カタカタカタ・・・とキーボードに指を走らせる音が響く。  
それに反応して、ヴン・・・ッピピピ!と地下室中のモニタが電子音とともに  
起動する。薄暗い室内にその無機質な光が、このラボのあるじの分厚い  
メガネを青白く反射した。  
しかしおなじみの黄色い身体にナルトマークは、今は見られない。  
 痩せぎすの身体、金色の頭髪。神経質そうな顔立ち―――。  
そこにいるのは、どうみても地球人の男の姿であった。  
 
「あっ!クルルさん。また今日もポコペンのみなさんの姿になってるん  
ですか?・・・・てゆ〜か、同一人物?」  
「なんだ。―――おまえかヨ。」  
  顔を出したモアのあかるい微笑みに対し、うるさげにクルルが答えた。  
「さっきまでインベンターのヤツが姿を見せてたんでな。・・まあいつもの  
ことだ。」  
 
 隊のPR活動のため、ちょこちょこCMなどに出演するケロロとは別に  
この男も独自にインベンターと接触していた。ただしこちらは主に非合法  
な物件に・・・である。ガンプラ始めそのレトロな手作り感のあるポコペン  
のホビーや、マニアの間でひそかに人気のポコペン女性の盗撮映像は、  
宇宙では非常にプレミアのつく商品である。  
クルルはしばしば極秘にポコペン人に姿を変え、アキバに出かけては陰湿  
な手段で大量にその手の物を入手して、インベンターに横流ししていた。  
その中にはハイ・クオリティな自作の映像も当然含まれている。  
この姿でケロロ小隊の代理人を詐称し、正規?の価格とは別に中間マージ  
ンをたっぷり取ることも忘れてはいなかった。  
捏造ドラマである「ケロロ小隊戦記」のもとネタとなる情報を、捏造映像  
とともに高く売りさばくのもクルルの腕の見せ所である。  
 
 そんな訳で―――これまでもクルルは、小隊の皆の知らないところで  
しばしば地球人の姿になっていた。こんな便利な装置があるのなら、ガン  
プラ入手に毎回四苦八苦しているケロロに貸してやればよさそうなものだ  
が、それを言ったら間違いなくこの男はこう答えるだろう。  
「だって頼まれてねェからな。――まァ隊長が頭下げてお願いに来るんな  
ら、貸してやらなくもないぜぇ・・・・く〜っくっくっく。」  
 
―――――つくづく嫌なやつである。  
 
「売れましたかクルルさん?いつもお疲れさまです。てゆ〜か商売繁盛?」  
商品の中に自分の映像が含まれているのも知らぬ気に、サンパァアアッ!  
とモアが邪気のない笑顔をみせた。クルルが舌打ちして苦々しく答える。  
「・・・今回はダメだ。値段の折り合いがつかなかったんでな。」  
  それきり、無言でキーボードに指を走らせ続ける。  
今日のクルルは非常に虫の居所が悪いようであった。インベンターとの  
交渉がよほど納得いかないらしい。  
それとも不機嫌の理由は、インベンターが別れ際に言ったセリフ―――。  
「いや〜それにしても厳しい時間帯にもかかわらず、ケロロ小隊さんの  
人気は宇宙うなぎ昇りで。・・・あとは黄色だけがその、ねえ?  
―――アナタからもケロロ隊長サンになんとか隊員のテコ入れをしてもら  
えるよう、口添えしていただく訳にはまいりませんかね?」  
・・・・という、よけいな一言にあるのかもしれなかった。  
    
  クルルの隣で一緒にモニタを覗きこんでいたモアが、ちらりとクルル  
の横顔を盗み見た。そのまま赤くなってうつむき、モジモジとゆびを組み  
なおしながらモアが恥ずかしそうにつぶやく。  
「あの・・・クルルさん。その姿を変える装置―――。モアにちょっとの  
間だけ、貸してもらえないですか?」  
「なんだ?――――おめぇが使ってどうする気なんだよ。」  
「いえ、わたしにではなくその・・・・おじさまに―――。」  
  モアがさらに赤面し、消え入りそうな声で続ける。  
「・・・・おじさまと一緒にガンプラ買いに行ったり、街をお散歩できれば  
いいなって思って・・・・。」  
「さてな。この装置は今んとこオレ仕様に作ってあるから、隊長に流用  
できるかどうかはわからねェぜ。」  
「あ・・・・そうですか。スミマセン・・・。」  
  しょんぼりとうなだれるモアに、クルルがイライラと言葉を続ける。  
「―――たかだか一緒に歩くくらいで何が楽しいんだか。  
一文の得にもならねぇじゃねェか。」  
「ええっそんなことないですっ!おじさまと並んで堂々とお散歩するのは  
モアの夢です!・・・きっとギロロさんも、本当はそう思っているんじゃ  
ないかなァ。・・・・・夏美さんと。」  
 
 本人がひた隠しにしているのにもかかわらず、機動歩兵の意中の相手は  
小隊の中ではすでに周知の事実であるらしい。はたしてモアのいうとおり  
ギロロがそんな乙女チックな願望を胸に抱いているかは疑わしいところだ  
が―――。うっとりと目を潤ませるモアに、クルルがまぜっかえした。  
「興味ねえな。―――オッサンの化石級にアナクロな純愛にも、おめぇの  
その、お子様ランチな恋愛ゴッコにもな。」  
  クルルの不機嫌はどうやら根が深いらしい。  
そのままモアに椅子ごと背を向けて、キーボードの操作をし続ける。  
その後姿に2,3歩歩み寄り、いたずらっぽく微笑みながらモアが言った。  
「そんなコト言って・・・・・・モア、最近わかっちゃいました♪  
クルルさんって口では冷たいこと言っても、本当はとってもイイヒトなん  
ですよねっ!・・・クルルさんは嫌な奴なんかじゃなくて、嫌なやつ!って  
他人から思われたいだけなんだとモアは思いますっ。てゆ〜か面従腹背?」  
「なにをぅッ?!」  
 
  思ってもいない評価を下され、クルルは無視するつもりだったことも  
忘れて振り返った。  
――本当はとってもイイヒト、だぁ?・・・なんだそりゃ。このオレが?!  
 考えただけで身が総毛だった。  
これはもう自分に対する侮辱である。イイヒト?――――気色悪い。  
女子供のタワゴトは鼻で笑って聞き流すのが信条だが、これだけは聞き捨  
てならない。一点の汚れもない澄んだ笑顔で、わかった風な口を利くこの  
同盟種族の娘に、ふつふつといらだちがこみ上げてくる。  
「オイ・・・口を慎めよテメェ。オレがイイヒトな訳がねえじゃねェか。」  
「そんなことないですよっ♪ クルルさんは、いいひとです。」  
  ニコニコと笑い続けるモアを、クルルは睨みつけた。  
 
―――このアマ・・・ちょっとばかりオペレーターの仕事の手伝いをさせて  
るからって図に乗りやがって。クルルさんはいいひと?・・ふざけるな。  
陰湿・陰険・陰鬱・嫌な奴。・・加えて傑出した才能。それこそがオレ様だ。  
このオレのオリジナリティあふれる性格に怯え嫌悪しつつも、この才能の  
おこぼれを頂戴するべく、しぶしぶ頭を下げる他人のヒクツな目を見るの  
が楽しいんじゃねえか。  
そんなオレ様を形容するのに、始終隣にいるコイツがよりにもよって  
「いいひと」!!―――ダメだ。壊滅的にこいつはわかってねぇ。  
・・・その言葉が間違いであることを、いっぺん痛いほど思い知らせてやる。  
 
「―――そうかい。思ってもいねェおべんちゃらを、ありがとよ。」  
「そんな。モアは本当にそう思っています!クルルさんは頼りになるイイ  
ヒトですよっ」  
「信じられねェな。きちんと証明されねえことには、オレは信用しないぜ」  
  純粋な瞳で力説するモアに、不愉快気に喉の奥でうなるクルルの声音  
はどんどんと冷えてゆく。  
「ハイ!モア、なんでもします!どう証明すれば信じてもらえますか?」  
カンタンなことと太陽のようにニッコリ笑うモアに、クルルも笑みを返す。  
「なんでもします、ね・・・・。そんなこと言って後悔しなきゃいいけどな。  
言っておくがこのオレ様を説得するにゃ、だいぶんホネが折れるぜ。  
――おめぇが途中で泣こうがわめこうがオレはやめねェよ。く〜っくっく」  
 
 よくわからないままモアが笑う。クルルもかわいた笑い声をたてる。  
あかるいモアのとは違い、その笑声にはくらい邪悪な意図が込められていた。  
 
 
「わぁ・・・クルルさん。なんですかこれ?とってもキレイ!」  
モアが自分の両手にはめられた腕輪を見て、うっとりとため息をついた。  
銀色の金属でできたその腕輪は、中央にうす青く輝く水晶がはめ込まれて  
いる。  
「そいつはただのデータ取りの装置さ。・・別に気にすんなよくっくっく。」  
  あからさまに怪しいクルルの笑いにも、動じる気配はない。  
自分の背後に廻りこんだ白衣姿のクルルにモアは天真爛漫な笑顔をみせた。  
「わかりました!なにかの実験をするんですね?モア、がんばります!」  
「いいねェ。――――ま、せいぜい頑張ってくれ。」  
  クルルがモアの首筋に、銃の形をした注射器を押し当てる。  
プシュッと鋭い音がして、アンプルの液体がモアのからだに打ち込まれた。  
モアの瞳が一瞬、焦点を失う。しかし痛みは感じなかったらしく、すぐに  
いつもの笑顔に戻る。首をさすりながら、モアがクルルの後姿に聞いた。  
「???・・・いまの、なんですか?」  
 デスクに戻り、なにやら忙しげにキーボードに指を走らせ始めたクルル  
が、ひどく優しげに唇をつり上げた。  
「そのうちわかるぜ――嫌でもな。なに心配すんな、何せオレはイイヒト  
らしいからな。・・・・く〜っくっくっく。」  
 
 それからしばらく、ラボの中にクルルがキーボードを叩く小さな音だけ  
が響き続ける。モアは部屋の中央にへたり込んだまま、動けない。  
モアは上気した顔をうつむかせ、はあ・・はあ・・・っと荒くなる呼吸を  
何とか鎮めようと努力している。最後の仕上げとばかりにENTERキー  
を押したクルルが、モアに声をかけた。  
「さてと。・・・・いま、どんな感じだい?」  
「―――――は、はい・・・・あの・・・。」  
 モアがもじもじと太ももをすり寄せて、顔を恥ずかしげにそむける。  
「な、なんだか・・・へんなカンジ、です・・あついような、からだのシンが  
キュウッとなるような――それに、ちからがはいらない・・・で、す・・。」  
「ああ、力が出ないのは腕輪のせいだねェ・・。そいつはさっきも言ったよう  
にただの測定器だが、ちょっとばかり飾りに凝ったからな。  
――――その水晶はアンゴルストーンだ。」  
 こともなげに凄いことをクルルがつぶやく。  
「この前のアレをちょいとな、なにせオレ様は物持ちがよくてねぇ。・・・  
っていうか、廃物利用?―――てな。あとで暴れられて、星ごと消滅させ  
られたんじゃ敵わねェからな。・・・あとの現象は注射のせいだ。ま、気に  
すんなヨ。からだが敏感になるだけだからな。」  
  クルルが再度ENTERキーを押した。すると部屋の隅からぶよぶよ  
とした半透明の触手が現れ、モアに向かってたちまち殺到しはじめる。  
 
「あッ・・・なに・・・?―――なん、ですか・・これは・・・ッ」  
「何言ってるんだ。おなじみのニョロロじゃねえか。―――ま、オレ好み  
に品種改良してあるけどな。」  
 通常よりはるかに水分の多いニョロロが、モアのからだの上を這いずり  
廻りはじめる。そのなめくじのような質感にたまらずモアが悲鳴を上げた。  
「あッ・・・ひやぁっ!―――んッ!はあぅう・・・っ」  
 注射された薬のせいか、その皮膚に感じる悪寒は通常の何倍もするどく  
感じられた。あるものはモアのソックスの中にしのびこみ、またあるもの  
は制服のブラウスの肩から胸にかけてぶよぶよと蠢きながら移動し、その  
裾からさらに内側へ潜りこもうとする。奇怪なことにニョロロが通った後  
のぬれた衣服が、徐々に透けて溶け出しはじめた。  
「そいつはポコペンの繊維が大好物でな。勝手に溶かしてくれる。  
・・・・服を脱ぐ手間がはぶけてラクチンだろ?く〜っくっくっく。」  
「あッ・・・!や・・あの・・・ッ―――クルル・・さん・・・」  
 モアが必死で声をあげた。ぞくぞくする悪寒が、からだのなかで徐々に  
異様な熱を生み出しはじめていたからである。  
「あのッ――服なら・・モア、じぶんで・・脱ぎますか、らッ!ひあッ!」  
 その言葉を聞いて、クルルがいかにもおかしそうに声を立てて笑う。  
 
「何言ってんだ。おめェがさくさく自分で脱いだんじゃ、面白くも何とも  
ねえじゃねェか。いいか、脱ぎ方にはこだわれよ。―――それが美学って  
もんだぜ、覚えとけ。く〜っくっくっく。」  
 
  少しずつだが確実にモアの衣服が溶かされてゆく。  
もはやプリーツ・スカートは、その原型をほとんど留めていない。  
朝顔の蔓が支柱に巻きつくように、ニョロロの触手がモアの褐色の腹に  
からみつき、その臍を直接なであげ濡らしてゆく。  
白い制服のシャツも同様であった。  
外側からだけでなく胸元の合わせ目や半袖の袖口からも、その蠢く先端が  
ぐにぐにと侵入し、半透明の触手を波立たせながらモアのからだの表面を  
陵辱する。その生暖かいゼリー状の物体がモアにからみついたまま一斉に  
ずるり、と動いた。  
「あうぅっ!・・・・ひやぁあ、あぁあ・・・・ッ!!」  
かつて味わったことがない感覚と嫌悪感に、モアが悲鳴をあげる。  
足の、ソックスへと侵入した触手も、その動きは活発であった。  
ぶるぶると小刻みに蠕動しながらふくらはぎを舐めあげ、足の裏を包み、  
ゆびの股の隙間にしのびこもうとする。  
モアのからだがびくびくッ!と痙攣した。  
シャツはすでに、辛うじてモアの身にその生地をまとわりつかせている様  
な状態だった。出来た大穴からすべすべした褐色の肌と白いブラが姿を  
覗かせている。  
肩からすべり落ちてきた触手がブラの内側にしのびこみ絡みついて、その  
やわらかな双球をじわりと締めあげたからであった。  
「きゃぅっ!・・・ひぃぃ、やあぁ――――・・・ッ!!」  
触手はモアの胸に吸いつきながら、その敏感な朱鷺色の先端を弄い、こす  
りあげはじめる。その異様な快美感にもはや声も出ず、がくがくとモアの  
あごがふるえ、目尻に透明な涙がにじんだ。  
 
「ク〜ックック。ずいぶんと楽しんでくれてる様子じゃねェか。そいつは  
もともとケロン星原産だから、当然あったかくて湿った所を好む。  
・・おっと、お楽しみに夢中になりすぎんなよ。しっかり腿を閉じていねぇ  
と、そいつが忍び込むぜ。――まあ、触手相手にロストバージンしたいっ  
つう願望があんなら、オレは止めないがね。」  
  クルルが陰惨に笑う。モアはその言葉に答えることが出来なかった。  
なぜならくちの中に、触手の1本がずるずると侵入してきたためであった。  
 舌に吸いつき上あごを擦りながら、ぶよぶよとした触手がモアの口腔を  
犯しはじめる。  
なんとも形容しがたい味の粘液が、くちの中に広がったとたん―――。  
凄まじく淫らな衝動がからだの内部から突き上げてきて、モアを動揺させた。  
 
―――このまま触手に犯されたい。クルルさんの目の前で粘液にまみれ、  
あまい声をあげている自分を思うさま蹂躙してほしい。  
   ・・・・て、ゆ〜か・・・・・・てゆ〜・・か・・・・強姦、願望?  
 
  別の触手が、下半身を守るモアの最後の砦に侵入しようとしていた。  
下腹をこすられ、布地の内側へとたちまち侵入される。いったん腿の方へ  
顔を出した触手が、下着の上からモアの秘所を嬲りはじめる。  
必死で閉じていたモアの太ももが我知らずゆるんだ。それを敏感に察知し  
て、足首にからみついた触手が、巻きつきながら徐々にモアのすねを昇り  
はじめる。  
 もはや抵抗もできず、モアがぐったりとからだの力を抜いて触手の動く  
がままに身をゆだねようとしたとき――――。  
天井から霧状の液体がモアに向かって噴きつけられた。  
その霧は、ニョロロの忌避剤と体液の中和剤を兼ねていたらしい。  
モアのからだを弄っていた触手がいっせいにおののき、もとの住処へと  
すばやく逃げ帰った。じわじわと溶けていた衣服の侵食もそれで止まる。  
白衣のポケットに両手を突っ込んだクルルが、硬い靴音を響かせてモア  
の方へと歩み寄った。  
 
「クックック。・・・オイ、ずいぶんといい格好になったじゃねぇか。ええ?」  
  クルルが冷然と自分の足元に身を横たえたモアを見下ろす。  
着ていたモアの制服は、もうあらかた溶けてしまっていた。  
残っているのはシャツの襟から第一ボタンまでと、ずり落ちて手首にから  
まっている袖の一部。そして穴だらけのソックスの残骸が辛うじてまとわ  
りついているのみで、あとは完全な下着姿である。  
その下着も、右肩のブラのストラップはすでに溶け落ちてしまいパンティ  
は穴だらけという惨状であった。  
「どうだい?あいつはイイ味だったろ?・・・なにせそっちの方も特別製  
だからな。ひとたび口にすれば、からだに受ける刺激が全て快感に変わる  
っつうシロモノだ。」  
  荒い息をつき、焦点の定まらないモアのあごを、クルルがその長い指  
で掴みあげ自分の方へと仰向かせた。  
そのまま掴んだ中指と薬指で、モアの喉を引っ掻くように撫であげる。  
その微細な刺激にも耐えきれずに痙攣したモアの唇から、やるせない声が  
漏れた。  
「ふ・・あぅ・・・っ・・・・く、ぅううッ――――っ!!」  
「――どうだい?中途半端で止められた感想は。・・・・続けて欲しいかい?」  
「・・・は、はひ・・・。つづけて・・・欲しいれ、す・・・・。」  
  回らない舌で、懸命にモアが答える。  
からだの欲求はもはや耐えがたいまでになっていた。  
ゆびさきから髪の一筋にいたるまで、燃えあがるように熱い。この焦燥を  
はやく埋めてほしくて気が狂いそうだった。  
自分の背後に立つクルルの脛に腕をからませ、おねだりするようにモアが  
からだを擦りつける。その手をいなしながら、モアを覗きこんだクルルの  
分厚い眼鏡がきらりと光った。  
 
「さて。・・・・それじゃ実験開始といこうか。  
こいつが済んだあと、おめぇがオレのことをどんな風に評するのか・・・。  
―――オレとしちゃ非常に興味深いぜ。ク〜ックックック。」  
 
 クルルがモアを背後から抱きしめ、指でそのほおをかるく数回叩いた。  
「それじゃ、ルール説明だ。・・・一度しか言わねぇからよく聞いとけよ。」  
  そのまま粘液で汚れたモアの顔の前に、自分の腕を振りかざす。  
手首に時計がはめられていた。その時計の竜頭を押す。すると、ふたりの  
前に電磁バリアが出現した。  
ラボを真っ二つに分けたその透明なバリアは、すこし揺らぎながらも確実  
に存在している。クルルがモアの手をとってそれに触れさせた。電磁バリ  
アは、ガラスのような質感をその手のひらにつたえる。  
クルルがやわらかな胸の谷間に指をすべらせながら、モアの耳に息をふき  
こんだ。  
「このバリアはマジックミラーみたいなもんでな。こっちからは透明だが  
あっち側へ回ると壁になってるんだ。・・・正確には、壁に巨大なモニタが  
かかってるのさ。」  
  クルルの指がブラを押しあげ、モアの新鮮な果実に似た胸を容赦なく  
揉みしだく。その長い硬い指先が敏感な胸の突端をはさみ、こすりあげた。  
たまらずモアが甘い吐息を漏らして顔をのけぞらせる。  
「――――ッ!・・・あ、んんッ・・・・・!」  
「おい、聞いてるかい?・・・・顔をあげて見てみな。」  
  快楽にかすむ目を、モアがなんとか言われたとおりに上げる。  
目線の先に自分とクルルがいた。電磁バリアの向こうにいる二人は、何も  
気づかずこちらに向かって席に座り、キーボードを操作している。  
自分はいつもの格好で、クルルはケロン人の姿をしていた。  
「こいつらは映像だ。放っときゃいつまでもこうやって仕事してるし、  
オレ達の受信機で声を拾うと、勝手にアドリヴで演技もしてくれる。  
―――――よう。聞こえてるかい?」  
  クルルが腕時計に向かってそう言うと、向こうのクルルが手を上げた。  
「ただし、普通の話し声にしか反応しねぇんだ。ささやき声は拾わねぇし・・」  
  クルルがモアの穴の開いたパンティをひざがしらまで引き下げた。  
すでにその布地は、ぐっしょりと濡れそぼっている。  
「全く・・おめェって奴はしょうがねぇな。もうグショグショじゃねぇか」  
  クルルがモアの耳に口を寄せて、低く笑いながらささやく。  
爪先でモアの秘所を弄い、指を入れてゆっくりとこじ開けてゆく。  
その刺激に、モアが高い声を放った。  
「・・・ひゃうッ!・・・あ!・・・ふ、あ、ぁああああッ!!」  
  ―――――とたんに電磁バリアと、映像の二人が掻き消えた。  
クルルがモアの秘所を指で犯し続けながら、歯でもう一度竜頭を押した。  
するとまた何事もなかったかのようにバリアと向こうの二人が復活する。  
「―――な?キャパを超えたでかい声を受信すると消えちまうのさ。  
・・・・・使えねえだろ?」  
  クルルが腰を擦りつけてくるモアを背後から抱きしめたまま、ズボン  
を弛める。モアの両手を電磁バリアに押し付けて腰の高さを合わせ、その  
ままおのれをずぶりと侵入させてゆく。クルルが指でモアのくちを塞ぐ。  
指とは比べ物にならない質量が、モアを襲った。  
 
(やあぁあッ!ひ、いぃ――――ッ!!!)  
  まだ男を受け入れたことがない硬い花のつぼみを、無理やりこじ開け  
るようにしてクルルがモアを犯してゆく。その破瓜の痛みが、つぎの瞬間  
には触手の粘液の効果により、数倍する快感に姿を変えてモアのこころと  
からだを麻痺させてゆく。  
(あッ!・・・・やうッ!・・・・ひぃいッ・・・ぁうッ!!)  
「――――さすがにキツいな。・・・おい、もう少し足を開きな。」  
  ガクガクと足をふるわせながらも、言われたとおりにモアがからだを  
ひらく。――――クルルの抽迭が始まった。  
貫かれるたびに打ち寄せるからだの快楽に、モアの意識が遠くなる。  
そのほくろ一つない褐色のからだは、羞恥と快感のためにうす紅く染まっ  
ていた。クルルが腰を引くたび、くちゅ・・・ッと濡れた音とともにモアの  
秘所がめくれ、名残惜しそうにクルルをまた飲み込もうとする。  
今度は体内ふかくくさび打たれて、モアがせつなげに眉根を寄せた。  
足の爪が痙攣するように、やるせなくラボの冷たい床を引っ掻く。  
快感は、強烈であった。  
「おい。―――――楽しいかい?」  
  クルルがモアのくちを塞いだ手をどけて、その耳を甘噛みしながら  
ささやいた。  
「・・・・・っ・・は・・は、い・・・。きもちいい、れ・・・すっ」  
  目を虚空にさまよわせながら、モアがようよう答える。  
「――――そうかい。そいつはよかった。・・・・だがオレはちっとも楽しく  
ねえな。だいたい和姦は趣味じゃねぇんだ。実際のところ、おめェは素直  
すぎて張りあいがねぇ。もっと抵抗してくれねェとな。  
・・・・・・だからオレ好みの展開にさせてもらうぜ。」  
  モアを犯したまま、クルルが腕時計の画面を二度押しした。  
電話のコールのような電子音が数回して、やがてブツッと回線が繋がる  
気配があった。クルルがモアをちらりと眺めてひくく笑い、時計の画面に  
口を近づける。・・・・やがてクルルの楽しそうな声がラボに響き渡った。  
 
「よお。・・・・隊長かい?――お待ちかねの小隊PRの映像・・そうアレな。  
完成したから今すぐオレ様のラボまで見にきなよ。ク〜ックックック。」  
 
  その言葉を聞いて、モアがびくりとからだを強張らせた。  
 
  クルルに貫かれ組み伏せられつつも、青ざめたモアが必死でからだを  
起こした。  
「まさか・・・!おッ・・おじさまを・・・ここにッ?!」  
「――――実験には観測者が必要不可欠だ。・・・・・違うかい?」  
  くらい笑みを浮かべたクルルが、モアのからだを巻き込むように抱き  
すくめた。そのままモアのきゃしゃな顎をつかんで無理やり振り向かせ、  
唇を重ねる。  
「・・・・ウゥッ!!」  
  突然の状況に恐慌状態のモアの口腔を、ねじ伏せるようにクルルの舌  
が蹂躙する。一拍置いてモアが暴れた。手を突っ張らせて夢中でもがき、  
クルルの戒めから逃れようとする。  
「――――――ッ!!!」  
  舌を噛まれてクルルが顔を離した。  
口元に鮮血をにじませたクルルが、手の甲で拭い取りながら不敵にニヤリ  
と笑う。  
「・・・・いいねぇ。いい眼をしてるじゃねェか、おい。  
―――――その表情が見たかったんだ。」  
  クルルがモアの腰をつかんで強く引寄せる。結合が深くなった。  
衝撃に身をすくませたモアが、ひじで背後のクルルを必死に払う。  
クルルの腕がその手首を捕らえた。  
腕輪のアンゴルストーンをじかにモアの額に押しつける。  
びりびりッと電流を浴びたようにモアのからだが痙攣する。  
ちからの抜けたモアのからだを再度抱きすくめたクルルが、首筋に唇を  
這わせた。そのまま抽迭を再開する。  
なすすべのないモアが、ちいさな声とともに息を呑んだ。  
「ひゃ・・うッ!・・――あッ!―――あぁあッ!・・――あッ!・・・・」  
  モアの足をひらかせてクルルがさらに奥までふかく貫く。  
意思とは裏腹に、モアのからだは収縮を繰り返しながらクルルを貪欲に  
飲み込んでゆく。  
甘い快楽に、モアのからだが小刻みにふるえた。  
「・・・んッ!・・ふ――あッ!・・あッ・・く、くるる・・さん――ど・・して・・?」  
  徐々に増してくる快感に涙をにじませながら、モアが問いかけた。  
「―――なんでこんなことするのかって?・・・・そうだな。」  
  クルルが陰惨な笑みを浮かべて答えた。  
「足跡のひとっつもねェ、真っ白に降り積もった雪を見ると・・・訳もなく  
踏みにじりたくなるだろ?―――――そいつとおンなじさ。」  
  クルルの背後のモニタ画面が、ラボへの来客が近づいていることを  
警告音で知らせる。  
恐怖と快楽にちいさく嗚咽をもらし始めたモアに、クルルが続けた。  
 
「あせるなよ。・・・隊長が来るのはバリアの向こう側だ。  
そっちでPR映像の上映会さ。接待役は映像のオレ達がやってくれる。  
――――うっかりでかい声をあげちまって、台無しにしないかぎりはな。  
おめぇの演技力と冷静さが試されるぜ?・・・・そろそろ、お越しのようだ。  
さて、実験スタートだ。」  
 
  バリアの向こう側にあるラボの入り口が開いた。  
モアが絶望に目を閉じる。外の光とともに入ってきたのは、まったくこの  
状況を知らされていないケロロである。  
「ヤフ――――ッ!!PRムービーが出来たそうでありますな!  
クルル曹長、オツカレでありますッ!!」  
「よぉ、隊長。・・・・・待ってたぜ。じゃ、さっそく上映会を始めるか。」  
  笑いをこらえながら、クルルが腕時計に向かって話しかける。  
バリアの向こうのもう1人のクルルが、その音声に合わせてケロロを迎え  
なにやら端末を操作する動作を見せた。あらかじめその言葉と連動させて  
いたものか、電磁バリアのすぐ裏から勇ましいファンファーレが鳴り響く。  
ムービーが始まったらしい。  
「おおッ!スゲー!カッケ―――――ッ!!」  
  ケロロがこちら側を向いて無邪気に目を丸くする。  
素通しに見えるのは、こちらだけなのだ。  
 
 ケロロの姿を目にして、モアが必死の抵抗をみせる。  
手のひらでクルルの顎を撥ねあげ身をよじって、深く繋がれた自分のから  
だをなんとか解き放とうと足掻く。暴れるモアを抱きすくめたクルルが、  
くせのないやわらかな前髪を掴み、引っ張った。  
モアの首がおおきく仰け反る。  
クルルが、後ろ手に自分を掻きむしるモアのゆびを掴んで、電磁バリアに  
ビシッ!と叩きつけた。その振動と音は、裏で放映されているムービーの  
激しい爆撃音によって掻き消されてしまう。  
もう片方の手もクルルに掴まれ、ちょうど手首を交差させたかたちでモア  
の両手が電磁バリアに押しつけられた。  
重ねた手首から伝わるアンゴルストーンの効力が、モアの抵抗する最後の  
ちからをたちまち奪ってゆく。モアのほおを透明な涙が幾筋もつたった。  
クルルが顔を寄せてモアの髪を掻き分け、うなじから首筋に唇を這わせた。  
そのあたたかな感触に、モアがびくりとからだをふるわせる。  
「・・・・・っ・・・は、ぅぅ・・・・ッ!・・・」  
  体内ふかく穿たれたクルルの熱をふいに強く感じて、モアのからだが  
心ならずもヒクヒクと収縮を繰り返す。  
そのたびに感じる、めまいを覚えるような甘い惑溺に眉根を寄せたモアが  
首を反らし頭をもたげ、霞む目をひらいた。  
その目線の先に――ニコニコとPRムービーを見て微笑むケロロが、いた。  
 
(ああッ!!・・・・・お、じ・・・さまッ・・・・!!)  
 
  モアと繋がったまま、クルルが後ろ手にデスクの椅子を引寄せた。  
そのままモアの腰に手を廻してかるがると抱き上げると、ひざ抱きにして  
モアごと椅子に深く腰掛ける。体重がかかり、結合がぐぐっと深くなった。  
くぅッ・・・・とモアが耐え切れずちいさな声をもらす。  
クルルが腰掛けた滑車つきの椅子を、ちょうどケロロの真正面に来るよう  
移動させた。ひざ下にからまる下着の布地を片足だけ剥ぎ取り、クルルが  
モアの足をおおきくひらいた。  
胸を守るブラもみぞおちまで引き下げ、乳に五指を食い込ませて容赦なく  
嬲る。身体を激しく揺すりながら、クルルが声をかけた。  
「―――――――どうだい隊長?・・・・・オレの苦心の作だ。  
キレイな、いい絵だとは思わねぇかい?」  
(あ、あ・・ッ――イヤ・・ぁ・・・っ!・・みない、でッ・・おじさ・・ま・・ッ!)  
「イヤ〜、さすがはクルル曹長。なかなかの高画質でありますな!」  
「クックック、ありがとよ。アンタにはきっとそう言ってもらえると思っ  
てたよ。」  
  クルルが抽迭を繰り返すたびに、モアのくちから押し殺した甘い吐息  
が搾り出される。  
「ふぅ・・・んッ・・・くぅッ!・・・はぅ・・・うッ・・・」  
  モアのからだは、くさび打たれたクルルを締めつけ収縮しつつもどん  
どんさらに深く飲み込もうとする。クルルが後ろから腕を伸ばしてモアの  
秘所の、敏感な芽を爪で弄った。  
「ひッ!・・・・ッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」  
  最初の絶頂にモアがからだを引き攣らせ、背をのけぞらせた。  
殺しきれない、悲鳴に似た高い声がかすかに漏れる。  
がくがくとモアの顎と足先がふるえた。クルルがモアの耳に口を寄せて  
素早く、ひそやかにささやく。  
「隊長の目の前でイッちまうとはな。・・・・なかなかいい度胸じゃねぇか。」  
「ひ・・ぃ・・・ッ!・・・っく・・・ッ!・・・・うぅぁッ・・・・」  
  どうしても漏れ出るモアの嬌声に、向こう側のケロロが不審気に後ろ  
を振り返って映像のモアを見やった。  
「――――モア殿?・・どこか具合でも、悪いのでありますか?」  
「オイ。隊長が聞いてるぜ?・・・クックック、一体どうしたんだよおめェ。」  
  クルルがわざとケロロにも聞こえるように、はっきりと声に出した。  
「ふ・・・ぁあッ・・・・お、じ・・・さまぁ・・・ッ!」  
  その声に向こう側のモアが、具合悪そうにからだを俯かせる。  
「だ、大丈夫でありますかモア殿?・・・熱でもあるのでは?」  
  モアに駆け寄ってからだを支えようとしたケロロを、必死でモアの声  
が押し留める。  
「だ・・・ダメッ・・・・来ないでッ!触らないでおじさまッ!!」  
「し、しかし・・・・クルル曹長、これは?」  
  モアのからだを抱きとめ、するどく動き続けるこちら側のクルルが  
苦笑して腕時計に声をかけた。  
 
「――――なに。こいつは隊長に見て欲しくて、ちょっとばかり張り切り  
すぎただけだ。頑張りすぎてへばったんで、イラついてるのさ。  
・・・・・それより隊長、続きを見てやってくれよ。あんたに見せたくて、  
こいつもウズウズしてるんだ。――――喜ぶぜ。ク〜ックックック。」  
 
  クルルの言葉に、戸惑いつつもケロロが正面のムービーに向き直る。  
ケロロはまったくあずかり知らぬことであったが―――その目線の先には  
足をひらかされ秘所をさらけ出したまま男を受け入れているモアのからだ  
が、あった。愛するおじさまの無表情なその目に、クルルに犯され続けて  
いる自分のすべてを見られてしまっているような錯覚があり、モアがちい  
さく嗚咽し始める。  
クルルがモアの背のブラの留め金を鷲掴み、強く引いた。  
引き剥がされ、みぞおちにクシャクシャと溜まっていた白いブラがまるで  
拘束具のように乳を押しあげ、そのかたちを歪ませる。  
たちまち乳の先端がかたく尖った。  
「ひぃ・・・ッ!――――はぅ・・・・ッ・・・・・うぅう・・・。」  
  そのままクルルがモアの腰を支えて、ゆるくそのからだのなかを掻き  
回す。モアのくちから笛に似た高い声がかすれて漏れた。  
その声に反応して電磁バリアが一瞬ぐらりと揺らぐ。声が大きすぎたのだ。  
「お・・おじッ・・・さ、ま・・・おねが・・・・いッ・・・・・!」  
  透明な唾液をくちから滴らせながら、モアが必死で声を出した。  
「おねがい・・・れす、から・・・はぅう・・ッ!!・・・・き、今日はもぉ、・・・  
か、帰ってくださ・・・・いッ、いぃいッ!!!」  
「―――――だ、大丈夫でありますかッ モア殿ッ?!」  
「・・もあは・・だいじょぉ・・ぶ、れす、か・・らッ!――ひッ!あ、ぁあッ!」  
  語りかけながらも、止む事のないクルルの抽迭にモアがまたちいさく  
達する。  
「かえって・・・・・・くらさ、いッ!―――早くッ!・・・はや、く・・・・ッ!!」  
  モアが両手で顔を覆った。そのゆびの隙間から涙がこぼれてつたう。  
「も、モア殿がそう言うのでありましたら・・・・。」  
  気がかりそうにケロロがきびすを返す。  
何度も振り返りながら去るケロロがラボの入口で足を止めこちらを向いた。  
「仕事熱心なのはよいコトでありますが、モア殿は何でもひたむきにガン  
バリすぎでありますよ?―――我輩みたいにちょっとはサボ・・・ア、イヤ  
息抜きも必要であります!体を壊したら元も子もないでありますよモア殿。  
よく休養を取ることと、そうだ、あとでクルルによく診てもらうといいで  
あります!クルルならきっと何とかしてくれるでありますからな♪  
・・・・・・モア殿、約束でありますよ?」  
  ケロロのその何も知らぬ温かい言葉が、モアの肺腑をえぐった。  
「――は、い・・。おじさ、ま・・。クルルさんに・・おねがい、し・・ます・・。」  
  顔を覆ったままモアが崩れ落ちる。クルルが口の端をゆがめてひくく  
笑った。  
(知らんこととはいえ、エグイことを言いやがるぜ・・・・ウチの隊長は。)  
 
「クルル曹長、モア殿をよろしく頼むであります。」  
  片手で嗚咽するモアを抱き寄せ、左手でゆるく敬礼したクルルが  
扉を閉めるケロロに対して凄みのある笑みを浮かべた。  
「ああ。――――了解だ。・・・・・あとはまかせときな、隊長。」  
 
  ケロロが去ったのを見届けて、クルルが抽迭を再開した。  
鋭くモアのからだにおのれを打ちつけ、思うさま蹂躙する。  
絶頂を繰り返した感じやすいモアのからだが、弓のように反りかえった。  
「ひッ!!あ、ああ――――ッ!あッあぁあ、ぁあ―――ッ!!!」  
  その嬌声に、電磁バリアと映像の二人が瞬時に消滅する。  
「どうだい?感じまくっていたみてェだが・・・隊長に見られて、コーフン  
したかい?」  
「ひぃ、っく・・・ッ・・―――く、るる・・・さ、ん・・・・・」  
  モアが涙をこぼしながらつぶやいた。  
「わ、わた、し・・・が・・・うぁぅッ!―――なに、か・・・いけない、コト・・・  
し、て・・・怒らせ、たんなら――――・・・。こんなッ・・・!  
―――おじさ、まは・・・ぅうッ!・・くるるさんを―――し、しんらい・・ヒィッ!  
・・・・な、なかま、なの・・・に――――・・こん、な・・・ッ!!」  
 
「―――あきれたぜ。この期に及んでまだそんな事言ってやがるのかよ。」  
  クルルがモアの足を入れ替えてからだの向きを変え、普段の自分が使  
う低いコンソールパネルにモアを仰向けに横たえた。  
そのまま足首を掴んでからだをひらかせ、覆い被さるようにふかく自らを  
挿入する。モアのからだがビクビクッと跳ねた。  
「―――そんなお題目は空気読めねぇ誰かさんや、家主のオカルトマニア  
にでも聞かせてやんな。仲間だとか信頼だとか、愛だの恋だの心だの・・・・  
――――くだらねぇ。オレはリアルなものしか信用しないぜ。  
目の前にある事実と自分の才能、あとは金だ。・・手に入らねぇ、あるかどう  
かも判らねぇもんに入れあげる奴ぁ、ただのマヌケさ。オレは興味ねぇな。  
・・・いまこうしてオレの下で、いい声あげて鳴いてるおめェが内心どれだけ  
このオレを憎んでいようが、な。」  
  貫きながらクルルが覗き込むようにモアの顔に顔を寄せた。  
その耳に尖らせた舌を挿し込む。そのぬるい感触にモアがぞくッとからだ  
をふるわせた。  
「はぅう・・・ッ――――は、・・・ッ・・・ぅあぅッ・・・あ、あ・・・。」  
「他の奴らの知らねぇところで、このまま毎日可愛がってやったっていい  
んだぜ?・・・そういう甘っちょろいセリフが出なくなるまでな。クックック」  
  ひどく優しげな声でつぶやくクルルが、モアの太ももの内側を手で  
押しつけた。足がおおきくひらかれ、モアの乳がひざで潰され形をかえる。  
クルルが、表情がよく見えるようモアの顔を起こした。  
そのまま一気に根元まで挿入する。  
「や・・・ひぃい――――――ッ!!ぁ、あああぁあ―――――ッ!!!」  
 
  モアがあらん限りの声をあげる。その快楽の絶叫はとめどなかった。  
二度、三度と鞭打たれるクルルの荒々しい動きに、モアのからだが弓なり  
にしなった。  
「あッ・・あ、ああッ・・もぉ・・もあ、ダメです・・おかし、く、な・・ッ・・」  
「――なっちまいな。・・・・壊れても、オレが治しちまうがね。クックック」  
  クルルの眼にも、酔ったような暗い凶暴な光が宿った。  
モアの乳を掴み、容赦なく揉みしだく。  
モアのからだの最奥をクルルが激しく突いた。  
クルルが動くたびにモアの秘所がちゅく・・ッちゅく・・ッ!と淫猥な音を  
立てる。永劫に続くかにみえた、もはや苦痛なのか快楽なのかわからない  
陵辱にモアの意識が徐々に薄れはじめた。  
あまい桜色に全身が染まる。からだが痙攣を繰り返す。  
「ひッ・・・・ひぃんッ!・・・ひぃ・・・・ッ!ぅあッ・・・・!!」  
  モアの内部を、クルルが余すところなく蹂躙する。  
最後の、そして最大の絶頂にモアのからだがビクビクッと大きく痙攣した。  
「ひィいッ!・・・ひ、あぁッ――――――――あ、あぁああッ!!!」  
  その激しい収縮の感触に、クルルも深く埋めたままひくくうめき精を  
放つ。絶頂の快感の名残りにモアのからだが数回、ちからなく跳ねた。  
 そのまま数秒――――音もなく時間が流れる。  
 
 
 
「―――オレがイイヒトなんかじゃねぇって事が・・・よくわかったかい?」  
  クルルがモアのからだから自分を引抜きながら、ぽつりとつぶやいた。  
モアの太ももを血の混じった白い液体がつぅッ・・とつたい落ちる。  
モアは動かなかった。重ねられた衝撃に瞳を見開いたまま茫然としている。  
その涙と唾液と粘液に汚れた顔に、クルルが指をかけた。  
硬い指先がそのほおを撫でるようにそっと動く。  
耐え切れなくなったようにクルルがつぶやいた。ぎりぎりまで押し殺して  
いるためかその声はかすれ、どこか心もとなかった。  
「おい。・・・・・だから、な・・・・・。」  
  クルルの指が伸びた。  
ふるえる指先でモアのおおきな、うつろに開いた瞳をさえぎるように隠す。  
そのあとに続いたにがい言葉は―――だが、意識を飛ばしてしまっている  
モアの耳に届くことはなかった。  
 
 
「――――だから・・・だから今後もう二度と、このオレをそんなまっさら  
な眼で見るんじゃねぇよ。――――迷惑なんだよ。」  
 
              〈END〉  
 
 

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