――その瞬間、僕の頭の中にちょっとした悪戯が浮かんだ――
「どうしたの?」
動きの止まった僕を怪訝な表情で見つめながら、摩央姉が聞いてくる。
僕はそれを無視して、膝に這わせた舌を、ゆっくりとした動作で上へとずらしていく。
時間をかけて、焦らすように、少しずつ進んでいく舌。
それはまるで、別の生き物の様。
「な、何しているの? 膝だけって……」
聞こえないし、聞く気も無い。
短いスカートの中に、頭が入り込んでいく。
摩央姉はそれを制止するように頭を押さえつけるが、その力はかなり弱く、自分の動きを止める手段にはなりえていない。
「や、やめなさいよ!」
力では無理だと悟ったか、言葉で止めようとする摩央姉。
それを無視して進んでいく舌。
柔らかく滑らかな太ももは、微かに汗の味と匂いがした。
「や、やめてよ……」
顔を羞恥で真っ赤にして、苦しげに呻く摩央姉。
上に進むたびに、舌を通して感じる体温が上がって行くのが分かった。
「やめて……」
先ほどまでの威勢はどこへやら。
すでに頭はスカートの中に埋まっていた。
目の前にあるのは薄紅色の布切れ一枚のみ。
その中央には、うっすらと染みが出来ていた。
そこから香るのは、汗とは別の、甘く生々しい匂い。
舌が布に触れる。
「んっ……」
うめき声を上げて、摩央姉は身体を振るわせた。
中央の染みとそこから香る匂いが、一層濃くなった気がした。
舌の動きは止まらない。
染みの中心、その原因となっている秘孔へ向けて、舌が動く。
あふれ出す体液が舌に絡まる。
初めて味わう女性の体液の味と匂いに、意識が朦朧としていくのが分かった。
やばい。
これ以上やったら、僕は摩央姉を……
そう想う心とは裏腹に、動きは止まらない。
そして――
「……そんな所までキスしていいなんて言ってないのに……」
恥ずかしげに呟いて、摩央姉は僕の頭をぎゅっと抱え込むように自らの秘所へと押さえつける。
そして――僕は考える事を放棄した。
摩央姉、まだ一回目のキスしかしてねっす・・・