ケロロ小隊の一人・ギロロ伍長は女である。  
それは家族と兄のガルル、そして―」随分後になってからだが―幼馴染の  
ケロロとドロロしか知らないことであった。  
男が大部分を占める軍では、何か功績を残すたびに  
「女の癖に」  
と言うのが、男たちの常套句であった。  
だからギロロは(兄の薦めもあって)、女であることを誰にも言わないよう  
にしてきた。  
ペコポンに来てからも、自分の性別は、冬樹や秋、鋭い夏美にも悟られずに  
すんでいた。  
だが、同じ小隊のメンバーの、黄色い体の曹長だけは、見くびっては  
いけなかったのだ。  
 
 
「おいオッサン。ちょっといいかァ?」  
少し肌寒い秋のある日。  
いつものテントで銃の手入れをしているギロロの元へ、クルルがやってきた。  
「なんだ?」  
「ちょっとした発明品だがな、被験者になってもらいてぇんだよ。  
軍曹やガキも、もう終わってるぜ。」  
「トラブル&アクシデント」がモットーのクルルの言葉を信用するのは  
どうかとも思ったが、ケロロやタママまで受けていて、自分だけ  
やらないと言うのも癪である。  
だからギロロは、「わかった。」と言ってしまった。  
「ク〜クック。じゃあ、一時に俺様のラボへ来な。」  
そう言い残し、クルルは去っていった。  
(随分簡単に騙されやがったぜ、オッサンの奴。いや、『オッサン』じゃ  
ねえな・・・・ク〜ックックック・・・。)  
クルルがそんな感じでほくそ笑んでいたことをギロロは知らない。  
 
 美術の才能に卓越した人物が見たら、その人のセンスが粉々に砕け、原始の塵と  
化すであろう外観の、クルルズ・ラボ。  
言われた通りにやって来たギロロは、ある一室に通され、  
「ま、とりあえずそこの椅子にでも座っててくれ。」  
と言われ、クルルの準備が終わるのを待っていた。  
やがて、クルルが銃の様なものを取り出した。  
「何だ、それは?」  
「クックック。コイツは、『新・夢成長促進銃』にちょっと手を加えた奴でねぇ・・。  
ケロン人をペコポン人の身体に変えちまうのさ。」  
「何!?」  
ギロロの目つきが険しくなる。  
それを見てクルルは、内心ニヤリとした。隠し持っていたリモコンのボタンを押す。  
すると、椅子の背もたれから拘束具が出てきて、ギロロを拘束した。  
「貴様!何のつもりだ!」  
「何でそんな顔をするんだ?オッサン、ペコポンを侵略してぇんだろ?  
ペコポン人の姿になれば、油断させて一気に侵略するチャンスもできるんだぜぇ?  
・・・ま、オッサンの心配は、姿が変わることじゃねえな。」  
何かを言い返そうとしたギロロに、クルルは銃を発射した。  
白い光線がギロロを包み込み、煙幕が立ち込めた。  
煙が晴れた時そこにいたのは、ケロロに「赤ダルマ」だの、それ以外に「顔面紅葉野郎」だの「赤男爵」だのという、  
不名誉なあだ名を冠するケロン人ではなかった。  
肩に付くか付かないかのワインレッドの髪に、健康的な肌の色。ガーネットのような瞳。  
少々目つきが悪いうえに、顔の左側に大きな傷があるものの、美人の部類に入る。  
カーキ色の軍服の襟には、階級章のドクロのピンが付いている。  
CかDかは分からないが、女であることを示す胸の膨らみ。  
――ペコポン人の姿と化したギロロ伍長が、そこにいた。  
 
クルルが、どこかから姿見の鏡を持ってきて、ギロロの前に立てかけた。  
「見ろよ、オッサン。・・・いや、オバサンか?」  
煙で咳き込んでいたギロロは、鏡に映った自分を見て絶句した。  
鏡に映る自分の顔も、目を瞠っている。  
「なっ・・・・!戻せ!早く!」  
身体を縛る拘束具をガチャガチャと言わせつつ、彼女は喚いた。  
ずっと隠してきたことが、あっさりとばれてしまった。  
それも、最悪の相手に。  
ギロロは内心毒づいた。  
――コイツの言うことだけは、信じるべきじゃなかった!  
ケロン星にいたときも、地球侵略の際も、それからずっと居座っている間も  
ばれなかったから、油断していたのかもしれない。  
ギロロがそうしている間に、クルルは自分にも銃の光線を当てていた。  
煙が晴れると、グルグル眼鏡に白衣を身に着けた、金髪の男がいた。クルルだ。  
クルルの口の端がニヤリと歪む。  
「まあ、せっかくこんな姿になったんだからよ。」  
先程のリモコンの別のボタンを押した。  
拘束具から細いアームが出てきて、ギロロの顔にプシューッと  
スプレーを吹きかけた。  
「!?ゲホッ・・・」  
「ク〜ックック。即効性の強力媚薬と痺れ薬だぜぇ。1日は効果が続くだろうなぁ。」  
「何・・・だと・・・・」  
クルルが話し始めたときには、ギロロの身体の自由が利かなくなっていた。  
それと同時に、身体の奥が燃えるように熱くなっていくのも分かった。  
拘束具が解かれても、ギロロには立ち上がる力はなかった。  
そんな彼女を、クルルは抱き上げ、学校の保健室にあるような  
パイプベッドの上へ寝かせた。  
抵抗すらままならないギロロの軍服を脱がせ、下着だけの格好にする。  
豊かな胸を押さえつけるフロントホックのグレーのスポーツブラと、  
同色のあまり色気のないショーツ。  
まあ、ギロロらしいと言えばらしいものだろう。  
「やめ、ろ・・・・。」  
羞恥と熱で顔を赤く染めながらも、ギロロは言った。  
そんな彼女に、クルルは耳元で囁く。  
「・・・・楽しもうぜ?先輩。」  
ギロロにとって、逃げられない、長い地獄が始まった。  
 
クルルは、ギロロの耳たぶを一舐めした。  
「・・・・・っ!!」  
その途端、ギロロの身体が強張った。  
そのまま舌を、うなじ、首筋、鎖骨へと降ろしていく。その度にギロロの身体は、  
何度も震えた。  
媚薬だけでは、ここまでならないだろう。だとすると・・・・  
「先輩。アンタ・・・経験ないだろ?」  
ギロロの表情が強張る。図星のようだ。  
「ク〜ックック。嬉しいねえ。まさか先輩の初の男になれるなんてなぁ・・・。」  
そう言いながら、ブラのフロントホックに手をかける。  
パチン、と音を立て、白い胸が露わになった。  
身体が動かない代わりの抵抗だと言わんばかりに、ギロロは思いっきりクルルを睨んだ。  
だが目が潤んでいるため怖くない上に、却って被虐心を煽るだけである。  
クルルは胸に手を伸ばし、ゆっくりと揉み解した。  
「あ・・・やめろ・・・っ!」  
何とか力を振り絞り、クルルの身体を押し返そうとする。  
だがその手をとられ、両腕とも頭の上で縛られてしまう。  
「離せっ・・・」  
「やだね。」  
そのまま、綺麗な桃色の乳首を、指で弾いた。  
「ひあぁっ!?」  
未知の感覚に、ギロロは悲鳴を上げる。  
弾かれた場所から、じんわりと疼きが広がっていく。  
その反応を見たクルルは、右胸の乳首を口に含み、もう片方を指でなぶり始めた。  
口の中で、乳首を甘噛みし、舌先でつつき、転がす。もう片方は、摘んだり弾いたり、  
くすぐったりもする。  
「やあ・・・ああっ!うあっ・・・はあ・・!」  
逃げたくても逃れられず、クルルの身体の下で悶えるしかない。  
自分の身体を、こんな形で蹂躙されてしまうとは。  
ギロロは悔しさに、声を出さないように唇をかみ締めた。  
そんな彼女をあざ笑うかのように、クルルの手が下半身へ伸びた。  
 
クルルが指で内股を指でなぞると、ギロロの足先が丸まった。  
そこは汗ばんでおり、股の部分は、濡れて色が変わっていた。  
「ちゃんと感じてじゃねーか。」  
その一言に、ギロロはクルルを睨んだ。あえて言うなら「うるさい!」だろうか。  
それを気にも留めず、クルルはショーツをずり下げた。  
濡れそぼった茂みと、誰も触れたことがないであろう性器が見える。  
「ク〜ックック。綺麗なモノ持ってんじゃねーか。」  
そう言うと、指先でクリトリスをつついた。  
「あああ!」  
ギロロが嬌声ともつかない悲鳴を上げる。クルルはいつもの陰湿な笑い声をあげた。  
「やっぱ、刺激が強すぎるかねぇ?その内に、欲しくてたまんねぇようにしてやるよ。」  
白衣のポケットからリモコンを取り出し、別のボタンを押した。  
天井から何かが降りてくる。  
檻だ。ワゴン車サイズである。その中に入っているのは・・・  
「う、宇宙生物!?」  
ギロロが驚いた声を上げると、クルルは「ご名答。」と笑った。  
「辺境の惑星で発見されてなあ。実験してたんだが・・・。まあ、コイツの体液には  
特殊な効果があってな。さっきのガス状媚薬よりも強力だぜ。」  
檻の中でうごめいているそれは、スライム状ということもあってかてらてらと光っている。  
「ソイツを・・どうする気だ?」  
「わかんねえかあ?先輩。ソイツに可愛がってもらえるぜ?」  
それを聞いた途端、ギロロの顔が青ざめた。  
「ふざけるな!冗談じゃない!ソイツを元に戻せ、クルル曹長!」  
その訴えを無視して、クルルは檻の南京錠を開けた。  
でろでろの宇宙生物が、ギロロの方へずり寄ってくる。  
ギロロは体を起こし、壁際へ後ずさった。件の生物は、もうそこまで来ている。  
「く、来るな!」  
精一杯の虚勢を張るが、そんなものを耳に貸すはずがなく。  
ヌメヌメした触手がギロロの足首を捕らえ、一気にベッドから  
引き摺り下ろしてしまった。  
そのままスライムの上に寝かされる形になり、拘束されてしまう。  
「い、嫌だ・・・。」  
弱気な言葉が出てしまう。女であることで、こんなにも恐ろしい目にあうとは  
思わなかった。  
スライムの触手が、彼女の性器や胸を一斉に責め始めた。  
 
 
―――数十分後。  
「んっ・・・・んうっ・・・!くぁあ・・・っ!」  
触手の先端が、乳首を転がし、うなじを伝い、クリトリスをつつき、秘所を撫で上げる。  
クルルはその光景を、ベッドに座って笑みを浮かべて見ている。  
こんな痴態を晒してしまっているのと、自分の声とは思えない喘ぎが、ギロロは堪らなく恥ずかしかった。  
「やあっ・・・あ、ああぁぁ・・・!」  
秘所を激しく責められ、ギロロが抑えきれない声を上げる。  
触手が動くたび水音を立てるそこは、充分なほどに潤っていた。  
「それならいつ挿れたって大丈夫そうだなぁ?ク〜ックック。」  
そう言ってクルルが立ち上がり、ギロロの方へ歩み寄り、大きく開かされた足の中へ身を割りいれた。  
その行動が何を意味するか理解して、ギロロは体を強張らせた。  
「嫌、嫌だぁ・・・っ。」  
「安心しろよ、慣らすだけだからな。」  
そう言って、指を一本、ギロロの中へと侵入させた。  
「いっ・・・ああっ・・・!?」  
未知の場所を割り開かれる痛みに、ギロロは仰け反った。  
そんな反応をお構いなしに、クルルは縦横無尽に何かを探るように指を動かし、二本目を挿入した。  
最初はきつかったそこも、指を動かすうちにかなりほぐれ、ギロロの表情にも官能の色が浮かび、声にも先ほどより甘さが含まれていた。  
そして、クルルの指が、ある一点を抉った。  
「ひ、あああーーー!!」  
ギロロが、ひときわ高い声で鳴いた。  
それを見たクルルは、その一点を執拗なまでに責め立て、空いた手でクリトリスに刺激を与える。  
触手は、今までにない激しさで、乳首や胸、太股、アナル、性器の周りなど、体中の性感帯を責めてくる。  
無理やりに与えられる快感という電流が、ギロロの体を駆け巡った。  
「ひいっ、や、ああっ、くうっ、ああぁっ!!」  
刺激を与えられるままに声を出すその姿からは、「戦場の赤い悪魔」と呼ばれる、勇ましい機動歩兵の姿は見出せなかった。  
汗と粘液とで妖しく光る体を、熱で赤く染めた美女がいた。  
「や、も、駄目、やあ、あああっ、ひぃあああああああっ!!!!」  
初めての絶頂に目の前が真っ白になり、ギロロは意識を手放した。  
 
 
 

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