今日は、単行本の表紙に、初めてケロン人以外の人物が載る撮影と言うことで、  
夏美は張りきって西澤邸へと向かっていった。  
「こんにちはー。今日はよろしくお願いします……」  
 その凄まじい豪邸に緊張しながら、夏美は邸内へと入っていった。  
「いらっしゃい。もう用意は出来ていますわ。どうぞこちらへ……」  
 夏美は桃華に促され、すでに準備の調った西澤邸内の撮影会場へと共に向かう。  
 そして、桃華は今回のことはスタッフに任せてあることを夏美に告げると、いったん  
会場を後にした。  
「はい! じゃあ撮りますよー」  
 そして、撮影は開始された。  
 夏美は片手にバッグを、もう一つの手には携帯を持ち、服は上着のジッパーを  
胸の下あたりまで下げて、そこではこれからさらに成長するであろう年の割には  
大きく育っている胸が、下の服に覆われてその開花を待っているのが窺えた。  
 下半身は、今にもパンティが見えそうなプリーツのミニスカートで、太股から  
ふくらはぎにかけての健康的な脚線美が惜しげもなく晒されている。  
 夏美の、これから大人へと向かう蕾の段階とも言える美しさとかわいらしさを  
うまく引き出そうとカメラマンも意気込んできた。  
 こういう撮影は夏美にとっては初めての体験で、最初のうちは戸惑っていたが、  
撮影が進むにつれ徐々に慣れていき、実際に使うような写真が撮られるような段階に  
さしかかってきた。その時である。  
 
「ケロケロケロ……。夏美殿だけ表紙に載るなんて許されないであります!」  
「えっ!?」  
 いつの間に来たのかケロロが夏美の背後から姿を現し、夏美の肩を掴んで  
身を乗り出してきた。  
「クックック…、俺も二巻連続で表紙に載るという野望があるんでねェ……」  
 続けてクルルが、夏美が撮影のため持っていたバッグから顔を出してくる。  
「きゃあっ!? ちょ、ちょっと、アンタなんてとこに入ってんのよ!!」  
「ボクもいるですよぉー!」  
 ついにはタママも現れる。よく見ると、ドロロもなかば呆れ顔ではあるがそこにいた。  
「ちょっとアンタたち……、邪魔しないでくれる?」  
 もはや驚く気も失せた夏美が釘を刺す。しかし、  
「どうかしたんですか? さっきからブツブツ独り言を言ってますけど……」  
 とカメラマンに言われてしまう。他のスタッフも夏美の様子を怪訝そうに見つめている。  
「クックック…、今の俺達は、カメラには写るが普通の人間には見えない特殊な  
アンチバリアを使ってる状態だからなぁ……。電波扱いされたくなかったら放って  
おくのが身の為だぜェ……」  
「くっ…、し、仕方ないわね……」  
 夏美は、周囲に怪しまれないようなるべく小声で話すことにする。  
「みんなっ、夏美殿がこまっているでござる! 迷惑になることはやめ……」  
 と、ドロロがみんなに注意をし始めた。その途中でみんなが無言でドロロを見て  
いるのに気づく。  
(なっ、なぜそんな目で拙者を見るのでござる?)  
 ドロロは読心術でケロロ達の心を読む。  
(あ〜あ…、昔っからここぞというときにこれでありますなぁ……)  
(こいつ…、このタママ様のキュートな顔を表紙に載せる素晴らしさがわかんねえ  
ってのかよ……!!)  
(チッ…、空気読めよ……。って言うかいつからそこにいたんだぁ?)  
「……拙者、帰るでござる…………」  
 ドロロは肩を落としてその場を去っていった。  
 
「クックック…、邪魔者は去ったぜェ……。それじゃあ…」  
 ケロロ達がカメラマンからは見えないのをいいことに勝手気ままにポーズを撮り、  
写真に写り始める。しばらくして……  
「しかし、なんつーか……。もうちょっとパッとしたもんが欲しいでありますなあ?」  
 ただの撮影に飽きてきたのか、ケロロが文句を言い始める。  
「クックック…。隊長…、俺にいい考えがあるぜェ……」  
 そしてクルルがケロロに何やら耳打ちをした。  
(また何か変なことするんじゃないでしょうねぇ……)  
 その夏美の不安は的中することになるのだが……。  
「ケロケロケロ…、相談した結果、今足りないものはズバリ、サービス精神であります!!」  
「クックック…、そうそう。折角の撮影なんだから、よ……」  
 そう言うとケロロ達が、夏美の体の方に手を伸ばしてくる。  
「えっ…? ちょっと何、やめ……」  
 そう夏美が言ってる隙に、ケロロが胸のあたりに手を伸ばし、その開けられた  
上着のジッパーから覗く一枚下の衣類を、上乳がハッキリ見えるようにブラごとずり下げる。  
「きゃっ…、なっ、何すんのよ!?」  
 突然の行動に、小声ではあるが強い口調で夏美が問いかける。  
 一方それを夏美自らがやってると思っているスタッフからはおおーっという声があがった。  
ノリのいいカメラマンも特に咎める様子もなく撮影を進めていく。  
 胸元には成長中の蕾が作る魅惑的な谷間がハッキリと見えるようになった。  
「いやあっ! 恥ずかしいじゃないの……って、えっ!?」  
 夏美が胸に気をとられている隙に、今度は下半身が脅威にさらされる。クルルが  
スカートへと手を伸ばしていった。  
 クルルは、ただでさえ短いミニスカをさらにたくし上げる。もはや大人であっても  
多少屈むだけでハッキリと下着が見えてしまうレベルだろう。  
「これが研究を積み重ねたチラリズムの長さだ……。こだわるぜ俺はよ…、ク〜ックックック……」  
「いいよ〜夏美ちゃん、セクシーだよ〜」  
 カメラマンも夏美が必死になってやってくれてると思い、その期待に応えるべく  
シャッターを押しまくる。  
 
「いやあっ、やめてぇ……こんなの……下着見えちゃうよぉ……」  
 夏美も体をくねらせてケロロ達に抵抗するが、ケロン人の体はツルツルしていて、  
軽く触ったくらいではビクともしない。かと言って激しく抵抗すれば電波扱いされるのは  
目に見えている。結果としてその動きが、夏美の様子をより官能的なものにしていた。  
「う〜ん…、今ひとつ何かが足りないでありますなぁ……」  
 ケロロが、何かあと一つ押しが欲しいと感じて呟いた。  
「軍曹さ〜ん。もしかしてボクの売りでもあるこれじゃないですかぁ〜?」  
 タママが自分の顔を指差し、ケロロに尋ねる。  
「それでありますっ! 今の夏美殿に足りないものは読者の購買を誘うような表情……。  
そうとわかれば善は急げでありますっ!!」  
 そしてケロロが、夏美の服の隙間から覗く胸を直に触り始める。快感を与えて妖艶な  
表情を引き出そうというのであろうか。  
「えっ!? いやあっ……、は…あ……、あん……」  
 周りをスタッフに囲まれている夏美は喘ぎ声を上げるわけにはいかない。口を結んで  
快感に耐えていたが、声はわずかに漏れていた。  
「ケロケロケロ……、そうでなくては面白くないであります……」  
 夏美の抵抗にケロロが愛撫を強めると、次は下半身がクルルによって弄ばれ始める。  
「クックック…、胸もいいがやはり性感帯といえばここだからよ……」  
 と言うと、ほとんどその役目を果たしていないであろうたくし上げられたミニスカの内に  
ある秘裂のあたりを、パンティごしに擦り始めた……。  
「くぅんっ……、やめ…擦らない…でよぉ……そこ…ダメ…だからぁ……ふああぁっ……」  
 夏美は、快感で迂闊に話しかければ喘ぎ声が大きく漏れてしまいそうになるので注意も  
ロクに出来ないでいた。  
 それをいいことに、ケロロ達の行為はどんどんエスカレートしていく。  
 
 次にタママが、胸や秘部以外の性感帯と思われそうなところを弄ろうと近付いてきた。  
 首筋や耳に息を吹きかけたり、背中を指でなぞってみたりと色々試していった。  
 その愛撫に、夏美の未熟な体がピクンと反応を見せる。  
 タママは、好感度と思わるところへの愛撫を集中的に行っていった。  
「あ…ん…はあぁぁっ……。そんなにぃっ……私のカラダ……いじらないでよぉ……あふぅっ!?」  
 段々夏美の抵抗も影を潜め、快感を耐える方に意識を使ってきているようだった。  
 撮影所の雰囲気も段々異様なものになってくる。  
 カメラマンも夏美から放たれる何とも言えぬ色気に圧倒されつつ、シャッターを押し続けた。  
「ケロ…、じゃあそろそろいくであります……」  
「クックック…、了解したぜ隊長……」  
「こっちもオッケーですぅ……」  
「ん…ふぁ……なに…? っっ……!!?」  
 一瞬、夏美は甘い声を大きく出してしまいそうになってしまう。  
 ケロロ達が本格的な愛撫に入ってきたのだ。  
 
 ケロロは夏美の双乳を掴むと、その発育を促すようにこね回し、快感の証明である固くなった頂が  
ピクピクと刺激を求めてかわいく震えると、それを指で摘んでクリクリといじってあげたのだった……。  
「くうっ…やめなさいっ…あっ!? やめ…てぇ……、胸ダメだよぉ………んんんっ…!!!」  
(いやあっ!! こね回されてるっ……。くっ…あっ…、乳首ぃっ…ちくびが……  
…ああああっ!? 感じちゃうよおっ!!)  
 一方、クルルもパンティの中に手を入れ秘所の上部にある突起の皮を剥いていた…。  
「んっ!? まさか…? そっ、そこだけは…ホントに……ダメぇ……」  
 クルルが敏感な場所を目指していることに気付いた夏美がいやいやするが、それが余計に  
クルルの加虐心を煽る。  
 そして剥きだしになったクリトリスを直にいじりはじめる。  
「――――っ!!? んんっ!!!! はあっ……!!」  
(あああっ!!!? そんな強く摘まないでえっ!! キュッキュッってしちゃ……はああっ…、  
おかしくなっちゃうよぉ……)  
 もはや息を吐き出すだけでも大きな喘ぎ声を出してしまいそうで、夏美は涙で瞳を濡らしながら  
必死に快感に耐えていた。  
 しかし胸と秘部に気をとられていると、無防備な性感帯をタママがいじってくる。  
 夏美は、快感の波から逃れられないでいた。  
 
 夏美は顔を上気させ、涙や涎ををこぼし、物欲しげな瞳でカメラの方を見つめな  
がら、官能的な服装でいる。  
 もしこれが違った方面の表紙であれば満点ものだろう。  
 カメラマンも含めたスタッフ一同も、ある意味暴走してきて、趣旨を忘れていた。  
(いや…いやっ……こんな恥ずかしいの……撮らないでぇっ……!!)  
「トドメでありますっ!!」  
「クックック……」  
「タ・マ・マ淫パクトっ!!!」  
 
(ふあっ!! きゃっ!? ウソっ…この感じ……、まさか…こんなところでっ……、  
でも…もう……もうっ……!! ああああ――っっ!!!!)  
 次の瞬間夏美のカラダがビクッとしたかと思うと、夏美が顔を下に向けてしまう。  
(クックック…、イったな……)  
 衆人の前でイかされてしまったという激しい羞恥心で、夏美は口のあたりに手を  
当てるとそのまま黙ってへたりこんでしまった。  
「ケロケロケロ…、これからが本番ですぜ夏美殿……」  
 
 
 そして、またケロロが夏美のカラダをまさぐろうと手を伸ばすが……  
 グシャアッ!!  
 ケロロの頭上に何かが振ってきた。それにケロロは押しつぶされる。  
「ケロッ!! 一体、何でありますか!?」  
 上から落ちてきた瓦礫の中から顔を出し、ケロロがその方向を向くと……  
「ギッ、ギロロ伍長……?」  
 そこには鬼をはるかに超えた形相のギロロがいた。  
 今の撮影所のセットの破片も、ギロロの銃器による破壊活動のものであろう。  
「ど、どうしてであります? た、た、確か通常版の撮影があってこ、こ、こ、こ、ここには来ないはずでは……」  
 恐怖で声を震わせながら、ケロロが尋ねた。  
「表はな……」  
 怒りのためか最小限の言葉だけ言うと、ギロロが銃口をケロロに向ける。  
「お、表っ!? それはどういう……、ぬおっ!? クルル達がいないでありますっ!!」  
 ギロロの気をいち早く察知したクルルとタママは、見つかる一足前に逃走していた。  
 軍人として大切な何かを忘れていたのは、ケロロだけだったのかもしれない……。  
「裏表紙……だ。ケロロ……」  
「そ、そんな……。ひ…、ゆっ、許してでありますぅー!!」  
 そして逃走を図るケロロを、ギロロの銃器が襲う。  
「遅い……」  
「ニギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」  
 
 
 10分後……  
 そこには滅茶苦茶になったケロロと撮影会場が残っていた。撮影機器もブッ壊れ  
まくっている。  
 どうやらスタッフは地震のせいと言うことで片付けたみたいである。  
 ケロロはボロボロになりながらもこれだけやれば満足のいく表紙が出来るだろうと  
やり遂げた表情で西澤邸を後にした。  
   
 そして数日後……  
「桃華お嬢様。先日撮影したものの現像が完了したようでございます」  
「まあ…、あの時は色々大変でしたからねぇ……」  
 そして、カメラマン自らが選んだその一枚は……  
「あら、あんなに派手にやってたと言う割には……」  
「何でも、それより後に撮ったものはあの騒ぎで全て損壊してしまったそうです」  
 ケロロの苦労もほとんど無駄に終わったようだ……。  
「まあ…、でも綺麗……。やっぱり冬樹君のお姉さまなだけはありますわ……」  
 そして、大きく息を吸い込むと……  
「俺も負けてられねえぜ……ッキショ――――!!!!」  
 ドゴオッ!! メキッ……ベキベキベキ………ズドォーン……  
 その場の勢いで樹を殴りつけ、ブッ倒す桃華であった……。  
(お嬢様……、このポール、いつまでも応援しておりますぞ……)  
 
                            −完−  
 
 

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