大人気旅行番組「シクシク訪問録」の撮影ということで、突然日向家に現れた宇宙人たち。  
テレビの裏側といったところか、その者たちは予想しないほどに傍若無人な振る舞いで、  
ケロロは頭を抱えながら台所へと入っていった。  
「ん? どうしたのよボケガエル。あいつらはもう満足したわけ?」  
 夏美は訪問者たちのやりたいようにやらせてさっさと帰って貰おうという考えで、つい先程  
まで料理に精を出していた。やけに無駄な食べ方の多い残飯を片付けて洗い物を終えると  
「ああっ、疲れたぁー」とぼやきながらエプロンを外し、ケロロに接待の成果を問い掛ける。  
「い、いやぁ……。それが、そのぉ……」  
 ほとほと困り果てたといった様子のケロロは、人差し指の先同士をクニクニとすり合わせて  
何か物言いたげである。  
「何よ、ハッキリしないわね……。ほら、今回だけは私も協力してあげるから」  
 いつも目の敵のようにしているケロロでも、今までの様子からあまりに可哀相に見えて仕方  
無かったのだ。俯いている心労の隊長を優しく見下ろすと、それに気付いたケロロは半分  
涙ぐみながら礼を言った。  
「な、夏美殿……。かたじけないでありますっ」  
 トイレに入ってる時に乱雑にノックされたり、折角作った料理も豪快に食べ残されたりと、  
夏美にとってかなり面白くないことはあったが、宇宙で影響力を持つテレビ番組となれば  
さすがに邪険にはできない。  
 昨日の敵は今日の友か。何とか地球のイメージを悪くしたくないケロロと、厄介な来訪者に  
早く帰ってもらいたい夏美は結託し、ガッシリと手を握り合う。  
「それで……、今度は一体何をすればいいっていうの?」  
 ケロロが台所に入ってきた時の表情の曇りからすれば、また何か面倒な注文を付けられた  
のだろう。夏美がそう考えてケロロに尋ねると、一端明るくなった顔はまた先程までの暗がりの  
様相に戻っていった。  
 
「それが……、やっぱり初めのうちに女の子が全然出てこないのはマズイんでない? っつーこと  
で……」  
 なるほど。いくら異文化で目を惹く物が多くあるにしても、R・グレイと3Mがそれを紹介している  
ばかりでは視聴者も退屈だろう。つまりは異文化コミュニケーションの一環として、その星の住人  
(出来れば綺麗な女性)と談笑なりなんなりの交流が欲しい、というわけだ。  
「え、それってもしかして……」  
 ケロロの言わんとしていることに気づいた夏美は、徐々に険しい表情へと変わっていった。次の  
瞬間、ケロロは両手を地に着けて勢いよく額を叩き付ける。  
「この通りであります!! 今、ここにいる地球人の女性は夏美殿だけ……。この後一週間は、  
吾輩が炊事洗濯当番を引き受けますからっ!! だから……、だからお願いであります〜っっ」  
 最早、ケロロにあの訪問者たちを取り仕切るのは無理のようだ。家やガンプラを壊されたりで、  
山積する後始末だけでも頭が痛いのに、これ以上彼らの機嫌を損ねるようなことがあればどう  
なるかわかったものではない。溺れるケロロは土下座してまで夏美にすがるのだった。  
「あー、わかったわよ。どうせあいつらだってこのまま帰るつもりはないんでしょ? 話相手ぐらい  
ならやってもいいわ」  
 夏美は、あまりに必死なケロロに少し呆気にとられていた。そんなに下手になるなとケロロを励ます  
ようなジェスチャーをとりながら、その提案に良い返事をする。  
「ううっ、後は頼んだであります……」  
 これを断られたら本当にどうしようかと悩んでいたケロロは、安堵の涙を流す。放っておけなく  
なった夏美がハンカチを差し出すと、ケロロはそれで目元を拭くと濡れていた鼻口に当てて思いっ  
切り鼻をかんだ。  
 
「……あの、それアンタにあげるわ」  
「えっ!? いやいや、ちゃんと洗って返すであります」  
「いいから」  
 夏美はそう言って台所を出ると、洗面所へと向かう。成り行きとはいえ、今から撮る映像が使われ  
てテレビに出演するかもしれないのだ。おかしな所はないかと、鏡をジーッと見て髪や面を整える。  
一通り確かめると「もういいかな」と振り返るが「いやまだ」という感じで再度鏡を見やった。そんな  
ことを幾度と無く繰り返してるうちに結構な時間が経っていたことに気付くと、ウンと頷き、緊張に  
鼓動を早ませて客間へと向かっていく。  
「夏美殿……、その……相手は人気のテレビ番組の方たちでありますゆえ、くれぐれも……」  
 その道中でまたケロロと会う。来客に失礼の無いようと念を押しに来たのだ。どんなに面白くない  
ことがあっても、敬語を使い、下手に出て、失礼の無いようにと。  
「もし相手を敵に回すようなことがあったら、地球は――」  
「はいはい、大丈夫よ」  
 いつものケロロらしからぬオドオドとした様子がおかしくて、夏美の口からは笑いがこぼれた。  
いい具合に緊張も解れて、自信ありげにそう答える。そんな笑顔を向けるとケロロも少し安心した  
のか、それ以上は何も言わなかった。夏美はケロロの丁重な見送りを受けながら、問題の者たち  
の待つ部屋の入り口まで辿り着く。  
 
「ん――コホン。失礼しまーす」  
 自分の家の一室に入るのに断りをいれるのも少し妙な感じがするが、夏美はそう言って部屋の  
戸を開けた。中の者たちは、なかなかやって来ない接待側の対応に苛立ち始めていたのだが、  
 ケロロの呼んできた地球人の少女が想像以上に可愛かったらしく、満腹さで下がっていた  
テンションのボルテージがグオオッと上昇する。  
「イエ――スッ!! 偶像を壊して嫌な雰囲気になってたけど、あのケロン人もなかなか気が  
利くじゃん!!」  
「こ、これなら間違いなく視聴率にいい影響が出るし!! 2m67cmくらい」  
「あ…、あはは……」  
 出だしからどうにも調子が合わなさそうで、夏美は苦しい笑いを浮かべていた。形式ばった  
挨拶も抜きにして、スカートを押さえながら二人と向き合うようにして座布団に正座する。気付く  
と、カメラマンのMr.Gがその側面へと位置取っていた。撮影は打ち合わせも無しに早速始まった  
ようである。  
(や、やだ……。このスカート、ちょっと短かったかな……?)  
 そのカメラのレンズが捉えた映像が、やがて宇宙テレビで放送されるかもしれない。そう考えると、  
その無機質な「目」という存在が過剰に意識される。訪問番組らしく普段着で来た方がいいとは  
思ったものの、もう少し気を遣ってもよかったかなという淡い後悔が込み上げた。  
 
「いやー、君イケてるねぇ。それ普段着?」  
 先程までのだらけた様相とは一変し、OA用の締まった感じでR・グレイの質問が始まる。開口  
一番の質問としては、随分馴れ馴れしくて踏み込んだものであった。  
「え!? あ、はい……。あの、そのっ、私って、そそ、そんなに可愛い服持ってないし……」  
 切り替えの早いR・グレイに対して、夏美はその質問の図々しさを感じるどころではなく、テレビ  
カメラの前という慣れない環境の前でしどろもどろに謙遜する。  
「初々しくていい感じだし。5cmくらい」  
「あ、あうあぅ……」  
 序盤からドジを踏んでしまい、話を繋げようにも次の言葉が出てこなかった。取り敢えず落ち  
着こう。夏美はそう思って、目の前の湯飲みに注がれた温かい茶をゆっくりと喉に流していく。  
そんな困惑している夏美を見たR・グレイはこれ良しと見て、さらに踏み込んだ質問を投げ掛け  
てきた。  
「胸のサイズはどれくらいなの?」  
 ブ――――ッッ!!  
 お約束、という感じで夏美は勢いよくお茶を吹き出して、しばらくむせながらR・グレイを睨む。  
いくら緊張しているとはいえ、こんな質問までも流されて答えるわけではなかった。  
「地球少女の放茶シーンとは実にマニアック!! 40cmくらい」  
 やがて咳も落ち着き、喉元に手を当てながらゆっくりと深呼吸する。夏美は一刻も早く、その  
疑念を口に出したかった。  
「……そんなの、番組と関係あるんですか?」  
 丁寧口調ではあるが、先程とは違いその顔は笑っていない。テーブルの上にぶちまけたお茶を  
拭き取りながらどこかピリピリとした空気を醸し出す少女に、R・グレイはゆっくりと目を合わせた。  
 
「それは勿論。君は見たところまだ成長期みたいだけど、宇宙人類科学の学術的興味から尋ねて  
みたくなってね」  
「でっ、でも、そんなこと言えるわけ――」  
 そこまで言った所で先程ケロロの言っていたことを思い出す。決してこの者たちを敵に回しては  
ならないという話を。つまり、質問をされたのにそれを無視するなどということはあってはならない  
ということである。  
(そんなっ。でも……、まさか私の身体のこと聞いてくるなんて思わないじゃないっ……)  
 想定外の事態に、夏美は外から見てもハッキリわかるほどに動揺していた。これなら案外楽に  
おいしい展開に持っていけるな、と三人の来訪者たちはほくそ笑み、R・グレイが畳み掛ける。  
「大丈夫大丈夫。これ地球で流れる訳じゃないから君の知り合いに見られる心配もないし、OAから  
少し時間が経てばみんな忘れてるって。だから何カップかぐらいは言ってくれないかな?」  
「えっ? で、でもぉ……」  
「いや〜、頼むよお嬢さん。今の時代、テレビの前にいる勉強にいそしむ大きなお兄さんに、お待たせ  
しました――っっ!! ってのが必要なんだ」  
「俺たちが大人しいうちに言った方がアンタの……いや、地球のためだぜ?」  
 口の達者なR・グレイを、3Mがボソッと不穏な言葉を告げることで後押しした。「地球のため」という  
うたい文句が、恥ずかしい言葉を夏美の喉から押し上げようとする。しかし、一瞬冷静さを取り戻した  
間には、心の中で「言っちゃダメ……言っちゃダメ……」と繰り返していた。  
 夏美が硬直してしまってからも相変わらずカメラは回り続け、目の前に居座る二人も色めいた視線  
を逸らそうとはしない。ここから逃げ出したい衝動を抑え、震える手を太腿の上できつく握り締める。  
 
「…………ップ……です……」  
 夏美は不意にそう呟いた。胸のサイズを言った可能性は高いが、あまりの小さな声に向かい  
合っている二人ですら聞き取れない。  
「いやぁ、もうちょっと声を大きくして言ってくれないと――」  
 こうなったらヤケだ。夏美はやや暴走気味に同じ言葉を出そうとする。  
「ああっ……、だからっ…………ゴニョゴニョ……」  
 今度は声は聞き取れる程度に大きかったものの、震える唇が発音を悪くさせて籠もった声に  
なり、結局よくわからなかった。だが、強気な少女にここまでさせた訪問者たちは一つ顔を見合  
わせて頷くと、手慣れた様子で次の行動に移っていく。  
「口で言ってもらえないなら、直接調べてみるしかないか」  
 R・グレイ、3Mの両名が立ち上がり、両脇から夏美を囲むようにして近付いてくる。明らかに  
卑猥さが浮かんでいる二人の表情を見ると、夏美は身の危険を感じてハッと我に返った。  
「い、いやっ……。何するつもり……?」  
「おっと」  
 迫り来るR・グレイを見て高い声を上げようとした夏美の口を、後ろから3Mが手で塞ぐ。体格の  
良い3Mに押さえ付けられてジタバタと藻掻くしかない夏美を見据えながら、R・グレイはこう言った。  
「ダメダメ。悲鳴なんか上げたりしたら、旅行番組としてはNGだよ。……これがどういう意味か  
わかるよねぇ?」  
 地球という一つの星の命運は、少女一人に託すにはあまりにも重い。そのR・グレイの短い言葉  
だけで夏美の抵抗力を削ぐには十分であった。  
「ああ、そんなに怖がらなくてもいいって。ちょっと君の身体を調べさせてもらうだけだから……」  
 
「んんぅ〜〜!! むぅぅっ、やらぁ、やらよぉっ……ん…むぐぅっ……やめれぇ……」  
 少しずつ……、ジワジワと弱まっていった少女の拒否の呟き。3Mの手に妨害を受けながら  
モゴモゴと喋るそれも、次第に力無い音量になっていく。しかし、テレビという名の力の前では、  
その小さな呻きが夏美に出来る精一杯の抵抗だった。その強大な影響力を持つ後ろ楯に守ら  
れた二人の魔の手が、震える少女に容赦なく寄せられていく。  
「ああっ!! 地球という惑星のために自らを差し出すとは、この星の住人は何と心優しいので  
しょうか」  
 リポーターらしく、R・グレイのわざとらしい解説が入る。ご丁寧にも、地球という単語をわざわざ  
強調させていた。  
 実況解説を済ませた訪問者は両手を夏美のくびれた脇腹に持っていき、服の上から左右の  
そこをギュッと掴むようにして触れる。軽く握り離しをして刺激を与えても夏美が大きな抵抗を  
しないことを確認すると「もういいぞ」という感じの意を3Mに伝え、夏美の口元からゆっくりと手が  
離された。地球のために逃げられない状況へと陥れられた少女は、すでに助けを呼ぶような素振り  
も見せず、ただ怯えた目で震えている。  
 
「CMの後、地球少女の実態に激しく迫る!! ってな感じで視聴者を縛れそうだな」  
 R・グレイは、すっかり大人しくなった少女の不安を煽るようにして、敢えてしっかりと聞こえる  
ようにそう呟いた。すでにその目的も変わったためか、カメラ持ちディレクターのMr.Gが、  
撮影を続けながら密集した3人に近付いていく。  
 レンズという目を通して被写体を記録する物が、少女のきめ細やかな肌が詳細に認められる  
ほどに接近した。夏美が朧げならない不安を感じて、上方から自分を覗き込んでいる無機質な  
観察物を恐る恐る見上げる。次の瞬間、恐れの中で縮こまっていた少女が、目を丸くして身体を  
ピクンッと鼓動させた。  
「ひゃっ!?」  
 夏美は思わず後ろを振り向く。見れば、3Mが毛並みの揃った白い鳥の羽を一本取り出して、  
男を見惚れさせるような艶やかなうなじをスーッとくすぐっていたのだ。  
「ちょ……、くすぐった…い……。きゃ…はははっ……やめっ、やめてぇっ……」  
 スベスベとした無垢肌を、一番乗りのゲレンデをスキーで滑降するかの如く、3Mが羽先で  
ジックリと弄り始める。肌との接点を極力少なくするようにして、羽の最先端のみで掠めるように  
触れ合わせていった。すると夏美はくすぐりの刑を受けているように笑い出す。性感など全く  
開発されていない無垢な少女にとっては、秘めた悦びを感じるには程遠かったようである。  
 
「ま、その方がやり甲斐があるし。68cmくらい」  
 微細な動きで探るような弄り方をしていた3Mだが、このまま笑わせるだけでは面白くないと  
踏んだのか、やがて夏美の弱いところにある程度メドを付けると、その部分を強く押し擦るよう  
にして執拗に弄んだ。するとウブな少女は正直な反応をして、快楽の要所を責められるごとに  
今までとは少し違った声色を愛撫者に見せていく。  
「んぅ……。だから……くすぐったい…って……、ふぁ、ぁっ……」  
「少し強くしただけなのに随分敏感だし。9cmくらい」  
 真っ白で純真な少女に僅かに伝えられた快楽。3Mは夏美の反応の小さな相違を見逃さな  
かった。その不思議な感覚の味を僅かながら覚えさせられた夏美の肌を、再び微弱な加減で  
サラサラと撫で上げる。すると少女が認識する感覚は今までとは変わって、一旦頭の中に加わ  
ったむず痒いような甘美な感覚が作用していた。そうすると美麗なうなじから首筋を通って頭や  
背筋へ悪寒がゾワゾワと走り出し、段々と上昇してきた体温が、初々しくも魅力的な首周りを  
しっとりと汗ばませていく。  
「い、いやぁ、ダ……メぇっ……ゾクゾクする……ッッ……!」  
「おお〜、いい顔してるよ」  
 そう言うMr.Gが手に持った最新鋭の撮影機器は、少女が魅惑的に身悶える姿を余す所無く  
捉えていく。高画質な映像を提供する「目」ばかりでなく、夏美の口元から漏れ出す切なさが  
含まれてきた吐息もわずかに取り残さないほどに精巧な「耳」まで兼ね備えていた。  
「あ…ぁぁっ……、んんっ、は……ぅぅっ……、こんな――こんなの撮っちゃイヤよぉ……」  
 もっとも、いくらお約束シーンとはいえ、あまりにやり過ぎればタダでは済まない。しかし、  
視聴者もわからないことだらけの未開の惑星「地球」の少女相手では、こういった行為でも  
ただ皮膚の感度を調べているだけだという学術的な主張を唱えることが十分可能であった。  
 
「地球の人たちは他人へのものの頼み方を知らないのですか?」  
 いつしか敬語を使うことを忘れていた夏美。R・グレイは、自分たちに従わなければならない  
ということを思い出させるようにして少女にそう告げる。  
「……ん…は……ぅっ、やめ……て……、やめて……くださ…い……」  
 肌触りの良い羽先との戯れが、白皙のうなじや首筋にジワジワと浸透していき、くすぐったい  
だけではない感覚に畏怖させられる夏美はそう懇願した。しかし、悔しさを押し殺しながら許しを  
乞うそんな少女を、男たちは意地悪く嬲り続ける。  
 R・グレイは楽しそうな表情を見せると、夏美に気付かれないようにこっそりと筆を取り出す。  
それは本来の目的に使っている様子はなく、筆先の上質そうな毛並みが真っ白に光っていた。  
それを不意に少女の耳たぶに添え、掠めるようにして優しく撫でさする。  
「きゃ!? 何、何してるのっ……?」  
 注意が逸れた一瞬の隙を狙われた少女は、突然の異質な感覚に身震いした。  
「どうですか? 羽ともまた違った感じがして気持ちいいでしょう」  
 愛撫者は戸惑う少女にも構わず、耳殻の溝を埋めるようにして筆先を差し入れる。そのまま  
凹凸に沿うようにして筆を走らせると、夏美は耳器官の最外部から脳に直接刺激を送られて  
いるような感覚に陥るのだった。  
「ん……ぁっ! そこダメぇ……、耳…いじらないでぇっ……」  
 獲物を前にした者にそんな声が聞き入れられるはずもなく、R・グレイは貝殻上の耳翼から  
筆の腹を使って重力に従い首筋をツーッと縦断させる。相変わらず羽で首の裏側を弄っている  
3Mと、前後から協力して責めるような形になっていた。  
「あ……、くっ……! いやっ、い…やぁっ……」  
 うなじから伝わる微感に肩をすくめて身じろぎしていた少女は、隙だらけになった首の前部を  
刺激されていく。愛撫者たちは前後から違った感触で夏美を襲い、ゾクゾクとする危ない感覚を  
遮断することを許さなかった。  
 
「……クククッ、ハハハハ……」  
 R・グレイは楽しくてしょうがないのか、小さく笑い声を漏らしているのが聞き取れた。カメラの前  
だけにすぐさま平常心を取り戻したようだが、番組の撮影という環境下で、周りに腰が低いように  
見せている男の本性を垣間見たような気がした夏美は、恐怖心をさらに高まらせる。  
 やがて首部の愛撫を3Mに任せ、R・グレイが再び筆を滑らせ始める。少女の着ている慎ましい  
服の襟元から中へ強引に筆を侵入させて、鎖骨の中心付近から肩方へと、いくら高級な習字紙  
でも勝負にならないような美肌を虫が這うような動きで蹂躙していく。制止を求める少女の悲壮な  
声も、ムズムズと伝わってくる淡い感覚が喉から押し出させる甘声によって、いつしかかき消され  
ていた。  
 Mr.Gのカメラが写すその先は、こそばゆい感覚に微動している夏美に当てられ、無駄な贅肉の  
感じられない端正な鎖骨部が望む襟元へと移動する。  
「うーん。ちょっと物足りないかなぁ」  
 撮影中の被写体に十分満足していないのか、Mr.Gがそう呟いた。  
 少女の見た目の年齢以上に豊かな二つの脂肪塊は、やや厚手の衣服でも胸部をやんわりと  
膨らませている。Mr.Gとしては、こういったサービスシーンで男が興味を持つ要所の、チラリズム  
的なカットが欲しい所だったのだ。しかし、夏美が着ている服の襟部分は結構閉じたもので、R・  
グレイが隙間から手を差し入れて少々乱暴に掻き回しても、秘めたる箇所まではカメラの目に  
映らないままだったのである。  
「ふーむ。そうだな……」  
 R・グレイは、一つ考えるような仕草をとる。やがてポンと手を打つと、夏美の喉の辺りに何か鋭い  
感触のするものを当てた。一瞬、喉を引き裂かれるのではないかという危機感が湧いた少女は、  
全身を大きく震え上がらせる。  
 
「ははっ。怯える姿もそそるけど、ジョークだよ、ジョーク」  
 悪質なからかいを終えたR・グレイは、そのまま真っ直ぐに鋭利な何かを下ろして襟元を通り  
越し、胸上の高さに落ち着けた。と思った瞬間、スーッと胸の中心上を滑らせると、両胸の中間で  
ブラのフロントごと衣服が割けるようにして破れる。最終的にそれは胸下の高さ辺りで止まった  
ものの、今までとは異なり柔丘の内側斜面はハッキリと見て取れる状態になっていた。  
 何の変哲も無かった服が、胸元を大胆に開いたセクシーなものに早変わりすると、少女の  
あどけない仕草の割には我が侭な柔肉の谷間が顔を覗かせる。手慣れたディレクターは待ち  
構えていた報道記者の如く颯爽とその場を写し出し、カメラ越しに目を釘付けにした。  
「あっ、そんなっ!? やぁぁっ……」  
 その卑猥な視線に気付いた夏美は、無理矢理服を引き裂かれた胸元を両手でバッと隠す  
動作を起こした。しかし、それまでR・グレイと3Mの腕を押しのけようとすることに力を注いで  
いた両手がその場に固定されたことで、うなじや首筋が二人の思いのままに弄ばれることとなる。  
 学術的な目的とは程遠いいやらしい触り方に、紅髪の少女がその幼い肢体を少し前屈みに  
なりながらクネらせる。そうして僅かに動く度に、先程まで存在しなかったスリットから成長盛りの  
双丘がチラチラと妖しく望み、精巧なカメラによりテレビの前の野郎共に向けて熱く捉えられて  
いった。  
 若くてゴム鞠のように弾力のある二つの艶柔肉は、夏美の微かな挙動にも敏感に反応する。  
触り心地の良さそうなそれは、右が動いたかと思えば左は違った姿を見せ、今度は左が動いた  
かと思えば気付いた時には隣の右胸が柔軟に姿を変えている。これからさらに成長するであろう  
双子のように整った柔房たちは、主人の意思とは裏腹に、周囲の男たちの目を奪うようにして  
ぷるぷると大袈裟に揺れ動いていた。  
 
「はぁ……はぁ…、ぁっ……! お願い……、お願い…だからっ……」  
 結果としてさらなる愛撫を受けることになった夏美は、意味を為さない苦悶の言葉を繰り返す  
だけになっていた。それは抑止の効果を出すどころか、触肌に精を出す二人をさらに興奮させる  
ものに他ならない。調子が乗ってきたR・グレイは、満面の笑顔でカメラの方に向き直った。  
「さて、地球のお嬢さんの身体も大分温まってきたところで、我々宇宙の中の種族によっては  
珍しい存在である乳房について調べてみようと思います!!」  
 R・グレイがカメラに目線を合わせてそう予告すると、夏美の瞳が絶望に震える。そう簡単に  
終わらせてくれるとは思っていなかったが、自分の身体がどこまでもいいようにされてしまう  
予感が、未熟な少女を失意の底に落とさせた。すると、いつしかそんな絶望感によって力が  
抜けていき、少女が今まで見せていたか弱い抵抗すらも、愛撫者たちにはほとんど感じられ  
なくなっている。  
「その手が邪魔だな。ちょっとどかせてもらうか」  
 カメラから胸元を隠すようにしていたはずが、いつしか力無く添えられるだけになった夏美の  
両手に、3Mが背後から手を掛けた。手首を掴んで持ち上げると、大した力も込めていないのに  
それは軽く浮き上がる。手中の少女にもう抵抗の意思がほとんど無いことを確信すると、3人の  
訪問者たちは目を合わせて、成功とさらなる期待への笑みを交わした。  
 
 
「さ、これに脚を入れてもらおうかな」  
 R・グレイは、何やら四角い箱を持ってくると、夏美の目の前にドンと置いた。透明になっている  
のは夏美とは正反対の面だけで、中を窺い知ることはできない。  
「な、何よそれ……」  
 不安にならざるを得ない不審な木箱。それにいきなり脚を入れろなど、すんなりと呑める要求  
ではなかった。  
「地球でもバラエティ番組とかでよくあるでしょう? この中に何かが入ってるわけ。まあ別に、  
生命の危険を脅かすものは入ってないから安心してね」  
「なっ……そんなのイヤよっ! それに、さっきと言ってることが違うじゃない!」  
 乳房を調べるだの何だの言っていたのに、今度はこれである。夏美は、調子に乗りすぎている  
二人に憤怒し、一瞬己の立場を忘れ、拒否の意志を示す。  
 確かにこういうことはテレビでやっていたりするが、それを例とするならば、気持ちのいいものが  
入っている可能性はかなり低いはずだ。むしろ自分を驚かす異質な何か……、そんな不気味な  
ものが入っているのは明らかである。  
 
ふぅー。どうもあなたは、テレビというものがあまりわかってない御様子だ。期待度の高そうな  
シーンをほのめかしておいて、このあとすぐとか予告しておきながら延々と引っ張り続けるの  
は基本でしょ? それとも、このエロおっぱいを今すぐいじって欲しいのかな? んん? クク  
ク……」  
「なっ、冗談――」  
 耳元で揶揄するR・グレイが夏美の背後に目配せすると、スリットからこぼれてしまいそうな  
柔胸二つが、脇下から回り込んできた3Mの手のひらに包まれる。すくすくと成長している最中  
の柔丘は、片手ずつでも手にしっかりと吸い付くようで、とても揉みごたえのあるものだった。  
「っ…はっ……、胸、そんなに風に……っぅぅ……ッッ、揉むの…やめてよぉっ……!」  
「嫌とか言ってる割にはいい声出してるぜ? それに、ガキの癖にかなりエロい身体してるしな」  
 3Mはそう言葉でも責めながら、初めは服の上から、雲を掴むように隆丘をやわやわとほぐし  
ていった。無垢な少女が何かに耐えるような仕草を見せると、追い討ちを掛けるようにして円を  
描くような淫猥な手つきに変化させていく。  
「まあ、今はその辺にしておくか?」  
「……そうだな。まだ『揉む』まではいってない気もするが、楽しみは後に取っておくか。1m99  
cmくらい」  
 最後に一際強い力で胸肉を握り、3Mが名残惜しそうにスッと両手を離す。それに合わせて  
プルンと揺れる肉塊が、谷間の開示部より悩ましげに望まれるのだった。  
「くはぁっ!! ……っ、はぁ……はぁ……」  
 夏美は、粗暴な扱いを受けた胸に鋭い痛みを感じ、紅の髪を振り乱して悲痛な叫びを上げる。  
少女は早くもグッタリとしてしまい、鼓動を早らせて息を荒げていた。  
 
「さて、どうしますか? どうしてもこれに脚を入れたくないのであれば、早くも視聴者の期待に  
応えちゃいましょうかねぇ?」  
 R・グレイは、箱を再度夏美の目の前に差し出した。なかば放心していた少女は、その言葉を  
受けてなんとか頭を働かせる。  
(ダメ……、胸いじられたら……おかしくなっちゃうから……)  
 手放しで信用することはできないが、二人が命の危険はないと言っているのだ。このまま胸を  
責められ続けるよりはマシ……。  
 そう考えて夏美は答える。そうやって辿り着いた答えも、訪問者たちの思惑通りのものだとは  
知らずに。  
「やる……から、だから……だから……、胸はいじらないで……」  
 自分の言葉で、この者たちの横暴を許すしかない悔しさ。夏美は目を苦渋の涙で渋らせなが  
ら、グッと歯を噛み締めてそう呟いた。  
「フフ……、では早速つま先から入れてください」  
 少女を精神的に追い詰めていくと、R・グレイは間髪いれず、丸くくりぬかれた箱上の二つの  
穴を、夏美の足近くまで誘導する。  
「うう……」  
 
 しかも、椅子に座ってやるのとはワケが違う。座布団と畳の段差程度では、必然的に前方に  
脚を伸ばしていく体勢となる。ミニスカートの少女が両脚を開いて前に伸ばすとくれば、正面から  
見て絶好のシャッターチャンスに他ならない。  
「う〜ん、いいね。もうちょっと脚を開いてくれると……」  
 Mr・Gは真正面に位置取り、丈の短いスカートに淡く守られた秘白布を覗こうと、カメラの視線を  
向ける。  
「な、なにしてっ!? そっ、そんなとこ……、撮らないでよぉ……!」  
 それに気付いた夏美は、内腿の間のスカート生地を両手で押し込んで、下着の見える空間を  
無くそうと必死だ。  
 初々しい少女に湧き上がる羞恥と恐怖。子供のように怯えた顔を赤らめながら、股先の位置で  
スカートに両手を当てて、恐る恐る震える足先を穴に差し入れていく。それは目に見えて扇情的な  
もので、夏美は無意識のうちに訪問者たちを喜ばせているのであった。  
「っ……、こわ…いッッ」  
 それは隠すことのできない感情。中に入っているものは、地球人の常識を超える得体の知れない  
何かかもしれないのだ。しかし逃げることは許されない。今、覚悟を決めた夏美の指先が穴の中へ  
と進入したところである。  
「う……ああっっ……!」  
 底知れぬ不安に少女は小さく呻いていた。土踏まず、かかと、足首、ふくらはぎ、と両脚が奥に  
どんどん入っていく。ついには膝下までが長箱の中に入り、両脚の約半分がスッポリと埋まって  
しまったような感じだ。  
 ガシッ!!  
「えっ!? なに? なんなのよぉ……」  
「入り口を固定させてもらいました。これで脚を出したくても出すことはできません。すぐに逃げ  
出されてしまっては興が冷めますからね」  
「ウソ……そんなぁ……」  
 夏美は脚を抜こうとするが、一体化された箱が、脚と一緒に空しく動くだけであった。それも3M  
が横から体重を掛けて固定すれば、頑丈な岩のように動かなくなる。もう、少女の両脚に逃げ道  
はないのだ。  
「さて、ショーの始まりですよ。ククク……」  
 

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