退屈な1日の授業を終え、鞄の準備をする瑛理子。
そこへ数人の生徒が二見の席へ歩いていく。
生徒「二見さん。放課後ひまかな?」
普段なら見かける事の無い光景だ。実際瑛理子もびっくりしていた。しかし、それが表情に出ることはない。
二見「いいえ。暇じゃないわ。」
いつもの調子で答え、教室を出る。
二見「さよなら」
しばらく校内を歩く。向かう先は理科室だ。今日は特に何もしたいことなんて無いが…
二見(相原…)
相原光一…彼に会えるかも知れなかった。
理科準備室へ入り、とりあえずパイプ椅子に腰かけた。
『ガラッ』
そのとき、理科室の方の、廊下際の扉の開く音がした。彼だろうか。
二見(相原?)
柄にもなく胸がキュッとなった。最近、彼に会うとこうなるのだ。
しかし、準備室へ向かって来る足音は複数だ。
足音が近づいてくる。なぜか瑛理子は寒気を感じた。他人が自分の場所へ来るのが嫌なんだろう。自分でもハッキリわかった。そして、理科準備室の扉も開かれた。
『ガラッ』
二見「…!」
先ほどの生徒達だった。
生徒「つれないなー。二見さん?ちょっと話さない?」