ぷにっ  
夏美は自身の頬をつつく。  
 
「ねぇ冬樹。もしかして私・・・太った?」  
「え、全然そんな事ないよ」  
 
冬樹の言う通り、特に以前と変わった様子は見られない。  
だが夏美は両の手で頬を包み込むと不服そうな顔だ。  
 
「ゲーロゲロゲロ!夏美殿はどんどんどんどん太ってダルマのようになってしまうのであります」  
「ぐ、軍曹・・・」  
 
ケロロの挑発にガーン・・・と夏美の精神に響く音。  
嫌ー!そんなの嫌よー!痩せなきゃー!と多くの乙女が通る道、ダイエットを決める。  
 
「ククーッ。顔の部分痩せダイエットにオススメ、小顔棒を持ってきてやったぜぇ。コレを舐めてればあら不思議ー。顔の筋肉シェイプアップー」  
「またあんたはどこからともなく現れてくるわね・・・」  
「ほらよ」  
 
ポイっと渡される飴のような棒。バナナのような形。持ちやすい。  
舐めているだけでいいという事でクルルに礼を言うとさっそく舐めはじめる。なんだか美味しい。  
勿論ノンカロリーで美味しく楽しくダイエットだ。ククッ。という開発者の説明に安心すると、味も堪能して舐め続ける。  
 
「たくさん舐めれば舐める程効果は上がるぜぇ」  
「もっと舌を使えよ」  
「しっかり隅々まで舐めるといいぜ」  
「先の方だけ舐めるとかいうのもアリだな」  
「あとは吸い上げる感じだ」  
 
一気に説明せず逐一言うのにイラッとしたがそこは良い物を提供してくれた事での感謝で自分を誤魔化す。  
しっかり・・・説明の通りしっかりと、口の中に入るだけ突っ込んでみる。  
さらに口内で舌を使って念入りに舐める。  
一度口からソレを空気に晒すと、下から舐め上げてみたり先だけペロペロ舐めてみたり。  
吸い上げる?ちょっと考えて閃く。しっかり口に入れると言葉の通り吸いながら先端が顔を出すまで顔を動かす。  
クルルをチラリと上目で見ると、特有の笑い声を発しながら、そうそう。と頷いてくれている。  
よし!こうか!と夏美は出し入れを繰り返す。  
うぅーん、なんだか口周りの筋肉が疲れてきた。これは絶対痩せられる。  
ツインテールを揺り動かしながら、効果を実感すると俄然やる気を出す。  
 
「夏美。芋が焼けたんだが一緒に・・・・・ななななにをしているんだ!?」  
「・・んむ・・・・・ふぁっ。何ってダイエットよ。あ、私お芋いらないから、冬樹にあげて」  
 
しばらくお芋は食べないわ。太るから。と拒否されたショックより混乱が大きいギロロ。  
夏美の口が舌が一生懸命動くのを真正面のソファに座り眺めるクルルにギロロが詰め寄る。  
 
「ななななななな夏美にななななな何をさせて」  
「クーックックックック。ちなみにアレのサイズはオレのサイズだぜぇ」  
「なぁぁぁぁああぁぁあぁ」  
「ギロロうるさい」  
 
〜fin〜  

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