ん…!」  
お互いの舌を絡め合う、大人のキス。  
「ん…んちゅ…」  
最初は戸惑ってた菜々だけど、段々と自分から僕の舌に舌を絡めてくるようになった  
「んむ…くちゅ…」  
お互いの唾液が混ざり合い双方の口内を満たす。その中を這う二人の舌が、くちゅくちゅといやらしい音を立てた。  
「んん…ぷはぁ…」  
唇を話すと、まるでキスを止める事を惜しむかのように二人の間を唾液の線が伝っていた。  
「服、脱がすぞ…?」  
「う、うん…」  
そう言って、菜々の上着に手をかける。そしてそのままゆっくりと脱がしていった。  
「お兄ちゃん…ドキドキするよぉ…」  
顔を真っ赤にして恥ずかしがる菜々。その美しい体は昔と比べずいぶん…  
「菜々、お前相変わらず胸ないなぁ…」  
ずいぶん…成長したか?  
「むぅ〜!胸の話はいいんだもん!菜々だっていつか川田先生みたくなるんだもん!」  
真っ赤な顔のままで、ぷぅ〜っと頬を膨らませ怒る菜々。そんな菜々が愛おしいと思うんだよな、僕は…  
「もう、せっかくのいいムードが台無しだよぉ…」  
と、菜々はすぐに悲しみの表情を浮かべる。こうやってコロコロ表情が変わる所もまた、可愛いんだよな。  
「ははは、ごめんごめん」  
「菜々怒ったんだから!もう許さな…ん…」  
もう少し菜々の色んな表情を見ていたかったが、そういう訳にもいかないので口を塞いだ。  
「…ごめんな」  
「…うん」  
一度やって見たかったんだよな、こういう事。  
 
「胸なんかなくても、菜々は十分可愛いよ…」  
「本当?」  
「ああ、もちろん」  
「エヘヘ…ありがと、お兄ちゃん♪」  
すっかり機嫌を直し、本当に嬉しそうに笑う菜々。  
「可愛いよ、菜々の胸…」  
「んんっ…!」  
小さな双丘に手を添え、優しく揉みほぐすと、菜々の口から可愛らしい喘ぎ声が洩れた。  
「どうだ?」  
「あん…なんか、くすぐったいような…」  
笑いながら答える菜々。まだまだ発展途上のその体には、胸への愛撫もくすぐったさが気持ち良さを上回る程度のものらしい。  
「そっか。でも…」  
揉んでいる手に、何かが当たっている。  
「乳首、起ってるぞ?」  
手の下では、ピンク色の可愛い乳首がピンっと張っていた。  
「うう…恥ずかしいよ、お兄ちゃん…」  
手で顔を覆う菜々。自分の身体の変化について言われる事が恥ずかしいらしい。  
「顔隠すなよ、菜々の顔見ながらしたいんだから…」  
「ご、ごめんね」  
慌てて退けた手の下には、朱色に染まった菜々の顔があった。  
「ほら、乳首いじられると気持ち良いだろ?」  
「あっ…ん…!」  
揉んでいた手を止め、乳首を摘みこね回すと、菜々の表情が少しだけ快楽に歪んだ。  
「菜々は乳首いじられるのが好きなのか…」  
「そんな事ないもん…ひゃぁっ!」  
右手はそのままに、左手を離し乳首にしゃぶりつくと菜々が声を荒げる。  
「ちゅ…んむ…」  
「あっ…ああっ…ダメ、お兄ちゃ…ひゃん!」  
舌でカチカチに固まった乳首を転がす度、菜々から洩れる声が色っぽくなっていく。  
「んちゅ…ぷはぁ…」  
その後もしばらく胸を責め続け、僕が満足した頃には菜々の小さな胸は僕の唾液でベトベトだった。  
 
「は…あぁん…お、お兄ちゃぁん…」  
「まだまだ、これからが本番だぞ?」  
そう言って半ば虚ろな目をしている菜々に軽く口付けをし、半ズボンに手をかける。  
「あっ、そこは…」  
恥ずかしそうな声をあげる菜々。だが、もう顔は隠さなかった。  
「菜々…お前、毛、生えてなかったんだな…」  
半ズボンを下ろした時に下着も一緒に脱げてしまったらしい。愛液で照り輝く無毛の秘所が姿を現した。  
「そんな恥ずかしい事、言わないでよぉ…」  
毛が生えてない事に劣等感を抱いていたのか、菜々の目が涙目になる。  
「ったく、そのぐらいで泣くなよ…」  
「あぁっ…!」  
だか、そのまだ男を知らない秘所の割れ目を、愛液を拭き取るかのように下から上へとなぞってやると、菜々は途端に泣きやみ甘い息を洩らした。  
「可愛いよ、菜々…」  
「あっ…ひゃっ…ぁあ…んあぁ…!」  
初めて触る、男のそれとは違う女性の性器。なぞる度に愛液が溢れ出て、菜々が可愛らしく喘ぐ。  
「こんなに愛液垂らして…指、ふやけそうだよ」  
「やぁん…ひぃ!」  
初めはなぞるだけだった指を、少しづつ膣へと侵入させていく。菜々の膣は想像以上に熱かった。  
「こっちもこんなにしちゃって…そんなに気持ち良いのか?」  
そう言って、空いている方の手で秘所の上、ちょこんと顔を出したクリトリスを摘む。  
「んあぁぁぁっ!!」  
突然の強い刺激に、菜々が悲鳴に近い声を上げた。  
「ダメぇ!そこは、そこは…あぅっ!」  
どうやらクリトリスへの責めはかなり効くらしい。秘所から溢れ出る愛液の量が先程よりも増えた。  
「ちゅっ…」  
「いやぁっ!ダメだよぉ、汚いよぉ!お兄ちゃ…あふぅっ…!」  
指だけでは我慢出来なくなり、気付けば舌を這わせていた。菜々が困惑した様子で悶えていた。  
「菜々の愛液…」  
止まる事を知らないかのように溢れる愛液…  
「菜々のクリトリス…」  
真っ赤に充血した、可愛らしい陰核…  
「みんな可愛いよ。大好きだ…」  
「ああっ!ひっ!ふぁっ…あんっ!お兄ちゃ…あっ…菜々、おかしくなっちゃ…んあぁぁあぁっ!」  
秘所とクリトリスの二点責めに耐えられなくなった菜々が、小さな体を痙攣させて絶頂を迎えた。  
 
「はぁ…はぁ…お兄…ちゃぁん…はぁ…」  
生まれて初めての絶頂に、息絶え絶えな菜々が虚ろな目でこっちを見る。  
「お兄ちゃん…そこ、苦しそう…」  
「え?あ、これは…」  
菜々の視線の指す方を見てみると、ズボンの下で暴れている僕の息子があった。  
「今度は菜々の番。菜々がお兄ちゃんを気持ち良くさせてあげる…」  
裸のまま膝立ちになり、僕のズボンのジッパーを静かに下ろしていく菜々。やがて全て開けられ、ギンギンに膨張した僕のペニスが姿を現した。  
「うわぁ、すごい…」  
初めて見る男の性器に、菜々は驚きのあまり声を失っていた。  
「…よし!」  
だが、しばらくして決心がついたのか、おずおずとペニスに手を沿える菜々。  
「うっ…」  
柔らかな菜々の手の感触にビクンっと体が反応してしまう。  
「固い…それにすごく熱いよ、お兄ちゃん…」  
しばらくはただ触るだけだったが、徐々に掴んでいる手を上下し始めた。  
「くっ…菜々、お前どこでこんなの覚えたんだ?」  
「前にお兄ちゃんがこうしてる所、見たから…」  
「う…」  
まさか、よりによって菜々見られてたとはな…  
「はむっ!」  
「うわ…っ!」  
そんな事を考えていると、突如菜々が僕のペニスをくわえた。  
「んむ…ん…じゅる…」  
そしてそのまままるでアイスキャンディをしゃぶるかのように一生懸命奉仕する菜々。柔らかく暖かい口内の感触が伝わってくる。  
「ああ…菜々、気持ち良いよ…」  
「ほんろ?うれひい…んぐっ…むちゅ…」  
最初はただ顔を前後に動かしているだけだった菜々だが、僕に「気持ち良い」と言われたのがよっぽど嬉しかったらしく、舌を絡めるようにして奉仕を続けた。  
「くっ…菜々っ!」  
「んんーっ!」  
そんな菜々の、初めてだとは思えない怒涛のフェラに耐えきれなくなり、口の中に思い切り射精してしまった。  
「だ、大丈夫か菜々?ごめんな、何も言わないで出しちゃって…」  
「らいほうぶ。そへよひ…にがひんらけろ、これ」  
開かれた口の中は、大量の白濁液で満ちていた。  
「無理して飲まなくていいぞ?いやならぺってしな、ほら」  
そう言ってティッシュペーパーを2,3枚菜々に差し出す。菜々が口から大量の白濁液をティッシュに吐き出した。  
「ううっ…口の中、まだ苦いよぉ…」  
「ホント、ごめんな…」  
「うぅっ…大丈夫だよ、もう…」  
泣きじゃくる菜々をなだめるのに、少々時間を喰ってしまった。  
「じゃあ…入れるぞ?」  
「う、うん…」  
菜々の顔に不安の色が浮かぶ。いくら相手が僕だと言っても、初めてはやはり怖いらしい。  
「安心しろ、ゆっくり入れるから…」  
そんな不安を少しでも減らそうと、優しく菜々に言い聞かせる。  
「ホント?」  
「ああ、僕を信じろ」  
「うん…」  
多少不安が無くなった菜々の上に、静かに重なる。  
 
「じゃあ…入れるぞ?」  
「う、うん…」  
菜々の顔に不安の色が浮かぶ。いくら相手が僕だと言っても、初めてはやはり怖いらしい。  
「安心しろ、ゆっくり入れるから…」  
そんな不安を少しでも減らそうと、優しく菜々に言い聞かせる。  
「ホント?」  
「ああ、僕を信じろ」  
「うん…」  
多少不安が無くなった菜々の上に、静かに重なる。  
「じゃあ、いくよ…」  
まだ汚れを知らない菜々の秘所にペニスを当て、挿入しようとするが  
「あ、あれ?」  
入り口付近のぬるぬるした愛液に阻まれ、中々入っていかない。  
「ひゃん!」  
その度に僕のペニスが菜々の割れ目を擦り、菜々が声を上げた。  
「お兄ちゃん…大丈夫?」  
仕舞いには菜々に心配される始末。情けない…  
「だ、大丈夫!段々わかってきたから…」  
それでもめげずに何度も挑戦し、失敗したお陰で、ようやくどうすれば挿入出来るかわかってきた。  
「よし、いく…ぞ!」  
力強く腰を前に突き出す。  
「ひぎいっ…!」  
メリッと嫌な音がして、菜々の表情が苦痛に歪んだ。  
「い、痛いよ、お兄ちゃん…ひぐぅっ!」  
「だ、大丈夫か、菜々?」  
あまりにも痛そうにするので、逆にこちらが慌ててしまった。  
「ひぃっ…!ぐすっ…痛…いよぉ…あぎぃっ!」  
痛さのあまり、涙を流す菜々。僕はどうしていいか分からなかった。  
(とりあえず泣きやませないと…)  
どうすればいいか考えた。そして思い付いたのが  
「菜々…」  
「ひっく…あ、デコちゅ〜だぁ…」  
本物のキスでも大人のキスでもない、幼い頃中々泣きやまない菜々のためにいつもしてあげてたもの…デコちゅ〜だった。  
「…まだ痛いか?」  
「大丈夫だよ、お兄ちゃんがデコちゅ〜してくれたから…」  
そう言って微笑む菜々。やっぱりデコちゅ〜は良く効くな。  
「じゃあ、動くからな…」  
そんな菜々を見て安心した僕は、少しづつ腰を動かし始めた。  
 
「ひゃっ…あぐ…あっ…」  
動き始めると菜々の顔はまた苦痛に歪んだが、先程ほどではなかった。  
「ああ…すごいよ菜々…菜々の膣、ビクンビクン波打って…」  
一方僕は、初めて女性の中に入った喜びと想像以上の気持ち良さで、何も考えられなくなっていた。  
「お、お兄…ちゃん!あっ…あひぃっ!」  
「菜々…菜々っ!」  
気付けば菜々への労りなど忘れ、欲望に身をまかせ激しく腰を打ち付けていた。  
「ああっ…いやっ…なんか変…なんか変だよぉ!お兄ちゃん!」  
「イクのか?イクんだな、菜々!僕も、もう…!」  
僕の下半身は既に限界に達していた。熱くたぎったモノが、今か今かと射精の時を待っている。  
「お兄ちゃんっ!頭が…頭が真っ白にぃ…あひぃ!」  
「大丈夫、僕が側にいるから、だから…イッちゃえ、菜々っ!」  
そう言いながら深く腰を突き出す。それが最後の一突きとなった。  
「お兄ちゃ…お、おにいちゃ…あっ!ああっ…ああぁぁぁぁぁーっ!!」  
悲鳴に近い声を上げながら思い切り体をのけ反らせ、絶頂を迎える菜々。  
「うっ…な、菜々っ!」  
その瞬間、菜々の膣が僕のペニスを喰い千切ろうとするかのような勢いで締め付け、僕は下半身に滞っていた精を一気に菜々の膣に放出した。  
「くぅ…な、菜々…」  
まだピクピクと痙攣している菜々からペニスを引き抜くと、菜々の膣から精液と体液が混ざった、ピンク色の液体が溢れた。  
「菜々、大丈夫か?」  
ピンク色の正体、それは考えるまでもなかった。だが僕は不謹慎な事に、その破瓜の血と二人の液…赤と白のコントラストに心奪われていた。  
「はぁ…はぁ…お…にい…ちゃん…」  
そのためか、僕は菜々の異変に気付くことが出来なかった。  
「菜々…?菜々っ!」  
性交の余韻に浸っていた僕の横で、菜々はそのまま気を失ってしまった。  
 
 
「ん…」  
「気付いたか、菜々」  
それからしばらくして、菜々は意識を取り戻した。  
「あ、私…」  
「大変だったんだぞ?いきなり失神するから…」  
とにかく服を着させないとと考え、服を探すが中々見つからない。苦労して見つけたはいいが、そのまま着させる訳にもいかず、膣から溢れる液体をティッシュで拭き取り、お風呂場から濡れタオルを持ってきて体を拭いて…。不覚にも、何回か下半身が反応してしまった。  
「ごめんね。だって…」  
その後はゴニョゴニョと口ごもったのでよく聞こえなかった。  
「…はっきり言えよ、聞こえないじゃないか」  
「だって…お兄ちゃん、けだもの…」  
そこまで言って、今度は黙り込んでしまった菜々。顔が真っ赤だった。  
「う…」  
が、それだけでも僕は菜々が言わんとしている事に気付いた。  
「…ごめん」  
それを言われると、何も言い返せなかった。確かに、僕は菜々の事を初めてにも関わらず激しく抱き過ぎたかもしれない。  
「すっごく、すっごく痛かったんだよ?」  
「うっ…」  
「あのまま死んじゃうかと思ったんだから!」  
「ううっ…悪かったよ…」  
「じゃあ…」  
顔は赤いままで、急に悪戯な笑みを浮かべこちらを見る菜々。  
「…デコちゅ〜、して」  
「…へ?」  
間の抜けた返事。菜々の口から出た言葉は予想外のものだった。  
「デコちゅ〜して!」  
「わ、わかったよ。でも…それだけでいいのか?」  
「うんっ!」  
念のためもう一度聞き直すが、菜々は笑顔ではっきりとこう答えた。  
「デコちゅ〜してくれるだけで、菜々幸せだよ♪」  
「ははは…」  
結局の所、何も変わらないのだ。菜々は何があっても菜々のまま。…少しだけそれが嬉しかった。  
「ほら…」  
「ん…デコちゅ〜だ、デコちゅ〜だぁ!」  
まるで子供のようにはしゃぐ菜々。そんな菜々を愛しく思いながら、僕はもう一度デコちゅ〜をした。  
 
 
次の日。  
「いってきます」  
僕はいつも通り学校に行こうとしていた。が  
「お兄ちゃ〜ん!」  
「うわっ!」  
後ろから突然菜々が抱きついてきた。  
「お、お前僕から卒業するんじゃなかったのか?」  
僕の問いかけに、菜々は  
「エヘヘ、今日から再入学だよ♪」  
無邪気に笑い、答えた。  
「ったく…」  
つられて僕も笑う。  
「相変わらず仲の良い兄妹ねぇ…」  
「あ、摩央姉ちゃん」  
二人で笑いあっていると、不意に声をかけられた。見ると玄関先に僕らの幼馴染み…摩央姉ちゃんが立っている。  
「おはよう、摩央おねえちゃん」  
「おはよう、菜々ちゃん」  
そう言えば摩央姉ちゃんとは今学期から一緒に学校に行く事にしたんだっけ。  
「…それじゃあ、行くか」  
「うん!いってきま〜す」  
こうして僕らは学校へと向かった。  
 
「それにしても…」  
登校途中、摩央姉ちゃんが突如話題に上げたのは  
「最近ずいぶんとラブラブねぇ、光一と菜々ちゃん」  
僕と菜々の事。  
「うん!だって菜々とお兄ちゃんは昨日…ふごっ」  
「ば、バカっ!余計な事言うな!」  
菜々が軽々と口走りそうだったので、思わず口をふさいでしまった。  
「何でもない!何でもないよ!それより、そうかな?あはははは…」  
僕は慌てて話題を変えようとするが  
「なんか、怪しいわね…」  
摩央姉ちゃんはそんな甘い人間じゃない。結局学校に着くまで僕は質問攻めを喰らうのであった。  
 
めでたしめでたし  
 

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