ある日、突然ケロロ小隊の前に、見知らぬ少女が現れた
それは人間化してケロロたちの内偵調査のために来た、ガルル小隊のプルル看護長だった
幼馴染との再会に色めき立つケロロたちだが、それからすぐにプルルは本隊へと帰還していった
「プルルちゃんも、変わりなかったであります…」
去っていくプルル…それを見つめつつ、ケロロは呟いた
いろんなことがあった幼年時代
ケロロの瞼に、その頃の思い出が懐かしく浮かんだ
『散りゆくは美しき幻の夜』
「おっせーじゃんゼロロ!置いてくよー?」
「ま、まってよケロロ君…ハァ」
「大丈夫か、ゼロロ」
蒸し暑い日差しが照りつける中、ケロロ、ギロロ、そしてゼロロの三人組は、なぜか山登りをしていた
ここは幼年訓練所の裏にある山で、たまに演習などに使われるところだ
どうして3人がこんなところにいるかというと、その発端はケロロにあった
その頃、ケロロたちはちょうど夏休みを満喫していた
だが四六時中遊びまくったせいか、夏休み中盤に差し掛かった頃にはマンネリ気味になっていたのだ
プールに虫捕り、肝試しに海水浴と、思いつく限りの楽しそうな事はやり尽くした
退屈で退屈で、とりあえずいつものように秘密基地に集まっていたケロロは、そのときある事を思いついた
"成年訓練所に行ってみない?"
成年訓練所…ケロロたちが幼年訓練所を卒業すると、成績次第ではそのまま軍人になれる場合があるが、ほとんどの場合は進学する
幼年から青年、そして成年訓練所と進むのだが、解りやすく言えば小中高の学校といったところである
しかし成年訓練所はかなり厳しく、関係者以外は近づくことすら許されていない場所だった
もちろんギロロ達も反対した…だが、「行くなと言われるところに行く、入るなと言ったところに入る」というケロロの悪い癖のせいで、ここに至るのだ
「裏山からだったらダイジョブだって!」
「も、もしバレたらどうするの?怒られるだけじゃすまないかも…」
「ギロロの兄ちゃんもいるんだろ?だったら俺達も十分関係者じゃん!」
「ぜんぜん理由になってないだろ…」
立ち入り禁止の鉄条網をくぐり、いよいよ成年訓練所の敷地へと足を踏み入れたケロロたち
だが、ここは軍に最も近い教育機関である…その警備設備も軍隊並みに強固なものだった
鉄条網を越えたとたん、突如大音量のブザーが鳴り響いたのだ
「ゲロォーーー!!?」
「だから言わんこっちゃ無い!はやく逃げるぞ、ケロロ!」
「わぁっ!待ってよ〜!」
今来た道を引き返そうと、回れ右をしたケロロたちだが、既にそこは分厚い壁で区画を隔てられていた
ここに閉じ込められた…?
頭から血の気が引き、真っ青(1人は最初から青いが)になる3人
けど、このままでは見つかってしまう
一計を案じたケロロは、最終手段に打って出た
「こうなったら…成年訓練所に隠れよう!」
「えええっ!?」
大急ぎで山を駆け下りたケロロは、とうとう成年訓練所へと辿り着いた
しかし、もう後には戻れない…ここからどうやって外に出るかが問題だ
なんとかケロロたちは倉庫みたいな所へと隠れ、状況の打破に努めた
「ギロロ、ギロロの兄ちゃんに頼んで、なんとかならない?」
「兄ちゃんはこないだから夏の演習で別の惑星に出てるんだ…帰るころにはたぶん夏休みが終わってるかも」
「どどどどどうしよ〜」
「う〜ん…」
状況は絶望的だ
下手に動く事も出来ない中で、ケロロたちはじっとしているしかなかった
――夕方までに帰らないと、怖い父ちゃんにどやされる…
――また兄ちゃんに迷惑はかけたくないし…
――母さんが心配してたらどうしよう…
3人の間に、どんよりした空気が渦を巻いた
と、その時だった
「――――じゃあ、次はあの星の侵略だね?解ったよ」
「お、おい、誰か来たぞ!隠れろ!」
倉庫に現れた人影に気付き、ケロロ達はとっさに物陰へと息を潜めた
そこに現れたのは、そのころから売れっ子侵略者として名を馳せていたウレレだった
どうやら軍の高官から依頼を受けているようだ
こんな場所での相談なのだから、たぶんイリーガルな注文なのだろう
しかし子供であるケロロたちにとっては、何が何やら解らない話だった
「宜しく頼む」
「それについては病院に寄ってからすぐ行くので、明日には完了すると思います…では」
ビジネスライクなウレレは敬礼も共鳴も省略し、足早にそこを後にした
高官もいなくなり、やっとケロロたちは物陰から出てきた
「ふぅ…危なかった〜」
「いったい今のはなんだったんだろ?」
「思い出した!!」
「うわっ!?」
緊張の糸が切れ、ホッとしているケロロたちの脇で、いきなりゼロロが大きな声を上げた
「ゼロロ!見つかったらどうすんだよ!?」
「ご、ごめんケロロ君…じつはさっきあの人たちが話してて思い出したんだけど、ここには病院があるんだよ」
「病院?」
実は、ここ成年訓練所には、実習を兼ねて作られた大きな医療施設があるのだ
解りやすく言えば大学病院のようなもので、そこではこの施設の中で、唯一部外者の出入りが許されている場所だった
かつてゼロロが喘息になったとき、ここの病院に来た事があったのだ
「…つまり、病院に入りさえすれば、ここから出られるんだな?」
「うん」
「スゲー!ゼロロやるじゃん!」
「でも…ここからどうやって行けばいいか解らないよ?」
「それならさっきの人も病院に行くって言ってたから、ついてけばなんとななるんじゃないか?」
「よっしゃ、じゃあさっさと行こうぜ!」
光明が見え始め、ケロロたちは僅かながら救われた感じがした
だが、ケロロたちが向かった先には、運命の出会いが待っていたのだった―――
ウレレは胃腸薬を処方しに成年訓練所内病院へと向かっていた
その後を、ケロロたちは隠れながら進んだ
道中、彼らは幼年訓練所よりも巨大な建物や広大な施設を目の当たりにして、大きく感銘を受けていた
ずらりと並んだ射撃場、大型の戦略シミュレーター、全天候型ドームの体育館、重厚な兵器や車両の数々…
そしてしばらく進んでいくと、これまた大きな白い建物が現れた
これこそ、目指していた病棟だった
「よ〜し…とっととあそこへ飛び込もうぜ!」
「ああ…ん?ちょっと待て!」
「なんだよギロロ〜」
「…あれを見ろ」
急ごうとしたケロロを静止したギロロが指す先には、病院の入り口が見えた
しかしそこには歩哨が立ち、持ち物検査等を行っている
ここまで来たのに、こんなところで足止めとは…ケロロたちは焦った
「ど、どうするのケロロ君!?」
「ヤッベー…」
何か、何かあそこを突破する方法は無いのか
祈るような気持ちでケロロは周囲を見渡した
もしあそこでストップされたら、勝手に入ったのがバレる
ともなれば、思い切って別ルートでの脱出を考え直そうか
様々な策が頭を巡るものの、確実性の無いものばかりだ
…すると、ある病室の窓が開いているのに気付き、ケロロは目を細めた
「あ、アソコ!」
「え?」
もうこうなったら手段を選んでいる余裕はない
ケロロは一目散に、窓が開いた病室へと向かった
そこは幸いにも歩哨の居るところからは死角になっている
走るケロロに遅れまいと、ギロロとゼロロも続いた
「おい、それってフホーシンニューってやつじゃ…」
「ケ、ケロロ君!」
3人は一緒に手を繋ぎ、その病室へと飛び込んだ
「いだっ!」
「ぐぉっ!?」
一気に飛び込んだせいで、ケロロたちは折り重なって倒れこんだ
何も反応が無いところを見ると、なんとか気付かれずに入る事が出来たようだ
「ヤッフゥ〜…これで一安心だなぁ」
「バカ!いくらなんでも今のは危なかったじゃないか!」
「やめてよ2人とも〜!」
「うふふ…っ」
「…?」
その時、ケロロ達はひとつだけ大きな見落としをしていた
飛び込んだ先の病室…そこにいる患者の事だ
いきなり見ず知らずの子供が飛び込んできたら、大騒ぎになっていただろう
しかしここにいた患者は、3人のやり取りを微笑ましく見ていただけだった
「あ…えっと…」
ケロロたちは言葉に詰まった
誰かに見つかったという緊張感もあったが、それ以上に、その患者に見入っていたからである
患者の名はプルル…まだこの時は、ただの1人の少女であった
突然の訪問者にプルルは物怖じする事もなく、くすくすと笑っている
その笑顔はとても可愛く、3人は頭からポーっと熱くなる、ヘンな感覚を共有した
「あなたたち、どこから来たの?」
「そ、それは…その…」
「ここの裏の山から…えっと……」
「山から来たの?ふふ、おかしな人たち」
またプルルは微笑んだ
ますますケロロ達はたじろぐ
ともかく、このままここに長居は無用だ
一刻も早くここから脱出したかったケロロたちは、プルルの病室を出て行こうとした
「そ、それじゃ…」
「待って!」
ところがいきなりプルルに呼び止められ、今度は3人同時に頭から冷たくなる感覚を共有した
「…ナニ?」
「あの……あなたたちが誰かは知らないけど…その、また、私のところに来てくれる?」
「えっ?」
「あたしプルル、この向こうの幼年訓練所にいたんだけど…今はここにいるの」
ちょっと困り気味の笑顔を見せながら、プルルは腕の点滴を引っ張った
聞くところによると、彼女は病気がちで訓練所に通えなかったという
そういえば3人は、自分たちのクラスにゼロロと同じように、いつも休んでてカラの席があるのを思い出した
そう、ケロロたちと一度も会ったことが無かったが、プルルは彼らの同級生だったのだ
この思わぬサプライズに直面したことにより、ケロロたちはしばしの間プルルと時間を共にする事になった
初めて会ったばかりだが、すぐに3人とプルルは打ち解ける事ができた
ずっと病院に居るが、みんなに遅れないように病室で勉強をしている事
実はガルルとも既に面識がある事
この病院は結構セキュリティがいい加減である事
そして、いつも病室で1人だけで孤独だった事など、彼らは話し合った
時間を忘れて団欒していたせいで、その後遅い時間に帰宅した3人は、揃って叱られた事も付け加えておこう
兎にも角にも、こうしてケロロたちに新たな夏休みの楽しみが増えることになった
3人は何度も病院へ通い、その都度プルルと会った
時にはこっそり病院から抜け出して、秘密基地に連れて行ったこともある
その際は看護婦さんに見つかって、大目玉を食らってしまったが…
またある時には、夏休みの宿題を手伝ってもらう事もあった
退屈だった夏の日を、あっという間に吹き飛ばしたプルル
いつしか彼女の存在は、ケロロたちの間で大きなものに変わりつつあった
…ある日、いつもと同じようにケロロたちが面会に訪れた
いつも通りの楽しげな談話が続いたが、それも看護士さんの言葉でお終いになってしまった
「プルルちゃん、そろそろ面会時間も終わりですよ〜」
「えっ?もうそんな時間?」
「あーあ、もう終わりかよ」
「大丈夫だよ、また明日もあるんだし」
このところ楽しい日々が続いていたが、楽しければ楽しいほど時間は短く感じるものである
ケロロたちは勿論、そう感じていたのはプルルも同じだった
「…」
「それじゃ、プルルちゃんまた今度ネ〜」
「ねぇっ」
「ん?」
「ちょっとイイ事思いついちゃったんだけど…みんな、耳貸して」
プルルは、3人にこっそりとある話を持ちかけた
その話に対して、ケロロたちは目を光らせた
「へぇ〜、なかなか面白そうじゃん!」
「うん、そうだな」
「でも母さんたちには何て言えば…」
「それなら、それぞれ互いの家に行くって言えばいいんじゃないかしら?」
「いーじゃんいーじゃんすげーじゃん!よし、キマリ!」
まるで遠足に行くかのように、うきうきしながら何かの段取りを決めていくケロロたち
その時は軽い気持ちでのたまっていたが、それがのちのち夏で1番の思い出になろうとは、このときの4人に知る由もなかった
次の日、プルルの病室へ看護士さんが検診に訪れた
だが、いつもはワイワイ騒いでいるはずのケロロたちの姿が見えない
「プルルちゃん、今日はお友達はお休み?」
「あ、ハイ…そんなところですっ」
ちらりと、プルルはロッカーのほうへと視線を向けた
なにやらロッカーが微かにだがガタガタと動いている
看護士さんはそれに気付くことなく、病室を後にした
「…みんな、もういいよ」
「あぁ〜苦しかった」
「ケロロ!お前こんなところでおならをするなんてナニ考えてるんだよ!」
「いまは5時ぐらいだから…あと3時間はガマンしないとダメみたいだね」
ケロロたちが計画した事…それは、ここでのお泊り会だった
先日、入院しているのでいつも一緒に居られないプルルが、夏の思い出にと発案したのだ
この病院は9時ぐらいになると面会が終わり、閉まるようになっている
そこで、どこかに隠れて9時以降まで留まっていれば、あとは楽しい時間が待っている…という計画だ
帰るときは病院が開く6時ぐらいにセキュリティチェックで隙が出来るので、そこを狙って出て行けばいい
以前プルルが「この病院のセキュリティはいい加減」といったのは、この事に由来している
―――こうして時間は流れて3時間と20分、ようやくケロロたちは狭苦しいロッカーから出てくることができた
この日のためにケロロは晩飯代わりのスナック菓子、ギロロは趣味の本、ゼロロは最新式の携帯ゲームなどを持参してきていた
親にも内緒なお泊りの夜
自分たちだけの秘密の時間に、ケロロたちはウキウキしながらくつろいだ
トランプを引いて遊んだり、普段は見られないような深夜のテレビ番組を見たり、4人並んで1つの本を見たり…
誰にも邪魔されない楽しい時間は、彼らにとっても充実したものだった
ちなみにこの病院、セキュリティが抜けているとはいえ、一応は軍の関連施設である
たまに見回りのロボットが来たりするので、そのときだけケロロたちは声を潜めた
そんなこんなで時間は経ち、いつしか夜の12時を回っていた
「はぁ…なんだか眠たくなってきたなぁ」
「もうとっくに寝てる時間だしな…ふぁ〜あ」
「でも、すっごく楽しかったわ!」
「それじゃ、次行く?」
お泊り会最後のイベントは枕を並べてのパジャマパーティーだ
修学旅行気分なケロロたちは、みんなでプルルと同じベッドに寝ることにした
ちょっと窮屈だが、大人用のベッドだったのでなんとか全員入る事ができた
このまま順調に進んでいれば、これでもうお泊り会は無事閉幕となる…はずだった
午前1時半、さすがにケロロたちも起きている限界を過ぎていた
もう十分遊びつくしたし、話す話題も無くなっている
ぼんやり深夜のテレビでも眺めていた
ところが、そこで事件は起きたのだ
「あ…」
うつらうつらとしていたケロロはテレビに映った光景を見て、思わず声を上げてしまった
どうしたのかと思ってギロロたちも起き上がってみると、そこには思いも寄らぬものが映っていた
その時、ちょうど週末だった事もあり、テレビでは映画を放送していた
こういう深夜に放送される映画には、ゴールデンタイムは流れないような濡れ場があったりするものだ
ケロロたちが見てしまったのは、ちょうどそういう場面だった
「…」
すっかりケロロたちはテレビに釘付けだ
興味津々といった感じで、プルルもそれに見入っている
当時は純真だったケロロたちからすれば、あまりにもショッキングな光景だっただろう
しばらくして濡れ場が終わったあとも、どこか期待を含めた視線で彼らはテレビを見続けた
安いカーチェイス、ありきたりなガンアクション、そしてかったるいラストシーンまで、みんな固唾を呑んで見続けてしまった
映画が終わると、あとは退屈なテレビショッピングだか何だかの番組が続いたので、ケロロたちはそのうちテレビを切った
「…ふぅ」
「……もう、寝る?」
「う、うん…」
みんな真っ赤な顔のまま、静かにベッドへと潜りこんでいく
だが、あの映画の場面が頭にこびりつき、寝るに寝られなくなっていた
「ケロロ君…起きてる?」
「あ…うん」
「…やっぱり、眠れないよね?」
「ま、まあネ〜…」
「あたしもだよ」
狭いべッドの中で、彼らは体をくっつけあって寝ている
右から順に、ゼロロ、ケロロ、プルル、ギロロの順番だ
この時彼らの中で眠りにつけたものは、誰も居なかった
「でも…もう起きてても、やることないじゃん」
「…ううん、あるといえばあるよ」
ケロロはそこで、えっ?と思った
いつも可愛く、眩しい笑顔で笑っていたプルルの顔が、このときだけとても艶に満ちていたからだ
それは対面にいるギロロやゼロロには見えなかったものの、言葉尻の不自然さに反応はしていた
「さっきテレビでやってたの…スゴかったよね」
「あ…うん」
「女の人が仰け反って男の人と絡んだり…ケロロ君たちって、そういうのに興味…ある?」
「へ?」
無い…こともない
彼らだって幼いとはいえ男の子、まだ性の開花を経験していないが、少年らしい助平心ぐらいはある
しかし、プルルが言っている言葉の意味を理解するには、まだまだ幼すぎた
布団から起き上がると、プルルはシーツを捲り上げた
「最後だし…とことん楽しまなきゃ…ね」
「プルルちゃん、なに…すんの?」
真意が掴めぬプルルの行動に、ケロロが口を挟む
「大丈夫、みんな知ってるから」
そう言うとプルルは戸惑うケロロを落ち着かせ、すす…と彼の下方へと移動した
そして彼の股間の辺りに顔を近づけて、おもむろにぺろりとそこを嘗めてしまった
「はぅっ!」
「ちょっ…プルル、なにやってんだ!?」
「ふふ…やっぱりこうなるんだ。じゃあ…」
「!」
まるで相手の反応を楽しむかのように、プルルはまた彼の股間を嘗め続けた
当時のケロロは自慰さえ知らない、まさに無垢な少年だった
そんな彼がいきなり股間を嘗められたのだから堪らない
プルルが艶かしく嘗めていると、ケロロの雄が勃起を始めていた
完全に顔を出したところで、今度はプルルはそれをぱくりと口に含んだ
その瞬間、ケロロは眼を見開き、あのテレビと同じように仰け反った
「あひぃッ!!」
「んむ…んっ……っ」
「うわぁ…スゴい…」
何が起こっているのか理解できないギロロとゼロロは、ただ指をくわえて傍観しているだけだった
ケロロも自分が何をされているのか解らなかったが、味わったことのない異様な感覚に身体を震わせている
啜るようにケロロの陰茎を口内と舌で弄くったりと、プルルの攻めは止まらない
そしてケロロが一段と喘いだそのとき、彼女の口の中に熱が流し込まれた
「ひ…ぎぃいっ!!!」
「んむっ!…んく…んっ…」
初めは驚いた顔を見せたプルルだが、すぐに放たれたものを飲み込んでいく
しかし途中で咽てしまい、咳き込んでしまった
「けほっ!けほっ!……ん…はぁっ」
「はゥ…う………」
プルルの口内を満たした白濁は、ちょっとだけ彼女の口もとから溢れ、零れ落ちた
一方で、生まれて初めて感じた射精の味に、ケロロはびくびくと身体を引きつらせている
何が起こったのか未だに状況を理解していないギロロたちにも、プルルは視線を向けた
「え?」
「大丈夫っ、キモチいいだけだから…」
「プルルちゃん、これってまさか…ひぁっ!」
ゼロロの台詞を遮るかのごとく、プルルは2人の股間に手を伸ばした
先程の様子を見てギロロたちも勃っていたので、今度は一度に両手で扱いていく
時に亀頭の先を嘗めたり、扱く速さを変えたりしながら、丹念にプルルは2人の快感を育てる
更に、くちゅくちゅと厭らしい水音が彼らを高ぶらせた
こちらもケロロと同じように一分と掛からずに限界に達し、彼女の顔へと欲望をぶちまけた
「くうっ!」
真っ白なシャワーを浴び、彼女の顔は淫らに染まっていく
噎せ返る匂いの中で、プルルはただ恍惚の表情でそれを浴びていた
ケロロは、うまく動かない身体を動かし、どうにか上体を起こした
――心臓がバクバクして、体が沸騰しているかのように熱い
――訓練所のマラソンでしんどいほど走らされたときに似た感覚だけど、何か違う
初めて射精を味わったケロロの胸中には、そんな感想が浮かんでいた
ギロロたちも、脳天を突き抜けるような甘美な刺激に、体中が震えている
一体何が起こったのか…彼らには解らなかった
「ん…はぁっ!」
余韻で朦朧としているケロロたちを尻目に、プルルは自分を慰めていた
薄い筋に指を這わせ、解すような手付きで愛撫していく
幼い身体はたちまち汗で淫らに輝いていき、彼女もまた快楽の中へと飛び込んでいた
「もうちょ…っと……ひぐッ!!」
すみれ色のしなやかな背筋が、びくりと震える
頃合を見計らい、プルルは膣口から指を引き抜くとケロロたちの方へ向いた
「みんな、最後に…気持ち良いことしようよ」
「…?」
「さっきのテレビでやってたみたいに……あたしたちも、ね?」
全く流れが理解できぬ中、ケロロたちがただ1つ解っていた事があった
それは、さっき達したあの快感を、また感じたいという衝動だ
だがそれに先立って、自制心が彼らの中で働いていた
「でも…これっていけないことじゃ…」
ゼロロの言うとおり、ケロロやギロロもモジモジしていて実行に移せるような状況ではない
そこでプルルは止めとばかりに、あるものを3人に見せる事にした
「ほら…コレ……」
「!!!」
プルルは自分から脚を開き、粘液と汗で濡れた秘所をケロロたちの目に晒した
ピンク色に熟れた蕾は僅かにヒクついている
あまりにも刺激的かつ衝撃的な光景を見て、3人は言葉を失っていた
更にプルルが指で押し広げて、その膣内までを彼らに見せ付けた
「女の子の…ココに、男の子の…を、挿入するんだよ」
「ソー…ニュー?」
「わ…すげ…」
「そして、このナカに入れたり抜いたりすると、すっごく気持ちいいんだよ」
「ほ、ほんと?!」
「入院してると退屈でしょ?だから、あたし夜はいつもこうしてたの…びっくりするほど気持ちよかったから、みんなでするともっといいと思って…」
流石にそろそろ恥ずかしくなってきたのか、プルルはいそいそと脚を閉じた
だが、ケロロたちの目には先の光景が焼きついて離れない
幼い彼らが性的衝動に身を任せるのに、そう時間はかからなかった
ところが、いざというところで問題が露呈した
プルル1人にケロロたち3人…いくらなんでもこれでは行為以前の問題だ
たちまちケロロたちは、誰がプルルと寝るかということで口論となった
「じゃあさ、俺からプルルにするー!」
「ずっ、ずるいぞケロロ!こういうことはジャンケンで公平にだな…」
「あわわわ…2人とも〜」
「ふふ…大丈夫、みんないっしょに良くなればいいんだよっ」
みっともない言い争いをしていたケロロたちは、プルルの言葉にきょとんとした
言ってやるよりまず実行…と、プルルはケロロを寝かせた
置いてきぼりを喰らった形のギロロとゼロロは、またさっきみたいに待機している
やっかみの視線が気になるが、構わずケロロとプルルは続けた
「まず、ケロロ君から…いくよっ?」
「…うん」
「ケロロ君はなにもしなくていいから…」
そう言って深呼吸をしたプルルは、まだ適度に硬さを帯びているケロロの陰茎へ、腰を下ろしていく
柔らかな花弁が先端に触れるたびに、ケロロは次に待っている快楽を想像して、更に自身を怒張させていた
「んっ…」
にゅる…と、膣口が根の先端から包むように挿入していく
ケロロとプルルの腰が、ゆっくりと近づく
しかしその時、不意に何か突っ張るような感触を感じて、ケロロはプルルの動きを止めた
「ちょ…プルルちゃんストップストップ!ナニか引っ掛かってるってば!」
「ああ、大丈夫…それ、あたしの処女だから…だいじょ…んん"ッ!!」
突然、その行き止まりが破られ、プルルの身体が一気にケロロと密着した
膣内のあまりの気持ちよさに、再びケロロは身体を引き攣らせる
一方で、プルルも覚悟していた処女開通の痛みに、身体を強張らせた
「ーーーーっ!!ーーーーッッ!!!」
声にならない悲鳴を上げつつ、悶えるプルル
膣内でギリギリと締め付けられ、ケロロもがくがくと肩を笑わせた
「見てよギロロ君…つながってるよ…?」
「あ、ああ…」
目の前で行われる性の営み
ギロロとゼロロも傍観し続けるのはもう限界だった
呼吸を落ち着かせ、破瓜の痛みをじんわりと受け入れたプルルは、息も絶え絶えにギロロたちに視線を泳がす
「ッ…じゃ…あ……ハァ、次は…ギロロ君の番……だよ」
「大丈夫…なのか?」
「ギロロ君…には、こっちで…んっ……」
ヒクつく体を動かし、プルルはギロロに見えるようにお尻を突き上げた
「え…?だって、そっちは違う…」
「いいのっ!ここ…にも……はいる…から」
「ギロロ君、はやくしないとプルルちゃんが!」
「お、おう…」
戸惑いつつも、ギロロはプルルのしっぽを押さえ、アナルに手をかける
膣口から滴る粘液のおかげで、ある程度はほぐれてはいるようだった
「さっき…寝るときにトイレにいったでしょ?だから…大丈夫だよ…」
「じゃ、じゃあ入れるぞ?」
「ん…っ」
熱く焦れたギロロの塊が、じりじりとプルルのおしりを熱くしていく
体内に2つ目の男根が挿入され、心臓を掴まれたかのような苦しさがプルルを襲う
処女開通の痛みだけでも相当なものだったのに、肛壁の拡張をも伴う苦しさは想像を絶していた
しかし、返ってその痛みや苦しみが、背徳的な快楽を生む土壌にもなり得ていた
プルルの背中に密着する形で挿入し終えたギロロは、大きく吐息を吐き出す
予想以上の心地よさに、ギロロは眼を丸くした
「プルルちゃんの…スゴい…」
「え…へへ」
「ね、ねぇ…」
「お?どったの…ゼロロ?」
見ると、ゼロロがじっとこちらを眺めている
とても物欲しそうな眼だ
だが、もうゼロロが入れる隙間は無いに等しかった
二穴はケロロとギロロが使っているし、あるとすれば…
「ゼロロ君は…コッチに来て」
「う、うんっ」
プルルは自分の脇に立つようにとゼロロに指示をした
「ここで…いいの?」
「うん…さ、あとは私に任せて…ね」
「ひゃあっ!」
不意に、プルルはゼロロの勃起している陰茎を口に含んだ
ケロロにしていたように、プルルはゼロロを口で奉仕しようというのだ
さっきは手コキだったので、彼にとっても新鮮な感覚だろう
ゼロロは腰をおろさないように、ガクガクと震える足で必死に踏ん張っている
その様子が微笑ましかったのか、プルルはくすりと笑った
「んぷ…じゃ、もうあたしもいいみたいだから……動いて…いいよ」
「そ、そんじゃあ…」
「行く…ぞ」
「ぷっ…プルルちゃん!」
彼女の言葉を皮切りに、ケロロたち3人は思い思いに蠢き始めた
プルルの負担も相当なものだったが、それらはすべて快楽が打ち消していく
…今、少年少女たちの夜は、本当の意味で始まった
膣内を暴れるケロロと、アナルを蹂躙するギロロと、口内を埋め尽くすドロロ
若き少年達の躍動は、プルルの可愛らしい肉体を淫らな絵の具で染めていった
「んん゙ーーっ!!んふっ、んあ…うはぁあっ!!!」
「プルルちゃっ…ま、マジ…スゲえって…ひっ!」
「っはぁ、きもちいい…これっ、ホントきもちいい…!」
「んひゃあっ!ダメだよプルルちゃ…ひゃっ!出ちゃうっ!!」
「も…なんだよゼロロ〜…ん……オンナノコみたいな声…出して……」
「…ふゔッ、んふううぅううぅうっ!!」
「プルル…ホントのホントに大丈夫…ッ?」
涙をボロボロと流しながら、プルルは必死に首を縦に振った
純粋に快楽を味わっていたケロロたちとは違い、プルルは3人の熱を受けて、体の芯まで火照っていた
まるで己の体ではないかのようにうねり、快楽を加速させていく自分…
プルルは、ある種の倒錯的な状態に陥りながら、快感に身を委ねていた
「ここ…すっごくぬるぬる…してる」
「ひゃ、んああっ!ケロロ君、そこ…ダメぇッ!!」
ケロロはびしょびしょになった腰回りから、粘液をプルルへと塗りたくった
汗と涎と、涙と愛液とで淫らに体を湿らせながら、ひたすらにプルルは喘ぐ
ギロロからは首筋にキスをされ、ドロロを手で扱いたり口で銜えたりと、体がガクガクになっても彼女は共に快楽を共有する事を求めた
そして、動き始めてから10分も立たないうちに、4人は限界へと引きずり上げられていた
「あ…あのさ、プルルちゃん…なんかさ…また出るみたいなんだケドさ…」
「こっちも…もう…」
「ドロロ君も…も…ダメみたいね……ふ、んっ!は……じゃ、あ、あたしの……ナカに…みん…な…んふっ、だッ…出して!!」
懇願するような言葉とは裏腹に、プルルは自分から腰を動かし始めた
より一層増した快感に、ケロロやギロロは涙を流しながら喘いだ
もう男も女も関係ない…互いに性的な快感を感じ続けた4人は、まるでひとつに解けてしまうような錯覚に陥りつつ、限界を迎えた
「プル…ちゃ、んあっ!ひゃ…ひぎぃいっ!!!」
「ぐうぅッ…うっ、あっ!うはあぁあっ!!」
「ひああっ!出るッ!!ボク…ふああぁっ!!!」
「…ッッ!!イっ…イぐゔぅ゙ううう!!はっ…あああああああっっ!!!!!」
口を、腹を、腕を、顔を、股間を、全身を…
ケロロたちは同時に達し、全ての欲望をプルルの身体へと刻み込んだ
まるで頭から熱湯を被されたかのごとく、熱の真っ只中でプルルは気絶してしまうぐらいの絶頂を感じ、そして倒れた
それぞれ全てを出し切り、大きく息を荒げながら、いっしょにくっついて倒れるケロロたち
精神を朦朧とさせるほどの衝撃の中で、彼らはしっかりと手を繋ぎ、そのまま夜の闇へと意識を飛ばしていった
「地球はどうだったプルル看護長」
「はいっ、とても楽しかったですっ」
地球から去っていくガルル小隊一行
ガルル曰く"燦々たる"結果だった内定調査の記録は、トロロによって一部改竄が進められていた
遠くなっていく地球を見つめつつ、プルルもまた昔日の情景に思いを馳せている
あの激しい交情のあと、しばらくプルルは入院生活を送っていたが、夏休み明けに訓練所へと復帰していた
しばらくゆっくりとプルルに会えないと思っていたケロロたちが驚いていた様子が、まるで昨日の事のように思い出せる
まるできら星の如く、あっという間に過ぎ去っていった幼年訓練所時代
自ら進んで幼少時の姿を維持していたプルルは、郷愁に浸りつつ地球を後にしていった
(元気でね、みんな…)
たった一度だけのあの乱交を思い浮かべ、プルルは頬を染める
遅々として進んでいない侵略…かつてプルルがいなかった頃にガルル小隊とケロロ小隊が戦闘した事があった
侵略を怠っているケロロ小隊がケロン軍的に見てもあまり良くないものであることはプルルもよく解っているつもりだ
ということは…次に彼らに会うときは、もしかするとまた戦わなければならない時なのかもしれない
だが、プルルはそうは思っていない
(お互い頑張ろうね、ケロロ君…っ)
彼らは親友で、大好きな人で、とても楽しい仲間だ
信頼に満ち足りた表情で、プルルは労いの言葉を胸に秘め、見えなくなるまで地球を見つめ続けた
【THE・END】