「はっ、いっイクぅ…ぅ…!……ふゆき…くぅぅん!」
「ぼ、ぼくも、うぁっっっ………!」
前回結ばれたふたりのその後のはなし。
料理の苦手(と桃華に断定された)な冬樹の為に夕食を作りに行くという名目の元
冬樹の部屋に入り浸り、時間を見つけては情事に耽るという毎日を送っていた。
「ハアッハアッ……キモチ…よかったぁ……」
「好き…だよ……ハアッハアッ…」
「…私もぉ……ンクッ…チュッ…」
キスを重ねる2人。そして…
「ねェ……もう一回だけ…してェ……」
「え……でも?…」
「いいのッ!……ねぇぇッ…冬樹くぅん………ハアァァッ…」
甘い吐息を首筋に吹きかけて続きをねだる桃華。
そしてその脳内では
裏「は…ァ…ン…………!…いけねっ門限がッ!」
表「あァ…ァ………シ、シアワセェ…」
裏「チッ、なにバカいってんだよ、門限過ぎちまうぞ!」
次第に悦楽の日々に堕ちていく桃華なのだが、裏桃華が律しているおかげで
いつも門限までには帰宅する事が出来ていた。
表「えっ…もう、もう時間ですの…もう終りぃ?」
裏「むくれたって駄目だっ、オメーはいつもいつも…」
表「でも…もうちょっとだけ!…ねっ、すこしだけ!」
裏「ダメダメだっ!門限破ったら明日からここに来れねぇじゃねーか」
表「打算的ですのね…もうすこしぐらい良いじゃないですか……もぅ」
しなやかな指先が冬樹のものを見つけ、桃華の肢体がゆっくりと移動する。
「うふふっ」
「あ…あぅ……」
冬樹の手が桃華の乳房にのびていく…
表「アン!……ほら、ほらぁ冬樹くんもソノ気になってる、ソノ気にィ」
裏「ァァア…イイィ………!い、いやいやいや!ダメだっ!帰るんだ…」
表「強情ねぇ…ほぉら冬樹くんの欲しいでしょ?一緒に気持ちよくなりましょうよ」
裏「欲しいぜ!だからこそ帰るんだ!ルールも守れねェダメな女に魅力なんて無い!」
表「もう!……でも確かに冬樹くんに逢えなくなるのはイヤかな…」
裏「着替えたり身支度してると、もうそろそろ門限ギリギリだぜ!」
するとその時
パアァァ―――――――――――――――――――――――――――ッ!!!!
もう1人の桃華が降臨した!
表「な…!…なんですの?」
裏「誰だよ、オメーはっ!」
真『……ワタシは表でも裏でもない、且つ、表でも裏でもある!真の桃華…』
表・裏「「?!」」
真『……桃華が生まれる前から共にあった、いわば桃華に一番近い存在…』
裏「つまりは3人目の桃華ってワケかよ?ま、ちょうどいいぜ」
表「相反する2人では意思決定に時間が掛かってしかたがなかったところですの」
裏「3人になったんなら、それはそれで手っ取り早いぜ。それでよ、オメーの意見は?」
真『……ワタシは門限のさらにその先を見ています、つまりずっとここに…』
さっきから尖りっぱなしの乳首に指が触れ、余韻の残っている桃華は軽くイッてしまう。
「っ、イクぅ…ぅ…!……ふゆき…くぅぅん!」
表「………うっイクっ!………」
裏「ぅ!…ぅ!………ハァハァ…軽くイッちまったぜ!」
真『…ッ!………』
裏「それで、なんだって?」
真『…………ヒクッ……ビクンビクン』
表「なんですの?」
真『ハッ……………ワタシには門限なぞ関係ない、ずっとこの部屋にいます。永遠に…』
裏「にゃにぃ?!つまり同棲するってことかぁ?」
表「ええぇ!冬樹くんとずっとくっついていられるなら嬉しいけど、それはまだ…」
冬樹の肩に手を置き揺れる桃華。
「あッ、あッ、あッ、あッ……!」
真『……それが桃華の…あッ!…真の望みなのです!……』
表「あッ…!…で、でもぉまだ早いと思うの…あッ」
裏「なにいってんだ…ぅ…あッ!…論点はソコじゃ…」
真『……もう遅い……あッ!…ワタシには逆らえない…』
冬樹の激しい突上げに桃華の身体を快楽が駆け巡る。
「あぁぁ、私、溶けちゃうぅぅ、溶けちゃうよぅ……」
表「!とっ、溶けてます!下のほう溶けてますっ!」
裏「え゛?!オ、オレの右足がないっ!」
真『……ワタシは真の姿に戻るのです…』
表「侵食度30%!この人はッ!!」
裏「オ、オレたちを吸収して、食っちまう気だっっ!」
真『…言ったでしょう、表でも裏でもある存在だと。ワタシとひとつになるのです…』
知らず知らず桃華の手足が冬樹の身体に絡みついていく。
「はっ、はっ!……冬樹くん!私とひとつにぃっっ」
表「侵食度がぁ!………で、でもひとつになるって、な、なんだか、その」
裏「あ、ああ…キモチいい……もんだな…………って違う!なんとかしろぉっ!!」
真『無駄な事…真の存在であるワタシの意思を拒む事は出来ないのです…』
「うっっ!!」
冬樹の射精と共に桃華も絶頂を迎え、目の前に細かい火花が瞬く。
「ぅ!イ・イクっ!!あああぁぁ!」
桃華は襲ってくる快楽の波を拒む事が出来ずに、首を振り身体全体を痙攣させている。
表「イクっ!…のぉ!…もぉどうでもイイっ!!」
裏「ぁあんイイよぉ…!このままぁ!このままずっとォ!」
真『………これでずっと冬樹君と…フ、フ(ジュルリ)…さあ、全部吸収されてしまいなさい…』
桃華の中に全て注ぎ込んだ冬樹は壁の時計を見て気付いた。
「あ、そろそろ門限だよ、家に帰らないと…」
全員「「『「…ウンッ!…」』」」
冬樹の鶴の一声でいきなり意思統一した桃華は門限までにちゃんと帰宅しました。
おしまいっ