前略
「ねえ、二見さん。キスしていい?」
「…いいわよ。私を相原の好きにしてくれて」
「…二見さん」
「…相原」
(ガラリ)
「あーっ!お兄ちゃんがチューしてるー!!ずるいずるいずるいずるいー!
菜々もお兄ちゃんとチューする!」
「な、菜々!今いいとこなんだ!どっか行ってろ!」
「ちょっ、相原……………………お兄ちゃん?」
「やだー!やだやだやだー!お兄ちゃんとチューするー!
するったらするー!
というわけでー!お兄ちゃん、来てー!!!」
なにが『来てー!』なのかどうかさっぱりわからない。
菜々は僕の胸ぐらをひっ掴むと、
(ブチュ)
「えへへー、じゃあお兄ちゃん。また、お家でねー!」
僕の唇を一瞬で奪い、そして一瞬で走り去っていった。
「ナ、ナンダッタンダイッタイ……」
「………ちょっと」
「ふ、二見さん、今のはね……」
「相原……じゃなくて……お兄ちゃんは、こういうのが好きなのね?」
「…へ?」
「別に軽蔑はしないわよ。私も相原のためにちゃんと勉強したんだから。
男性の中には、『お兄ちゃん』と呼ばれることに性的な興奮を覚える人もいるんでしょう?
お兄ちゃんがそうしろっていうなら、私はいつでもお兄ちゃんの妹になってあげるわよ?」
「………二見さん」
「…瑛理子って呼んで、お兄ちゃん」
1.『えりりん』って呼んでいい?
2.その呼び方、さいこう!
3.僕のハートが化学反応さ。
「……強引ね、お兄ちゃん」
『Lvが上がりました! Lv5』