いつからかはわからない。桃華は、あまりいい雰囲気とは言えない場所を彷徨っていた。  
 
(薄暗くて、ジメジメしてる……。ここは…どこでしょう……?)  
「ううぅ……」  
 私に、少年と思われる人の呻き声が聞こえてきました…。その辛そうな声色が気掛かりで、  
キョロキョロと視線を動かし、声の主を探します。  
(えっ…?)  
 そして、その声の主を見つけた時、私は自分の目を疑いました。  
 下着一枚にされ、目隠しをされて、両手は後ろ手に縛られていると言う無惨な姿…。その  
哀れな少年は、日向君だったのです。  
 私は思わず、その股間に目が留まります。その中に潜んでいるであろう性器が下着を  
押し上げて、そこをもっこりと膨らませていました。  
 そこへ、白いソックスに包まれた何者かの足が近付いていきました。そして、その膨らみを  
グリグリと踏み付けるのです。  
「うああぁぁ……!? やめて…やめてよぉ……!!」  
 目隠しをされている事で、その行動も予想出来なかったのでしょう。日向君は驚くように  
ビクッと震えて、痛みとも快楽ともとれる声を漏らします。  
(ひ、ひどい…!! 誰がこんな事……!?)  
 私は怒るようにして、日向君の股間を踏み付けている者の顔を見ました。そこで愕然とします。  
(そ…んな……!?)  
 驚くのも無理はありませんでした。それはよく見慣れた顔…、自分自身だったのですから。  
 
 その「桃華」は、日向君の耳元に顔を近付け、妖しく囁き始めます。  
「ふふ…、日向君…。足でグリグリってしてるだけですのに、こんなに気持ちよさそうに  
なさるなんて……」  
「に…しざわ…さん……。お願い…もう…やめ……んんぅっ!!?」  
 そんな許しを乞う日向君の反応を楽しむかのように、「桃華」は、グリグリと股間を  
刺激し続けます。  
「そう言ってますけど、ピクピク震えてますよ…。まさか、足で踏み付けられてイって  
しまうのですか…?」  
「う…、そんなことぉっ……!!」  
 冬樹を責める「桃華」の表情は、狂気…と言うよりは、狂喜かもしれません。嬉しさが  
抑えられないと言った感じで、顔には笑みを浮かべていました。  
(狂って…ますわ……)  
 それを外から眺めていた私は、その「桃華」の恐ろしさに打ち震えます。  
「ダメ…ダメだよぉ…。僕…もう出ちゃうっ……」  
「うふふっ…。日向君は、私の足で踏み付けられてイっちゃう変態さんなのですね……」  
 「桃華」は、その責めに喘ぐ日向君の、口端からこぼれ出した唾液を指ですくい、  
自分の頬に擦り付けて遊んでいました。  
 そしてゆっくりと日向君を見下ろすと、一際強く股間を踏み付けます。  
「うっ…ああっ…出るぅ…出ちゃうぅっ!!」  
 瞬間、日向君がビクビクと震えました。そして「桃華」の足に踏み付けられた股間に、  
その性器が放ったと思われる液体が、シミを作っていきます…。  
「まあ…。私の靴下まで染みてきます……」  
「あ…あ……、僕…イっ…ちゃったよ……」  
 絶頂の余韻のためでしょうか、日向君は身体を震わせています。それに対し、  
「桃華」が微笑みかけた所で、私の意識は急速に覚醒していきました…。  
 
「……!?」  
 私は辺りを見渡します。どうやら自分はベッドにいるようでした…。  
「夢……でしたの?」  
 ハァハァと熱い吐息を漏らしている自分を落ち着かせ、額の汗を拭います。私は  
そこでハッとしたようにして、自分の股間を確かめました。  
「やだ…。私、濡れてしまって……」  
 愛液によるショーツの湿りが、ハッキリと感じ取れました。  
「あんな夢を見て濡らしてしまうなんて…、あんな――」  
 そこで、先程の夢の事を意識してしまいます。「桃華」に責められる日向君の痴態を  
思い出すと、私はドキドキしてしまいました。  
 モジモジと動かしている両脚…。その付け根の中心が、ジワァッとした熱い感覚に  
包まれていきます。  
「こんな…の…、ダメですのに……」  
 私は自分のショーツの中に手を伸ばします。そこはすでにグッショリと濡れ、軽く  
指を差し入れただけでも、淫らな水音が聞こえてきました。  
「あぁぁ……」  
 そこから立ち上る淫猥な匂いが、鼻腔をくすぐります。私はそれに誘われるように  
して、指を秘裂に沿って動かし始めました。  
 ぬちゅっ…ぬちゅっ……  
「ふ…あ…はぅぅ……」  
 すでに興奮が高まっているのでしょうか、花弁を軽く擦るだけでも、そこから強い  
快感が伝わってきます。  
 
「ダメ…こんなの……。ダメ…です……」  
 口ではそう自分に言い聞かせるのですが、指が勝手に動いてしまいます。  
「はぁ…はぁ…はぁっ……!」  
 息を荒げてきた私は、パジャマの上着に手を滑り込ませ、ブラを着けていない胸を  
直にいじり始めました。  
「ううんっ…!? やぁっ…気持ちいい…んんっ!!」  
 胸を揉み、秘裂をなぞって、自分を慰めます。いつも自分でしている時より、ずっと  
気持ちいい…。  
(ああっ…、どうしてこんなに気持ちいいんですの…? 日向君のあんな姿を想像して  
るから……?)  
 私は、夢の中で見た日向君のいやらしい姿を、頭に思い浮かべていました。  
「あっ…ふぅっ……。日向君…ごめ…ん…なさい……あぁぁんっ……!!」  
 いけない事とはわかっていても、私は日向君のいやらしい痴態を想像して、オナニーの  
オカズにしてしまいます…。  
「んんんっ……」  
 私はその指を、膣に軽く挿入させました。そして内側の粘膜を擦って刺激します。  
 ぐぷっ…ぐちゅっ…ぬちゅうっ……  
「うんんんっ…!? 凄い…。私…感じてっ……!!」  
 私の快感が高まると、頭の中で思い浮かべている日向君の様子も激しさを増していきます。  
 私は胸をまさぐる手を頂に近付けて、指の腹で転がしました。  
「んんっ…!? くあぁっ…乳首ぃっ……!!」  
 もう止められませんでした。私は淫らな妄想を糧にして、自分を絶頂に追いやっていきます。  
 
「う…あああっ……! 私…もう…イってしまいますぅっ……!!」  
 頭の中の日向君が、絶頂の雄叫びを上げた所で、私はクリトリスをキュッと摘みます。  
「んんんんっ!? イ…クぅっ……!!!!」  
 凄く気持ちよかったのですけど、あまりに大きい声を出すと、誰かに聞かれてしまうかも  
と思い、私はグッと声を堪えました。  
 次の瞬間、私の身体に電撃が走ります。  
 ビクッ、ビクッ! ビクウッ!!  
「くうぅぅっ!! ふあぁぁっ……」  
 絶頂に、私は身体を弓なりにしならせて震えます。ヒクヒクと痙攣する膣から、いやらしい  
蜜がトロトロと溢れ出てきました…。  
「はぁぁ…ふぅぅっ……。日向君…申し訳…ありませんっ…。うぅっ…ぐすっ……」  
 あんな酷い想像を、自慰に利用してしまった…。こんな事を知られたら、日向君に嫌われて  
しまう。そんな自分のした事への罪悪感が、一筋の涙となって頬を伝っていました。  
「もう…私…辛い…です……」  
 このまま二人の関係に進展がなかったら、いつか自分が本当にあんな事をしてしまうのでは  
ないかと、激しい不安に襲われます。そして、一刻も早く行動を起こさなければ…、と言った  
衝動に駆られました。  
「でも…、あんな酷い事は絶対にダメです……」  
 私は考えました…。  
「…そうですわ。無理矢理ではなくても、やっぱり私が日向君に――」  
 
 焦りや恐怖は、時として人を過激な行動に走らせる。この少女もまた、例外ではなかった…。  
 
 そして、ある日の西澤邸…早朝――  
 
「ついに…、ついにこの日が来たのですね……」  
 私は自分の部屋でそわそわと、ある作戦の準備をしていました。  
「ほお…、我ながらよく似合ってるじゃねえか……」  
 一瞬、性格が裏返り、自分にそう語り掛けられます。  
「で、でも、いいんでしょうか…。やっぱり、勝手に部屋に入るのって失礼なんじゃ……」  
「細かい事は、気にすんなっつーの」  
 そう自分に言い聞かされると、私は持ち物を確認し、部屋を後にします。  
「…桃華お嬢様、準備はよろしいですかな?」  
 出陣の前に、ポールに話し掛けられます。私は心を引き締めて、それに答えました。  
「はい…。ポール、私行ってまいりますわ」  
「侵入の準備は調っております…。どうか御武運を……」  
 私はそれに頷くと、目的の場所へと向かっていくのでした……。  
 
 
 …日向家の朝はまだ始まっていなかった。静けさに包まれた家の中で、冬樹もまた、  
ベッドで夢を見ていたのだった。  
 
(う…ん…なんだろ…?)  
 気持ちいい――  
 何だか、身体の内から滲み出てくるような快楽が、僕を支配していた。ずっとこうして  
いたくなるような、不思議な感覚…。そして、誰かに語り掛けられている気がした……。  
「ん……」  
 僕の意識と、周りの雰囲気が変わる。窓からは光が差し込んでいた。  
「朝…か」  
 僕は意識を覚醒させていく。いつもより早く目覚めたようで、普通はもう一眠りって  
気持ちになる所だけど、何だか身体が心地よくて、そう言う気分にはならなかった。  
「う〜ん……」  
 僕はもそもそと身体を起こす。  
「あっ…。日向君…、起きちゃいましたね……」  
(ん……?)  
 僕の脚の方から、女の子の声が聞こえてきた…。僕はその正体を確かめようと、  
寝惚けた目を擦って視線を向ける。  
「に、西澤さん……!?」  
 僕は、眠気が完全に吹き飛ぶほど驚いた。ヒザを折り、身体の左右にそれぞれの  
足先を向けて、西澤さんが女の子らしくちょこんと座っていたのだ。  
 その格好も、普通のものではない。清楚な感じな伝わってくる衣装は、西洋の  
召使いを思わせるもので、頭に飾り付けた純白のヘッドドレスが可愛らしい。  
 純白の靴下に覆われたつま先から、脚の付け根の方へと徐々に視線を動かして  
いく。ムチムチとしたふくらはぎや太ももが、ソックス越しでもその存在が強く見て  
取れて、僕は目を奪われた。  
 そして、男を誘惑しているとしか思えないほど短いスカートの中に、真っ白な  
ショーツの姿が垣間見えた。その下着まで届かんばかりに長いニーソックスが、  
何とも言えないいやらしさをかもし出していて、僕の情欲をそそる。  
 
「メ…、メイドさん……?」  
 そう…。その姿は、正にメイドさんだった。  
「はい…。今の私は、日向君の従順なメイドです……」  
 西澤さんは左手を口元に近付けてそう答える。身に着けた白い手袋が、西澤さんの  
清らかさを強調させていた。  
 そこで僕は、ある事に気付く。何か股間の辺りが気持ちいいなと思っていたら、西澤さんの  
右手が、僕の性器をパジャマ越しに刺激しているではないか。  
「っ……!! 西澤さん…そんな所いじっ…ちゃ……」  
「パジャマ越しでも、膨らんでいるのがわかります……」  
 朝立ちしている僕の愚息は、わずかな刺激でも敏感に反応してしまう。西澤さんは、そんな  
僕の性器を愛でるように撫でると、ズボンをスルスルと下にずらしていく。  
「ああっ…、凄い……」  
 西澤さんは、僕の股間を下着越しに見ると、口元に手を当てて驚いた。  
「ダメ…だよ…。これ以上は……」  
 僕がそう止めるのも聞かずに、西澤さんは下着までも脱がせていく。僕は、そんな西澤さんを  
止めようと手を伸ばした。  
 ガシッ……!!  
「えっ……?」  
 逆に、僕はその手を西澤さんに掴まれた。  
「はぁ…はぁ……日向君……」  
 その目は、もう裏の性格のものだった。僕は、凄まじい力で押さえつけられて動けない。  
「ダメです…。そんなに乱暴にしちゃ……」  
 だけど、すぐに元の西澤さんに戻った。僕は、呆気にとられているうちに下着を脱がされ、  
ついに股間を覆うものが無くなる。  
「ああ……」  
 僕の、すっかりと勃ち上がったペニスが露わになった。西澤さんが顔を真っ赤にして手を  
伸ばしてくる。  
 キュッ……  
「くぅっ……」  
 そして、僕の肉棒をやさしく握るのだった。  
「はぁぁ…。日向君の…、ヒクヒクしてます……」  
 ウットリとした息を漏らし、西澤さんはそう言ってきた。  
 
「西澤さん…、もう…やめて……」  
 このままでは、いつ暴発するかわからない。だから、僕は西澤さんにそう言った。  
「日向君は…、イヤなんですか……?」  
(うっ……)  
 叱られた子犬のような泣きそうな目で、僕をジッと見つめてきた。そんな目をされては、  
答えに詰まってしまう。  
 その時――  
 僕の中のどす黒い欲望が、その嗜虐心を煽る表情によって、引き出されようとしていた。  
(犯ってしまえよ…。相手もその気なんだろ……?)  
 僕の中の悪魔が、そう語り掛けてくる。  
(ああ…。また、この感じか……。こうなったら僕は…もう……!!)  
 今までも、激しい感情の変化でこうなる事はあった。こうなった時の僕は、自分でも怖い。  
だけど、もうそれは止められそうになかった。  
 僕は……  
 僕の精神は――――  
 グイッ……!!  
「きゃあっ…!?」  
 僕が、突然西澤さんを抱き寄せると、驚いて声を上げた。  
「ひ…、日向君?」  
 僕の胸に西澤さんの顔が埋まる体勢となって、少し怯えた様子でそう尋ねてくる。  
 そんなおどおどした西澤さんの顔を見て、僕の鼓動が高鳴った。  
 抱き寄せた身体の柔らかい肌の感触…。それをフワフワとした服越しに感じていると、  
僕の興奮がさらに高まっていく。  
「ああっ…、日向君のまた硬くなって……」  
 西澤さんの手に包まれた剛直も、素直に反応したらしい。  
 僕は、胸の中の少女の顔を見下ろすようにして語り掛ける。  
「西澤さん…、手で…して……」  
 肉棒に添えられた西澤さんの手を、その外から僕の手で包み込んでそう言った。  
「はっ、はい…。わかりました……」  
 西澤さんは、どこか嬉しそうにしてそう答える。  
 
 こんな淫らな要求をしている自分に疑問を抱く。だけど今の自分は、いつもの怒りに  
まかせている時とは明らかに違っていた。  
(これは…僕の意志……?)  
 怒りで何が何だかわからなくなり、暴れ回る時とは違う。ハッキリとした意識の中、  
こういう要求を西澤さんにしていたのだ。  
「では…、ご奉仕…しますね……」  
 西澤さんは僕の肉棒を握る手の力を強めると、ゆっくりとシゴき始めるのだった。  
 しゅっ…しゅっ……  
「はぁ……。西澤さん…、いい……」  
 しなやかな指が、肉茎の根本からカリの辺りまでを刺激する。自分でするのとは  
違った感覚が、徐々に身体を支配していき、僕を快感の世界へと誘っていくのだった。  
「こう…ですか……?」  
 西澤さんは、表面を擦るだけの愛撫から、段々と圧迫する力を強めていき、肉棒を  
快感に踊らせていく。  
 しゅ…しゅっ…、ぎゅっ…ぎちゅ…ぎちゅ……、しこしこ……  
「ああっ…、指が…気持ちいいよ……」  
 シルクで出来た手袋の感触が気持ちいい。西澤さんの小さくて綺麗な指が、僕の  
禍々しいそれをこねくり回す。そのコントラストが精神的な刺激となって、僕の脳裏を  
快楽で埋め尽くしていった。  
「はぁぁ…凄い…大きいです……」  
 その肉棒のすぐ前に、西澤さんの顔がある。僕の怒張したそれをウットリと見つめ、  
昂揚して漏れる吐息が肉棒をくすぐった。  
「袋も揉んで…。やさしくね……」  
「は、はい……」  
 西澤さんは片手を陰嚢に添えると、中のものを刺激しすぎないようにやさしく揉んだ。  
 僕の性器は、西澤さんの手によってどんどん気持ちよくさせられていき、寝ている間にも  
着実に蓄えられた精子が、脈々とせせり上がってくる。  
 
「凄いよ…。西澤さんがエッチだから、もう出ちゃいそうだ……」  
「そ、そんな……」  
 清楚なたたずまいをした目の前の無垢な少女が、僕の淫らな欲望を満たすため、熱心に  
尽くしてくれる。そんな感情も作用して、白濁液の思いが早くも爆発しようとしていた。  
「うっ…出るっ……!!」  
 溜まった精子が発射の段階に入り、僕の身体に快感が走る。次の瞬間、鈴口から大量の  
精液が放出されていった。それは西澤さんに降り掛かり、その清楚な服を汚していく。  
「あっ…!? 凄い…こんなに……」  
 西澤さんが色っぽい表情で、自分に放たれていく精液を見つめている。  
「ふぅっ…、気持ち…いいっ……」  
 肉棒に精液が走る感覚が、どんどん快感として伝わって、僕を気持ちよくさせた。  
 そして精子を射出し終わると、ゆっくりと西澤さんを見やる。可愛いフリフリのメイド服に、  
ベットリとした濃い精液が付着していた。僕はゴクンと喉を鳴らす。  
 僕の中で、目の前の少女を求める気持ちが、ジワジワと湧き上がっていったのだった。  
 僕は、西澤さんの後頭部に片手を添えて抱き寄せる。手入れが行き届いた髪の、心地よい  
手触りといい匂いが僕を惑わした。そして、耳元でこう囁く。  
「僕…、西澤さんが…欲しい……」  
「えっ…!? あっ、あの……」  
 そんな驚いた様子の西澤さんを尻目に、僕はその麗しい唇を奪おうと、後頭部に回した手に  
力を込めて、こちらに引き寄せた。  
「西澤さん…いいよね……? ちゅっ……」  
「あっ…えっ? んんっ…!?」  
 口付けを交わすと、西澤さんは目を丸くして驚いていた。  
 僕の欲求はこれだけでは収まらず、その白い歯を舌でこじ開けて、口内へと侵入していった。  
「は…むぅ…んんっ…、あぁぅ……ふぁ…んぅぅっ……」  
 僕がゆっくりと頬の粘膜を探り始めると、西澤さんは敏感に反応してくれる。  
 ずっ…ずちゅ…ぬちゅ……  
「んふぅっ…んっ! あぁぁ…はぅ…ふぅぅんん……」  
 口壁を舐め上げ、歯茎を擦る。そして、その中で震える西澤さんの舌へと目標を切り替えた。  
 
 ずっ…ぐぷっ…ずるっ……!  
「むうっ!? んんっ…ん…ふぅ…ふぁぁっ……」  
 僕が舌をなぞると、西澤さんが逃げようとそれを動かしてしまう。しかし、所詮は小さい  
口の中。この追い駆けっこで西澤さんに勝機はない。僕はすぐにそれを捕まえると、快感を  
送り込むようにして、ジックリと舐め上げていった。  
 ぬちゅぬちゅっ……ぐっ…ぐちゅうっ……!!  
「ふううっ!? あ…ぁ……んんぅっ…! ふ…ぁぁっ!!」  
「ぷはっ…」  
 僕は、いったん舌を引き抜く。  
「どう…。気持ちいい?」  
 僕はそう聞いた。でも、西澤さんは黙ってしまう。  
「…もしかしてイヤだった?」  
 西澤さんは、首をフルフルと横に振った。  
「ち…、違うん…です……。今の私はメイドさんで…、日向君に気持ちよくなって貰わなければ  
ならないんです…。だから――」  
「それは違うよ、西澤さん……」  
 僕はそこで口を挟む。そして、西澤さんの髪をゆっくりと撫でながら語り掛けた。  
「僕がこうしたいからやってるんだ。西澤さんが感じてくれたら嬉しい…」  
「で、ですけど…、メイドの私が気持ちよくなっては……んんっ!?」  
 僕は、そんな健気な少女の唇を再度奪った。  
「いいんだ。一緒に気持ちよくなろう……」  
 そして、舌を再び口腔へと挿入していく。  
 ぐちゅっ……ずちゅ…ずちゅ…ずちゅっ……!!  
「ふううっ…はぁぁ……、んんぅっ…むうっ…むうぅぅっ……!!」  
 僕は唾液がこぼれるのも構わず、一心不乱に目の前の少女を求め続ける。舌の付け根から  
先端にかけてを強く擦り上げると、ザラザラとした舌の突起が感じられた。  
 ぐぷぅっ…、じゅぷっ、じゅぷっ…!!  
「んっ…んぅっ…、あ…むっ…ふぅぅっ……!!」  
 熱のこもった愛撫に、西澤さんが舌を絡み付けるようにして動いてくれると、僕もその動きに  
応える。二人は舌と舌とを激しく擦り合わせ、お互いを貪り合っていた。  
 
 そんな激しい繋がり合いにより、快感に顔を染めていた西澤さんだったが、突然僕の  
肩を掴むと、二人を引き離す。  
「ふぅぅっ……!! あ…はぁぁ………」  
「……どうしたの?」  
 先程のキスで、嫌がっている様子はなかった。なので、疑問に思った僕はそう尋ねる。  
「す…いま…せん……。気持ち…よすぎて…私……」  
 ハァハァと漏れる色付いた吐息が、その心情を的確に表していた。どうやら、感じすぎた  
のが怖くなって、つい引き離してしまったらしい。  
「はぁ…はぁ……」  
 そして熱い息を吐きながら、僕に身を寄せてくる。  
「西澤…さん……?」  
「日向…君……、私の事…ギュッてして下さい……」  
 西澤さんと密着すると、その小さな身体が震えているのがわかった。快楽の世界に  
足を踏み入れていく事に、強い不安を感じているのだろう。  
「ギュッてしてくれなかったら…、ご奉仕してあげませんよ……?」  
 西澤さんは僕の胸の中でそう言うと、ゆっくりと目を閉じる。僕がそうするのを、ジッと  
待っているようだ。  
「随分、わがままなメイドさんだね……」  
 僕は軽く苦笑すると、西澤さんの背に手を回し、ゆっくりと力を込めていった。  
「…これでいいかな?」  
「はぁぁ……。日向君…、もっと…強く……」  
 西澤さんがウットリとした表情でそう答えると、僕は抱き締める力をグッと強めた。  
西澤さんの激しい鼓動が、ハッキリと伝わってくる。  
「私…、こうしていると安心します……」  
 西澤さんは瞼を開けて、ゆっくりと上目遣いに見つめてくる。その潤んだ瞳が可愛くて、  
僕も赤くなってしまっていた。  
「西澤さん…、凄く可愛いよ……」  
「ああ……、日向君……」  
 僕は、西澤さんが落ち着くまで、そうやって抱き締めてあげるのだった。  
 
 西澤さんから漂ってくる甘い香りが、僕の脳を刺激する。そんな状況に我慢出来なくなって、  
西澤さんの顔を見つめる…。そして、その愛らしい顔を指でスッと撫でると、顎に指を当てて  
クイッと上向かせた。  
「西澤さん…、僕もう我慢出来ないよ……」  
 西澤さんとジッと見つめ合う。上向かせた口からは甘美な声が聞こえてきた。そんな可愛い  
メイドさんを前にして、僕の愚息もすっかりと膨張している。  
「口で…してくれないかな……?」  
 先程のキスの影響もあるのだろう。西澤さんの口の中は、温かそうな唾液で満たされていた。  
その口で奉仕してもらえたら、どんなに気持ちいいだろうかと考える。  
「私の…お口で……」  
 西澤さんは緊張した面持ちで、少し戸惑っていたようだった。  
「無理はしなくていいからね……」  
「いっ、いえ…、そんな事ありません……!!」  
 西澤さんはそう言うと、シルクの手袋に包まれた片手を、僕の肉棒に添えていく。  
「い、いきますよ……」  
 そして根本を掴み、口の中から怖ず怖ずと舌を伸ばしていくと、竿の裏側をゆっくりと舐め始める。  
 ちゅぷ…ちろちろ……  
「はぁぁ…んん…ふぅぅっ……」  
 西澤さんは、ウットリと甘い吐息を漏らして肉茎を舐めてくる。やはり、相当緊張しているようだ。  
「西澤さん、もっと落ち着いて…。アイスクリームや飴だと思って舐めてみてよ……」  
「ふぅ…あぁぁ……、は…はいぃ……」  
 ちゅっ…ちゅぷっ……、ぺろ…ぺろ……  
 肉竿を舐め上げる舌の動きが、探るような弱々しいものから、味わうような強めのものに変わって  
いった。竿の根本から先端にかけてを、必死な様子で奉仕してくれる。  
「ん…いいよ……。先っぽの方も舐めて……」  
 西澤さんはそれに小さく頷くと、竿と亀頭の境目まで舌先を滑らせ、カリの部分を丹念に刺激していく。  
 じゅっ…ちゅっ…、ぴちゅぴちゅ…ぴちゃっ……  
「あぁ…んん……、ふぁ…はむぅ……ふぅぅっ……」  
 目の前の純真無垢な少女が、段々と奉仕に目覚めていくのを見て、僕の背筋にゾクゾクとした快感が走る。  
 僕は少女の頭を撫でる事で、その感謝の気持ちを表していた。  
 
「ん……」  
 西澤さんは頭を撫でられると、嬉しそうに声を漏らした。そして、そのまま舌を亀頭へと  
滑らせていくと、敏感なそこを可愛らしく舐めてくれる。  
 ちゅぷ…ちゅぷっ…、つうっ…、れろれろ……  
「あむぅっ…ふぅっ…ふぁぁ…ん…むぅっ……」  
「はぁぁ…、ゾクゾクする……」  
 快感で力が抜け、思わずおしっこを漏らしそうになるのをグッと堪えた。  
 先程の射精で残っていた白濁液と新たに作られた透明な液が、鈴口からトロトロと溢れ  
出してきていた。西澤さんはそのスジに沿うようにして、舌で舐めてくる。  
 ちゅぷ…くちゅっ…ぐちゅぐちゅ……  
「んっ…むぅっ…ふ…あぁぁ……気持ち…いいですか……?」  
「う…ぁぁ……。いい…凄くいいよ……」  
 可愛いメイドさんは、今や美味しそうに肉棒を舐めて、熱心に奉仕してくれていた。  
 僕は、西澤さんの胸に手を伸ばす。服の上からそこに触れると、控えめながらも柔らかな  
感触が掌に広がった。  
「もしかして…、ブラ…着けてないの?」  
「ふぁぁ…、は…い……」  
 ブラを着けていないと言うのを意識するだけで、少女の淫猥さがグッと増した気がする。  
 僕はペニスを奉仕してくれているのにお返しをするようにして、手を這わせて胸を揉み始めた。  
 たぷ…ぎゅっ…ぎゅむっ……  
「んんんっ…!? ふぅぅ……あぁっ……!!」  
「ちゃんとご奉仕しなきゃダメだよ……」  
「はっ、はいぃ…。すいま…せん……」  
 ちゅっ…ぺろっ…ちゅぷ…ちゅぷ……  
 西澤さんは、思わず肉棒から離してしまった舌を再び近付けて、胸へ与えられる快感を堪える  
ようにしながら、懸命に奉仕を続けてくれる。心なしか、その舌つきが凄くいやらしいものに感じられた。  
 
「僕…、西澤さんの口の中に挿れたい……」  
「……」  
 西澤さんは何も言わなかったが、恥ずかしそうにコクンと頷いた。剛直を受け入れる  
ため、口を大きく開く。  
 僕はそれを確かめると、西澤さんの口の中へ挿入を開始した。  
 ぐっ…ずうっ…ぐぷぐぷ……  
「う…ああ…温かい……」  
「んんっ……!? ん…ふ…ぅぅ……!!」  
 西澤さんの小さな口に、肉棒を押し込んでいく。大きくなったそれは、あっという間に  
喉の奥へと辿り着いた。剛棒の侵入を許した少女は、その異物感に眉を寄せている。  
「口の中で…気持ちよくさせてみて……」  
 西澤さんはそれに頷くと、狭苦しい口内で舌を動かし、肉棒を舐め上げる。  
 ずっ…ぬちゅ…ぬちゅっ…ぐちゅっ……  
「んううぅ……、むぅっ…ふぅぅ…んっ…ふぁぁっ……!!」  
「はぁ…すご…い…グチュグチュされてっ…くぅぅっ…!!」  
 キュッとすぼめた唇で幹を締め付けられれば、唾液に包まれた口内でも奉仕され、  
僕は思わず身体を仰け反らせて、嬌声を漏らした。  
「はぁぅっ…!? 西澤さん…動いてぇっ……!!」  
 快感でままならない口調で、僕はそう言った。西澤さんは戸惑うようにしながらも、  
顔をゆっくりと前後に動かし始める。  
 ぐ…ちゅ…ずっ…ずちゅっ…ずちゅうっ……  
「ふっ…んんっ…ふぅ…ふぅぅっ…んむううっ……!!」  
 西澤さんの可愛いメイドキャップが、動きに合わせてフルフルと揺れている。僕は、  
こんな可愛いメイドさんが心を込めて奉仕してくれている事が嬉しくて、本当に幸せを  
感じていた。  
「うぅんっ…くぅっ…。僕も…動くよ……」  
 このきつい口腔で動くのは、西澤さんにとって負担になってしまうかもしれない。だけど  
今の僕は、快楽を貪る事を何よりも優先させていた。  
 
 ぐうっ…ぐぷうっ……!!  
「んんんっ!? ぐぅっ…ううんっ!!」  
 ゴツゴツと喉を突っつき、肉棒の先端を打ち付ける。西澤さんは苦悶の表情を浮かべ、  
つらそうな声を漏らした。  
 西澤さんは、その感覚からかギュッと目を閉じている。時折うっすらと瞼を開けると、  
目に溜まった涙が、紅潮した頬をつうっと伝っていった。  
「ごめん…、だけど…もう…我慢出来ないっ……」  
 そんな苦しそうな西澤さんを見て心が痛んだが、目の前の快楽の方が全てを勝っていた。  
 ぐっ…! じゅぷっ…ぐぷっ…じゅぷうっ……!!  
「ん…くぁっ…!? すっ、凄い…温かくて…ヌルヌルして……、僕のが絡め取られる  
みたいだ……!!」  
 僕は、思い思いに抽挿を繰り返す。西澤さんの口からは唾液が漏れていた。それが  
泡立つようにして口戯の激しさを印象付けると、急速に射精感が込み上がってくる。もう  
それが放たれるのも時間の問題だろう。  
「は…ぁ…っ!! このまま…中で出すからね……。僕がいいって言うまで、飲んだり  
吐き出したりしちゃ…ダメだよ……?」  
 僕はそう告げると、最後のスパートに腰を強く動かした。肉棒の先端を、喉の奥まで  
突き動かす。  
 じゅぷっ…ぐぷぷっ…じゅくぅっ!! ぎゅぷぅっ!!  
「ん――っ!? んんっ……、むっ…ぐぅぅ――っ!! ふぅっ…ふぁぁっ……!!」  
「く…はぁっ…、イっちゃうっ……!!」  
 ドクンッ…!! ドプッ、ドプッ、ドプッ……ドピュッ……  
 西澤さんの口内へ、僕の熱い想いがドクドクと発射されていく。その小さな口は、すぐに  
精液で埋め尽くされていった。  
 
「はぁぁ……」  
 僕は絶頂の余韻に浸りながら、ゆっくりと肉棒を引き抜く。西澤さんは僕の言いつけを  
ちゃんと守って、精液を口に溜め込んだままにしてくれていた。  
「んん…!! んぅぅっ……!!」  
 その表情はとても苦しそうで、今にも口内の物を吐き出してしまいそうな感じだった。でも  
僕は、その精子の味をジックリと味わわせる…。  
「西澤さん…つらいの?」  
 涙目の少女に、優しく語り掛ける。でも僕の事を考えてか、首を縦に振らなかった。僕は、  
そんな健気な少女の口から漏れ出た液を、指ですくってあげる。  
「うん…。もう飲んでいいよ……」  
「ん……、ふ…う……、コクン…コクン…コクン……」  
 僕の精液が、ゆっくりと喉を通過していくのがわかる。程なくして、西澤さんは口内のものを  
飲み干したのだった。  
「ふ…あ…はぁぁ……」  
 西澤さんは口が自由になると、どこか虚ろな表情でウットリと甘い声を漏らしていた。  
 そんな気持ちいい奉仕をしてくれたメイドさんに、僕はこう尋ねる。  
「どう…? 僕の精液…、美味しかった?」  
「え…? あ、あの…その……」  
「正直に言ってごらん……」  
 僕は、嘘は付かせないぞといった目つきで、西澤さんをジッと見つめた。  
「すい…ません……。本当は苦くて…つらかったです……」  
 申し訳なさそうにしてそう言う。  
「で…、ですけど……」  
 そして、なおも続けてこう言った。  
「この味と匂いを感じていると…、何だかエッチな気持ちになって――」  
 そこまで言った所で、西澤さんはガクガクと震え始める。  
「っ…!? すいま…せんっ……」  
 そして、ポロポロと涙をこぼし始めた。  
 
(な、何で泣いてるんだろう……)  
 僕のせい――?  
 そんな思いがしてくると、僕の中のどす黒い何かが急速に収まっていく。そして、  
段々と正気を取り戻していった。  
(……!? 僕はまたこんな事を……)  
 目の前で涙を流す西澤さんを見て、自責の念が沸々と湧き上がってくる。自分の  
持つ闇の部分が、非常に恨めしく感じた。  
 許されるとは思えない。だけど、ともかく目の前の少女に謝りたかった。  
「日向君…、ごめんなさいっ……」  
「な、何で西澤さんが謝――」  
 僕は驚いた。西澤さんはスカートの裾を掴んで、たくし上げていたのである。  
「はぁ…はぁ……。はしたないメイドで…、申し訳ありません……」  
 純白のショーツには、彼女の秘裂に沿って愛液のシミが作られていた。メイドという  
立場上、奉仕をしているうちに自分が感じてしまった事で謝っているのだろう。でも  
今の僕は、そんなの全然気にしていない。  
(って言うか…、さすがにこれ以上はマズイよね……)  
 僕は、この行為をやめようとする旨を伝えようと思った。  
「ん…んぅ…はぁ…はぁっ…。でも…、私…頑張りますから……」  
 それでも西澤さんは、自分の快感は抑えるようにして、あくまでも僕に尽くす気らしい。  
「もっと…もっと…ご奉仕して差し上げます……。ご主人さまぁ……」  
(っ…!? そんな風に呼ばれたら……!!)  
 からかって言ったのか、心からそう言ったのかはわからない。けど、可愛いメイドさんに、  
耳元でご主人様などと呼ばれたら、僕の愚息も黙っているはずがなかった。絶頂を  
味わった直後も何のその。次の瞬間にはすっかりと反り返り、僕の若さを象徴していた。  
「ああ…、また大きくなってきました……」  
「うぁぁ…、西澤さん……!!」  
 西澤さんの指が、僕の肉棒に絡んでくる。どうやら、メイドさんのご奉仕はまだまだ続きそうだ……。  
 
                                    −完−  
 

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